BAEシステムズは11日、新たに開発した近接信管を2.75インチロケット弾に組み込み無人航空機(UAV)の迎撃に成功したと発表して注目を集めている。
参考:BAE Systems successfully tests APKWS® laser-guided rockets against unmanned aerial systems
スティンガーによるUAVの迎撃コストを約1/6まで削減する可能性を秘めたAPKWSによる迎撃
なぜ今回の発表に注目が集まっているのか不思議かもしれないが、これはUAVの迎撃コストを劇的に下げる可能性を秘めているため重要なマイルストーンだと位置づけられているためだ。
BAEシステムズが迎撃に成功したのは戦場で遭遇する確立が高い「UASグループ2(重量約22kg/作動高度約1,000m/作動速度460km以下)」に定義されたUAVで、米軍が運用しているスキャンイーグルなどがUASグループ2に該当するのだが、このクラスのUAVは安価なもの多く迎撃コストとのギャップが課題の一つと言える。

出典:Public Domain スキャンイーグル
補足:米陸軍が定めた基準とは無人航空機を性能別に5段階に分類した無人航空機システム(Unmanned Aircraft System:UAS)グループのことを指している。
グループ1:重量約9kg/作動高度約360m/作動速度185km以下(RQ-11レイヴン、RQ-16T-ホークなど)
グループ2:重量約22kg/作動高度約1,000m/作動速度460km以下(スキャンイーグルなど)
グループ3:重量約600kg/作動高度約5,480m/作動速度460km以下(RQ-7シャドーなど)
グループ4:重量約600kg以上/作動高度約5,480m以下(RQ-5ハンターなど)
グループ5:重量約600kg以上/作動高度約5,480m以上(MQ-9リーパー、RQ-4グローバルホークなど)
例えば米軍が使用する携帯式の地対空ミサイル「スティンガー」の調達コストは1発あたり約12万ドル/約1,360万円もするため、高価なスキャンイーグル(4機のスキャンイーグル、地上管制システム、制御端末、発射装置、回収装置で構成された1セットの調達コストは350万ドル~500万ドル)を迎撃するならお釣りが来るが、恐らく欧米製以外の類似したUAVや徘徊型UAVはもっと低コストで調達できるため迎撃コストの引き下げは米軍にとって最優先課題の一つだろう。
この課題に応えたのがBAEシステムズで、今回のテストに使用された迎撃弾のコストは非常に安価だ。

出典:BAE Systems APKWS
BAEシステムズは小型のUAVを効率に破壊するため専用の近接信管を新規に開発、これを2.75インチロケット弾「ハイドラ70」の派生型でレーザー誘導に対応したAPKWSに組み込みUASグループ2のUAV迎撃に成功したのだが、APKWSの調達コストは1発あたり2.2万ドル/約250万円(専用の近接信管のコストは含まれていない)なのでスティンガーと比較すると迎撃コストを約1/6まで引き下げることができるが最大の特徴だ。
但しAPKWSはスティンガーよりも交戦距離が短いため直ぐに実用化するのは難しいかもしれない。
スティンガーは約5km程度の有効射程を備えているが、APKWSの射程はロケットモーター「Mk66」の推進力と運用する航空機の速度によって変化(固定翼2km~11km/回転翼機1.1km~5km)するので、静止状態からの運用だとスティンガーを下回る射程(約1km?)しか確保できないと思われる。
ただAPKWSは最大射程を12km~15kmまで延長する拡張ロケットモーターの開発を行われているので、この辺りと組み合わせたバージョンが登場してくれば実用性が高まり「低コストのUAVに対抗する低コストの迎撃手段」として爆発的に売れるかもしれない。
※アイキャッチ画像の出典:BAE Systems APKWS
誘導型ハイドラ70ロケット、90年代から開発してる割に全然話を聞かなかったけどいつの間にか出来上がってたんだな。
中東方面で結構使ってるみたいだね。
安価で正確でヘルファイアやマーベリックより弱い威力がちょうどいいらしい。
APKWSなんて12年に実戦配備されて今の時点で4万発ほど出荷されているベストセラーやぞ。流石にいつの間にかのレベルじゃないし色々な所で取り上げられているはずだが?
APKWSに関しては近年?だったか地上発射型のボックスランチャー作っているからそれに絡んだ話しなんだろう。射程に関しては現状レベルだと2km以下は確実だと思う。今のハイドラのモーターは分からないけど1秒燃焼で加速しているから正直射程に関しては1kmきっても不思議じゃないし、直接狙うと言うより角度を付けて撃ち上げてのトップアタックみたいな感じになるのではないか。その場合だと角度によっては地上に勢いよく破片が降り注いで危ないとかあるかもな。
ガイドレーザーにしても気象限界値あるから、激しい降雨はUAVの運用に問題起きるから除外できるとして霧とかエアロゾルとかの影響受けてどこまで使い勝手良いかはなんとも言えない。雲も影響受けるけどそこまでの射高は期待できないからこれも除外だな。
こうやってカウンター兵器のコスパも徐々に上がっていくんだなぁ…
射程が問題なら長滞空型のUAVに積んで上空待機とかありかもしらんね
Meanwhile in India…
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訳すのめんどい. . .と思ってたら日本語で読めるとこあった。
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個人的には悪くないと思うけどね、逐一ミサイルぶっ放すよりはコスパいいだろうし。
もう1個日本語で読めるとこ。
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流石世界のBAEs!!
大英帝国の威光ここにあり!
別のネタでは紅茶で盛り上がったけどそこはイギリス、やることはやってるね。
ハイドラ70のフレシェットは元々は空対空用だからこっちも使えるな。
よくあるRWSにランチャー組み合わせればかなり容易に対UAVできる。
この場合の問題はRWS自体の根本性能がどの程度かによる。
ドローンにはドローンをぶっつければよいのでは?
それもありだと思うけど、まだ具体的なプランは聞かんね
カラスの群をタカで追い払うか、タカをツバメの群で襲うか
イメージと用途の拡がりをどう形にするか、開発者も悩ましいところでしょう
ドローン宅配の実験がカラスの襲撃で中断されたニュースがあったような
さりげないニュースだけど注目してるしてる人がいそうだ
結局の所それがどれ位有効なのか未知だから動物つかってまでやるかね。訓練必要だし追いつけるのか、寿命とか体力の衰えとかあるだろうし。
そういう意味でなくて、集団を以てアンチドローン対策とする技術的可能性の語りね、狙い撃ちでなく弾幕で欺瞞するようなイメージ
アンチドローンの神風ドローン開発されてるよ!
でもって、開発してるのは、やっぱりのトルコ!さすがです。
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しかし、開発中のMHTKよりも1発当たりが高価。
マイクロ波やレーザーと異なり、弾数制限もあるだろう。
対空砲やネットランチャーと比べてコラテラル・ダメージがより少ないと良いが…どうだろうか。
ここまで短距離だとレーザーでいいじゃんってなりそうな感じもする
K9サンダーエジプトにも採用!
原発や現地に造船所を建設するなど、諸々のパッケージで売ることが決定!
全部日本がやりたいことばかり。
本当に羨ましい限りだよ。
興味はそそられるがちょっとスレ違いかな。
そのうちここでも取り上げられるだろうから期待して待ってた方が良いかと。
韓国も武器輸出に力を入れないと経済がヤバいってところまで来たんだろ。
韓国を持ち上げたい人には悪いけどなw
板に帰ってマジで。
悪いっていうソース見せろや。
経済成長ほぼゼロの国がよく言えたもんだ。
知ってるか?
そういうのを負け惜しみって言うんだよ。
UAVが登場するエースコンバットやコールオブデューティーやってみたいな、どんだけ厄介か体感できそう
この記事のような安価なUAVではないけど、どちらにも出てきてるよ。
エスコンは高度な自立型無人戦闘機、CODのMW2ではMQ-9で対地攻撃できたりする。
安価なUAVは次のCODに期待するしかなさそう。
ブースター追加したら、アイアンドームと同じぐらいの弾代なりそうだけど
今のままじゃ、価格面での優位性は見出しづらいなぁ
そういえばヘリは10式の主砲で撃墜できるとか言ってた他戦車乗りがいたな、10式のFCSは紙らで確認し砲弾が目標に達する時間を計算して射撃するから低空ならヘリでも落とせるのだろう。
対空レーダー車両とC4iでリンクさせ近接信管砲弾を使い、姿勢制御で仰角を最大にすれば半径10~20Km程度、高度5000mくらいは対戦車ヘリやドローンの撃墜可能範囲になるだろう。。
ソースは?
肯定的な意味で本当かよって思う
仰角の制限以内ならばありそうだけど
主動的防空戦闘は知っているけど、あんなのは3km位なら撃墜出来る話じゃないの。流石に滑腔砲レベルで10km以上射高5kmの話しは姿勢制御+通常仰角合わせた仰角範囲は何度で戦車砲弾の射程、遠距離でどれ位散らばるかのデータ出して貰わないと妄想乙としか。
一般の対ヘリまで考慮した砲弾のレンジは3~4kmだし、姿勢制御+通常仰角で30°で射高5kmとしたら8.6km飛ばす必要あるが無誘導でどれだけの精度が期待出来るのかね?
専用の近接信管と射程延長ブースター込みだと
スティンガーとの価格差はどの程度になるのだろう?