欧州関連

アゼルバイジャン軍、ナゴルノ・カラバフ地域に対する全方位攻撃を再開か

アルメニア国防省は13日、アゼルバイジャン軍によるナゴルノ・カラバフ地域への全面的な攻撃が13日早朝から再開されたと発表した。

参考:Azerbaijan army launched offensive operations since morning

ナゴルノ・カラバフ地域に対するアゼルバイジャン軍の攻撃が再開、人道的停戦は破綻してしまうのか?

アルメニア国防省はナゴルノ・カラバフ地域に対するアゼルバイジャン軍の攻撃が全ての方向から再開されたと13日朝(現地時間)に発表、アゼルバイジャン国防省もアルメニア軍が停戦を破って首都バクーに次ぐ人口を擁するギャンジャ、タルタル、アグダムに攻撃を仕掛けてきたため反撃していると主張しており、事実上ナゴルノ・カラバフ地域を巡る戦いが再開したとアルメニアは報じている。

因みにアルメニア軍は昨夜から早朝の時間帯にナゴルノ・カラバフ地域の人口密集地帯に対して攻撃をしかけてきたとも主張しており、アルメニア軍はナゴルノ・カラバフ地域上空を飛行していたアゼルバイジャン空軍のSu-25を携帯式防空ミサイル「9K38イグラ」を使用して撃墜したことを明らかにした。

出典:Fedor Leukhin / CC BY-SA 2.0 ロシア空軍のSu-25

さらにアルメニア政府はイスラエルの裁判所がアゼルバイジャンへのイスラエル製兵器供給を停止するよう求めた訴えを「提出された証拠だけではアルメニアに対する戦争犯罪に使用されたと証明するのに不十分」だとして退けたことに反応して、アルツァフ共和国(事実上アルメニア支配下のナゴルノ・カラバフ地域)の首都ステパナケルト攻撃に使用されたイスラエル製クラスター爆弾(M095DPICM)の部品が673個分発見されたと写真付きでネット上に公開、間接的にイスラエルの裁判所の判断を批判している。

[English and Russian below]

ԱՀ ԱԻ պետական ծառայության փրկարար ուժերի վարչության սակրավորական խմբերը շարունակում են…

Արցախի Տեղեկատվական շտաբ / NKR InfoCenter / НКР ИнфоЦентрさんの投稿 2020年10月12日月曜日

果たして今回の戦いが一時的なもので終わるのか、発効から約70時間しか経っていない人道的停戦が完全に破綻するのか、今後の動きに動きに注目を集まっている。

関連記事:イスラエル、アゼルバイジャンに対する武器供給停止を拒否

 

※アイキャッチ画像の出典:Public Domain アゼルバイジャン陸軍のT-72

イスラエル、アゼルバイジャンに対する武器供給停止を拒否前のページ

ズムウォルト級の失敗を恐れる米海軍、次期駆逐艦も枯れた技術だけで構成次のページ

関連記事

  1. 欧州関連

    米国のF-35制裁に抜け道?トルコのF-35部品製造は国外移転で継続可能か

    トルコの防衛産業界は、目前に迫った米国の制裁を回避するための手段として…

  2. 欧州関連

    トルコ、主力戦車「アルタイ」向けに開発中だった国産エンジンの試運転に成功

    トルコ国防省調達部門のイスマイル・デミール氏は今月5日、主力戦車「アル…

  3. 欧州関連

    英国、5年以内に次世代戦闘機テンペストの技術実証機を飛行させる

    英国のウォレス国防相は18日、5年以内に次世代戦闘機「テンペスト」の技…

  4. 欧州関連

    米英仏独、ウクライナ向けに調整された新たな安全保障の枠組みを協議中

    ウクライナはNATO加盟に対する明確な約束を得られない可能性が高く「N…

  5. 欧州関連

    契約成立が間近? フランス、インドネシアとのラファール購入交渉は順調

    フランスのパルリ国防相は3日、ラファール購入に関するインドネシアとの交…

  6. 欧州関連

    現実味を増してきた英国の空母技術輸出、軽空母プログラムを進める韓国と協議を開始

    英国のテレグラフ紙は空母クイーン・エリザベスの技術を韓国に輸出すると報…

コメント

    • ソ連軍ムスカ大佐
    • 2020年 10月 13日

    5分しか持たなかった「停戦」など最早誰も気にしてないんじゃね?

    • 匿名
    • 2020年 10月 13日

    戦いが再開した、って寧ろ今まで戦い止めてたんかい。

    5
      • 自己レス
      • 2020年 10月 13日

      停戦は5分しか持たなかったんでしょ?

      1
    • 匿名
    • 2020年 10月 13日

    今回の件でアルメニアを支援し、停戦を破られて面目丸つぶれのロシアとアゼルバイジャンを支援するトルコの間で関係が悪化するかな?
    それともトルコとの関係を悪化させたくないからアルメニアの支援に消極的なのか

    1
    • 匿名
    • 2020年 10月 13日

    もう収拾がつかんな。

    3
    • 匿名
    • 2020年 10月 13日

    トルコまで飛び火しそうだ。

    イランも気になる。トルコとイランは仲良かったっけ?

      • 匿名
      • 2020年 10月 14日

      アゼルバイジャンとイスラエルの仲が良くてイランを牽制しているそうです、なのでイランはアルメリアを助けてアゼルバイジャンを牽制すると思われます。宗教とは切り離して考えた方が良いかも?

      2
    • 匿名
    • 2020年 10月 13日

    プーさんはこれを予期してたのかな、旧ソ連エリアはロシアの縄張りって意識してるなら、シマを荒らす背後のエルドアンと抗争かよ
    それはないな(笑)

    1
    • 匿名
    • 2020年 10月 13日

    もう止まらないですねこれ…

    • 匿名
    • 2020年 10月 14日

    勝ってる戦争ほど楽しいものはないって言うくらいだからな
    金も資源もつぎ込んで準備して来たわけだし、アゼル側からすればロシアが日和ってる間は劣勢にならない限り止めないだろうよ

    5
    • 匿名
    • 2020年 10月 14日

    アゼルは、ナゴルノカラバフで民間人を多数死傷させると、虐殺や侵略の汚名を背負う。

      • 匿名
      • 2020年 10月 14日

      そんなこと気にするかね?
      どうせ最終目的は民族浄化だろう

      2
      • 匿名
      • 2020年 10月 14日

      そこまでやったらようやく「国際社会」とやらが出てきて、難民キャンプを作って、今度はアゼル側にテロ活動。何度も繰り返しているのに国際社会は懲りない。「戦争にチャンスを与えよ」の通り、ある程度どころか、一度徹底的にやらないと、この手の紛争は終わらないだろう。

      • 匿名
      • 2020年 10月 14日

      内戦でも、侵略戦争でもなく、国際社会上アゼルバイジャン領だから汚名になるかどうかはイマイチどうだろうね?

      ナゴルノ・カラバフがどうなのかは複雑すぎて置いといて、その背後のアゼルバイジャン領を完璧に占領しているのはアルメニアだから。

      3
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
  2. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  3. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
  4. 日本関連

    防衛装備庁、日英が共同で進めていた新型空対空ミサイルの研究終了を発表
  5. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
PAGE TOP