ウクライナ戦況

弾薬と食料が尽きた第36旅団、ロシア軍の包囲を突破してアゾフ連隊に合流

弾薬と食料が尽きて囲まれつつあった第36独立海軍歩兵旅団は12日、ロシア軍の包囲を突破してアゾフ連隊に合流することが出来たと報じられている。

参考:В Мариуполе подразделение николаевской бригады морской пехоты вышло из окружения и соединилось с полком «Азов»

負傷者を含む第36旅団の数百人がロシア軍の包囲を突破

マリウポリを防衛するウクライナの第36独立海軍歩兵旅団は「弾薬が不足しているためロシア軍への抵抗は今日が最後になるかもしれない」と語っていたが、ロシア軍に包囲されていた拠点(アゾフスタル製鉄所)を抜け出しアゾフ連隊に合流することが出来たらしい。

出典:GoogleMap 大まかなマリウポリの状況/管理人加工

とにかくにロシア軍の包囲を抜け出し「負傷者を含む第36旅団の数百人がアゾフ連隊に合流できた」としか報じられていなので詳細は不明だが、一先ずロシア軍に降伏する事態は避けられたようだ。

負傷者を見捨てずロシア軍の包囲を突破できたのは本当に「凄い」の一言に尽きるが、アゾフ連隊が何処にいるのか謎なので第36旅団はどちらの方向に移動したのだろうか?

追記:ロシア国営メディアは13日「マリウポリでウクライナ軍兵士が1,000人以上降伏した」と報じており、白旗を上げることを恐れている小さなグループのみが活動している(ほぼ組織的な抵抗を終わったという意味?)と主張している。

関連記事:マリウポリで最後の瞬間を待つ第36旅団、抵抗の代償を忘れず勝利してくれ
関連記事:マリウポリを防衛する第36旅団の弾薬が枯渇、今日が最後の戦いになる

 

※アイキャッチ画像の出典:36 окрема бригада морської піхоти імені контр-адмірала Михайла Білинського

お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。

ウクライナ軍の海軍歩兵所属する英国人兵士、マリウポリでロシア軍に降伏前のページ

第36旅団の脱出は失敗したと主張するロシア、副司令官の尋問風景を公開次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍、セベロドネツクからリシチャンシクに撤退か?

    セベロドネツク郊外で戦うウクライナ軍部隊に撤退が命じられたと報じられて…

  2. ウクライナ戦況

    米ランド研究所、反攻失敗は戦争継続への合理性に疑問を生じさせる

    露独立系メディアのインタビューに応じたランド研究所のチャラップ氏は「反…

  3. ウクライナ戦況

    フランス提供の自走砲がウクライナに到着、ロシア軍との戦いに投入済み

    ウクライナ軍のザルジュニー総司令官は24日、155mm榴弾砲をトラック…

  4. ウクライナ戦況

    ドニエプル川の戦い、ウクライナ軍は上陸した左岸陣地を現在も維持

    ヘルソン方面のウクライナ軍はドニエプル川左岸に上陸して「ピシュチャニフ…

  5. ウクライナ戦況

    ウクライナ警察、首都に侵入したShahed-136を小銃と拳銃で撃墜

    キーウ当局はパトロール警察(日本の交通警察に相当)が小銃と拳銃でSha…

コメント

    • 名無しさん
    • 2022年 4月 13日

    これが本当の事だとしたら凄いな
    今後似たようなピンチが無くなることを祈ります

    23
    • すえすえ
    • 2022年 4月 13日

    すげーな
    もはや驚異の粘り
    はたしてここまで戦える部隊は今の世界にいるのだろうか?
    特殊部隊ぐらいか???

    無理かもしれないけど脱出してほしい・・・
    まじで

    30
      • や、やめろー
      • 2022年 4月 13日

      祖国防衛という士気が高くなる目標がありますからね。どんな作戦も士気には勝てない

      12
    • 名無し
    • 2022年 4月 13日

    アゾフ連隊も包囲されてるんじゃないのか……?物資はまだそっちのほうがあるってことなのか?

    13
    • K(大文字)
    • 2022年 4月 13日

    本当に脱出合流出来たのならよかった。
    しかし、アゾフ連隊も補給が途絶している状況は同じこと。
    弾薬食糧のストックはいつまで保つのか?
    マリウポリ解囲の部隊は、やはりドンバスでの戦いが終わらないと差し向けられないものなのか。

    8
    • だいぶ溜まってんじゃん
    • 2022年 4月 13日

    いや僕多いに感激ですね
    これでまだ暫くは持ちこたえられそうですね
    ただ以前ロシア軍の包囲下にあることには変わらないので危機的状況なのは変わりませんね、一刻も早くウクライナ軍が解囲してくれるのを願うばかりです。

    しかし、ロシアの化学兵器使用が事実ならまだ陥落していないことからも使用は限定的で本格的なものではなかったのでしょうか?

    ロシア軍の不手際に助けられている面も有るかもしれませんがこの一月のマリウポルの粘りは驚異的ですね、攻める側にとって市街地戦ほど厄介な戦闘はないのかもしれませんね

    11
    • 猫鉈
    • 2022年 4月 13日

    マリウポリの部隊はアゾフ連隊でなくとも捕虜になってしまえばネオナチとして裁かれるリスクがあるので逃げ隠れしながらなんとか生き延びてほしいですね。
    すきあらばチクチクとロシア軍を攻撃するのが兵士の務めでしょうが死ぬか捕虜になってしまえばマリウポリで何が起きたか闇に葬られてしまうでしょうし、あまりムリはしないでほしい。

    13
    • 灰色の猫
    • 2022年 4月 13日

    マリウポリは情報が錯綜していてなにが起こっているのか分かりませんね。
    なんにせよスターリンクはすごい。

    10
    • しまじろ
    • 2022年 4月 13日

    「今日」でお終いでーすなんてFacebookで発信することに違和感感じてたのはこれかな。
    「今日」の時点で合流の算段ついてた?

    5
    • くらげ
    • 2022年 4月 13日

    「今日」でお終いでーすなんてFacebookで発信することに違和感感じてたのはこれかな。
    「今日」の段階で合流の算段ついてた?

    • juju
    • 2022年 4月 13日

    と言うかボロボロの部隊を合流阻止出来なかった時点でロシア軍も相当に余裕ないのだろな

    7
      • 幽霊
      • 2022年 4月 13日

      ロシア側としては無理に合流を阻止する理由は無いのでは?
      第36旅団がアゾフ連隊に合流すればその分物資を消耗する事になりますし、万が一アゾフ連隊が合流を拒否したらロシア側としてはいい宣伝材料になるでしょうから。

      6
    • sundaycameraman
    • 2022年 4月 13日

    弾薬が尽きた情報はアゾフ連隊と合流するための偽情報だったのか?
    何にしてもロシア軍の包囲体制はザルだったということだな。どちらにしてももう長くは保たないと思うが、、、、

    2
    • 無無
    • 2022年 4月 13日

    僅かな可能性にかじりついてでも、生きて生きて生き延びて国に尽くす
    これぞ真の愛国心なり
    玉砕なぞ前線にでない卑怯者が美化した戦いの放棄に過ぎない、捕虜になっても脱走と反抗を繰り返してドイツ軍をイライラさせた米英こそ勝っていることを忘れるな

    8
    • や、やめろー
    • 2022年 4月 13日

    .ウクライナ海軍が残っていれば、陸上からの対艦ミサイルでマリウポリ周辺から撤退させて、援護射撃、物資補給ができんこともない。イギリスの対艦ミサイル給与が鍵かな

    9
      • にゃにゃし
      • 2022年 4月 13日

      トルコ、EU艦艇に限って海峡を開けてくれないかな。
      黒海の制海権取れれば、彼らを救えるかもだし、戦いは様変わりしそう何だけど。。。

      4
        • 四凶
        • 2022年 4月 13日

         むしろこのタイミングで一方だけに許可するなんて事すればトルコの信頼性ガタ落ちだよ。
         その場合はロシア艦艇通行した場合のメリットデメリット考えて撤廃をお願いすべきだろう。

         過去一度の例外としてはヴァリヤーグだろうが一応はレジャー施設としての扱いだったし平時だったから今回のケースみたいな状態でもないし。

        4
    • 名無しさん
    • 2022年 4月 13日

    ロシア兵の士気に難ありとは言え、この戦力・火力差での粘りぶり。
    硫黄島守備隊にまさるとも劣らない戦いぶりで言葉がでないわ・・・

    11
    • フラット
    • 2022年 4月 13日

    未だ沿岸地区で立て篭ってるとはいえ、マリウポリは実質的に陥落してるな。とはいえ東部ドンパスとクリミアに挟まれていまだ持ち堪えてたのは奇跡的奮闘としか言いようがない。

    9
    • 名無し
    • 2022年 4月 13日

    凄いなぁ。未だ窮地にあるのは変わらないけど、あの地域で、弾薬もほぼつきかけている状況での突破は感動すら覚える士気の高さ。
    ただこれに至るまでの司令部の指揮命令が大丈夫なのか疑問符がつくけど。

    2
    • ねーむ
    • 2022年 4月 13日

    両方のプロパガンダに、一喜一憂するのは止めよう。
    この調子じゃ日本は情報戦で一捻り

    7
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  2. インド太平洋関連

    米英豪が豪州の原潜取得に関する合意を発表、米戦闘システムを採用するAUKUS級を…
  3. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
  4. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  5. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
PAGE TOP