英国は国防戦略の見直しを2日に発表する予定で、英国防省は1日「国防戦略の見直しを受け、英国は自国の安全を守るため最大12隻の攻撃型原潜を建造する予定だ」と発表、英海軍の攻撃型原潜は7隻から12隻に増強されるとこが確定し、AUKUS級の建造数は20隻になる見込みだ。
参考:UK to expand submarine programme in response to Strategic Defence Review
参考:Britain to build a dozen nuclear submarines as forces arm for war
やはり最大7,000発の長距離攻撃兵器の調達先も英国内に限定してきた
英国のスターマー政権は国防戦略の見直しを2日に発表する予定で、Timesは31日「政府がF-35Aと戦術核兵器=B61の取得を検討している」「この措置は英国の核抑止政策において最大の転換点になる」と報じ、国防戦略の見直しが設定する目標について「軍需品の備蓄補充に60億ポンドを投資」「内15億ポンドを砲弾・爆薬工場の新設に投資」「弾道ミサイルの脅威から英国を守るための新たな防衛ライン構築」「国内のインフラを保護するためHome Guardの再創設」「駆逐艦とフリゲート艦の数を14隻から25隻に増強」「海底ケーブルやパイプラインを保護する計画の推進」などを挙げた。

出典:Lockheed Martin
国防戦略の見直しの中で具体的な「空からの核兵器投射能力」について言及していないものの「NATOの共同核抑止に対する英国の貢献度を拡大すべきだ」と提言しており、ヒーリー国防相は「F-35Aと戦術核兵器の取得協議」についてコメントを避けたが、それでも「英国は新たな脅威の時代に適応しなければならない」と認め「世界が直面しているリスクは確実に拡大している」「確実に核リスクが高まっている」「我々が国家間の紛争に巻き込まれるリスクが高まっている」「ウクライナから得た教訓は『軍隊の能力と強さは国内産業の強さに等しい』ということだ」と指摘。
さらに英国防省は1日「国防戦略の見直しを受け、英国は自国の安全を守るため最大12隻の攻撃型原潜を建造する予定だ」「英国は主権を行使できる核弾頭開発計画に150億ポンドを投資する」「今回の投資によって防衛分野の原子力産業で働く3万人の雇用を支え、今後10年間で研修生3万人と新卒者1.4万人を新たに採用する」「今回の取り組みの中には最大7,000発の英国製長距離兵器の調達が含まれる」と発表し、Timesも「これまでアスチュート級攻撃原潜の後継としてAUKUS級を何隻取得するのか不明だった」「今回の発表でAUKUS級の建造規模は豪州分と合わせると計20隻になる」と報じた。

出典:Royal Navy
英国防省の発表は2日発表の内容を一部先取りするもので、国防戦略の見直し全体についてはスターマー首相の発表を待つ必要があるもの、英海軍の攻撃型原潜は7隻から12隻に増強されるとこが確定し、やはり最大7,000発の長距離攻撃兵器の調達先を英国内に限定(国防投資の増額が雇用創設と地域経済にとって利益になるというアピール)してきた。
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※アイキャッチ画像の出典:BAE Systems
イギリスの攻撃型原子力潜水艦7隻ということは、ローテーションを考えれば、かなりカツカツだったのでしょうね。
原子力潜水艦が、任務を継続できる能力が高いと言っても、補給保修・訓練・任務の時間を考えれば一定数必要だろうなと。
日本はディーゼル潜水艦なわけですが、原子力潜水艦を保有していれば維持建造コストにより、潜水艦総数は減少していたでしょう。
海上自衛隊の主任務は近海防衛なわけですから、ディーゼル潜水艦の隻数を保ちながら、三菱重工・川崎重工の生産基盤を保ち続けているのは優れた選択だったと感じています。
>海上自衛隊の主任務は近海防衛なわけですから
7年前の2018年に海自の潜水艦「くろしお」が、ベトナムへ親善訪問に行った際、南シナ海では「かが」「いなづま」「すずつき」の3隻と訓練を行っていますし、小笠原諸島の父島では、湾内で浮上し停泊しているところを地元民に撮られて SNSに上げられていたりしています。
意外と、旧日本帝国海軍 第六艦隊の末裔として西太平洋全域で行動しているのでは?(そんな行動能力はない?)
どうなんでしょうね?活動範囲は、なかなか気になりますね。
任務・訓練・修繕休息、このローテーションをしているのであれば、全ての艦が任務についているわけではないなと。
日本は、排他的経済水域が世界6位、日本近海でも広大な水域だなと。
ベトナムの件に関しては、海南島が非常に近いですから、なかなか興味深い動きですね。
海自の潜水艦は南シナ海辺りまでは活動圏内でしょうね
言う程遠くないし、そうじゃないと訓練なんて事いきなり出来ない
英国も高レベル核廃棄物の最終処分場がまだないのに
原子力潜水艦をどんどん増やして大丈夫なのかな?とおもったらこれから解体実施だった。
日本の原潜導入もこれが上手くいくかを見てから考えるべきかと。
まだ“20隻以上が未着手”英国の原子力潜水艦 30年経ってやっと解体が始まるも手探り状態
ソ連崩壊時にソ連の原潜何隻か解体してなかったけ>日本
実際に解体したのはソ連(ロシア?)だったような。日本は、資金を出しただけだったと思います。
諸外国での高レベル放射性廃棄物処分ってそのもののwikiがありましたが最終処分地が決まっている国の方が少ないですね。
ソ連崩壊直後のイメージがありますが、今やロシアの方が進んでいるくらいです。
民主主義国家の方がNIMBY施設は作りやすいのでしょう。
民主主義→非民主主義でした。
イギリスの新国防戦略、増強の大盤振る舞いだけど財政的にはいけるんだろうか。
確かイギリスの財政はそんなに良くなかったはずだし、そもそも国内優先といってもそれを支える工業力が衰退しきってるから、それの再生からしないといけないので、目に見える増強の結果が見えてくるのはかなり先になりそうですね。
打ち上げて、終わりそう。
UK・EUは予算は増やしているけどその予算で生産能力や人員が確保・育成できるのかは大分疑わしいんだよな
人を引き付けるためには他の産業よりだいぶ高い報酬を提示しないと立ち上げ自体が難しいけど、後で潮目がまた変わった時の始末が難しくなる
社会体制を冷戦期に巻き戻すぐらいの大胆な変更がないと無理なんじゃないですかね(これも当時と前提が違いすぎてほぼ無理)
製造業は大事だけど工場で働きたくはないMAGAみたいにならなきゃいいけど
いやいや流石に財政的に無理でしょう
労働党政権の支持率がかなり低下し、政権が任期一杯保つのかすら確信できないのに大風呂敷過ぎる
これに海上戦力の更新もするとか太っ腹すぎる
陸上戦闘機全廃とかするのかな…
前の記事で未契約分のF-35Bを陸上機のF-35Aに転換と戦術核兵器運用の話があったので
陸上戦闘機もさらに金をかける分野でしょう
イギリスって攻撃原潜の稼働率0とかじゃなかったか?先に足下固めた方が良いと思うが
流石に0ではない(今回日本に来るPWLS空母打撃群に1隻同伴している)けど、かなり悪くはなっているっぽいですね。2022年以降潜水艦の任務期間が長くなり、オーディシャスに至ってはほぼ1年間という長すぎる任務についていました。その上定期修理ができるドックが1つしかないのでそこで修理待ちが起こっていると。原潜増やすのも大事ですけどイギリスはその前に乾ドック整備するのが先ですね。
他の西欧諸国と同じで本当に出来るの?感が・・・。
オーストラリア「あのー」
米国からの購入を止めたという事ですね
いつのまにかヴァージニア級購入の話は座礁していたのですかね。
もう豪海軍の士官が米国の原潜学校卒表しちゃっているのにw。
英海軍って瀕死というのが妥当なくらい、稼働率が低いんですよね。そこにこんな大盤振る舞い。到底財政的に続かないとしか思えません。どこかで現実を見据えてリサイズすることになるでしょう。
いくら原潜が通常動力型より高価だと言え、英海軍の潜水艦数が海自の半分という問題は深刻だったという事なのでしょう。