英陸軍は攻撃能力を「3年以内に2倍」「2030年までに3倍」へ引き上げるためFPVドローンの本格導入を進めており、第1師団の兵士を訓練しているドローン小隊の兵士は「自分のキャリアの中で歩兵をドローンオペレーターとして訓練するとは思っても見なかった」と述べている。
参考:Soldiers advance from flying to fighting with drones
参考:NZ Army embraces race to latest drone technology
他のNATO加盟国でも導入の発表や報道があるので数年以内にFPVドローンの運用能力は特別ではなくなっているだろう
英陸軍のウォーカー参謀総長は2024年7月「陸軍の攻撃能力を3年以内に2倍、2030年までに3倍にする」と明かし、これは戦力を2倍~3倍に増強するという意味ではなく「AIを組み込んだソフトウェアなど新技術を採用することで戦場認識力の範囲を2倍に拡張し、収集した情報処理速度を高めて判断を下すまでの時間を半分に短縮し、現在の半分の弾薬で影響を及ぼす範囲を2倍に拡張する」「そうなれば最低でも3倍以上の敵を破壊できるようになる」という意味で、国防省は本コンセプトを実現するためドローンの緊急調達契約をViking Armsに授与した。

出典:British Army
この契約は「訓練用のFPVドローンを3月12日~31日までの19日間で計180機(5インチ、8インチ、10インチのドローンを60機つづ)調達し、陸軍の基本的なFPVドローン能力を短期間で開発すること」が目的で、陸軍は1日「落下傘連隊第2大隊に編成された陸軍初のドローン小隊がFPVドローンの運用技術を兵士らに教えている」と明かし、具体的な訓練内容に触れているのが非常に興味深い。
第2大隊のドローン小隊は第1師団の兵士にFPVドローンの設定、操縦方法、偵察ドローンとペアで目標を発見して攻撃する方法を教えている最中で、兵士は約3週間の訓練でFPVドローンを計100時間(30時間のシミュレーター訓練を含む)飛行させることになり、訓練を受けている兵士らは「これまで使用していた偵察ドローンとは別物だ」「自動操縦が使用できないFPVドローンの操縦は本当に難しい」「歩兵が不可能なほど素早く、しかもより大きな目標を攻撃できる武器を操作できるためアドレナリンが分泌される」「この訓練で学んだスキルは歩兵に期待されているものとは全く異なる」などと述べている。

出典:British Army
ドローン小隊の兵士も「大隊はドローンを最大限活用するため専門小隊を創設すると決断した」「これは全く新しい兵器なので正式な戦闘教義がまだ存在しない」「そのためドローンの運用方法は試行錯誤の連続で課題も山積みだ」「兵站、指揮統制、ドローンを砲兵や航空支援とどう連携させるかまで膨大な調整が必要だ」「入隊した当時のドローンは砲兵分野のニッチな能力に過ぎず、自分のキャリアの中で歩兵をドローンオペレーターとして訓練するとは思っても見なかった」と述べて以下のように指摘した。
“落下傘連隊には「ドアを蹴破って塹壕を掃討する」という戦闘文化があったため、我々はドローンに対する関心があまり無かった。しかしウクライナでドローンが活躍する様子を目の当たりにし、将来の戦場にドローンが大量投入されると確実視されたため状況が一変した。我々はこの技術を徹底的に検証し、ウクライナ軍とNATO軍がFPVドローンをどのように使用しているかを研究して独自の戦術を開発した。我々が実施するドローン訓練は参加した兵士が所属部隊の役割と戦術に適用できるよう我々の思考と技術を共有することが目的だ”

出典:British Army
まだ英陸軍でもFPVドローンの本格導入は始まったばかりで試行錯誤が続いているものの、導入段階は少数による研究やテストではなく「一般部隊への普及」に差し掛かっており、英陸軍のFPVドローン導入は米陸軍や米海兵隊と同じぐらいのスピード感だが、他のNATO加盟国でも導入の発表や報道があるので数年以内にFPVドローンの運用能力は特別ではなくなっているだろう。
追記:ニュージーランド陸軍は26日「ドローンは小銃と同じくらい一般的なものになってきた」「我々はドローンを従来システムや他の新しい技術と統合する取り組みを進めている」「ウクライナ無人機連合への参加が急速に進化するドローン技術の理解に役立っている」「まだニュージーランド陸軍はFPVドローン導入していないものの導入に向けた取り組みを行っている」と発表。

出典:New Zealand Army
ニュージーランド陸軍はFPVドローンを操作する適性と能力を持つ兵士を特定する段階で、現地のドローン企業(Kiwi QuadsとFenix)が3Dプリンターで組み立てられるドローンを提供しているらしい。
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※アイキャッチ画像の出典:British Army




















日本もドローン関係だけで1,200億円以上、R8の概算要求で費用積んでますし
この調子で西側諸国がドローン導入進められれば、中国の市場独占を崩せるかも知れませんね。
そのためにも、西側の規格の統一と、小型ドローン関係のNATO規格の制定など、淡々と進めて欲しいです。
欧米は電子部品が弱いから大量導入されれば電子部品強い日本には特需になるかも
見慣れないPCだなと画像検索してみたら、HPのゲーミングノートなんですね。
FPVドローンの管制に、dGPU載せたPCが必要なのか?!それとも既に、なにかローカルAIを実行させているのか。
勝手な想像ですが、ドローンから送られてきた画像から物体認識をさせてるのでは?
敵とか車両とか、送信されてきた画像を人間が見続けるのは難しいですから、AIにやらせるのかも。
ドローンのハードは一足飛びには進歩しないでしょうけど、ソフト面ではかなり進歩してそうですよね。
dGPUでの物体認識は5年前くらいは多少実験的なところもありましたが、今となっては完全にコモディティ的に確立していますね。技術的にはドローンに載せられるようなチップでも(計算精度を落とすようなソフトウェア的な工夫と、AI用途に特化した半導体の両方が進化したので)推論可能ですが、一般の兵士が広く使うほどの実用には大変かもです。
それと単純に複数ドローン動かしたりすると大量の情報を描画することになりますし、仮に dGPU 必要なくてビジネス PC の上位モデルくらいでもスペックは満たしていたとしても、発熱が問題ですぐにオーバーヒートしそうです。要は動画再生しながらエクセル使ってると重くなるようなもので、もちろん戦闘時には致命的です。タフブックみたいなやつだと放熱など考慮されてるでしょうが、こんどはスペック不足とか。
逆説的に、これまでのウクライナ軍兵士向けのNATO式教練が役に立たないという話を補強する話ですね
今後はどこの国の陸軍もドローンありきになるでしょうけど「さぁドローンだ!」と言われてもどこの現場も手探りでしょうね
個人的にはドローン使い捨ては壮大なる希少鉱物の無駄遣いって感じであんまり好きじゃないけど
これからは弾薬みたいに倉庫に大量に備蓄したりするのかね
バッテリーをもっと使い勝手の悪いものに妥協すればレアメタルはほんの少しで済む。半導体製造ラインは圧迫されそうだけど微細化もそこまで実用兵器として必要なわけでもなく。銅の無駄と言われたら何もいえないけども。リチウムイオンバッテリーも多少爆発するから火薬にもなるのかもしれないという冗談は置いておいて、自爆兵器にリチウム系バッテリーを使うのは本当に勿体無い。ナトリウム系バッテリーがもう少し実用レベルになればいいのに。
中国のパレード始まったね
さあなにが出るか
さっき映ってた無人潜水艇らしきものは少し前に話題になってた長すぎる謎の無人艇かな?
ドローンもX-58っぽいやつが映ってたね
電子部品足りるかな?
このまま増えると作りきれんぞ
中国依存の原料もたまだまだ多いしね
若年層~中年層、なんだかんだゲームに親しむ人が増えましたから、操作はUI次第で何とでもなるのかなあと。
問題は、ウクライナ軍エンジニアも指摘していましたが、最前線での細かい調整がどんどん変化していくこと=エンジニアリングの部分でしょうね。
いい事思いつきました
コントローラーをXboxかPS5仕様にすればヘリマスターをそのまま戦力化出来るのでは?
10年以上のベテランが大量にすぐ手に入る
各国が導入したり、テストしてた話しがありましたね。
ゲーム複雑になりましたから、ゲーム慣れしてれば、かなり対応できそうな気もしますよね。
潜水艦の潜望鏡のコントローラーにXboxのを採用したニュースがもう10年以上前でしたね。
今でも同等品のが安く入手できるのは大きい。
日本はタミヤ辺りにFPVドローンの競技の産業を持ちかけるところから始めるべき。
低年齢層向けに世界征服を目論む悪の組織と戦う漫画も少年誌で描かせて。
普通にドローンレースやカスタムドローンでのターゲット競技はありだと思う。技術開発促進の面でも人材育成の面でも。
アフガンの銃撃戦なんかをみて、正直塹壕の掃討をのぞけば、現代の火砲での戦闘は敵をしっかりと視認して戦闘することは少ないので、FPVドローンオペレーターはしっかりと敵を視認して、時には最期の表情までしっかりとみえる撫でストレスも大きいのでは?と思っていたのだけれど、画面越しだと多少は他人事に思えるからなのか、防衛戦争という否応なしに士気も敵意も高くなる戦争だからなのか知らないが、意外と影響はなさそうだ。まぁ最初に除いた塹壕戦が白兵戦になってるからそっちの方が距離感としてはちかくかんじるのかも?スナイパーでも同じ問題があるからこそそっちの意味でも適正や訓練が問題になることもあるので、その辺の違いは少し興味深い。
Call of Duty:Modern WarfareってゲームでAC-130のIR画像で敵兵をぶっ飛ばすステージがあるのですが、モニタの加工画像越しだと殺人への忌避感は無くなるんだなあと思いました。
トレーニングで使用するマンターゲットは、考えずに人間に発砲できるようにするために人型になっているそうで。
衛星回線でMALEをアフガンとかに飛ばしていた時代には、日常と戦場の急激な温度差が精神を病ませるという説がありましたけど、FPVドローンはスナイパー++程度の距離感なんででそういうのとは無縁ですね。
たしかにアフガンの頃と比べたら、今はゲーム映像に近いというのはありそうですね……。Oculus 創業者が Anduril も創業してたりと、おそらくユーザーインターフェース側の技術はゲームと丸っきり一緒なんですよね。
あと(嫌な話ですが)自爆ドローンならグチャグチャになった肉片を確認する必要がないことは挙げられますかね。ターゲットに突入した地点で自爆して映像切れるわけですから。
ただ偵察ドローンから死体も確認はずで、そのオペレータはどういう心理なんでしょうか。敵だけでなく味方の死体も見るわけですし、死体になれば敵も味方もなく同じような姿という実感も湧くはずで、相当に苦しいだろうと思うのですが……。
一方、グロ中尉は嬉々としてそういう画像収集に勤しむのであった。
ウクライナ軍ドローンオペレーターは当分は各国軍のインストラクターとして食っていけるんじゃないかな
次回の007にもドローン出てきそう
イギリスが最初にドローン投入したのは落下傘だから軽歩兵か。日本も先ず最初にドローン投入するなら軽歩兵になるのかな?どの部隊だろうか?
空挺か西普連か
ドローン課程ができて、ドロ-ン徽章持ちとかが出てくるわけですね。