中国海軍は、海上自衛隊が10月14日に行う観艦式に艦艇を参加させるため、東海艦隊所属の昆明級(052D型)駆逐艦10番艦「太原」が浙江省舟山市の港から出港した。
参考:Chinese destroyer sets sail for Japan for multinational fleet review
滅多に見ることが出来ない中国海軍の駆逐艦が日本で一般公開
海上自衛隊が10月14日に行う観艦式には、7つ国(米国、英国、カナダ、オーストラリア、中国、インド、シンガポール)から11隻の艦艇が参加する予定になっており、特に中国海軍が日本の観艦式に艦艇を派遣するのは初めてのことになる。
中国メディアは今回の観艦式参加について、日本と領土紛争が続く中、軍事レベルで関係改善を行う一貫として艦艇派遣を決断したと報じている。
中国海軍が観艦式参加のため日本へ派遣するのは、東海艦隊所属の昆明級(052D型)駆逐艦10番艦「太原」だ。
昆明級駆逐艦は、固定式のフェーズドアレイレーダーを搭載し「中国版イージス艦」と呼ばれた蘭州級駆逐艦(052C型)の改良型で、フェーズドアレイレーダーの問題点(放熱問題)解消やシステムの改善を施し防空能力を向上させた比較的新しいタイプの艦艇だ。
しかし、中国海軍には昆明級駆逐艦よりも新しい駆逐艦がある。

出典:星海军事 / CC BY-SA 3.0 055型駆逐艦のイメージ
今年、中国海軍設立70周年を記念した観艦式で披露した「055型」駆逐艦は、米国のタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦を上回る大型艦(基準排水量12,000トン)で、これは中国版イージス艦といわれた、前級052D型駆逐艦から進化・発展した、正真正銘、中国海軍の最新鋭駆逐艦だ。
この艦には、2種類のアクティブ・フェーズドアレイ・アンテナ(AESA)を搭載し、112もの垂直発射セルを装備、射程が200kmあると言われている長射程艦対空ミサイル「HHQ-9A」や、西側兵器のSM-2に相当する艦対空ミサイル「HQ-16」で空母を中心とする艦隊防空を引き受け、艦対艦ミサイル「YJ-18」、艦対地巡航ミサイル「CJ-10」(CJ-10の亜種、射程が800kmに延長されたYJ-100を搭載している説もある)、垂直発射型対潜魚雷などで武装している。
中国海軍は艦対空ミサイルのHHQ-9A(長射程・低空目標は苦手)とHQ-16(中射程・低空目標が得意)の実用化で、宿願であった艦隊防空の多層化が実現し、西側レベルと遜色がなくなったと言われており、文字通り地中国が誇る「最強」の水上艦だ。
もし今回、就役したばりの「055型」駆逐艦の1番艦「南昌」が日本へ派遣されていれば、大事件(各国の海軍関係者が殺到)になっていただろう。
中国海軍は今回の派遣期間中、関係者を招き「太原」の艦内でレセプションを行うと表明しており、さらには船の一般公開(艦の甲板公開のみ)も予定されていると「太原」の副艦長が明らかにしているので、停泊港のお近くにお住まいの方は、滅多に見ることができない中国海軍の駆逐艦を見学できるチャンスだが、問題は「太原」が何処に停泊するのかだ。
観艦式に参加する海上自衛隊の艦艇は横須賀、横浜、木更津に分かれて停泊するが、中国海軍の駆逐艦「太原」が何処に停泊するかは不明なままだ。
※10月10日、横須賀港に入港したと報道されている。
台風19号の接近で、それどころでは無いかもしれないが滅多に無い機会なので、興味のある方は是非チャレンジしてみて欲しい。
※アイキャッチ画像の出典:海防先锋 / CC BY-SA 4.0 052D型駆逐艦
平時であればこのような交流も可能だろうけれど、よく聞く「交流を通じて相互理解を深めて平和構築」という理屈は順番が入れ替わった眉唾物の話だと思う。
どの国を招待するかは自由だけれど、同じ舞台に立たされる米軍の心中はどうなんだろうか。
まあアメリカさんもオバマ政権時代はRIMPACに中国招待したりしてましたし。(あちらの非礼で出禁になりましたが)
>地中国
埋めちゃダメですよ