中国関連

2020年には初飛行? 中国、空飛ぶ円盤型攻撃ヘリのコンセプトモデル公開

中国のグローバルタイムズ紙(環球時報の英字版)は、国内のヘリコプター展覧会に「空飛ぶ円盤」のような攻撃ヘリのコンセプトモデルが展示されたと報じている。

参考:Flying saucer-like attack helicopter to take to the sky in 2020

中国が空と飛ぶ円盤を開発中?その正体は攻撃ヘリ?

10月11日、中国の天津で開幕した「第5回中国天津国際ヘリコプター博覧会」の会場に、Super Great White Sharkと名付けられた攻撃ヘリが展示されており、このヘリはSF映画に出てくる「空飛ぶ円盤」のような形態をしていることで来場者の注目を集めている。

多くの海外メディアも、この異様な形をした攻撃ヘリをこぞって取り上げている。

この円盤型の攻撃ヘリは、機体内部に搭載されたメインローターにより機体を浮上させ、装備された2基のジェットエンジンによって水平移動を行うよう設計されており、機体中央に設けられたコックピットには最大2名(パイロット+1名)まで乗り込む事ができる。

機体横に掲示された案内版によれば、この攻撃ヘリの仕様は最大離陸重量約6トン、最大速度650km/h、最大高度6,000m、航続距離2,950km/h、機体はステルス素材で構成されており、機体内に機銃やミサイルを搭載することが可能らしい。

中国中央テレビによれば、この攻撃ヘリの試作機が来年(2020年)に初飛行を行う予定で、プロジェクトの成否に関わらず、このような先進的な航空機開発にチャレンジする事自体が中国の航空技術発展に貢献すると指摘した。

ただし、このような円盤型の航空機を開発したのは中国が初めてではない。

出典:public domain V-173

米国は第二次世界大戦中に機体と翼が一体化した「V-173(XF5U)」を開発し、1950年代には垂直離着陸機開発の研究機として「VZ-9AVアブロカー」を開発した実績があるが、実用化にまで漕ぎ着けたことは一度もない。

中国が開発している空飛ぶ円盤のような攻撃ヘリも、実用化を目指しているのではなく垂直離着陸機開発の一環として研究されているに過ぎず、近い将来、このような円盤機が東シナ海を飛び回るということも恐らくないだろう。

現代の技術力ならコンピューターシミュレーションで、ある程度、機体特性を掴むことも可能なのに、このように奇抜で実用化されることのない航空機を、実際に作ってみるという無駄=言い換えれば「余裕」がある中国を、管理人は少しだけ羨ましく感じてしまう。

出典:Korn V. / stock.adobe.com

ただ、一つだけ注文をつけるとしたら、もう少し機体のデザインをカッコよく出来ないものなのかと・・・ これならロボット掃除機「ルンバ」の方がマシではないかと思ってしまう。

 

※アイキャッチ画像の出典:kolbass / stock.adobe.com

やっぱり主導権争い勃発、独仏主導の第6世代戦闘機「FCAS」は絵に描いた餅か?前のページ

米国は空母へ投資を続けるのか?ミサイルへ投資先を変更するのか?次のページ

関連記事

  1. 中国関連

    中国空軍はJ-20を200機以上保有が確定、大量生産への移行が濃厚

    米ディフェンスメディアは珠海航空ショーに展示されたJ-20やJ-16の…

  2. 中国関連

    中国、小型無人機を遠方に投射するため「無人空中スウォームシステム」を開発

    米空軍はステルス無人戦闘機「XQ-58Aヴァルキリー」のウェポンベイか…

  3. 中国関連

    中国人民解放軍、台湾上空を通過するコースで弾道ミサイルを発射

    中国は予想通り本土から台湾上空を通過する実弾射撃を行い注目を集めており…

  4. 中国関連

    海外メディアも注目、珠海航空ショーで初公開される電子戦機J-16Dと無人偵察機WZ-7

    今月末に開幕する珠海航空ショーに中国人民解放軍はステルス戦闘機J-20…

  5. 中国関連

    全く機能しない? 中国視点から見た米日豪印による太平洋版NATO構想

    北京に拠点を置く中国国際研究基金シニアフェローの呉正龍氏は米日豪印4ヶ…

  6. 中国関連

    中国が驚異的な建造能力を更に強化、年内に3隻目となる国産空母建造も開始

    香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙は5日、中国は2隻目となる電…

コメント

    • 匿名
    • 2019年 10月 13日

    物好きな技術者が国家予算で玩具を作っているなんてことはさすがにないだろうが、実験用だとしても何故わざわざ有人の円盤型航空機なんて作ったのか気になる

    • 匿名
    • 2019年 10月 13日

    機体横に展示されていた案内板に書かれた性能データが、もしも本当に出しうるのであれば、画期的な垂直離着陸機なんですけどね。
    まあ、これが単なるプロパガンダだったとしても、その裏で別の機体の計画が進んでいるのかも知れないので、今後の成り行きに注目したいですね。

    • 匿名
    • 2019年 10月 14日

    全翼機は実用化させたが円盤型は公には何もないとこからすると特筆する物がないのかなと思うけどどうなんだろ

    • 匿名
    • 2019年 10月 14日

    確かに、外見が野暮ったすぎて、これを見て「中国侮れんな」とは思えませんね
    曲面が妙にデコボコしてるのもマイナスポインツですな
    工業力の低さを暗示しているようにしか見えませんよ

    • 匿名
    • 2019年 10月 14日

    話は聞かせてもらった。人類は滅亡する!

    • 匿名
    • 2019年 10月 15日

    先行者を思い出させるような中国らしい愛嬌あるデザイン好きよ
    機銃ミサイル収納とかステルス的にフルカウルにしたらいいんじゃね!というコンセプトなのか?どう頑張っても上下面が無理な気がするが

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. インド太平洋関連

    米英豪が豪州の原潜取得に関する合意を発表、米戦闘システムを採用するAUKUS級を…
  2. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  3. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  4. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
  5. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
PAGE TOP