欧州関連

英国のスターマー首相が辞任、9月までに労働党新党首が選出される見込み

Observerは21日「スターマー首相は22日の月曜日に辞任を発表するだろう」と、BBCも「スターマー辞任が現実味を帯びてきている」と報じていたが、スターマー首相が労働党党首の辞任を22日に発表し、9月に議会が再開されるまでに新しい労働党党首が選出されてスターマー首相と交代する見込みだ。

参考:Politics latest: Starmer to make statement in Downing Street as he makes resignation decision
参考:Keir Starmer resigns as prime minister and leader of Labour Party

スターマー首相自身は党首選に出馬しないため、党首選が終わるまで首相の座に留まったとしてもレームダック化は避けられない

国政復帰と党首選挑戦を狙うマンチェスターのアンディ・バーナム市長は6月18日のメイカーフィールド補欠選挙で圧勝し、もうスターマー首相を取り巻く政治的状況は最悪というしかなく、The Observerは21日「スターマー首相は22日の月曜日に辞任を発表するだろう」「労働党議員の大多数がアンディ・バーナムを支持したことで首相としての命運が尽きたことを悟った」と報じた。

“首相はここ数日、閣僚、ダウニング街の顧問、労働組合の幹部や献金者らと協議を重ねた結果「もう首相としての立場を維持できない」との結論に達したと見られている。スターマー首相は最終的な決断を下す前、週末をチェッカーズ(首相の別荘)で妻ヴィクトリアと自身の進退について話し合って過ごしているが、労働党の幹部らは早ければ月曜日にも明確な声明が出される可能性があると見ている。首相に近い労働党の貴族院議員は「彼は現実を直視していると思う。この混乱を首相に留まったまま止めるのは不可能であり、残された選択肢は一つしかない。彼もそれが国と党に奉仕するため唯一の選択肢だと考えるに至ったのだと思う」と述べた”

“別の労働党重鎮も「首相は辞任を受け入れているように見える」「彼はもう支持が存在しないという厳しい現実に直面したのだ」「実際のところ現状の維持が不可能なことぐらい誰もが分かっている」「もちろん、そのすべてに悲哀はあるものの政治的には避けられず、ボリス・ジョンソンが言ったように群れが動く時は一斉に動くのである」と語った”

出典:UK Prime Minister

“バーナムは不利な予測を覆してリフォームUKを大差で破り、月曜日に下院議員としての宣誓を行う。彼の支持者らは「もし首相が自発的に辞任しない場合、党首選に挑むために必要な201人を超える労働党下院議員の支持をすでに確保した」と主張している。これは労働党下院議員の半数以上を占める数字であり、スターマー首相がもはや下院の信任を維持していると国王に報告できなくなることを意味するため、極めて重要な意味を持つ”

“ある労働党幹部は「アンディの立場は木曜夜の結果によって大幅に強化された。議員たちの念頭にある疑問は「誰がリフォームUKによる政権樹立を阻止できるのか?」ということだろう。彼はメイカーフィールドで非常に力強い形で「それが可能だ」と証明したのだ”

BBCも「スターマーが留任して徹底抗戦するという話は急速に薄れつつあり、彼の辞任が現実味を帯びてきている」「一部の観測筋は『スターマーが党首選でバーナムに勝てると信じている』と報じているが、党内では『もし党首選になればバーナムが圧勝するだろう』と見ており、政府関係者は『スターマー首相が勝利するなどあり得ない』と述べている。スターマーに忠実だった閣僚の間でも潮時だと考える人間が増えており、ある閣僚筋は『選挙で恥をかくようなことは望まない』という」と報じていたが、Sky NewsもBBCも22日「スターマー首相が労働党党首の辞任を発表した」と報じている。

スターマー首相は演説の中で「労働党全国執行委員会に労働党党首選の日程を策定するよう要請した」「候補者指名の受付は7月9日に開始される予定だ」「党首選が終わるまで首相の座にとどまる」と言及、Sky Newsは「党首選が行われた場合、9月に議会が再開されるまでに新しい労働党党首が選出されることが確実となる」と報じた。

スターマー首相自身は党首選に出馬しない方向で調整が進んでおり、党首選が終わるまで首相の座に留まったとしてもレームダック化は避けられず、この間の重要な政策の決定や発表はほとんど出来ず、次期党首が新政権を樹立したのち国防費増額と国防投資計画は再精査される可能性が高い。

果たして「国防費増額と国防投資計画の発表を先送りし、それに伴いGCAP開発作業の複数年契約締結も先送りされ、Edgewingの作業が宙ぶらりんになる」のか「もう財源に裏付けられた資金供給がない状況で複数年契約締結をしてしまう」のどちらになるだろうか?

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※アイキャッチ画像の出典:UK Prime Minister

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コメント

  • コメント (18)

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    • たむごん
    • 2026年 6月 22日

    イギリス政治の見通しは暗いですからね。

    統一地方選挙2026年5月の結果を見ると、リフォームUKがトップだったものの、過半数からは程遠く。
    今後の国政を考えれば、連立政権が各政党ともに視野に入るわけですが、先行きの見通しがさっぱり立たないんですよね。

    イギリス本土の安全保障は、緩衝国家が大量にあって切羽詰まってないですから、GCAPを素早く進める政治的意思がそもそも欠けているのかなと感じています…。

    17
      • 長久命の長助
      • 2026年 6月 22日

      本来ならこのサイトでも次期戦闘機の話でキャッキャウフフしているような時期なのに、地球の裏側の政治情勢にまで気に掛ける必要が出てくるとは、国家間の共同事業とは厄介なものよね。

      27
        • たむごん
        • 2026年 6月 22日

        本当に仰る通りです。
        こんな技術があって、あの企業が関わってるのか!こんな感じで楽しみたかったんですよね。

        開発の入口(開発資金)から、外国の政治情勢に足を引っ張られて、五里霧中とは悲しいものです…。

        17
    •  
    • 2026年 6月 22日

    ままならないですね…七つの海を股にかけたかの大英帝国の威信はどこへ行ってしまわれたのか

    22
      • まめ
      • 2026年 6月 23日

      米国やロシア含めかつての帝国主義国家の凋落が著しい。
      実体経済を手放した国と実体経済を発展させられなかった国々

      4
    • アイアン
    • 2026年 6月 22日

    分かりきっていた結末が訪れましたね。
    十中八九、複数年契約は先送りでしょう。イギリスもイタリアも余裕があるから、日本とは温度差があるんですよね。
    さて、これからどうなることやら。

    17
    • ブルーピーコック
    • 2026年 6月 22日

    せめて堂々かつ早々に退陣すべきだろ。その方が悪いイメージが尾を引かずに済む。
    石破やネタニヤフみたいにダラダラ先延ばしても、余計な汚名を被るだけだぞ。

    21
    • YF
    • 2026年 6月 22日

    これで国防費増額と国防投資計画は新しい首相の下で年内に策定出来れば御の字って所ですかね。さらに遅れる可能性は充分ありますが。
    個人的には6月末に複数年契約結ぶと思ってますが、これが延期され7月末の日英伊防衛相会談が中止になるような事になればGCAPもいよいよ赤信号が灯りそうです。

    12
      • まめ
      • 2026年 6月 23日

      契約不履行の違約金を吹っ掛けるしかないですね。

      4
    • はひふ~へ~ほ
    • 2026年 6月 22日

    なんか石破某を見ているような気がするなぁ~
    とは言えイギリスに高市某みたいな後継者がいるのかね?
    もっとも高市某も能力があるのか無いのか読めないのだが…

    9
    • せい
    • 2026年 6月 23日

    こうなってくると、日本はイタリアとの関係を強めざるを得ないね
    イタリアはイタリアでトランプとの関係も悪化してるから、次期戦闘機開発に力を注ぐ名分もある
    何とか、せめて対艦ミサイルが積めるミサイルキャリアーとしてでも早期配備に巻き込みたい
    ソフトウェア等の無人機分野ではFCASと合流してゆったり開発すればいいんじゃ無いかと思う

    6
      • 名無し
      • 2026年 6月 23日

      イタリアが欧州の同盟国より
      日本を優先するわけ無いし
      中国に脅されたら日本との防衛協力なんてすぐ降りそう

      19
    • あうあうあー
    • 2026年 6月 23日

    次回もまた「つなぎ予算」になるとさすがに厳しいものがありますね
    プランAは英国の政治的混乱状況下においてもGCAP開発を継続するよう働きかけること
    しかし、GCAP中止シナリオに備えてプランBの推進も必要ですね

    F-47を導入してもなお配備することに意味のあるF-3案…高コスト高性能機のF-47に対して、地に足ついた中コスト中性能の量産機としてのF-3という割り切った設計に路線変更するとか?
    でもF-47も開発がいつ終わるのか、日本に販売できるのか、不透明なんですよね

    2
      • 名無し
      • 2026年 6月 23日

      日本にプラン並立する体力はないし
      とにかく間に合わない

      5
    • リンゴ
    • 2026年 6月 23日

    >「もう財源に裏付けられた資金供給がない状況で複数年契約締結をしてしまう」
    どっかの島を日本に売ってくれ
    そうすれば金は出せるし、世論も多少は納得する
    あ、フォークランド諸島はいりません

    7
      • ルイ16世
      • 2026年 6月 24日

      英領ヴァージン諸島とか?

      1
    • 暇な人
    • 2026年 6月 24日

    二大政党制崩壊してリフォームUK政権になりそうだしな
    英国は完全小選挙区なので負けるとほんと議席なくなるからね

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