中国が開発を進めていた世界初となるツインシートの第5世代戦闘機「J-20S」が10月末に登場したが、英国のジェーンズはJ-20Sが初飛行にも成功したと報じている。
参考:Image emerges of CAIG’s two-seat J-20 prototype in flight
参考:Innovation of twin-seat J-20 stealth fighter to lead world, military experts say after reported maiden flight
ツインシートのJ-20Sが初飛行に成功、同機はJ-20パイロットを養成するための練習機ではない
現在各国の主力戦闘機として導入が進むF-35、Su-57、J-20といった第5世代機は全てシングルシート(単座)のみで、第4世代機に存在したツインシート(複座)は今のところ存在しなかったのだが、10月末にかねてから開発が噂されていたツインシートのJ-20Sの実機が登場、さらに今月5日にはJ-20Sが離陸している写真も登場したため英国のジェーンズは「J-20Sが初飛行にも成功した」と報じている。
As it seem, it is indeed true, the J-20B prototype serial numbered 2031 performed its maiden flight today.
So congrats again to CAC. 🥳
(Image via @siegecrossbow/SDF) pic.twitter.com/mmjiYi0itM
— @Rupprecht_A (@RupprechtDeino) November 5, 2021
中国のグローバルタイムズ紙(環球時報の英字版)もジェーンズの報道を受けてJ-20Sの初飛行を報じており、中国人の軍事アナリストは「軍用機開発において中国は常に他国の後塵を拝していたが、J-20の登場で他国に追いつきJ-20Sの登場で追いかける立場から航空分野をリードする立場に変わった」と主張、さらにJ-20の主任デザイナーは「J-20Sは能力の拡張のため開発されたため第4世代機に存在したツインシート=練習機にはならない」と興味深いことにも言及した。
つまりツインシートのJ-20Sは第5世代戦闘機J-20の練習目的に開発したのではなく、より複雑な戦闘任務をこなすF-15Eのような役割を果たすため開発されたという意味だが、J-20と無人機とのエアチーミングを制御する専門の要員を乗せる可能性も指摘されており、自律的飛行能力やAI制御が未成熟の段階でエアチーミングを実行すると1人のパイロットにかかる負担が大きいため後部座席に登場した専門の要員が無人機の制御を担当すればエアチーミングの早期実用化が早まるという訳だ。

出典:中国航天科技集団有限公司 FH-97
勿論、中国人の軍事アナリストも「J-20Sの後部座席が果たす役割は最終的にAIに置き換わる」と予測しているが、まだAI技術は未成熟の段階なので「ツインシートのJ-20Sが果たす役割は少なくない」という意味だろう。
ロシアも「戦闘機側にもAIを採用することでシングルシートのSu-57と無人機のエアチーミングが可能になる」と主張しているが、ロシアの防衛産業産業関係者は「4機のステルス無人攻撃機(オホートニク)を制御するためツインシートのSu-57を開発中だ」と証言しており、ロシアが世界で最初に有人機と無人機のエアチーミング(オホートニクの量産機引き渡しは2024年予定)を手に入れようとしているのはツインシートのSu-57が重要な役目を果たしているのかもしれない。
どちらにしても10月末に登場したJ-20Sはただの置物ではなく飛行可能なモデルだったため、J-20と無人機とのエアチーミング開発は実用化に向けて弾みがつくと考えるのが妥当で、ロシアに次にJ-20と珠海航空ショーで発表された無人機「FH-97」とのエアチーミングを手に入れることになれば益々台湾を巡る「力の誇示」は激しさを増すだろう。
余談だが米国防総省は最近発表した中国の軍事力に関する報告書の中で「中国はJ-20の機体下部に設けられたウェポンベイに搭載できるPL-15の数を増やすための作業を行っている」と指摘しており、具体的に何発のPL-15を搭載できるようになるのかについてまで報告書は言及していないが、現行の4発から6発以上に増加するのではないかという見方(F-35もSidekickと呼ばれる新しいミサイルラックの開発に成功しておりF-35A/Cのウェポンベイに搭載できるAIM-120の数は4発→6発に増加する予定)がある。
ただPL-15とAIM-120の射程距離ギャップを埋めるため開発を進めているAIM-260(一応AIM-120と同寸法だと言われており怪しげな情報源によれば重量はAIM-120よりも増加しているらしい)がSidekickを使用して6発搭載できるのかは今のところ不明。
関連記事:CGではなく実機、中国の第5世代戦闘機J-20に噂されていた複座型「J-20S」が登場
※アイキャッチ画像の出典:中国のネット経由
将来に向けて経験も積めて、技術的にも徐々に自律的飛行能力やAI制御を成熟させることが出来る。
日本が次期戦闘機で一気に作ろうとしていることを、中国は分割してやれるってわけだな。
リスク低減and戦力化も早いってメリットしかないな。
それだけ中国には余裕があるんだろう。
その為の金をかき集めてるし。
どこ情報っすか?
遂にアメリカ軍すら凌駕するようになったか
日本もそろそろ態度と分際を弁えた方が良いね
後学のためにどう弁えた方がよいか是非ご教示いただきたいです。
防衛予算増やしたり、日本国内に在日米軍用の滑走路を増やしたりしてもっとアメリカとの協力体制を強化して対中封じ込め戦力を増強しないといけないな
ツインシートの面で?
イギリスのテンペスト計画にもこういった無人機制御のための複座型の構想とかはあるのだろうか、あるのならば(例え無くてもだが)日本は本格的にテンペスト計画に乗っかった方がいいな
テンペストもF-Xも就役目処は2035年頃で同時期ですが、その時点で求められるエアチーミング戦闘無人機のAI自律レベルは単座機との連携です。
記事中にある通り、中露もその時期以前に単座型との連携を可能にするAI実用化を目標にしてるでしょ。複座型との連携はAI自律レベルによる過渡的なものと考えられます。
返信ありがとうございます
なるほど、つまりざっくり言うと単座機でチーミング出来る技術が確立するまでのつなぎって事なんですか、ならば空自もF-3が配備されるまでの間にF-15JSIやF-2B等に無人機統制能力の付与を検討くらいはした方がいいのかも
問題は予算ですね。
F-3の開発費を割かれそうで恐いです。
来年度の防衛予算どうなるんでしょうね、淡い期待を抱きたいです
勿論将来戦の検討は必要ですが、無人機とのエアチーミングで何をしたいかによって要求仕様も技術ハードルも変わるので、近年中に開発可能な無人機も各種構想があって一概には何ともですね。
過去記事にも掲載されてましたが、DARPAの構想図で外部ウェポンベイとして機能する(恐らく使い捨て)無人機なんてのもあります。
Fー35用なら米か豪から買うかもね.
なんでわざわざ複座をツインシートとか書いてんだろう?
ペアシートって書いたら誤解されるからさ
なんどもなんども書かれてる無断転用防止じゃないの
意図があるかもしれないしないかもしれないが、明かな誤字・誤植以外はスルーでおk(些細なことで管理人に無駄な労力をかけさす必要はないでしょ)
横からすみません、本文中のリンクから読めるグローバルタイムズ紙の文面で「Innovation of twin-seat J-20 stealth fighter to lead world,」とあるので、その表現を踏襲したのではと。
無断転載防止の件は私も知っていますし、揚げ足取るつもりはありませんので悪しからず。
ツインエンジンの制御がデリケートすぎて電子制御できず、それを操作するための単なる航空機関士だったりして。
もちろん航法や爆撃なども担当するだろうけど。
またこう言う意味のわからないコメントが湧いてしまった。
そんなバッサリ斬り捨てなくても(苦笑)
私は久々にP2V-7でレシプロエンジンの空燃比を手動調整して滞空時間を延長する話を思い出し「ターボファンでも出来るんだスゲーな~いや無理だろ」みたいな一人脳内ノリツッコミで楽しめたので、そこまで厳しくはなれませんでした。
それにコメ主さんなりに考えて書き込みされてるであろうと思うと尚更。
お人好し過ぎますかね。
まあコメ欄の質が云々は私も思うところはありますが。
(何書いてるかよく分からなかったけど、とりあえず中国下げのコメントしときゃいいか…)
↑これ見よがしなこんなコメント書いてるけどこいつが一番上のコメ書いたんでしょ
そうなの?
わざと煽ったコメ書いて自分の期待通りの反論を楽しむとか?むしろ考え付かなかったの?
残念ながらその妄想はハズレです。気になるなら管理人に問い合わせてみましょうね~
おっ本人か?
穴フレさんさぁ・・・
電子制御できないほどデリケートなエンジンを制御できる機関士は超人では?
有人機と無人機が連携することをマムティーって言うんだよ?
知ってた??
なんかこのコメント欄、質落ちたか?
昔はもっとプロ意識高い人が情報持ち合うみたいな場だったのだが、、
なんかちと寂しい。
個人的には今年の始め辺りに、今までf-35のバットニュースが出てもあまりいなかった、f-35のネガキャンコメがやたら増加したのは驚いた。
他には明らかに悲観論者っぽい人が出てくるようになった気がする。
多分人が増えたのが要因
そういう俺も別の場所で嫌気がさしてこっちに鞍替えしたクチだからあれなんだけども
海外の軍事情報が日本語でタイムリーに読めるのはココぐらいしかないから、この分野に興味があって英語が得意な人は自分で英字ニュースを読むだろうけど苦手な人は最終的に万能論に辿りつく。
どれぐらいの人数がここ見てるんだろうね?
おかしな人が自演やらマウント、荒らしをやってるから
そういう方々に対しては基本スルーでよいのでは。
レスしないハートも押さない。
自分が注目を集めなければ興味が失せてそのうち離れていきますよ。
離れていきますよね…?(不安)