Wall Street Journalは21日「イスタンブールで開催される見本市でトルコのタイフーン購入に関する暫定合意が発表されるかもしれない」と報じていたが、英国とトルコはタイフーン輸出に関する暫定合意に署名し、ギリシャに傾いていたエーゲ海上空の軍事バランスは修正されることになる。
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今後のギリシャはF-35プログラムへのトルコ復帰阻止に総力を注いで来るだろう
Wall Street Journalは21日「イスタンブールで22日に開催される国際防衛産業見本市でタイフーン購入に関する暫定合意が発表されるかもしれない」「最大40機のタイフーン購入契約は56億ドルの価値があると見積もられている」「まだ正確なタイフーンの仕様や数量については協議が続けられている」「ドイツのメルツ政権もトルコへのタイフーン売却を進める意向を表明している」「交渉担当者も輸出許可の取得に限りなく近づいていると述べた」と報じていた。

出典:U.S. Air Force photo Senior Airman Shelimar Rivera Rosado
Bloombergも「ドイツの安全保障理事会がトルコへのタイフーン輸出を承認した」「この決定は輸出を主導している英国政府、タイフーン購入を希望しているトルコのエルドアン大統領、この武器売却で影響を受けるギリシャのミツォタキス首相に通知された」と報じていたが、ヒーリー国防相とギュレル国防相はイスタンブールで開幕した国際防衛産業見本市でタイフーン輸出に関する暫定合意に署名し、トルコのタイフーン取得は限りなく実現に近づいた格好だ。
暫定合意に署名を受けてスターマー首相も「英国にとってタイフーン生産は経済成長の原動力で何千人もの生活を支えている。トルコと数十億ドル規模の輸出契約を締結することで今後数年間に渡り2万人の雇用を維持することができる。そのため政府はトルコとの契約を確保するため全力を注いでいる。この契約は我が国の防衛産業を強化し、改革計画を事実し、この不確実な時代において英国と同盟国をより安全に保つ役割を果たすだろう」と声明を発表。

出典:BAE Systems
ヒーリー国防相も「本日の合意はトルコがタイフーンを購入する上で大きな一歩になる、これは英国人労働者の利益のため新たな取引を各穂するという政府の決意の現れだ。トルコがタイフーンを取得することでNATOの集団防衛能力が強化され、英国も労働者の雇用を確保することができ両国の産業基盤も強化されるだろう」と、トルコへの輸出交渉を実質的に主導するBAEも「我々は英国政府およびトルコ政府と緊密に協力し、タイフーンと関連機器の調達契約を締結する予定だ」と述べたが、契約の内容については詳細が発表されていない。
まだ正式に契約を締結するにはクリアすべき手続きや段取りが残っているものの、暫定合意への署名と発表は「タイフーン輸出に向けた政治的問題の調整が完了した」と強く示唆しており、何らかの政治的トラブルが新たに生じない限りタイフーン輸出は成立する可能性が高く、英国はウォートンの最終組立てライン維持に必要な仕事量を確保し、トルコはギリシャに傾いたエーゲ海上空の優位性を修正することができる。

出典:Πολεμική Αεροπορία
逆にギリシャは「ラファールとミーティアの組み合わせで獲得したエーゲ海上空の優位性」を失うため、F-35プログラムへのトルコ復帰阻止に総力を注いでくるのは明白で、ワシントンにおけるトルコとギリシャのロビー活動は今後激しさを増すだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Royal Air Force





















イギリスの航空機製造能力の維持は、GCAPまで残ってもらわないと困るので、ギリシャには悪いがタイフーンが輸出された方が日本にとって都合が良い…のかな
やっぱりアメリカ、中国、ロシアみたいに自分達で設計から製造まで行える国は強いね〜
ロシアを含めていいのか
何か問題ありましたか?ロシア製戦闘機は普通に高性能だし量産数も多いですよ。実戦も経験してるしね。
電子機器は他国(西側)便りよ
性能も量産数も西側戦闘機の方が圧倒的に上なので…レーダーとか電子機器の性能も
F-35といわずそれより前世代のF-15、F-16、F/A-18系にも空戦で勝ったことないし
この意見良く言われるんですが、アメリカ製戦闘機って特に此処最近の機体はそもそも実戦経験が地域紛争レベルで要は大国間の戦闘やってないんですね。そりゃ、最新機を大昔に売り払った旧ソ連製戦闘機にぶつけるなんて只の舐めプにすぎないのでは?まともな防空能力も無い武装組織を空爆することにしか使っていませんし。
ラファールとタイフーンがぶつかる可能性がダントツで高くなりましたね…
NATOの陸上戦力をトルコが担ってる限りギリシャは常に下に甘んじなければならないんだよね
NATOにとっての重要度がトルコ >>> ギリシャなのでこれは仕方ない
ギリシャがいくら騒ぎ立てても他の加盟国にとって旨味が無い
どうかな
エルドアン大統領の強権化が進んでるから選挙不正までやって居座ろうとしたときに人権・民主主義の建前との整合性で面倒なことになりそうだけどね
弾圧で死人が出たら安全保障協力どころじゃなくなると思うけど
人権や民主主義、弾圧で死者などという、実にどうでもいいショボいチッポケなネタで、トルコをNATOから引き剥がせるなら、メチャクチャ張り切る国がいっぱい出てくるでしょうねえ。
言っちゃ悪いがギリシャにあるのは歴史だけなので
昔からネットではギリシャはヨーロッパの韓国と言われまくってて違うのは歴史の有無くらいに言われてたな
まあギリシャだけじゃなくポーランドとかもよくヨーロッパの韓国と表現されてるのも見たが
他にもオランダとかイタリアとかもヨーロッパの韓国と言われてるの見たことある
ヨーロッパの韓国多すぎだろ どんだけ欧州に韓国あんだよ
ギリシャもポーランドもオランダも韓国ほどの工業力・技術力が無いのでヨーロッパを過大評価しすぎですね
イタリアは工業力も技術力もあるし、オランダだって工業力をアウトソーシングしてるだけで技術力は韓国よりあるよ
半導体製造装置のASMLはオランダ企業
ASMLが高い技術力を持つ企業なのはたしかだけど国としての総合的な技術力では韓国のほうが上だと思う
限られた領域での技術優位が国家全体の技術力というわけではないからね
ASMLの露光装置もステージはオランダのフィリップスが作ってるけど最重要のレンズはドイツのカールツァイス製だし
オランダは一部の得意領域以外は対外的な技術依存度が韓国より高い
まあそれが自由貿易の原理だけど
韓国はそこそこの技術で安く迅速に西側兵器を供給できるから注目されているのであって、技術力がトップクラスだからではないことに留意が必要です。
誰もトップクラスなんて言ってないよ
ここで言ってるのはオランダとの相対評価でしょ?
だから総合的には韓国のほうが上って言ってるだけ
そのそこそこの技術で安く西側に兵器を供給できてるのだって総合的なモノづくりの基盤が整い始めたからできてるわけだしね
あと工業力ってのは工場という意味で言ってるんだろうけど生産現場なき技術力はあり得ない
それはかつてアメリカが目指して失敗した考え
韓国が得意の半導体だってASMLの装置がなければ作れないのだし、基幹を握っているオランダの技術力は韓国より高いでしょう。
部分的にはね
でもそれは国家の総合的な技術力とは違うと思うよ
戦争をするには突出した一分野だけを保持してれば良いわけじゃないからね
たとえていうなら種目別で金メダリストになれるより総合やメドレーや十種競技で金メダリストになれるほうが国家としては強いからね
あと上にも書いたけどそれを言うならASMLは最重要部品のレンズをドイツのカールツァイスに依存してるからカールツァイスがレンズの供給を止めればASMLは露光装置を作れなくなる
イタリアは工業力も技術力もあるし、オランダだって工業力をアウトソーシングしているだけで技術力は韓国よりあるよ。
例えばASMLはオランダ企業。
>かつては嫌韓ブログだったここならわかるかもしれないが
大艦巨砲主義と間違えてない?
英国さんは商売が上手くてうらやましいですね
タイフーンという失敗スレスレのプロジェクトでにおいても
英国内に流入した資金は英国外に流出した資金より多いのではないでしょうか
(英国政府の財務負担の大きさはまた別問題でしょうけども)