AirbusはA330MRTT向けの自動空中給油システム=A3Rの実用化に成功、既にF-16とF-15に対する日中の自動空中給油について認証を獲得しているのだが、Airbusは23日「夜間条件でのA3Rテストに成功した」発表し、夜間の自動空中給油に関する認証を2025年に取得するらしい。
参考:Airbus launches A330 MRTT+ to deliver extended range
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既にA330MRTT+には顧客からの強い関心が寄せられている
AirbusのA330MRTTには致命的な欠陥がなく運用国での評判も上々で自動空中給油システム=A3Rの実用化にも成功しており、このシステムはフライングブーム方式で給油を受ける側(戦闘機等)の改造や追加の機器を必要とせず、オペレーターの技量に左右されていた作業性と安全性を向上させ「作戦状況下の燃料移送スピードが最適化される=緻密に組み上げられる作戦スケジュールの遅延が少ない」と評価されている。
The Airbus #A330MRTT has achieved a world first aviation milestone by completing an automatic air-to-air refuelling (A3R) flight test campaign in night conditions – a key step towards certification in 2025. Between May and June this year, @TheRSAF A330 MRTT embodying the latest… pic.twitter.com/XhaAZhQnq9
— Airbus Newsroom (@AirbusPRESS) July 23, 2024
既にA3Rはスペインの認証機関=INTAからF-16とF-15に対する日中の自動空中給油について認証を獲得しているのだが、Airbusは23日「夜間条件でのA3Rテストに成功した」「これは2025年の認証獲得に向けて重要なステップだ」と発表し、夜間条件で実施されたF-16D Block52、F-15SG、A330MRTTへの自動空中給油の様子を公開した。
Airbusは無人機への空中給油を自動化する「A4R」や自律的編隊飛行システム「AF2」の開発なども進めており、今月10日には導入国のサウジアラビアから追加発注(4機)を受注、イタリアもKC-767の後継機にKC-46A取得(6機)を予定していたものの「A330MRTTとの競争入札実施」に方針を変更、さらに米議会もKC-135の後継機について「KC-46とA330MRTTの競争入札を実施しろ」と強く要求している。

出典:U.S. Air Force photo by Joshua J. Seybert
KC-46AはA330MRTTと競合した全ての入札(カナダ、韓国、ポーランド、アラブ首長国連邦、インドネシア)で敗れているため、海外顧客は日本とイスラエルしかなく、仮に入札を実施してA330MRTTに敗れると米空軍の調達は179機で打ち切られてしまい、BoeingはKC-46Aの生産ラインを維持するのが難しくなってしまうだろう。
因みにAirbusは昨年11月「A330MRTTのベース機体をA330-200からA330neoに変更することを検討している」「ベース機体の変更で燃料消費量の削減と航続距離の増加が見込める」と明かしていたが、ファーンボロー国際航空ショーで「燃料消費量の削減と航続距離の増加が見込める第2世代のA330MRTT=A330MRTT+計画を開始する」と正式に発表し、A330MRTT+のベース機体はA330-800neoになるらしい。

出典:Alex Cheban/CC BY-SA 4.0
Airbusは「A330MRTT+は燃料消費量を8%削減することができる」「このプログラムは市場の需要を満たすための進化だ」「既に同機には顧客からの強い関心が寄せられている」「この関心が正式な発注につながれば直ぐに実機開発を進められる」「A330MRTT+の後続距離はKC-46Aよりも33%も長いため能力的優位性の獲得に繋がる」「引き続き米空軍のKC-135後継機調達に関心を持っている」「イタリアがKC-46A調達を中止したためA330MRTTは新たな発注を確保できるかもしれない」と述べており、競合する両機の将来性は明暗が分かれてしまった格好だ。
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※アイキャッチ画像の出典:Airbus
もうやめて! とっくにボーイングのライフはゼロよ!
空軍やペンタゴンにも問題はあるとはいえ、ボーイングはいつまで油を売ってるつもりなんだか。
タンカーが 油を売ると 怒られる
韓国は正しい選択をしたが、日本は選択権がなかった。
非エアバス王国だからね、>日本
米軍がエアバス採用したら日本も追随すると思う
B-767改修キットがまじめにほしい。
空自のKC-767はプローブ&ドローグ未対応なので、イタリアと同じプローブ対応にしてもらったら当面は困らんですよねぇ。
KC-767の空中給油システムはKDC-10の改良版なので、リース話で揉めなければKC-767とほぼ同等機でもっと早く納入されていたのではないかと if を言っても仕方ないのですが。
ボーイング社でライセンス生産する形で米空軍に納入しよう(暴論
KC-46とA330MRTTは機体のサイズが違うからetc.,,,,,,,
とか言っている余裕はないかもね、KC-10も引退ですし…
ボーイングで生産する時点であかんことになる予感
767のサイズ重量接地圧に収まってくれたらなぁ
半分以上、冗談で。
ボーイング社はエアバス社の株を買い占めて、大株主になる必要があるのでは(笑)。
そうして、エアバス社の技術を安価に入手する必要があるのでは(笑)。
そして、旧MD社の要員を送り込んで、足を引っ張る必要があるのでは(笑)。
今からでも飛びつくべきだな
有事が近いのに見えてる地雷で遊んでる時間は、日本には無いよ
飛びついたら飛びついたで格納庫作り直したり滑走路補強しないといけないから、諸々考えるとKC-46選ぶしかないねん
それでもA330MRTTにした方がいいと思う
これは単に性能の話だけじゃなくて、米への信頼低下を伝えるためにもそうした方がいい
もしくはc-2の空中給油機型を本格的に開発するとか
何れにしても、やらかしても日本は買わざるを得ないって現状を変えるための行動はしなきゃいけないし、より有用な選択肢があるんならそっちへ向かうべきだと思う
この件に関してはアメリカが悪いってよりボーイングが悪いってだけだし、面倒臭い彼女じゃないんだから信頼が下がってるの伝えるなら直接いいなよ
あとKC-2は搭載量が4割弱しかないから無理
それこそ個人の問題じゃないんだから、口で言うだけなんて何の意味も無い
利益を損ねた数値を見せつけないと行動を起こしたとは言えないし伝わらないよ
KC-2を開発してとりあえず投入するというのはどうだろう。
どうせならKP-1にしよう。
輸送機として使えないので、早期警戒機というか空飛ぶレーダサイトにしよう
もう空中給油システムだけでもエアバスから買って組み込んだ方が安上がりなのでは?
ボーイングならそれでもね、、
我が国がまたゴミを掴まされて悲しい
ボーイングはちゃんと仕事しろよ
ゴミ呼ばわりされるほど致命的な問題ってあったかな?
確かに自動給油はできた方がいいし、日本は増備するから熟練の腕がなくても使える機材の方がより良いとは思うけど…
ボーイングの空中給油ブーム操作シミュレーターを素人がやってみたら
給油を受ける側の機体の表面をガリガリこすった結果に終わったから
自動給油が可能ならそっちの方が良いに決まってるしな
F-35の表面こすってステルス性が落ちたら目も当てられん
そもそもが高速で空力飛行している同士を空中合体させる技術ですからねぇ…
横田基地で見たA-10は機首がボコッと凹んでました。空中給油時に当てたんだなあと思いましたよ。
航空機は飛んでいれば時間と共に傷やクラックは発生してくる。
F22なんて普通にリベット打ったツギハギだらけで飛んでるけど?
問題だらけでしょ
詳しくはここの過去記事で全部書かれてるから省くが
ブームの問題→A-10の様な低推力の機体は日本にない
カメラの問題→逆光になる位置を避ければ問題ない
受油口のドレイン→マイナス気温の露天駐機時には傾斜を付ければ問題ない
オートパイロット→手動に切り替えれば問題ない
飛べないとか任務中止に繋がる致命的な問題ってあったかな?
ボーイングの救済をしたいなら787-8ベースで日韓に安くライセンス生産させて、それを輸出して導入数を増やさんことには話にならんな
フライングブームはシステム一式を米がエアバスに頭下げて買って来いよって感じ
ちゃんと作った素性のいいシステムは改良するときもスムーズなんだなぁ・・・という感想
(見切り発車で作って失敗し、付け焼刃の対策を焦ってして大失敗っていうとこと比べると)
まじめに日本やイスラエルに魔改造をさせた方が良いのではなかろうか…アメリカはこういうライン維持問題があるから怖いんだよな…素知らぬ顔して新しい機体に夢中になったりとか。
アパッチやらグローバルホークやらオスプレイやら
あれAWACSもだったけな
みんな飛んでる奴
ロッキード/マーチン/ボーイングまたはノースロップ/グラマン/ボーイングになるんでしょうか?
旧MD経営陣物理で首おとさんと合併するがわが全く安心できないと思うな・・・。
いつ乗っ取られるかわからんし。
ボーイングの空中給油機はMQ-25の発展型目指すのかなぁ。どうなるかは知らんが、夢だけはあるかもしれんな。
しかし一番分からんのが、ボーイングが空中給油機の自動給油システムを開発できないこと
10年前でも空中の自動給油に必要な技術的要素
・画像認識
・相対位置の予測計算
・非常時の自動対応
などなどある程度あった訳で、桁違いな予算で開発できる軍用で
開発できず
不具合も修正できず
の理由が本当に分からない