欧州関連

真偽不明、アゼルバイジャン軍が地対空ミサイルでロシア空軍機を攻撃か

アゼルバイジャン軍がロシア空軍機を地対空ミサイル「S-300PMU-2」で攻撃した可能性を示す写真がネット上にアップされ注目を集めている。

参考:Russia fighter was attacked by Armenian or Azerbaijani S-300 missile system
参考:Азербайджанские ПВО атаковали российский военный самолёт
参考:Неизвестный снаряд взорвался в горах Агульского района Дагестана, пострадавших нет – источник
参考:DEBRIS, LIKELY FROM S-300 MISSILE, DROPS IN RUSSIA, AS AZERBAIJAN AND ARMENIAN OFFICIALS RUSH TO MOSCOW

アゼルバイジャン軍がロシア空軍機を地対空ミサイルで攻撃?ロシア連邦領内にミサイルの残骸が落下か?

アゼルバイジャンと国境を接したロシア連邦を構成するダゲスタン共和国領内にアゼルバイジャン軍が発射したとも思われる地対空ミサイルの残骸が落下、アゼルバイジャン軍がロシア空軍機を攻撃したのではないかと複数の海外メディアが報じており大きな注目を集めている。

ロシアはアゼルバイジャンとアルメニアのナゴルノ・カラバフ紛争を監視するため、ダゲスタン共和国とアゼルバイジャンの国境沿い上空にロシア空軍の戦闘機を派遣して監視を強化しているらしく、これを狙ってアゼルバイジャンかアルメニアのどちらかが防空システム「S-300」の迎撃ミサイルを発射したのではないかと言われており、ダゲスタン共和国領内に落下した残骸写真を分析した結果、ロシア製防空システム「S-400」や「S-300PMU2」で使用される迎撃ミサイル「48N6E2」の残骸である可能性が高まってきた。

この迎撃ミサイル「48N6E2」は比較的新しいものでロシア製防空システム「S-400」か「S-300PMU2」でないと運用できないのだが、アゼルバイジャンもアルメニアもS-300しか保有していない。さらに言えばアルメニアが保有しているのは旧式のS-300PSやS-300Vなので48N6E2を運用することは不可能だ。

以上のことから48N6E2を運用できる「S-300PMU2」を保有しているのはアゼルバイジャン軍のみで、落下した残骸が48N6E2のものなら犯人が確定してしまう。

出典:kremlin.ru / CC BY 3.0 S-300PMU2

現在、ミサイルの残骸が落下した現場にロシア連邦保安庁とロシア内務省の技術者が到着して調査を行っており、ロシア軍も独自にデータを解析中だと報じられているので落下した残骸が何なのか、何処から発射されたのか間もなく判明するはずだ。

因みにロシアはアゼルバイジャン領空を侵犯するような飛行は行っていないと主張しており、仮にアゼルバイジャン軍がダゲスタン共和国領空を飛行するロシア空軍を攻撃したとすれば、プーチン大統領は「軍事作戦はアルメニア領土の外で行われている」などと言っていられなくなるだろう。

逆を言えばロシア参戦を招くような対応をアゼルバイジャン側が行うとは考えにくく、仮に攻撃を仕掛けたとしても狙われたロシア空軍の戦闘機は無事だったのかなど一切情報がないため、本当にダゲスタン共和国に地対空ミサイルの残骸が落下が落下したのかイマイチ信じる事ができない。

追記:ロシアはトルコがアゼルバイジャンに派遣しているシリア人傭兵の訓練キャンプ(シリア国内)を爆撃して破壊したと報じられている。

関連記事:ナゴルノ・カラバフ紛争はアルメニア領土外、プーチン大統領が支援を否定

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※アイキャッチ画像の出典:@ain92ruのツイート画像

米海軍、次期フリゲートFFG(X)1番艦を「コンステレーション」と命名前のページ

ナゴルノ・カラバフ紛争で停戦が実現 → 停戦発効から5分後にアゼル軍が攻撃再開次のページ

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コメント

    • 匿名
    • 2020年 10月 10日

    戦場には不確定要素がつきもの
    いつも上の思惑で予定どおりに完結するわけではない
    だから危ういんだよ

    10
    • 匿名
    • 2020年 10月 10日

    正直な所ロシアが本格介入する理由作りのために適当な話をでっちあげてるだけのような
    結局トルコとロシアの代理戦争になりそうな様相

    7
      • 匿名
      • 2020年 10月 10日

      ロシアの思惑は見えないが、介入の糸口を探してはいるだろうね。
      管理人さんが挙げている2つ目の引用記事(ロシアのノーボスチ通信)は、アゼル軍の対空防衛システムが、ロシアの戦闘機を攻撃した、とある。記事には、撃墜した、とはないようだが。

      7
      • 匿名
      • 2020年 10月 10日

      ロシア的には介入しても介入しなくても、どちらも痒いでしょうね。
      ロシアの議会で何が話し合われているか全く伝わってこないので真意が読めません。

      3
    • 匿名
    • 2020年 10月 10日

    そのうち旅客機撃墜とか起こりそうだな
    怖い怖い

      • 匿名
      • 2020年 10月 10日

      今回の件に一番近いケースとしては2001年10月4日にウクライナ防空軍が演習中に撃ったS-200(NATOコードネーム「SA-5ガモン」)が、誤って発射地点から約240km先を飛んでいたロシアのシベリア航空(現・S7航空)のツポレフTu-154M(テルアビブ発ノヴォシビルスク行1812便)を撃墜した事件かな(但しウクライナ側は容疑を否認したまま)

      3
        • 匿名
        • 2020年 10月 10日

        何故そんな昔の話を…
        今年1月8日のイラン革命防衛隊によるウクライナ航空機撃墜事件、
        2014年のウクライナにおけるドンバス分離勢力によるマレーシア航空機撃墜事件のほうが記憶に新しい

        4
    • 匿名
    • 2020年 10月 10日

    ロシア製ミサイルって、ロシア機を撃てないビックリメカ付いてなかったんだな。(小並感)

    5
    • 匿名
    • 2020年 10月 10日

    キューバ危機のときに、キューバ派遣軍がイキって米偵察機を撃墜した報告を受けてソ連上層部が青ざめた話
    悲惨な大戦をなめたフルシチョフ、従軍して危うく死にかけたケネディそれぞれが、戦場の悲惨を知っていたからこそ自制し政治的妥結で事なきを得たことから、のちの人々は学習しないとな
    バカは映画やマンガのきれいごとと本物の戦争の区別がわかんないから

    6
      • 匿名
      • 2020年 10月 10日

      済まないが、それを言うなら「第二次世界大戦を引き起こしたアドルフ・ヒトラーは?」と問わなければならなくなる
      ヒトラーは第一次世界大戦中、当時のバイエルン陸軍に志願して上等兵(ゲフライターと呼ぶが正確な意訳は無い、因みに現在でもドイツやオーストリア・スイス軍にこの階級が残っており、NATOの分類では一等兵に相当する)として実戦参加し、戦闘中に負傷した経験があるのだけど?

      要するに「実戦に参加して悲惨な経験をしたからと言って、その政治家が常に戦場の悲惨さを自覚して武力行使を自制するとは限らない」と言う事

      21
        • 匿名
        • 2020年 10月 10日

        では兵隊あがりは危険な政治家なのかというと(笑)
        キューバ危機に関しては詳しい経緯と証言が多く残ってるからね、わかりやすい
        ヒトラーて何なんだろね

        2
          • 匿名
          • 2020年 10月 10日

          勿論、「兵隊上がりの政治家は危険」と言うつもりは無いよ
          只、現実には「実戦に参加して悲惨な経験をした人物が皆、戦場の悲惨さを自覚した発言や行動をするとは限らない」と言う点を指摘する為にヒトラーを持ち出しただけなんだ
          この辺りの問題は、所謂「お前が戦争に行け」論についてググると分かると思う
          実際に居るんだよ…ハト派の人に向かって「貴様、死ぬ覚悟があるのか?無いなら黙っとれ!」と叫んで口を封じる奴が

          後、キューバ危機にしてもちょっとした運命の悪戯で本当の核戦争になった可能性があった事も論証されている(これについても複数の証言が残っている)ので、当時の米ソ両首脳の政治的妥結を過大評価しない方が良いかも知れない

          9
    • 匿名
    • 2020年 10月 10日

    追記のくだりはトルコの尻尾切りかあるいは証拠隠滅か
    そっちのほうも気になる

    1
    • 匿名
    • 2020年 10月 10日

    はてさて。

    ロシア、アゼルバイジャン、アルメニア間の11時間の会議から4ポイント。

    1〜12時間の停戦。
    2-さらなる停戦条件が交渉されます。
    3-さらなる平和のためのOSCEの基本原則。
    4-交渉プロセスの形式は変更されません。

    Turan Gafarli
    @ATuranQ

      • 匿名
      • 2020年 10月 10日

      それは誤訳、停戦は10月10日12時からな
      ロシア語の原文から読んでどうぞ

    • 匿名
    • 2020年 10月 10日

    プーチンの面子を立てたとして、エドリアンはどうするんだろ
    成果無しに引き下がれるか

      • 匿名
      • 2020年 10月 10日

      「エルドアン」なw
      たびたびエイドリアンだのと書かれてるのを見かけるがいい加減に名前覚えてやれよ。

      5
        • 匿名
        • 2020年 10月 10日

        その程度の人物だからいいんだよw

        1
    • 匿名
    • 2020年 10月 10日

    そこそこ金があればハイテク兵器買い込んでそれなりに戦争にできるもんなんだな
    短期の限定戦争だと先進国の優位点ってほとんどないようなきもする

    2
      • 匿名
      • 2020年 10月 10日

      たとえば衛星情報の有る無しの格差は大きいと思うよ、フォークランド紛争んときにアルゼンチンはソ連に衛星画像提供求めて断られてるし
      小さい国だとやっぱり不利

      1
    • 匿名
    • 2020年 10月 10日

    ロシアは本音ではかかわりあいたくないんやろ。
    これまでだって大義名分なしに他国へ侵攻してたのに今回だけ名分探るなんておかしい。
    アゼルバイジャンが一線を越えなければ動かんでしょ。

    2
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