英国のウォレス国防相はプリンス・オブ・ウェールズの故障について「乾ドックで修理する必要がある」という認識を示したため、米東海岸沖で実施予定だったF-35B運用資格試験には到底間に合いそうにない。
参考:‘Likely’ HMS Prince of Wales will have to go into dry dock, Defence Secretary says
参考:British carrier may to head to Amsterdam for repairs
プリンス・オブ・ウェールズは出港後、プロペラが海底か何らかの物体に接触した可能性が高いらしい
クイーン・エリザベス級の2番艦「プリンス・オブ・ウェールズ」は2020年10月、停泊中だったポーツマス基地で艦内の配管が破裂して機関室の電気系統が水没、この修理に6ヶ月もかかると判明したため2021年前半に予定されていたF-35B運用資格の取得試験に間に合わなくなってしまった。

出典:Royal Navy/OGL v1.0 プリンス・オブ・ウェールズ
事故から復帰したプリンス・オブ・ウェールズは各種演習に参加、2022年1月からNATO海上即応部隊の指揮権を引き継ぐなど精力的に活動後、延期になった米東海岸沖での試験に挑むため先月27日にポーツマス基地を出港したが、直ぐに機械的なトラブルに見舞われSouth Coast Exercise Area(イギリス海峡に浮かぶワイト島の沖合)に停泊、ダイバーが海中に潜って調査したところ右舷プロペラシャフトの損傷が判明して注目を集めていた。
この問題についてウォレス国防相は「乾ドックで修理する必要がある」という認識を示し、複数の情報筋も「出港後にプロペラが海底か何らかの物体に接触した可能性が高く、乾ドックで修理は間違いなく必要だ」と述べており、米東海岸沖で実施予定だったF-35B運用資格の試験には到底間に合いそうにない。

出典:Royal Navy / OGL v1.0
この試験は専門のエンジニアやテストパイロットで構成された試験評価飛行部隊(VX-23)が専用のテスト機を使用して実施するため、英空軍や米海兵隊のF-35Bで試験を行うのは不可能で、同一設計の艦も1隻づつ試験を受けなければならず、この試験は米海軍も同じ条件で実施している。
つまり不運な事故で損傷したプリンス・オブ・ウェールズは米国に向けて航行することが出来ないため、再び試験をキャンセルして再度スケジュールを組み直す必要があるという意味だ。
因みに本試験をパスして運用資格を取得しない限り、プリンス・オブ・ウェールズでのF-35B運用は制限を受ける=F-35Bを使用する実戦任務に就けない。
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※アイキャッチ画像の出典:Royal Navy/OGL v1.0
こうも災難続きだと、やっぱり「史上初めて、航行中に航空機の攻撃によって撃沈された戦艦」の名を、よりにもよって空母に襲名したのが一番不味かったとしか言い様が無いですね。
(因みに、先代の戦艦プリンス・オブ・ウェールズを撃沈したのは、日本海軍陸攻隊)
英海軍には、今からでも遅く無いから艦名を「アークロイヤル」か「ハーミーズ」にでも変更しろと言いたいですね…あっ、どっちもWW2中に撃沈された空母の艦名だ(笑・但し、戦後にこの2隻の名前を継いで建造された空母は無事生涯を全うしています)。
もしかして名前負け?
まさかね(-_-;)
いえ、名前って結構重要だと思いますよ。
欧米では意外と艦名には無頓着らしいですが、それでもWW2開戦直後のドイツ海軍ではポケット戦艦「ドイッチュラント(和訳すると「ドイツ」となる)」の艦名を「ドイツの名を持つ艦が撃沈された場合の国民への影響が大き過ぎる」と言う理由で「リュッツオー」に変更した例がありますし、現在の海上自衛隊に「畝傍」と言う名の自衛艦が存在しない理由は御存知かと思います。
特に、プリンス・オブ・ウェールズと言えば、我が国の艦船マニアなら先代の最期の方が超有名なだけに、何故英海軍はあの名前を事も有ろうに空母に付けたのか…あんな名前だと乗組員もやる気が出ないでしょうねえ。
モスラかタランチュラ、スカラブ辺りにしない?
須磨でもいいよ。
その前に、先代の墓参した方が良いかも。
キング・ジョージぐらいが無難でしたかな。5世は戦艦として活躍したし、6世は現女王の父親で映画でアカデミー賞もとったし。
日本だと「むつ」は艦名としては二度と命名されることは無いんじゃないかなぁと思うね
若い人は、知っているかな?
原子力船をむつと命名した時点で責任者の確信犯
キリスト教的には沈んだ船が復活した的な捉え方も出来るんじゃない?
欧米の縁起の概念がどんな物か分からないから何とも言えませんが。
もし改名するなら。
先代のQE級の二番艦名の”ウォースパイト” を提案します。(笑)
よく働いた苦労人(?)でそこそこの運もあると思われます。
それはそれで今度は舵が壊れるって事になりそうで怖いなぁ
敵前でくるくる回るんですね
チャールズ皇太子の称号であるプリンス・オブ・ウェールズと名付けたのがマズかったかもな。とりあえずダイアナ妃の呪いにしておこう(冤罪)
どうしてこうなった。
大きな船を作る技術が失われたからさ。
え?記事読んだ?
本当にぶつけたのか、怪しいな。
大きな船を操艦するノウハウを失った
ということですかねえ?
プロペラがぶつかったのが海底なら操艦ミスかもしれないが
物体にぶつかったら大問題では、物流の要所といえる海域だし
漂流コンテナにでもぶつかったのかもしれないが、原因特定が急がれるかと。
でも一応は軍艦なんだから、海底以外の何か漂流物にぶつけても大丈夫な設計にしておくべきでは
イギリスのことだから、潜水艦や水上艦への体当たり攻撃ぐらいはこれからもやりそうな気がする
プロペラシャフトですね。
自国周辺海域だから測量は綿密にしているだろうし、いくらなんでも海底は無いんじゃないかと思います。
まさか海底火山の隆起か?
プロペラシャフトに何かがジャストミートしたのなら物凄く不運ですが、元々歪みがあったのが応力で拡大した可能性もあるのでは?
どちらにせろシャフト交換だと、予備のシャフトがあっても時間がかかりますね。
そういえば先代は被雷してプロペラシャフトが変形、そのまま稼働して浸水拡大した話があったような・・・
>同一設計の艦も1隻づつ試験を受けなければならず、この試験は米海軍も同じ条件で実施している。
う~ん、今の所F-35Bを運用する艦はそれほど多くないとは言え、このやり方はイザの時には効果的なのかなぁ…
アメリカ級とワスプ、エセックス、クイーン・エリザベス、カブールの6隻。
他になかったかな。
ボノム・リシャールが廃艦になったのが痛かった。
こいつもうドックから出られない呪いかかってそう(白目)
海洋生物か、それとも極めて静粛な潜水艦と接触?後者ならば恐ろしいな、もうあの国しか考えられない
もういっそ艀で良いんじゃないか?
仮の話、建造の方の問題であるなら韓国の軽空母建造計画が順調に進んだ場合にどんな結果が待ってるんだろうな。イギリスも韓国も問題ありの艦船の話よく聞く気がする。
英国と違い韓国は造船業そのものは活発だが、ドクト級輸送艦程度の経験でさらに大型で複雑構造の空母までいけるのか、冒険であろう
自衛艦のように大型化するにも二割増し程度を繰り返している海自の手堅さは、トラブルの無さが証明してる
日本のドックに入ってお祓いしてもらったら?
他人の目の方が欠陥を良く発見できる場合もあるからね。