珠海航空ショーは中国最大の航空分野に関連した防衛装備品の見本市で本来なら昨年開催される予定だったのだが、世界的に蔓延している新型コロナウイルスの影響をうけて1年遅れで開催に漕ぎ着けたため幾つも興味深い発表が行われている。
参考:China to reveal new progress on next-gen carrier-based fighter in 2021: chief designer
参考:Electronic warfare, high-speed stealth UAVs star at Airshow China, offering enhanced battlefield resilience, coverage
参考:J-20’s production capacity can meet PLA Air Force demand: maker
参考:China unveils ‘loyal wingman’ armed drone concept
FC-31/J-31の開発責任者が「年内に次世代空母で運用される艦上戦闘機について新しい発表がある」と予告
珠海航空ショーで展示や発表が行われなかった第5世代の次期艦上戦闘機について第1世代の艦上戦闘機「J-15」や輸出向けの第5世代戦闘機「FC-31/J-31」の開発責任者を務めるSun Cong氏は「年内に次世代空母で運用される艦上戦闘機に関する素晴らしいニュースを届けることが出来る」と珠海航空ショーの記者会見で述べており、もしかすると数ヶ月以内に噂されていた主翼の折りたたみ機構を備えたステルス艦上戦闘機「J-35」に関する発表が行われるのかもしれない。
瀋陽飛機工業集団が開発を進めている「FC-31/J-31」は輸出向けの第5世代戦闘機だが本機をベースにした中国海軍向けのステルス艦上戦闘機が開発されていると噂されており、今年の7月には主翼折りたたみ機構を備えたFC-31/J-31が確認されている。
事実かどうかは不明だが中国海軍向けのステルス艦上戦闘機はJ-31ではなく「J-35」という名称が与えられているとの噂もあり、J-35のプロトタイプはバージョン違いを含め複数あるらしい。
すでに実戦配備されている第5世代戦闘機「J-20」については「一般公開された珠海航空ショーでWS-10Cを搭載する機体が初めて披露された」という位しか目立った話題がない。
中国が開発した「WS-10C(147kN)」はJ-11やJ-16に搭載されているWS-10シリーズの一つで、初期型のA/Bよりも推力が強化され鋸歯状の処理が施されたエンジンノズルを備えており、ロシア製AL-31F(145kN)を装備したJ-20と比較してWS-10C搭載機は機動性とステルス性能が改善していると中国側は主張している。
Finally and long awaited clear images of a WS-10C-powered J-20A at Zhuhai showing some sort of new grey RAM edge treatment replacing the former RAM one. 🤔
Unfortunately no serial numbers are visible … 😖 pic.twitter.com/H1Tqc11YN2
— @Rupprecht_A (@RupprechtDeino) September 25, 2021
このWS-10Cを搭載したJ-20は2020年段階で存在が確認されており、今年の夏には本機を装備した「新しい航空旅団」が北部戦区の遼寧省鞍山市に配備されたと国営メディアが報じていたため、珠海航空ショーでWS-10C搭載機が披露されたという話題に管理人的は余り興味を惹かれない。
ただしJ-20の開発関係者は珠海航空ショーで「同機の供給能力=つまり中国空軍が要求する量に製造能力が対応できるようになってきた」と言及、恐らくWS-10Cの性能と供給量が安定してロシアからの輸入に頼っていたAL-31Fに依存しないJ-20製造が軌道にのったと言いたいのかもしれないので、この発言は中々興味深いものがある。
無人機分野への投資を拡大し続ける中国、また新しい無人機を珠海航空ショーで披露
中国航天科技集団有限公司(CASC)が珠海航空ショーで初めて披露した複数の無人航空機は海外メディアからも非常に注目を集めている。
まずFH-97と呼ばれる無人航空機は米国の低コストのステルス無人戦闘機「XQ-58A ヴァルキリー」によく似た形状をしており有人戦闘機とのチーミングやスウォーム作戦に対応、長距離を飛行できるだけの航続距離や異なる複数の兵器を搭載することができウェポンベイを備えており、有人機のロイヤル・ウィングマン(忠実なる僚機)と作動するらしい。
#China #UCAV #FH-97 pic.twitter.com/BhK1OG9Tvz
— EyesInSky (@0verHorizon) September 27, 2021
#Drone Bay of #FH-97’s : Likely location where #FH-901 UAVs will be housed within……before their launch pic.twitter.com/BGt4JeC0AT
— EyesInSky (@0verHorizon) September 29, 2021
さらにFH-97はFH-901と呼ばれる小型ドローンを搭載することも可能で、遠距離の飛行能力が乏しい小型ドローンを戦場近くまで運搬して敵の防空網を混乱させる囮として使用したり、徘徊型ドローンとして地上や海上の敵戦力を攻撃もしくは対応力に負荷を強いることに用いることが出来ると説明している。
次はFH-95と呼ばれる電子戦や偵察・監視に特化した無人航空機(簡易の武装も可能)で12時間以上の滞空能力と衛星通信(オプション)に対応しており、特定の地域や海域に定点監視や電子戦支援を提供することができるらしい。
FH-97とFH-95の開発者は環球時報の取材に対して「早期警戒機、電子戦、ステルス戦闘機、高度なミサイルシステムの登場でますます複雑化する将来の戦争ではUAVが戦場での生存性や侵入能力を左右する存在になる」と語り、特に無人の電子戦ドローンは敵防衛エリアの外側から影響力を行使することができ「有人機との戦術的なフェイントや飽和攻撃を仕掛けるため不可欠なツールになる」と主張しているのが印象的だ。
因みに中国は今回の珠海航空ショーで、2019年に軍事パレードで披露した高高度超音速無人機「WZ-8/無偵-8」や非常に珍しいタンデム翼構成の高高度無人機「WZ-7/無偵-7」の実機を展示、さらにCH-6と呼ばれるジェットエンジンを2基搭載した新型の無人機も披露しており、すでに発表・公開済みの無人機や小型ドローンの展示も加えればおおよそ数十の無人機ラインナップを披露したと言えるので、どれだけ中国がこの分野に資金を投資しているのかを示していると言える。
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New set of detailed photos of the 🇨🇳Chinese high-altitude high-speed WZ-8 UAV in Zhuhai Airshow 2021
(Via weibo @沉默的山羊) pic.twitter.com/7YRbyRCZWA— Jesus Roman (@jesusfroman) September 27, 2021
🇨🇳 WZ-7, a new Chinese made high altitude reconnaissance drone that will be deployed to South China Sea for maritime patrol. pic.twitter.com/aI8UxbBixp
— Wu Xiaoping 吴小平 (@SilingWu) September 24, 2021
#Zhuhai2021 A part le #drone CH-6, les missiles mis en container qui se trouvent à l’arrière plan sont tout aussi intéressants.
Possible que ce soit le missile Sol-Sol WS-600L, déjà présent au dernier salon en 2018. pic.twitter.com/FJsLeHggXJ
— East Pendulum (@HenriKenhmann) September 24, 2021
高度な能力を備える有人戦闘機やイージス艦などと比較すると、この手の無人機はどうしてもグレードが落ちると感じ「ハイエンドの戦いでは役に立たないのではないか」と錯覚してしまうが、それはこのような無人機が単機もしくは少数で運用された場合の話で、この手の無人機を数十~数百の単位で繰り出しネットワークで接続すれば無視できないほどの戦場認識力=戦場の詳細情報をもたらし、特に光学系のセンサーで収集した情報はレーダーでは認識することが難しい敵の詳細な動きや状態まで把握することができる。
効率な戦闘を実現する上で最も重要なのは攻撃手段の整備と同時に「敵がどこで何をしているのか」を把握する情報収集手段の構築で、敵の位置、敵の種類、敵の状態を敵よりも早く正確に把握できれば敵よりも早く攻撃の優先順位を設定=効率な戦闘が行えるようになる。
つまり中国を含め世界各国が無人機による戦場認識力の拡張を最も重視しているのは、従来の戦い方や装備体系では取得できなかった情報を「いち早く手に入れ敵よりも優れた判断を下せるようにするため」で、恐らく将来の戦争は戦場状況の認識スピードが格段に早くなり戦闘の進行も従来とは比較にならないほどスピーディに行われるはずだ。
関連記事:海外メディアも注目、珠海航空ショーで初公開される電子戦機J-16Dと無人偵察機WZ-7
関連記事:中国、米空軍が脅威だと認識している空対空ミサイル「PL-15」の輸出バージョンを発表
関連記事:中国、日韓に「台湾問題に介入するな」と警告するため北部戦区にJ-20部隊を配備
※アイキャッチ画像の出典:中国航天科技集団有限公司
日本は本当に”何もかもが遅れた国”に成り果てたね
アゲればいいってもんでもないけどサゲればいいってもんでもないぞ
総加速士のおかげで未来に向かって全速前進しているからかなわないな。
赤色偏光して赤く見えます。
「何もかも」とかあやふやで具体性の無い
君の妄想など誰も興味ないのだよ
まさかドローン一つですべてを語ってるわけではあるまいな?
翼の付け根のところあれでステルス性損なわれないのかなあ?
機体を構成する素材や電波吸収のためのコーティングが改良されたとかそういうことなのかな
ぶっちゃけ、今から日本が無人機の導入を積極的に進めてもどうにもならんところまでこの分野で中国との差は開いてるよね。各国に輸出して実戦での情報収集も怠ってないし、無人機分野では中国はもうアメリカに匹敵してる
質は劣り、数は圧倒的に劣る。正面でやり合ったら勝ち目がない以上、本気で中国に備えるなら画期的な対無人機システムを構築するしか道はないだろうね。まあそういう新しい分野への投資がなかったから今の状況がある訳で、全く期待できないが
未知の次世代の技術にいきなり飛躍するしかないね、今ぶつかると悲惨な結果しかない
巨人とは決して同じルールでは戦わないこと
こんな記事見てたら日本が米印豪と同盟組んでいても戦争起こったら勝てないだろうなぁと思うわ、こんだけ技術も数も差があったら勝ち目ないじゃん。
「敵の一部にそう思う者がいる」という状態までもってきた。
それだけでも十分に抑止力として効果があるということです。
実際にできる、使えるかは問題ではない。やはり侮れない国。
無人機を数百の単位で飛ばせるようなリソースのある軍隊なんてあるの?
そもそもどこに置いとく?
夢見すぎなんじゃね?
無人機の種類によるがアメリカや中国・ロシアなら可能。
中国の場合、半導体等の主要原材料を自給できるのでアメリカ等が生産する精密電子機材等を安く製造販売することが出来る。勿論主要産油国では無いので燃料などは輸入が中心と成るが、UACVクラスでも実験・予備機から配備機体まで百機以上製造する能力が有る。
中国がアメリカ型の大型無人機運用に固執しなければ、現時点で最も多くの無人機類を運用可能。大型機を除き野戦滑走路や一般道などでも飛ばせる事から、認識力と情報収集能力強化に空軍以外でも積極的に運用される。
上記を補強する意味合いでも地政学的に熱い南・東シナ海等の上空での運用が中心と成る。今後5~10年の間に海域上空をこれ等の無人機が恒常的に監視するようになる。当然無人機運用数で中国がアメリカを抜くのも時間の問題化だろうな。
三大国なら可能なんだわ
特に中国なんて高度の人材余りまくりだし余裕の極みだよ
まだそういうガラパゴスやってるのさw
人口が日本の11倍で国土が25倍の国はスケールも発想も規模が違うことを悟れよ
物差しが短すぎるぞ
何回も何回も同じ繰り返し書き込みやっててさ、悪いけどチンケな日本人根性丸出しで恥ずかしいよ
もう少し現実の中国の姿を観察して意識を改めろよな
14億人越の意味を考えてから語れよ
大多数は貧民と途上国レベルの人たちだけどなw
古すぎる認識にあきれる
この国の民度こそ低下続けて下手すれば中国以下になってないかい?
中国はこんな国
人口 14億人
軍事費 23兆円
自動車生産数 2500万台/年間
パイロットの育成がOSのインストールで済むのなら
工場で生産しただけ投入できて第二次大戦の戦闘機数みたいになるのでは
中国に関しては自分のテリトリー内で台湾を攻めれるからかなり無理が効く
無人機開発について主要国の感想。
アメリカ「今後の非対称から対称戦闘での必須装備」
中国「飽和攻撃から監視装備の主力」
ロシア「わが国には最強の無人戦闘機(笑)が多数有るので玩具(輸出用機材)の一種」
中近東及びアラブ「テロリスト向けのステータスシンボル」
日本「昔から技研などが扱う実験機」
欧州「政争の道具」
こんなのを3桁単位で飛ばそうとしてくる国にどないせいっちゅうねん、とはいえ対策を怠っていいわけでは無いんだよな。自衛隊の無人機対策も2〜3年後にはそれなりの物が出来そうだし、無論中国がその間歩みを止める訳では無いのは解ってるよ
それなりのもの???ソースは?
期待値込みでしょ。
研究自体はずっとしてるし。
財政再建と平和ボケのツケが来た感じだな
正面装備だけではなく中国世論への干渉等も全くやらなかった日本が悪い
中国の民族対立煽って内戦起こさせるのがあの国潰すには一番早い
武器で戦うことだけが戦争じゃあ無いから日本は早く始めた方が良い
ウイグル、チベット、モンゴル、台湾を積極的に受け入れて、独立支援することだね
すると毎回何故か否定的な声が上がるけど、それ日本人の書き込みかなって(笑)
日中関係が悪化すると経済が影響受けるよって丁寧に脅す人がわく
面白いね
寧ろ日本の方がそれやられてる感有るね。
無人機に無人機ぶつけるだけってのもナンセンスなんだよ元々の頭数が違うんだし
相手の無人機を如何に無力化、もしくはそれに近い状態まで持っていける能力を備えられるかが自衛隊の今後の主な課題だろう
これね
数の暴力はアメリカに任せて日本は電子戦に特化した無人機を作るとか中国の無人機戦略の弱いところをつく無人機を開発した方がいい
こういう有人機と無人機のチーミングってどこまで効果あるんだろ?
そこまで有意義なのかな
1、兵器の搭載量が増える。
2、有人機には出来ない挙動が出来る。
3、斥候として有人機より全面に出せる。
4、失っても痛いのはサイフだけ。墜落の場合は要自爆機能。
敵が発射したミサイルと有人機との間に割り込んで、チャフやフレア以上により確実に有人機を守るのにも役立つだろうね
この方法なら画像認識シーカーミサイルにも通用するだろうし
>1、兵器の搭載量が増える。
は有人ステルス機がステルス性を失わずにだから意義は非常に大ですね。
>2、有人機には出来ない挙動が出来る。
運用構想によりで必ずしも求められるものではないかも。
FH-97の場合は高翼面荷重だが揚抗比の良い高アスペクト比翼で高速巡航を重視した設計と思われます。
横からだけど、SFではよく描かれる「有人機にできない挙動」は有人機以上の機体・機材強度を求められる訳だから、コストを考えればあんまり現実的ではないと思う。
それよりも「有人機には難しい高空性能」の方が有益じゃないかな。
有人機で高度2万3万mとなると乗員の生命維持だけでも大騒ぎだけど、無人機なら機器の結露や凍結さえ防げばいいから必要なコストや技術の桁が違う。
単純に見通し範囲が劇的に広がるし、現行のUAVは機体上面にインテークや垂直尾翼を配置する等、上方へのステルス性を軽視(というか犠牲に)している機体が多いので、頭を取れればそれだけで優位に立てる。チーム内でMIMOレーダーを構築できればなお良い。
>3、斥候として有人機より全面に出せる。
と合わせて認識能力が劇的に向上するはず。
カラスの集団に襲われた事があるが、1羽だけなら
その1羽をずっと見てれば防御も容易いが、
四方八方から次々に襲われたらお手上げやぞ
脱線ですが、いったいいかなる理由でそのような戦場に
公園で鳩の群れに餌やると近い感じになるかな
他国に対して開発も遅れ気味でISR戦力を軽視してきた日本にとって無人機が有意義で無い方が嬉しいのはわかるけど、中国だけでなく欧米やロシアも本腰を入れて投資しているのを有意義では無いと言うのは厳しいのでは?
物量に対す悲観論すごいお〜、次はかの国と友好国になるべし♡なんて書き込まれるのかな.
物量を軽視して喧嘩売った結果第二次世界大戦はどうなりました?(震え)
あとここの皆は悲観してるわけではないからね
ちゃんと相手の力量を見極めて手を考えようねって話で、
ムダな争いは避けるのは常識、誰も戦わずして屈服するなどの犬根性はないよ
通常兵器の物量差>劣勢
通常兵器のサポート役とも言える無人機戦力>これまた劣勢
て話だからね
つーか日本みたいな仮想敵国と比べると物量で圧倒的に不利な側の方こそが、戦闘を効率的に有利に進められるよう無人機によるサポートを充実させて、数で劣る正面装備の生存性、戦闘効率を少しでも高めるべきだろとは思うんだけどね
中国の物量すごいからこそ、日本はそれに対抗できるアメリカとの協調路線をとっているのでは
高性能無人機の運用コストは中国基準でどうなんだろう。面倒な整備しないと飛べません!なのか、使い捨ててOKなのかで、こっちの対応も変えなきゃならん。無人機の時点で使い潰すのは織り込み済みだろうけど
どう転んでも高度なパイロット育てるよりは安いと思う。
時間もコストだし。
中露の長射程ミサイルの記事でも命中率は低い(なお根拠は無しw)てなコメント残すのが毎回居るが米中露はそれを命中させるための投資を大金かけてやってるわけで、無人機やISR戦力の拡充もそれを成すための要素のひとつなわけで、そりゃあ自衛隊が長射程ミサイル持ってもろくに命中させられんだろうが(そのための投資してないんだから当たり前)世界がそうだとは思わん方がいいという事だな
蛙飛び中国
ドン亀日本
政治家しっかりしろ
ありそうだなぁと思ったものは既にあるか、近いうちに実装される段階に達している。軍事分野ではないけど華やかなりし頃の日本が工業的にはそういう立ち位置だったんだよな…。
無人機による飽和攻撃の体制をちゃんと整えられる国があるとすれば、たぶん中国だけなんだろうな
どれもこれも、アメリカとロシアで見たやつだァ
ネット軍師様方は、悲観より、対抗案を書いてみてはいかが?
勘違いした上から目線要らんから
賢いつもりなら、どうぞ先にご提案を