旧ソ連/ロシアが製造した主力戦車の中で西側諸国が唯一、入手機会する無かったT-90がNATOの手に渡る可能性が出てきたと報じられている。
アルカイダ系反政府組織が入手したT-90Aは誰の手に渡るのか?
トルコとシリアの国境沿いに位置する「イドリブ」を拠点に活動するアルカイダ系反政府組織「シリア解放機構」が、シリア政府軍が運用しているロシア製主力戦車「T-90」を捕獲して運用していることが確認された。
このT-90はロシア陸軍にも採用された「T-90A」で、新たに開発した125mm滑腔砲「2A46M-5」を搭載したウラジーミル砲塔を採用し、エンジンも840馬力の「V-84-MS」から1,000馬力の「V-92S2」に変更したタイプで、T-90シリーズの最新型「T-90M」のベースになっていると見られている。
このT-90Aを捕獲したシリア解放機構は国際テロ組織「アルカイダ」に属していると見られているが、シリア国内のクルド人勢力を掃討するのに利用するためNATO加盟国のトルコが軍事的に支援しており、NATO内でも度々問題になっている。
もしトルコがシリア解放機構からT-90Aを入手すれば、NATO(米国)に渡り、これを調べることでロシア陸軍が運用中のT-90Aや最新のT-90Mへの対抗策を研究することが出来るだろうと報じられているが、政治的には非常に厄介な問題に発展する可能性がある。
NATOとしては当然トルコ経由でT-90Aを入手したいのだが、これまで何度もトルコに対しシリア解放機構支援をやめるよう文句を言ってきた過去があるため、これを入手してしまえばNATOとしてシリア解放機構と取引をすることになり今後トルコの同組織支援を問題視できなくなる。
トルコとしてもロシア製防空システム「S-400」導入でステルス戦闘機F-35の調達が不可能になり、その代わりとしてSU-35やSU-57の導入を検討いておりロシアとの関係を拗らせるような行為は自分たちの首を締める結果となるため、NATOのためにT-90Aを入手するかは微妙なところだ。
米国としてはトルコを通じてT-90Aを入手できれば特に問題ないが、もしトルコが入手を渋っても米国自身が裏で動きT-90Aをシリア解放機構から入手し「トルコがT-90A入手において重要な役割を果たした」ように見せかければ、トルコとロシアの関係を悪化させる=エルドアン大統領の天秤外交を止めさせることができる。
ロシアとしてもT-90AがNATOの手に渡るのを黙って見ているはずもなく、トルコや米国が動く前にシリア国内のフメイミム空軍基地に駐屯させているロシア部隊を動かし、シリア解放機構が捕獲したT-90Aを自ら破壊してしまうかもしれない。
このように各国の思惑が絡むため、素直にT-90AがNATOや米国の手に渡るのかは未知数と言える。
※アイキャッチ画像の出典:Vitaly V.Kuzmin / CC BY-SA 4.0 T-90A
なんか映画になりそうな内容ですね。
そうですね
所属不明な戦車兵「ロシア語で考えるんだ…」
これで一本映画描けそう
長期間、相当数の戦車製造を続けてきた国の装備だからそれなりの完成度はあるでしょう
航空機同様どれだけ作って戦場に投入して経験値を獲得して来たか、が肝ですから
MGSのストーリーみたいな話だな
トルコなんて通さずアメリカとすでに取引済みなんじゃないかな
アメリカは米軍撤退の交渉をアルカイダとずっとしてたわけだし
撤退の手土産として付けてくれやくらいトランプなら言うはず
マヘルシャラルハシバズ