中国中央TVは8日、055型駆逐艦の9番艦「東莞」と10番艦「安慶」が海上訓練を行う様子を公式に公開し、アーレイ・バーク級駆逐艦を上回る055型駆逐艦の就役艦が10隻に到達した。11番艦の保定、12番艦の哈爾濱、13番艦の青島、14番艦の撫順も2027年末までに就役すると予想されている。
参考:China’s Type 055 destroyers Hull 109, 110 make debut in official media report
参考:U.S. Naval War College China Maritime Report No.5, 2020 China’s Dreadnought? The PLA Navy’s Type 055 Cruiser and Its Implications for the Future Maritime Security Environment
中国が次の10年間で14隻以上の055型駆逐艦を海に送り出してきても不思議ではない
中国人民解放軍海軍は052C型駆逐艦や052D型駆逐艦の開発過程でアーレイ・バーク級駆逐艦の模倣を終え、その後継艦として開発された055型駆逐艦はアーレイ・バーク級駆逐艦やタイコンデロガ級巡洋艦を上回る1万2,000トンの船体に垂直発射装置(VLS)を112セルも搭載しており、米海軍大学校は055型駆逐艦について以下のように評価している。

出典:ChinaNavy
“排水量12,000トンを超える055型は4基のガスタービンエンジンで推進し、中国の評価によれば32ノット以上の最高速度を出す能力がある。優れた機器とより高い効率性により発電量の20%は現在使用されていない。これは将来のアップグレードで追加のシステムを収容できることを示唆している。055型で最も印象的なのはセンサーが1つのマストに統合されていることであり、これは艦艇のステルス特性の大幅な向上を示している。 米海軍のアーレイ・バーク級駆逐艦(フライトIII)では、コストの考慮から055型並みの統合マストは採用されていない”
“さらに055型は船体後部にレーダーを備えていない。4つあるエンジンの排気筒も上部構造物の一部として取り込み、赤外線抑制装置を取り付けることで著しくクリーンなラインと低被探知性を得た。これはメインマスト上のセンサーに対する大きな自信を暗に示し、同艦の小さなレーダー反射率は低い音響的、電磁的、赤外線シグネチャと相まって「ステルス性と生存性が向上している」と解釈することができる。055型はデュアルバンドの平面レーダーアレイを組み合わせた人民解放軍海軍初の艦艇で、Sバンド平面アレイは052Dに搭載されているものよりも40%も大きく、ステルス性を備えた目標を含む探知距離が60%向上すると言われている”

出典:U.S. Naval War College
“低空の目標を追跡するためのXバンドレーダーはマストの高い位置にあり、このデュアルバンドレーダー能力は055型に「対艦ミサイルを探知する並外れた能力」を提供するだろう。排水量12,000トンを超える船体はより多くの兵装や電子機器のためのスペースを提供し、より包括的な機能性と乗員の居住性向上につながっている。全体的な容積はアーレイ・バーク級やタイコンデロガ級よりも大幅に大きいはずだ。055型の汎用VLSは大型かつ先進的であり、地対空ミサイル、対潜ロケット、対地巡航ミサイル、弾道ミサイル迎撃ミサイル、先進的な対艦巡航ミサイルなどが組み込まれている”
“中国人の軍事アナリストはVLSの数について「戦闘および迅速対応能力を示している」「VLSへの再装填は困難なためVLSのセルが多いほど対応はより強力かつ迅速になる」と述べており、中国の分析では「実際の交戦における艦対空ミサイルの消費量は非常に多い」と認識し、これが055型に非常に大規模な弾薬庫をもたせるという決定に影響を与えた可能性がある。055型の汎用VLSはホットローンチとコールドローンチの両方に対応し、セルの大きさ(容積)も米海軍のものより60%も大きい。そのため対艦弾道ミサイルを運用できるかもしれない”

出典:U.S. Naval War College
“人民解放軍を退役した軍事アナリスト=杜文竜氏も055型が対艦弾道ミサイルを運用する可能性に言及しており、これが実現すれば米空母にとって悪夢になるだろうと主張し、米軍の公式評価もこの点に関する杜氏の主張を裏付けている。中国の汎用VLSには3つの長さがあり、055型の全幅と喫水は112全てのVLSが「最大サイズの搭載物」を収容するのに十分だと思われる”
中国人民解放軍海軍は第13次5カ年計画で予定されていた055型駆逐艦×8隻を2022年までに就役させ、第14次5カ年計画(21年~25年)でも055型駆逐艦の建造を予定し、Naval Newsは2024年5月「中国の大連造船で055型10番艦が進水した」と報じていたが、中国中央TVは055型駆逐艦の9番艦「東莞」と10番艦「安慶」が海上訓練を行う様子を公開し、米海軍のアーレイ・バーク級駆逐艦を上回る055型駆逐艦の就役艦が10隻に到達した。
現在までに055型駆逐艦の第2バッチは6隻確認されており、中国側の情報源によれば11番艦の保定、12番艦の哈爾濱、13番艦の青島、14番艦の撫順が2025年10月までに進水し、この4隻は2027年末までに就役するらしい。
中国海軍が最終的に055型駆逐艦を何隻建造するのかは不明だが、建造開始から13年(第2バッチ建造は第1バッチ建造後の4年間に開始されているため実質は9年間)で14隻も055型駆逐艦を海に送り出していること、1番艦では就役までに6年かかっていたのが「約4年」に短縮されていることを考えると、次の10年間で14隻以上の055型駆逐艦を海に送り出してきても不思議ではなく、一方のアーレイ・バーク級駆逐艦は将来のアップグレードを受け入れる余地を失っている。

出典:U.S. Navy
アーレイ・バーク級駆逐艦にAN/SPY-6(V)1を統合するには発電量と冷却能力をフライトIIから2倍以上に強化しなければならず、そのための変更を加えたフライトIIIは「新たに開発された兵器や電子機器を追加するのは不可能=将来に対する発展性が失われてしまった」と指摘されており、米海軍も2022年「アーレイ・バーク級駆逐艦の使い切ってしまったSWAP-C(スペース、重量、電力、冷却)マージンを取り戻すことが最も優先される」と述べ、次期駆逐艦=DDG-Xについても「設計上のマージン確保が最も重要」「この部分への投資によって調達コストが上昇しても全く惜しくない」と言及した。
要するに、米海軍がDDG-X実現までフライトIIIを建造し続ければ「将来の追加要素に対応できるマージンをたっぷりと残している055型駆逐艦の間で、実用化が見込まれている艦艇搭載タイプの極超音速兵器、指向性エネルギー兵器、より電力を必要とする大出力の電子機器の追加統合で明暗が別れる」という意味になり、一刻も早くプラットホームへの投資をアーレイ・バーク級からDDG-Xに変更する必要があるのだが、トランプ大統領の肝いりでDDG-Xを中止し、35,000トン以上の巨艦となるトランプ級戦艦の建造へと移行してしまった。

出典:goldenfleet.navy
トランプ級戦艦の建造開始は2030年代初頭、就役は2030年代後半か2040年代前半と予想されており、米海軍は将来の追加要素に対応できないフライトIIIを今後10年以上(年2隻ずつ)も調達し続けるという意味だ。
因みにDefense Newsはトランプ級戦艦について「海軍上部は計画を強く支持しているものの国内では賛否が分かれる」「中国人民解放軍海軍の研究員は大型戦艦は攻撃が容易な標的でDF-21Dなど対艦兵器の格好の標的だと一蹴した」と報じ、トランプ級戦艦と米海軍が採用している分散戦術との相性も本当に良くない。
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※アイキャッチ画像の出典:Xinwen Lianbo





















対艦弾道ミサイルまで撃てるなら事実上の習近平級戦艦やんけ
相変わらず中国の艦艇建造力が凄い。
アメリカとは完全に真逆だ。
月刊空母と言われていた時代のアメリカみたいですね…。
「アリとキリギリス」の寓話状態ですわな。
無駄な戦争をしない中国は、どんどん装備が充実していく・・・。
去年なんか、中国の発電量が米国の二倍ですからね!。
中国は、商船建造能力が圧倒的に世界一(50%以上)ですし、鉄鋼・電力などそれを支える工業力がありますからね。
アメリカが、海軍艦船の老朽化が進んでいくだけでなく、中国がドンドン艦齢の若い新鋭艦が増えていくのは頭の痛い問題ですね…。
追記です。
ホルムズ海峡に、『機雷を敷設』が意識されるようなニュースが出ており、騒然となっていますね…。
超大型タンカーに石油満載すると、非常に喫水が深いわけですが、『実質6km程度』の幅しか通過できない場所があるというのを見かけました。
新造艦・新兵器は華がある一方、掃海艇は小さいかつ地味なうえに過酷で危険な任務だなと。
日本の掃海能力は世界トップクラスなうえに、日本が非常に貢献できる分野でもありますから、この分野も引き続き重視していきたいものですね(中国に優っている分野かなとは思います)。
的として大きくコストが高すぎる空母やトランプ級戦艦よりも、こうした駆逐艦が海上戦力のメインになっていくんですかねぇ
フライトⅠの代艦なら取り敢えずフライトⅢの格納庫を潰して発電機積めば良いのでは?
空母や強襲揚陸艦の護衛艦ならヘリ甲板に露天駐機で当面良いと思います。055だって艦載機は5トン級のドーファンですよね。
的として大きくコストの高い空母やトランプ級戦艦よりも駆逐艦が海上戦力のメインになるんですかね
055型駆逐艦の9番艦と10番艦は東海艦隊に配備されていますが、東海艦隊に055型駆逐艦が配備されるのは今回が初です。
11番艦と12番艦も東海艦隊に配備予定なので、055型駆逐艦の最終的な配備先は北海艦隊4隻、東海艦隊4隻、南海艦隊6隻になります。
中国海軍はESSMのような1セルに4発収容できる艦対空ミサイルを装備しているのでしょうか?
PL-15ベースの艦対空ミサイルを開発して1セルに複数発ぐらいすぐに思いつきそうなので気になります。
FM-3000Nというのがありますね、配備はされていませんが
これは単純に開発出来ても直ぐに載せるわけにはいかないし設計を変更出来ないというのもありますが、そもそもESSMみたいな長距離でなく中短距離のミサイルをいっぱい載せようって思想(対航空機よりも対ミサイル)自体が、近年の西側のトレンドなのでそこに中国が追いついていないor不要と思ってるかもしれません
日本が追いつくためには、海上戦力より海中戦力の無人化で対策する方がいいのかな?
以前の記事であった潜水艦から発進するタイプの物
数じゃあ艦船数もVLS数もミサイルの予備も敵いようがない
日本は島国で海上輸送が必要だから護送も考えなければいけないし海上戦力はどうしても欲しいかな
破壊するなら潜水艦とか水中ドローンもいいけど、結局両方必要だと思う…
現状でも省力化に四苦八苦してやっとなのに、今以上に中国に付き合って増強合戦は無理って事
海自どころか海保も増強しなきゃならんし
輸送船護衛は勿論重要だけど、日本一国でやりきるのは距離的にも無理だから、他国との連携を更に深める必要がある
その為にも日本は確実に打撃を与えられる戦力の充実に金かけた方がいいと思う
DDG-Xはまだ中止されてないぜ
SM-6なりSPY-6なりBL10は順調なんだからいい加減船体の方を何とかしてくれ
055型駆逐艦、船体規模、VLSの数等考えると日本が今作ってるイージスシステム搭載艦に近いスペックになるんですかね。
1万トンで駆逐艦というのも違和感ありますが、増えていく電力需要、新兵器の種類、数考えると船体の大型化は今後のトレンドになるんでしょうね。
中国海軍との比較はアメリカ一国の比較よりも日米韓豪海軍で考えるべきで、単純なスペックや数で一喜一憂せず、海空戦力、潜水艦、対潜能力を含めた統合作戦運用能力で勝てば良いと思います。
アメリカ軍がベネゼエラやイランで示したインテリジェンスを含めた作戦遂行能力は中国が追い付けない部分ですから。
一番厄介なのは戦闘機、艦艇の性能や数ではなくイランがやってるようなミサイルとドローンによる本当の意味での数のごり押しですよね。中国はイランとは比較に数用意するでしょうから。
日米が本気で対策しなければならないのは現状有効な手段が無いこちらだと思います。
トランプ級ミサイル戦艦のよく分からないのは、あんな図体デカくなる予定なのに、Mk41VLSの数はタイコンデロガやASEVと変わらない所なんですよね
レールガンやCPS、レーザーを盛っても、まだスカスカ感が…
ゴールデンフリート構想の肝は、無人艦の艦隊への統合です。
トランプ級は飽く迄防空指揮艦・USVの指揮艦であって、火力投射の主力はUSVが担い、FF(X)が足りないところを補う。
だから、本体の投射能力は控えめでいいんですよ。
将来拡張の予備で無ければ、多分防御構造に排水量を割り当てるんじゃ無いでしょうか。
予算も増えるし、わが国も遂に目指すときが来たかな……オールイージス巡洋艦をッッ!
てのは冗談としても水上戦闘艦の半分はAESVクラスのイージス艦にでもしないと不味くないか、汎用護衛艦もセル数を倍にでもしないと
055型駆逐艦を見る度に「アメリカ海軍が本当に必要だったもの」ではないかと考えてしまう。
そして「顧客が本当に必要だったもの」の画像も脳裏に浮かぶ
・顧客が説明した要件
・営業の表現、約束
・実装された運用
・顧客への請求金額
・得られたサポート
・顧客が本当に必要だった物
米国兵器メーカーが「中国の兵器は米国兵器の蒸留モデルだ!」と非難したりして。
中国海軍の開発能力の手堅さというよりも、米海軍の迷走っぷりが際立ってしまうある意味皮肉の塊
DDG-Xの時点で建造開始は、30年代初頭でトランプ級に計画変更されても建造開始は変わっていないのでDDG-Xを辞めなければ055型に対抗出来たかというと全くそんな事は無いです
なのでこれについては、正直DDG-X辞めた事でアーレイ・バークを建造し続けるしかないと印象付けるような書き方になってる記事中の文がミスリード気味だと思います
米海軍の本当の迷走ポイントはトランプ級よりもズムウォルトもCG-Xも爆死させておきながら現行艦の後継の実用化は30年代以降という呑気さの気がします
米議会調査局やディフェンスメディアは「この戦艦計画は次期駆逐艦に取って代わる」と言及し、米海軍のデレク・トランク少将は海軍協会の年次会議で「海軍水上戦部長に就いたとき戦艦を建造せよと命じられると予想していなかった」「BBG-Xはアーレイ・バーク級の後継となるDDG-Xから発生した」「海軍が望む垂直発射装置のセル数を維持するには艦載砲かCPSのどちらか選ぶ必要があった」「そのため艦載砲仕様とCPS仕様という2種類のDDG-Xを作ることも検討したが、艦隊指揮官に能力の制限を課したくなかった」「現政権が戦艦の建造に関心を示しため絶好の機会となった」「この計画は海軍が望んでいたもので次期駆逐艦=DDG-Xにとって代わる計画だ」と言及しています。
詳しくないけれど。
アーレイバーク級は、これ以上船体をいじれないならば。
機関をいじれ(交換?)ないものでしょうか?。
同じLM-2500型ガスタービンでも、
スプルーアンス級の21,500軸馬力/基から始まり、アーレイーバーク級では
2010年以降は28,000軸馬力/基にまで改良されているとのこと。
機関のみなら、現在は33,600軸馬力/基を出すと言うです。
ここで、発展型のLM-2500+は、機関のみで42,000軸馬力/基とのこと。
であれば、主機をLM-2500+に換装しても良いように思うのですが。
もちろん、吸排気の見直しは必要でしょうが。
アメリカの船が戦艦級にまで肥大化するほど巨艦化してしまったのは、仕方がないと思っている。
もし性能を分けて分散化したとしても、その性能を扱う為に水上艦としてのフルセットのシステムが必要になるし、シューターとレーダーを分散化してもそれに対応したシステムを新しく構築しなければならない。
もちろんハードもソフトも値段が高くなっていくという事も前提にあるだろう。
そして造船と整備を誰がするのかという問題も残っている。アメリカの造船設備の老朽化と人手不足が、次の十数年までにいきなり解決する事も無いだろう。
お金も人材も足らないから豪華一点主義に走らなくてはいけない。理想的に分散した方がいいだろうが、それが出来ないから事前の策を取るしかないだろう。
正直海上戦力なんてバーク級とバージニア級と空母でなんとかなるしそこまで心配する様なもんでもないでしょ
日本だってエリアディフェンス艦が30隻近くなるんだし
それよりも丸腰のAOEが4隻とAEKが14隻しかいない方がよっぽど問題だと思う