トルコ初の空母保有計画はF-35B導入困難のため暗礁に乗り上げているが、英国がクイーン・エリザベス級空母の設計図売却とトルコ国内での空母建造支援を申し出ているらしい。
参考:Turkey held talks with UK to purchase aircraft carrier
英国がトルコ国内でのクイーン・エリザベス級空母建造を支援?現時点での実現性はファンタジー
トルコはスペイン企業ナバンティアと協力して強襲揚陸艦フアン・カルロス1世の準同型艦「アナドル(2万4,600トン)」を建造中(艤装中)で、米国からSTOVL(短距離離陸・垂直着陸)タイプのF-35Bを調達して軽空母運用することを検討していたのだが、S-400導入の影響で肝心のF-35B導入が困難になりトルコ初の空母保有計画は暗礁に乗り上げてしまった。
エルドアン大統領は昨年「独自の空母保有を諦めていない」と改めて表明してみたもののトルコと米国の2ヶ国間関係は悪化の一途を辿っており、如何なる手段でエルドアン大統領はトルコ初の空母保有を実現させるのか注目が集まっていたが、どうやらクイーン・エリザベス級空母を持て余している英国に目を付けているらしい。
英国は約76億ポンド(約1兆円:2020年時点のプログラムコスト)を投資してクイーン・エリザベス級空母を2隻調達したものの国防予算の問題で2隻同時運用を断念、さらに同艦で運用するF-35B調達も当初目標の138機を下回る可能性が取り沙汰されており、この状況に注目したトルコは英国に対してクイーン・エリザベス級空母購入を打診したと中東メディアが報じている。
報道によればトルコが打診したクイーン・エリザベス級空母購入は英国が拒否して実現しなかったが、トルコ当局者は「英国は代わりにクイーン・エリザベス級空母の設計図売却とトルコ国内での空母建造支援を申し出ている」と語っていると報じており、中々興味深い動きだ。
英国は軽空母建造に乗り出した韓国に対して「クイーン・エリザベス級空母の技術や経験を韓国に売り込んでいる」と報じられており、安全保障分野で政策提言を行うシンクタンク「韓国国防安保フォーラム」が最近主催したセミナーに在韓英国大使館付きの武官(英海軍大佐)を出席させてクイーン・エリザベス級空母の建造過程を説明するなど実際の売り込み活動がすでに開始されている。
さらにクイーン・エリザベス級空母はアングルド・デッキ追加を想定した設計なのでカタパルトとアレスティング・ワイヤーを使用したCATOBAR方式やスキージャンプ台とアレスティングワイヤを使用したSTOBAR方式に拡張可能と言われており、もしかするとトルコはクイーン・エリザベス級空母と国産の第5世代戦闘機「TF-X(開発中)」を組わせることで空母保有を狙っているのかもしれない。
問題は本当にトルコ国内でクイーン・エリザベス級空母建造を英国が申し出ているのかだが、英国の当局者はメディアの取材に対して否定も肯定もしなかったと報じている。
この計画は英国の協力が本当に得られるのか?開発中のTF-Xが本当に完成するのか?陸上運用を想定したTF-Xを艦上戦闘機に変更することが出来るのか?など複数の不確定要素を含んでいるため現時点での実現性はどう考えてもファンタジーの類だ。
しかし英国が申し出たと言われている「クイーン・エリザベス級空母の設計図売却とトルコ国内での空母建造支援」については韓国でも同様の支援話が浮上しており、同艦の開発に投じた研究開発費を一部でも回収するためクイーン・エリザベス級空母の設計図や技術を売り払ったとしても何ら不思議ではないのでトルコへ協力は事実かもしれない。
まぁカタパルトとアレスティング・ワイヤーを何処から調達するのかは謎だが、、、
関連記事:開発が進むトルコの第5世代戦闘機TF-X、試作機は米国製「F110」搭載
関連記事:韓国の軽空母建造にクイーン・エリザベス級空母を開発した英企業が協力?
関連記事:目的は空母技術の売り込み? 英国が空母クイーン・エリザベスの韓国寄港を希望
関連記事:英国、クイーン・エリザベスを中心とする空母打撃群が初期作戦能力を獲得
※アイキャッチ画像の出典:Royal Navy / OGL v1.0 空母クイーン・エリザベス
ネタ話として聞いて欲しいのだが、トルコが空母作るくらいなら、日本にも空母はあっても良いのではないか?
英国がクイーンエリザベス級持て余してるなら、日本がリース・購入検討して欲しい・・・・が予算と人が。
昔大石英司さんの著書で、そんな話あったよね。英国から空母購入してって話。
最後にネタ話読んでくれてありがとう。
これは冗談。まともにとらんでくれ。
いずもかがの件でも思うけど長射程対艦ミサイルがとんでもなく充実した大国の近隣国家が空母持ったって喪失リスクが大き過ぎてまともに動かせない気がする
与太話もたまには(いつも与太話しか書いていない気もしますが)。
護衛艦隊の編成が必須ですし、通常動力潜水艦では空母の護衛は難しいでしょうから随伴可能な原子力潜水艦もなんとかしないと。
予算があったと仮定して、ここまでを保有する組織を育てるのに一体どれだけの年月がかかるのでしょうね。
それは自分も考えましたけど、プリンスオブウェールズをリースして船はイギリス海軍で飛行機はアメリカ海兵隊と空自で護衛の艦艇もアメリカと日本で出し合うというもの、そして密かに空母のノウハウを蓄積して2050年代に国産で作るというものデス、出来過ぎな話ですね。(年間維持費とか調べてない)
コスト以前の問題だと思いますよ
何が問題になりますか?リース??
人員不足
予算さえあれば実現可能と本気で思ってるならネット掲示板とかの方が披露するのに向いてると思うよ
技術も人員も何もない状態から空母戦力構築しつつある国がお隣にある状況で何言ってんのこの人。
最後の一文で疑問に思ったんですけどアレンティングワイヤーってそんなに製造するのが難しいのですかね?
ノウハウないと厳しいのでは・・・原理が分かっていても作れるかどうかはまた別の話でしょうし。
XF-9の成功は技術力を育てたことだけが成功の理由じゃないでしょう。
ライセンス生産を通じて吸収した経験が確実に活きているはずです。
アレスティングワイヤは未知の領域ですから、作れなくはない、が難しい、というところではないでしょうか。
着艦時の戦闘機は失敗してもすぐ離陸できるようエンジン全開にしている、つまりそれに耐えるためかなりの強度が必要
かといってワイヤーが固すぎると戦闘機への負荷が大きくなってしまうので適度な柔軟性も必要
しかもワイヤーは一定回数使用のたびに交換
消耗品でありながら求められるスペックが高いため、要求水準を満たした上でコスパの良いワイヤーを製造するには結構なノウハウが求められるかと
まずい、世界最強の韓国型空母とKFXが現実になってしまう。日本は潜水艦で対抗せねば。
ここは超弩級潜水空母でしょう。
イギリスとフランスの関係が今後どうなるか興味津々ですね。
フランスからすると腹立つでしょうねえ 笑
ギリシャに対艦ミサイル売却しそうな案件ですね。
フランスならトルコ憎しでなんでもやりそうですし。
ロシア辺りも大喜びでギリシャに売りそう
お互いが対抗勢力に武器を売るため、口裏を合わしてる可能性も、、、
また何時ものブリカスムーブが来たと喜んでいる俺が居るw
仲の良い英仏なんて英仏じゃねえぜ!w
エルドアンは本気でオスマン帝国の再興を目指してるんやろうな
此処でズッコケたら内外からフルボッコにされて、フセインやカダフィと同じ末路を辿る瀬戸際を歩んでると思う。
TFXはそもそもエンジンの提供元がなくて艦載機以前の問題が解決してないからなぁ
節操ないなぁ、と思ったけど、むしろコレが英国か。
節操がないからこそEU抜けるし、節操のないエルドアンとお付きあいできる
アングロサクソンもまた世界をかき回す張本人
節操がないというより、現時点で自国にとって最適な行動をとっているのがイギリス、だからTPPにも参加する。
ブレグジットでEUに遠慮せずに武器輸出も自由に出来るようになったからかな?
紅茶の腹の中はわからんなぁ
紅茶に対する熱い風評被害
何故トルコは空母を欲しがるの?
ギリシャからエジプト、リビア辺りまで地中海の半分は旧オスマントルコ領域だったし、空母があればこの海域の資源確保に影響力を持てる、
黒海側はロシアが制してるから手を出せないだろうが
あまり派手に振る舞うとEU主要国との関係が悪化して、地中海にも出られない羽目になりそうなものだけど、どう使うつもりなんだろう。
中国を見ればわかる。
レパンドの海戦のお返しがしたいんだよ
これはトルコ側が勝手に言っているに過ぎないのでしょう。
最近のトルコは強気な対外姿勢を顕にしていますが、GDPが約85兆円(日本の約6分の1)しかない国が、TF-Xの国内開発だの空母の保有だの大金を要する事業をやりたがっています。
トルコは自国の経済力や技術力を考えて、身の丈に合った軍事政策を行なうべきではないでしょうか。
結局の所、戦争はその国の財政の許す範囲内でしか行なえないのですから。
トルコリラなんて、ここ数年で40円ぐらいから15円ぐらいにガタ落ちだっけ。 今はコロナ禍でも堅調()を謳ってるが、14円前後の「低空飛行」には変わらんし。中露よりも無茶な軍拡ぶち上げてるようにしか見えん。
トルコリラで最大の懸念事項はエルドアン大統領その人だよ。
彼が退任したらやっと上昇トレンドになるレベル。
小アジアの安定()に口を出してこそ英国w
第一次大戦のときみたいにそのうちに英国から切られそうと思ってしまった
クイーン・エリザベス級の浸水問題は解決したでしょうか?知らんけど
確かトルコはアメリカとも険悪化してたろ。トランプが辛うじてエルドアンを庇っていたが、バイデン就任後は中国と並んで名指しで敵国扱いされたばかりだったし。
ところで艦載機は?例のバイラクタルの無人機シリーズでも載せるのか?それはそれで革新的だが。
中国から、
無いとは言いきれない
本気で建造考えてるならばね
ボスポラス海峡って空母(大型艦)は航行できないんじゃなかった?
つか、エーゲ海やクレタ島~キプロス周辺の狭い海だったら地対艦ミサイルや機雷の良い的になりそう。
そこは空母ではなく重航空巡洋艦という事で解決だ
ジョンブルだなぁ…実にジョンブルだ!
空母設計図をトルコに売却しようものなら、今度は英国が米国に手を切られかねんのじゃ?
ブリカスとはいえ、そんな下手な外交をやらんだろう。
米国はもう内政が滅茶苦茶だし、英国は見限る準備してるんじゃないの?
待てよアメリカに貸し出しといて(引き取ってもらうとも言う)アメリカに喧嘩売るようなことするの?