中国海軍は2012年~2019年にかけて計72隻建造した056型コルベットの内、可変深度ソナーを装備していない艦を中国海警局(沿岸警備隊相当)に移管していると報じられている。
参考:China Transferring Navy Type 056 Corvettes To The Coast Guard
現状の海上保安庁にとって中国海警局の旗を掲げる056型コルベットはアンタッチャブルな存在
中国海軍が中国海警局(沿岸警備隊相当)に移管しているのは2012年~2019年にかけて計72隻建造した056型コルベットの中でも可変深度ソナーを装備していない艦(このタイプの建造数は22隻)で、対艦ミサイル「YJ-83」発射装置や短魚雷発射装置を取り除く工事を実施した上で中国海警局に引き渡されているらしいが、76mm単装速射砲×1基、30mm機関砲を備えたRWS×2基、船首のソナーやレーダーなどセンサー類もそのまま残されており、Naval Newsは「米沿岸警備隊が保有するレジェンド型カッターに匹敵する火力を備えているため法執行時に多くの敵を圧倒する可能性がある」と指摘。

出典:Public Domain
056型コルベットにとって中国海軍の旗よりも中国海警局の旗を掲げる方が自由に行動でき、今年1月に成立した海警法(中国の管轄海域での違法行為取り締まりに武器使用の権限を明記)を背景にミリタリー仕様の要素を色濃く残した艦艇が中国海警局の船として尖閣諸島付近の海域を航行するような事態になれば「曖昧な定義の管轄海域(領海+接続水域+排他的経済水域+中国が管轄するその他海域)に尖閣諸島付近が含まれ、違法行為取り締まりに武器を使用する」という中国の主張を体現するようなもので、これを海上保安庁の巡視船が阻止しようとしても火力面で劣るため事実上手が出せないという意味だ。
補足:中国海警局には海上保安庁の巡視船を圧倒する火力を備えた艦艇が何隻もあるため、飽くまで中国海警局の旗を掲げた056型コルベットの登場は「中国が一方的に主張する管轄海域内での武器使用が脅しではない」という意志表示の意味合いが強い。
中国の挑発にのって日本が護衛艦で対応を始めれば中国は海軍を尖閣諸島付近に派遣する口実が出来るため、中国は世界に向けて「尖閣諸島は紛争地域」だと印象づけることができ「尖閣をめぐり解決すべき領有権の問題は存在しない=紛争地域ではない」という日本の主張を崩す突破口になりかねない。
つまり現状の海上保安庁にとって中国海警局の旗を掲げる056型コルベットはアンタッチャブルな存在といえる。
余談だが中国は23日に1日だけで3隻の艦艇(中国海軍向けの054A型フリゲート、パキスタン海軍向けの054A型フリゲート、タイ海軍向けの071型揚陸艦)を進水させたらしい、、、
China Speed! China launched three warships in one day, the 34th 054A frigate for #Chinese Navy, the 3rd 054AP frigate for #Pakistani Navy and the Type 071E LPD for #Thai Navy. 👍
(Images via wb/燃烧的哈尔科夫) pic.twitter.com/wIeQ8fMjoh— 彩云香江 (@louischeung_hk) December 24, 2021
お知らせ:読者の方にとって煩わしいとは思いますが、今後コメント欄に書き込むためには投稿者の名前(ニックネームでOK)とメールアドレスの入力が必須になります。
※アイキャッチ画像の出典:Shariar 375 / CC BY-SA 4.0
つまりは海保船も同レベルの武装をしないとならない段階。そして、彼等は自分ら目線の法の執行に対するのは敵、といってますから、ここを見逃さないように
海保も、もがみ型を入れないと駄目かな。
海保自身にも置かれた状況を理解しないと。
沖縄県警察にも国境離島警備隊(ヘリコプター部隊)とか有る位なのでもがみ型ベースの全身追加セラミック装甲装備の高速巡視船に海保の特別警備隊運用能力付けるとかも必要ではないかと思いますよ、主に抑止力として色々と揃えないといけないみたい。
建造費を別枠として海保に負担かけない様にしても
維持だけですら今の海保の予算では無理ですよ、人員の確保もしかり
こんな贅沢な事が出来るのは金と人に糸目付けないで出来る中国だけです
改めて、海上保安庁の法的立ち位置を準海上自衛隊と明確にすべき時期だろう
今までは、戦時と平時を区分して役割分担する概念で通用したが、すでに平時における緊張状態への対応こそ最優先
それ一番の悪手
通常の海上保安庁の活動も全て準軍事行動と見なされるようになり、国内外の敵にたたく口実を与えるだけ
海上保安庁相手でも中国は喜んで「日本が先に軍事行動を起こした」として中国海軍を出すようになる
昔の話だけどミリタリーバランスの日本語版(80~90年代に出版されていた)には、既に海上保安庁が「準軍隊」に分類されていたから、海外では海上保安庁も米国のコーストガードや中国の海警と同じく「軍隊に準じた組織」と見做されている事が多いよ。
なので中国は、もう既に海上保安庁の活動を「準軍事行動」と見做している可能性が高い…第一、海警が軍艦を譲り受けて使用するのはこれが初めてじゃないんだし。
個人的には、既に下の方で書いたけど、今後は海自を迅速かつ的確に投入出来る体制作りをした方が効果的だと思う…どの道、海自が介入したら中国は躊躇わず軍事介入へ踏み切るだろうけど、その時は日米安保を発動させる事が可能だしね。
>それ一番の悪手
その意見には反対だ。
コメ主いうように「国内外の敵を叩く口実を与えるだけ」と腰の引けた対応は、ますます中国になめられるだけ。
その結果が、竹島にしろ尖閣にしろ、何十年経っても問題が解決しない原因だ。
海上保安庁の法的立ち位置を準海上自衛隊としたり、尖閣諸島に海上自衛隊を派遣した場合、なめられるどころかむしろ中国に尖閣諸島を明け渡すことになる
まず竹島と尖閣諸島の問題は全くの別物
竹島は観光が実行支配しており、日本がそれに意義を唱えている状況
だから憲法九条が改訂されない限り武力による威嚇を手段として用いることはできない
逆に尖閣諸島は日本が実行支配しており、それに対して中国と台湾がそれぞれ自分の領土と主張している状態
現状では日本政府は尖閣諸島は日本の国土であり、紛争地帯ではないとしているからこそ海上保安庁による警備や、侵攻された場合は自衛隊による防衛・奪還が可能
しかし海上保安庁を自衛隊に準じる組織とした場合、または自衛隊を派遣した場合、日本は尖閣諸島を紛争地帯と認識したということになるため、もし中国軍が侵攻してきても同じく憲法九条により自衛隊を派遣できなくなり、一方的に中国に実効支配されることになってしまう
>日本国憲法
>第2章 戦争の放棄
>第9条
>日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
■憲法第9条のもとで許容される自衛の措置としての「武力の行使」の新三要件
わが国に対する武力攻撃が発生したこと、またはわが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること
これを排除し、わが国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと
必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと
確か三菱の原案には、もがみ型をスケールダウンした海保モデルが存在しましたね。
今年は055型、拡張型の052DL型合わせて8隻就役しているし(もしかしたら年内に055型がもう一隻追加されるかも)、移管したコルベットの乗員がそちらに回っているのかな。
この野蛮人どもの船とは違って、今の海上保安庁はあくまで取り締まるための最低限の武器しか無いからなあ。
ここで対抗してあぶくま型なんかを海上保安庁に渡したら、中国は自分のこと棚に上げて「日本はミサイルで武装した艦で脅してきた!」とかほざき出すだろうから、離れた場所に護衛艦を配置しておくのが良いのかなぁ。あとは一刻も早く長射程のミサイルと、ミサイル誘導能力を持ったUAVを投入するかってところか
>お知らせ:読者の方にとって煩わしいとは思いますが、今後コメント欄に書き込むためには投稿者の名前(ニックネームでOK)とメールアドレスの入力が必須になります。
ご苦労さまです。
IPアドレスだけでは対処不能だったんでしょうかね。致し方ないと思います。
結果が吉と出ることを祈っています。
警察比例に従って、3000t以上の大型巡視船の武装強化し、沿岸警備隊への所管官庁の国土交通省を国土海洋安全保障省に改組し、領海・EEZの保全警備、域外の日本船舶に対する潜在的な犯罪行為(民間漁船を装った海賊活動含む)、活動の未然の防止、海上保安庁巡視船の活動の支援
、保護を主任務として準軍事組織として必要に応じて武器使用を認める法整備が必要でしょうね。
海上保安庁は、並列組織として引き続き海上交通管理、警察業務、密輸対策、港湾警察業務、救難業務にあたるり、有事には、沿岸警備隊、海上保安庁共に防衛省の指揮下に入る。
沿岸警備隊の艦船は、3000t以上の所属艦はすべて準戦闘艦構造を基本として、最低限の情報共有を可能にするため自衛隊Link11を装備し、対空捜索レーダー、隊水上レーダー、射撃管制装置など戦闘艦装備を施す。
火砲は、レオナルド76mm速射砲、あるいはボフォース57mm砲に大口径化して射程と打撃力を強化、チャフランチャーや簡易型ECMなど防御システムの装備或いは装備能力の確保、20mm機関砲は20mmCIWSblockIIBに置き換えるほか、各種UUV、UAVの運用能力。
また5000t以上の大型艦には艦隊艦ミサイルの設置スペースを確保しておく。
VDS/TASSを搭載した056A型が約50隻あるし、対潜能力の低い056型は中国海軍で不必要なのは分かるけど、056型は排水量が小さくて海域に長時間滞在できないので、譲られた中国海警も喜ばないと思うのよね。
海保が「我々は軍隊ではない!」とかお利口さんな綺麗言をヌかしてる間にこのザマですよ
当たり前でしょ
彼らは警察機関であって、戦争をする組織ではない
諸君らもいざという時は命をかけて戦えなんて事になったら隊員いなくなるわw
豆鉄砲積んだお船で向こうの軍艦モドキと対峙させる方がよっぽど隊員減るだろ
何か勘違いしてるようだが警察官になりたくて警察官になった人間に「いざとなったら軍人として敵の軍隊と戦え、武器ならある」と命令して通用するわけねーだろ
武器の問題じゃねーよ
武装の問題じゃなかったら何なんだ?
心構えの話?
不屈の大和魂で対抗すんのか?(笑)
そもそも警察で戦争してはならない
チキンレースは一線越えた方が負け
相手が警察組織けしかけてくるんだから対抗する他ないんじゃ
法的立場をそう決めてるのは政府であって、海保はそれを表面してるだけだよ
勘違いして海保を貶めるのは止めてくれ
水上警察の重武装化はソ連もやっていたと思うけど(長距離ミサイル以外は地対空ミサイルから魚雷まで海軍の船と遜色ない武装の警備艦を配備してたソ連国境軍を、USCGや海保のカウンターパートと見なしていいのかは知らん)、これに対して我の水上警察の重武装化で対応するのは適切なんだろうか。
既に海自は尖閣沖事案も見据えた上でのFFM大量配備や哨戒艦の新規調達を進めている。そもそも尖閣諸島は日本の実効支配下にあるうえ国際的な認知から言っても日本優勢だ。管理人氏の言うように、ここで中国の戦略に乗って偶発的な衝突からの軍事介入を招きかねない方向に行くよりかは、有事に際しては優勢である現状を最大限活かす対処があると思うのよね。
具体的にはやはり、海警局の船が民間船なり海保の船を攻撃している(どちらが先に撃ったかもはや分からない偶発的な衝突ではなく、一方的な攻撃)ことを明らかにしたうえで彼側より早く海自が介入できる体制を作っておくとか…
小競り合いに先に海軍をぶつけたほうが敗けですよ
それこそ中国の罠
良い考察だと思うよ。
海保は治安維持だけで無く開城の消防や救難も担当している以上、海保の重武装化には限界がある。
それだったら海自を迅速かつ的確に投入出来る体制作りを作って置いた方が効果的だと思う(どの道、海自が介入したら中国は躊躇わず軍事介入へ踏み切るだろうけど、その時は日米安保を発動させる事が可能だし)。
日米安保条約発動の前に、日本が独力で対処する必要がある。日本が対処できなくなったらアメリカ軍が出動する。
なので、緒戦は、日中での紛争になるのだけど、その時点で圧倒的軍事力を持つ中国軍に自衛隊はボロ負けるだけ。アメリカ軍が出てくる前に勝敗は決着するよ。
軍艦構造で76mm砲と30mm機関砲を装備した艦艇ですからねぇ
センサーも小兵とは言え軍艦の物をそのまま、あきつしまですら瞬殺されかねない強力な相手に海保はどうでるか?
予算規模が2000億円半ばと小さい海保に軍艦構造で人員も多く掛かる護衛艦仕様の巡視船は現実的ではないでしょうな
>予算規模が2000億円半ばと小さい海保
海保の2021年予算(補正予算込)は、2,609億円
海自の “はぐろ”の建造費は、1,730億円
イージス艦 1.5隻分の予算しかない海保に、これ以上何をしろというのか。
(イージス艦が高いのか、海保の予算が少ないのか。)
話し合いで済ませたければ戦の準備を
日本の有り様は連中の野心を焚きつけてる
昭和の時代には、海保は3インチ砲を搭載した巡視船がありましたから、また、搭載すればいいだけのこと。大型巡視船に比較的軽量な3インチ砲を現在の35ミリや40ミリ機関砲から換装すれば良いだけでしょう。
かつては、本当にコーストガードの船に、米コーストガードのハミルトン級カッターのようにOTTOメララ3インチ速射砲が必要か、と言う議論がありましたが、相手が装備するのであれば仕方ありません。
35mmや40mmと76mmじゃ下部構造のサイズが違うから載らないよ
新造するしか無い
昔の巡視船3inch緩射砲とはシステムのデカさも値段も複雑さも別次元
余裕で載りますよ。なんなら台座でかさ上げして載せてもいいですし。
OTO76mmの弾薬庫含めたコンパクトさは半端ないですよ。輸送とは言え、タグボートに搭載してる写真もあるくらいですし、難なら車両用のオトマチック砲塔を据え付ける手もありますよ。
いわゆるグレーゾーン事態っていうのも増えそうですね。
厄介です。
事態を本格的に拡大させたくなかったら、グレーゾーンにはこちらもグレーゾーンの枠内で対処するしかないので、現状維持か海保の重武装化と言う相手と同等の枠内で対処するしか元より選択肢は無いんだよね。
まあ、元々コーストガードは戦時には海軍の指揮系統に組み込まれて活動するのが常識ではあるので、本来ならば重武装化自体は悪い話じゃない。本来ならね。
ロマンを追い求めるなら、所詮警察活動は見通し距離内でしか実施しないので、近距離では割と無用のミサイルよりもWW2世代の砲戦巡洋艦を復活させてだな…
海警に海自をぶつけたら
戦端を開いたのは日本 状況を悪化させたのは日本と宣伝される
どんなに重武装でもいいから海警には海保を当てるべき
しかし、コーストガード相当が海軍の下部組織なのは世界的にありふれた状態では
中国がもろにそうだし
中国海警は中国海軍の下部組織ではありませんね。
中国海警は武装警察の下部組織です(武装組織は中軍委の直属組織)。
日本には馴染みがない「国家憲兵」ですな。
では、海軍でないだけで準軍隊
同じようなもんだろw
準軍事組織に国軍をぶつけるのは過大対処ではないかと。
海保も準軍事組織のような組織ですし、海警は海保に対処させた方が無難です。
法執行機関だった時代の海警ならともかく、準軍事組織にぶつけるなら過大対処ではありますまい。
むしろ法執行機関である海保に対処させる方が無理筋では。
その通り、海上警察行動時の砲こう兵器積極使用を認めた海警法施行が問題。
基本的には、武器使用等で海警船が無害航行を大きく逸脱し海保では法執行が困難な場合に限り、海上警備行動が発令され海自の出番になるが、それが引き起こす事態を鑑みれば避けたい。
しかし中国海警が威嚇射撃や危害射撃をもって強制排除する行動に出る場合、056型コルベットの転用警備船は海保にとって脅威になるのは確か。
そういう事態を想定した緊急の巡視船調達配備と法整備が本筋でしょうね。
どう見ても駆逐艦な白い船を海保に配備して海警にあてがうべき
もちろん海保は自衛隊の傘下に改組
現在、設計に入った1900t級と予想される哨戒艦(OPV)を海保も共通で導入したらいい。76mm砲と12,7mmRWS装備で30名なら、海保でも使いやすいんじゃない。
あと、中国より日本の方が小さい船ではダメって人多いけど、コスト考えたら、あながち悪くないよ。
中国だって燃料費や人件費かかるだろうからね。
実際のドンパチまでは効率よくやろうや。
海保は武装とかより宣伝を何とかしたほうがいいと思う。