中国政府は米国の防衛産業を狙ったレアアース(希土類)の輸出規制を検討中で、特にロッキード・マーティンが製造する第5世代戦闘機「F-35ライトニングII」に打撃を与えること狙っているらしい。
参考:China explores rare earth export curbs to target U.S. defence industry: FT
中国の輸出規制が長期間維持されれば米防衛産業全体がレアアース不足に悩まされる可能性も
ロイターは16日、ファイナンシャルタイムズの記事を引用して「中国政府が米国の防衛産業を狙ったレアアースの輸出規制を検討中で、輸出規制を実施することでF-35の製造に打撃を与えることができるのか中国政府の高官が知りたがっている」と報じており、恐らく台湾への武器販売に対する報復措置である可能性が高い。
問題は中国がレアアースの輸出規制を実施した場合、本当に米防衛産業に影響を与えることが出来るのかだが防衛装備品製造に使用されているレアアースの量をまとめた米議会の報告書によればF-35を1機製造するのに920ポンド(約418kg)、アーレイ・バーク級駆逐艦を1隻製造するのに5,200ポンド(約2,358kg)、バージニア級原子力潜水艦を1隻製造するのに9,200ポンド(約4,173kg)のレアアースが必要で、特にF-35やジャベリンの製造に不可欠な「ネオジム(ネオジム磁石を製造するのに必要)」の供給は中国がほぼ独占(年間供給量の98%)している。

出典:U.S. Air Force photo/Tech. Sgt. Brandon Shapiro
そのため2019年に米国政府は重要物資の国家備蓄リストにネオジムを6ヶ月分追加することを検討していると報じられたが本当にネオジム備蓄に動いているのか不明で、さらに休眠状態から再稼働した国内のレアアース鉱山「マウンテンパス」は採掘されたレアアースは全て中国に出荷されており同鉱山を所有するMPマテリアルも中国人投資家が食い込んでいるという状況だが、米国資本100%の企業が中国以外の地域でレアアース鉱山の開発に乗り出す動きが加速しているため中国の規制が本当に米防衛産業に影響を与えることが出来るのかやってみないと分からない。
補足:中国はレアアース精製や加工も独占状態で最近ではネオジムをそのまま輸出するのではなくネオジム磁石に加工して輸出する比率を高めており、米国も国内のネオジム磁石加工能力を確保するため新工場の建設や日立がノースカロライナ州に所有していたネオジム磁石製造工場をUASレアアース社が買収するなど活発な動きを見せている。
ただ中国に頼っているレアアース供給を全て賄えるほどの供給体制が整っているとは思えないので、中国の輸出規制が長期間維持されれば米防衛産業全体がレアアース不足に悩まされ兵器製造に支障を来すかかもしれない。
関連記事:F-35製造に影響も? 中国の対ロッキード・マーティン制裁はレアアース輸出制限か
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air National Guard photo by Tech. Sgt. Ryan Campbell
これぞ平時における見えない戦争です
見える部分だけで判断して、平和と戦争を対立する別物と見なす論もわからんではないが、
現実には平時にやりそこなった結果が戦争や敗戦につながるわけで、両者は連続した運動なんですよ
こういうことがあるから日本の海底に眠っているレアアースの商業化プロジェクトを頑張ってほしい
レアアース輸出規制って前に対日本でそれやってアウトになったばっかじゃん
普通に貿易戦争またアメリカにふっかけられて中国が屈辱味わうだけじゃねえの
特定の国や地域への資源の依存はレアアースに限らずあまり好ましくないから、調達先や備蓄を増やすのはそらまあそうでしょうって感じだし
地道な嫌がらせの積み重ねと笑っておけば
露骨な規制かければ米国から別の倍返しが来るから中国も痛いし、
こうやってお前が嫌いなんだアピールを続ける政治的感情の露呈
どんな国家もありふれた人間の集まりに過ぎないから、知性も愚かさも人間の数だけ増長されてるってことですよ
記事とは関係ないけど軍事縛りで毎日書くネタがよく続くもんだね。
日本の何とか掘り起こして、クワッドの、国に安くで売れないものか?
掘り出すも何も、海底資源の話なら採掘技術すらまともに成立してないよ
都市鉱山の線も。
ぶっちゃけF-35を直接堕とすのと原材料止めて生産できなくするのは結果的にはおなじだからな。コスパのいい方を取るわな。
レアアースは中国が環境破壊無視で掘って価格の安さを武器に独占してるだけで他の地域でも取れるし
市場規模も大したことは無い割に政治的なダメージが大きくて
レアアース規制って割に合わないと思うのだがなあ
アメリカ相手に他に取れる手が無いから
「レアアース」と一口に言っても「軽希土類」と「重希土類」があり、
前者は世界中に分布しているが、後者は偏在性が高い。
深海底にはどっさりあるよ。
ただ採掘技術を確立すれば値崩れするし、
おそらく中国もダンピングで潰しに来るだろうから
商業的に元が取れなくて手が出し難いだけ。
中国依存をバッサリ断ち切る覚悟を決められるなら、
日米+αで国策として採算度外視して採掘、みたいな手もなくはない。
当然中国はありとあらゆる圧力掛けて邪魔しに来ると思うけどね。
深海だから採算性とか技術的な問題があるのだろうけど、
鹿児島湾奥部海底のように比較的浅い海底なら改善しないかな?
また鹿児島湾奥部海底って、要は姶良カルデラが供給源だろうから、
同程度に活動しているカルデラ湖とか他にあれば、そちらでも期待出来るかも。
ネオジムの産出地はマジで中国に偏っているからネオジムを使用しない永久磁石の代替技術でも実用化されないと世界の中国依存は止まらないと思う。
日本のEEZで予備採取が進んでいる海底レアアースは、
「軽」なんでしょうか、「重」なんでしょうか。
南鳥島周辺の海底レアアース泥のことだとしたら、
「軽希土類」 ・・・ セリウム、ユウロピウム
「重希土類」 ・・・ ジスプロシウム、テルビウム、イットリウム
とかが採取されている。
少なくとも「重」の内産業等で重要度の高いジスプロシウム、テルビウム、イットリウム辺りの資源量は「世界消費の数十年分」規模とされてます。
リンク
確かにどこでも取れるっちゃ取れるけど、環境への影響もでかいし何より自国で取るとコストがえぐいんよ・・・
過去に日本が中国からレアアース規制された時
代替え品を開発して
中国のレアアースの価格が暴落したことあったな
それが出来ればいいけど
日本企業にとってビジネスチャンスですな
どうせ米企業はこんな地味な事業やりたがらないだろうし
だけどアメリカだけというわけにもいかないだろう。
日本を筆頭に輸出すれば、日本各国で加工して輸出すればいいだけの話になると効果がない訳でそうなると至る所に飛び火して、今度は自分の首を絞めると言う発想がないのかね?
以前にレアメタル規制がほとんど効果がなかったことに懲りてないのかね?
♪(生産が)止まらない未来を目指して~
貴方に炎の矢あぁ!
こんなことしても余計に米国から反発くらうだけじゃないかなぁ
F-22と同じくいろんな理由をつけてF-35の生産も中止させたいんだろ。
陳腐化、コスト、次世代機が・・・とかさ。
やっとAやBの配備が始まってCも試験が終わったりしてたけど、配備も送らされるんだろ。
特にCは空母に積めるからめちゃくちゃ送らされるだろ
中国の中で、戦争開始の年月がもう決定しており、そこに合わせて日米の武装が貧弱になるタイミングなどを
計って禁輸をしてくるのであれば、相当深刻な話。
単なるバイデンの”タマの座り方”を見る為の揺すりなのか、決まった戦争計画に則ってるのかで全然違うわな。
中国の狂ったような建艦を見てると、まるで戦争開始の予定日が決まってると見えなくもない。
じゃないとあんだけの数を揃えてずっと平和が続くと艦隊維持費用が持たんやろうから。
既にレアアース責めをクリアしてる日本が同陣営にいる以上、
米に対するレアアース責めも短期的な効果しかない訳だけど、
その「効果のある短期間」の内に何かやらかすつもりの
可能性は十分にあるよね。
何か日本が中国のレアアース依存から脱却したみたいな書き方だけど、まさか本気で言ってないよね?
レアアース責めをクリアした、としか言ってないよ。
現在は共依存の状態だね。
レアアース調達先の多元化、リサイクル技術の開発、製品にレアアースそのものを使わない技術を開発
かつて日本がやったようにアメリカもやるだけでしょ
つーか中国のレアアースって環境破壊上等で採掘してるから中国人民にとっては採掘なんか止まったほうが嬉しいだろうな
そもそも日本は普通に中国から輸入してたけどね。
マスコミが禁輸だなんだと煽ってたときも。
輸入がとめられたことは一度もないよ、環境負荷を考慮しての数量規制はあったけど。
規制を防衛産業に限定してできるなら、そもそも市場の規模が小さいからコストかかる代替品の開発にはてこずるかも?
WTOから中国を排除するのが先では