欧州関連

アゼルバイジャン軍、TB2を使用してアルツァフ国防軍に報復攻撃を実施

アルメニアの武装集団(アルツァフ国防軍)による攻撃で兵士1人が死亡したと主張するアゼルバイジャン国防省は3日、TB2による報復攻撃を実施して動画を公開した。

参考:Azərbaycan Ordusu “Qisas” əməliyyatı keçirib

アルツァフ国防軍をアゼルバイジャン軍がTB2で攻撃、先に手を出したのはどちらか?

2020年のナゴルノ・カラバフ地域(自称:アルツァフ共和国)を巡る戦いでアゼルバイジャンはアルメニアに奪われた土地の大部分を回復、ロシアは平和維持部隊を派遣して両国が署名した停戦協定の維持に努めていたものの今年3月に小規模な衝突が発生、さらに7月末にも戦闘が発生して緊迫した状況が続いていたが、遂に両軍の衝突で死傷者が発生して戦闘がエスカレートし始めた。

出典:Արայիկ Հարությունյան

アルツァフ国防軍の報道官は3日「アゼルバイジャン軍がグレネードランチャーや無人航空機を使用してアルツァフ共和国側の陣地を攻撃、兵士2人が死亡して14人が負傷した」と発表、この事態に対応するためアルツァフ共和国のハルチュニャン大統領は「限定的な軍事動員に関する大統領令」に署名したが、アゼルバイジャン国防省は「アルメニアの武装集団(アルツァフ国防軍)が攻撃を仕掛けてきてアゼルバイジャン軍兵士1人が死亡した」と主張。

どちらの主張が正しいのか不明だが、アゼルバイジャン国防省は3日「TB2による報復攻撃を実施した」と発表して攻撃シーンの動画を公開した。

仮にアゼルバイジャン側の主張が正しいなら「アルツァフ国防軍が被った被害はTB2による報復攻撃」の結果であり、アルツァフ共和国・アルメニア側の主張が正しいなら「TB2による報復攻撃の動画」が先に攻撃を仕掛けた証拠ということになる。

関連記事:ナゴルノ・カラバフで軍事衝突、アルツァフ共和国側は軍事動員を宣言
関連記事:和平交渉を開始したアゼルバイジャンとアルメニア、再びナゴカラで戦闘
関連記事:アルメニアで数千人規模の抗議集会、ナゴルノ・カラバフを敵に売り渡すな
関連記事:ウクライナ侵攻失敗で低下したロシア軍のプレゼンス、きな臭いコーカサス

 

※アイキャッチ画像の出典:Azərbaycan Respublikası Müdafiə Nazirliyi

ナゴルノ・カラバフで軍事衝突、アルツァフ共和国側は軍事動員を宣言前のページ

シュレーダー元独首相、ウクライナのクリミア奪還は馬鹿げている次のページ

関連記事

  1. 欧州関連

    無人機開発で先行するトルコ、全翼機タイプのステルスUCAV登場を予告

    トルコのフアット・オクタイ副大統領は13日「新しいタイプの無人ジェット…

  2. 欧州関連

    フィンランドのNATO加盟が確定、加盟国30ヶ国の批准手続きが完了

    トルコ議会がフィンランドNATO加盟を30日に承認、加盟国30ヶ国によ…

  3. 欧州関連

    スロバキア、西側諸国の支援があればT-72やMiG-29をウクライナに提供

    スロバキアのナド国防相は「レオパルド2A4のウクライナ提供は全く議論さ…

  4. 欧州関連

    欧州の次世代戦闘機プログラムが新たなパートナーを獲得、ベルギーが参加

    パリ航空ショーの開幕に合わせてマクロン大統領は19日「ベルギーがFCA…

  5. 欧州関連

    ウクライナ当局、マリウポリで第501大隊が降伏したのは裏切り者が原因

    ウクライナ国家捜査局は16日、マリウポリで第501大隊がロシア軍に降伏…

  6. 欧州関連

    緊張が高まる南コーカサス、アルメニアとアゼルバイジャンが軍を国境地域に移動

    アルメニアとアゼルバイジャンが戦力を国境沿いに移動させたため緊張が高ま…

コメント

    • 無無
    • 2022年 8月 04日

    ここで事実関係は大した意味を持たない
    ロシアが動けない隙をついてトルコが動いているから衝突が起こる
    火事場泥棒とは言いすぎか

    16
    • ベトナムの猫肉料理は臭い
    • 2022年 8月 04日

    アルメニア軍はまだまだ再建出来てないのに紛争拡大したら耐えられるんやろか
    キリスト教最古の国らしいが神は今度こそアルメニアの受難を救済するのか

    9
    • STIH
    • 2022年 8月 04日

    こっちが開戦、というより戦争再開というべきか?まあナゴルノ・カラバフ地域の半分くらいしか”返還”されない停戦案じゃ、ほぼほぼアゼル側圧倒的優位な戦争だったのに納得するわけないでしょうからねえ。
    しかしロシアがまとめた停戦案を蹴飛ばしているんだから、ロシアのプレゼンスがなくなってきてるんでしょうね。
    さらに言えば、アゼルバイジャンはシーア派の国なんですから、トルコだけじゃなくイランも一枚嚙んでいるんでしょうから、ロシアの支援をするといったイランの態度は何だったのかと。
    しかしこう同時多発的に情勢が動くさまは危機的なものを感じますね。、第二次大戦前夜もこんな感じだったのでしょうか。世界大戦になりかねない、台湾侵攻だけはや起きないことを祈るばかりです。

    18
    • だいだーら
    • 2022年 8月 04日

    いよいよおっぱじめたなぁ
    つかナゴカラって20年なのか、つい最近やってた気がしてたから感覚狂う
    今年初めごろにやってたような気もするし早くとも去年だと思ってた、時が過ぎるのは早い

    12
    • paxai
    • 2022年 8月 04日

    なかなか博打だと思うけどな。
    ロシアが動けない間に・・・ってのは分かるけど突如終戦する可能性もある訳で。
    その時はロシア軍アルメニア連合軍が差し向けられて詰むやろ。
    流石にアゼルバイジャンは軍事支援貰えないでしょ。

    • すえすえ
    • 2022年 8月 04日

    いろんなところのタガが外れてきてるなー

    アゼルバイジャンも結構リスキーな選択だと思うが
    ウクライナの戦争が終わらないとみてるかロシア軍の弱体化が思った以上に進んでいるとみてるかでしょうけど

    4
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
  2. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  3. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  4. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
  5. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
PAGE TOP