香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙(SCMP)は31日、中国は赤外線センサーの精度と冷却技術でブレークスルーを達成したため「極超音速兵器は核戦争ではなく通常兵器を使用した戦争で決定的な役割を果たすことになるだろう」と述べている。
参考:China says it has hypersonic missiles with heat-seeking tech – years before US
極超音速兵器を構成する技術開発で両国間に何年の技術的格差があるのかは謎だが、、、
1980年代~1990年代にかけて莫大な資金を赤外線センサー開発に投資した米国は同分野で最も優れた技術を保有しており、THAADを始めとするミサイル防衛システム開発に役立てられたものの米国の赤外線センサー技術は空気密度が薄い高高度で使用することを前提にしているため密度が濃い高度を飛行する極超音速兵器の誘導には不向きで、米国の国防高等研究計画局はロッキード・マーティンやGEといった企業に極超音速兵器向けの赤外線センサー技術開発を2020年2月に発注(開発完了は2024年以降)している。

出典:DARPA
つまり空気密度が濃い高度をマッハ5.0以上のスピードで飛行することで発生した高温の熱が赤外線センサーの感知を阻害するという意味で、敵ミサイル防衛システムを貫通して地上の固定目標を破壊することだけに能力が限定された第1世代の極超音速兵器(極超音速滑空体/HGVや極超音速巡航ミサイル/HCM)について中国は「核兵器を運搬する以外に価値が見いだせない」と指摘おり、移動中の目標を攻撃することができる第2世代の極超音速兵器の実用化には赤外線センサー保護素材の冷却性能を高めなければならない。
この問題を解決するため様々な方法を試してみたものの効果がないか冷却機構が複雑過ぎて失敗、最終的に行き着いたのは複数の国が開発に取り組んでいる保護素材表面に空気の薄い膜を作り出す手法だがコレは気流を乱してターゲットの赤外線信号をぼかしてしまいセンサーの感知力や正確性に問題を生じさせるため、中国の赤外線センサー開発を主導する李氏のチームは音速の3倍以上で低温の不活性ガスを発生させる小型軽量デバイスを開発(数十もの微小渦発生させて気流の乱れも解消)して信号の歪み発生を抑制、さらに新しく開発した数学モデルでぼけた赤外線信号を正確に補正することにも成功。

出典:Public Domain B-52Hに搭載されたAGM-183A
この開発過程で重要な役割を果たしたのが長沙にある風洞設備で「米国の技術を使用した整備と比較して120倍以上の解像度で空気の流れを観察できる独自の技術が採用されている」とSCMPは記事の中で説明しており、幾つも技術的なブレークスルーに支えられ移動中の目標を攻撃することができる第2世代の極超音速兵器開発が進んでいるが、米国は第1世代の極超音速兵器開発(HGVの試射に3回連続失敗中/HCMのプロトタイプ試射に成功)に手間取っているため「中国はこの分野で米国よりも数年は先行している」と主張している。
人民解放軍から軍事科学技術に発展に寄与した功績を認められ国家最高科学技術賞を受賞した李氏の赤外線センサー開発チームは「高度な赤外線センサー技術は極超音速兵器を精密誘導兵器に昇華させることに役立ち、移動目標を効果的に攻撃できる極超音速兵器を保有する国はコレもたない国に対して絶対的な優位を獲得でき、伝統的な戦争における戦略的な深さを無効化して全ての政治、経済、軍事な重要資産が攻撃のリスクに晒されるようになる」と述べているのが興味深い。
極超音速兵器を構成する技術開発で両国間に何年の技術的格差があるのかについては謎だが、中国が実戦配備している極超音速兵器を米国はまだ持っていないというのは事実であり、本当に移動目標を攻撃可能な極超音速兵器の実用化に中国が成功するなら、、、うーん正月中はあまり考えたくない。
関連記事:米空軍が極超音速兵器AGM-183Aの試射に3回連続で失敗、2021年中の量産開始は不可能に
関連記事:米軍ナンバー2の警告、極超音速兵器のテストを過去5年間で米国は9回VS中国は数百回
※アイキャッチ画像の出典:MDAA HGVのイメージ
核に使うんだったら大雑把でもいいからな~
一方アメリカは気候変動とかにうつつを抜かしてるし、ブラフだったらいいけど‥心配になってくるよ
「最終的な抑止は核」という言葉が浮かんだ。
抜きつ抜かれつが兵器開発の常かもしれんが、例え中国の主張が本当の事だとしても、核保有国を追い詰めることも出来んでしょう。
なので無理な軍拡は結局は身を滅ぼす。
移動目標を狙える精密弾頭ならわざわざ核を載せなくてもいいけど、あえて載せて戦略兵器とすればさらに有効なはずだから、
この情報は中国がアメリカとの全面核戦争は避けたい、あくまで通常兵器の陣取り合戦で勝利を得たいという意思表示と読んだけど。
逆に言えばアメリカを追い詰める一歩手前のことまではできるようになったというわけで
今までの対艦弾頭ミサイルは核弾頭だったから事実上使えなかったけど、これが本当なら中国軍はアメリカの空母艦隊を遠距離から一方的に通常弾頭で撃破できるようになったということだから、身を滅ぼすどころかアメリカと中国の勢力や国際的立場が逆転する可能性がかなり高まってきたということに
今まで命中率に議論の余地があった対艦弾道ミサイルに変わり、本当に精密な終末誘導が出来る滑空体を実用化してしまったという事なんですかね。だとしたら同兵器の射程内にある空母も艦艇も移動式地対空ミサイルシステムも完全に無意味ですねこれは。すごいことするなぁ。
米国や日本が充分な対抗手段の準備なしに解放軍がこれを配備してしまえば、列島線の内外に関わらずこの兵器の射程内に中国の敵が存在していられるのは単に解放軍がまだ発射ボタンを押す気を起こしていないだけ、という状態が出来てしまう…
中国の対艦弾道ミサイル(DF-21DやDF-26)はMaRVを搭載している極超音速兵器になります。
今より命中精度は向上しますのでHGVやHCMと一緒に使用されるかもしれません。
本当に実用化されたら、中国の世界征服を止める手段は核攻撃しか無さそうですね。
せっかく戦力化に光が指したフォードも無用の長物。
プーチンも習近平の家臣になるしかないのか?
いや、赤外線センサーを高熱から容易に保護する手段が有るんなら、核弾頭を装備した弾道ミサイルを邀撃する為の迎撃ミサイル用赤外線センサーも簡単に作れるだろうから、核攻撃さえも防げてしまう可能性が有る。
つまり、太平洋戦争中に日本海軍がレーダーの差で米海軍の前に惨敗した程の技術的格差が中国とそれ以外の世界各国の間に出来てしまった事になる。
恐らく、中国は天安門事件以後か遅くとも1995年ー96年の台湾危機以後これ等の技術開発に積極的に取り組んで来た可能性が極めて高い…中国の軍事情報に対する秘密主義が効果を発揮した訳だ。
なので、今更米国がこの分野に力を注いでも手遅れの可能性が有る。
ターゲットが地上や海上を移動するスピードと、極音速域で落下してくるターゲットのスピードの差を考慮に入れると難易度には天地の差があるよ。
あと弾道ミサイルを邀撃する為の迎撃ミサイル用赤外線センサーは空気の密度や薄い高高度で作動するから、もう米国が完成させてると記事に書いてるじゃん。
公表してもそうそう真似の出来ない高度な技術なんだって気配を漂わせる
なんで香港メディアを使って情報を流させてるのかな
環球時報→共産党の傘下にあるメディア→大本営発表だろ…?
となって(主に世間の人たちが)真剣に受け取らないからでは。
香港メディアには「民主制の下にあるメディア」のイメージがついているはずだから多少は受け止め方が変わる…かもしれない。実際に信頼できるかどうかは別ですが。
あとはイギリスの施政下にあった誼で英連邦系のメディアに拾ってもらいやすい…とか?
極超音速だと機動も限られるだろうし目標としては艦艇や大型機ってことになるのかね
パクりと違って理論と実験を積み重ねた技術は発展・応用が効きそうで強い危機感を覚えるわ
こんなもんどうやって迎撃すんだよ
回避方法じゃなくて終末誘導の話だからターミナルフェイズで迎撃する方にはどっちにしろ変わらんと思うけど
技術的には目を見張るけど、終末段階では既存の弾道ミサイルと同じだから艦船を狙ったとしてもSM-6で迎撃可能じゃないかな。
それに弾道ミサイルと違い、大気圏内を滑空する機動のため徐々に速度は減速するから終末段階での迎撃は弾道ミサイルよりも容易と言われているし、脅威と言える兵器では無いと思うわ。
どうやってってそりゃPAC-3MSEとかSM-6じゃねえの
そこで、「策源地攻撃能力」ですよ。
それも、戦略的攻撃能力が良いんじゃないですか。
防衛省や政府は、迎撃なんて無理だから策源地を叩きます、と方針を公表すればいい。
対北朝鮮ですらTEL狩りはほぼ不可能だと言われてるのに、クソ広い大陸の中から発射前のTEL探して破壊するなんて無理
移動体とは主に何を指しているんだろう。
車両?船舶?航空機?ミサイル?
また、赤外線センサーならデコイ、フレア、防御用の冷却ガスとかじゃ駄目なんだろうか。発射を探知してるのが前提になるけど。
船舶、それも大型のやつだよ。もともとかの国が想定している第一ターゲットは米空母だったし。
車両は事前偵察で位置を正確に特定、かつ精密に誘導しないといけないから、ミサイル単体を発射してドーンとはいかない。航空機に至っては捕らえることすらできない上に費用対効果が釣り合わなさすぎる。
スーパーキャリア―の時代が終わるというだけさ。
えっ、あっ、はいはい。
サウスチャイナ・モーニング・ポストは党の機関紙ではないです。香港の民間の英字紙です。今は圧力で書かされてるのかもしれないですけどね。香港統一前から一貫して中共の軍拡に警告を発してました。
日本も高速滑空弾に移動目標の攻撃能力を加えることを検討しているらしいが、こんなにも困難なことだったんだ・・・・・
出来るのか?
どうやら赤外線じゃなくて電波シーカーらしい。下調べが不十分だった。
移動目標に対して攻撃可能な極超音速ミサイルが本当に完成したならもうアメリカの空母や強襲揚陸艦は西太平洋に近づけないんじゃないか?そうなればアメリカのアジアの覇権は完全に崩壊してしまうだろうな。アメリカは中国に対して戦わずして負けることになるんだろうか…。
そういえば、戦闘妖精雪風でもブッカー少佐が高速ミサイルについて、「問題は弾頭部に発生する高熱と、それによる熱雑音なんだ。」と言っていたな。
ん?待て。
何か早くねーか?
俺は一昨年から中国の極超音速兵器についてのニュースを見てるけど、流石に早すぎるぞ。
そりゃそうだ。プロパガンダ込みだからな。怯えず、軽んじずだ。
読売新聞で安倍元首相「ミサイル防衛はもう破綻した盾で抑止力にならない。損切りして矛の攻撃能力持った方が抑止になる」
現任の時にそんなもん買い進めておいてそれ言うかと思いますが
現任の時に発言したら「極右」と呼ばれて即政権を降ろされる。
引退したから言いたいことが言える世の中poison