ウクライナ戦況

チェコ共和国、ウクライナに提供するT-72とBVP-1の移送を開始

NATOとの合意に基づきチェコ共和国はT-72M1×5輌とBVP-1×5輌をウクライナに提供したと明かしたが、これ以上の情報開示は安全保障上の理由から拒否している。

参考:Czech Republic sends tanks, infantry fighting vehicles to Ukraine
参考:
NATO Has Finally Started Supplying “Armor” to Ukraine. BMP-1 and T-72 Are Sent from the Czech Republic

チェコ共和国がT-72M1とBVP-1の移送を開始、徐々にロシア軍を追い出すための装備が集まり始めた

ただチェコ共和国(約60輌のT-72M1を保管中)以外にもスロバキア、ハンガリー、ブルガリア、ポーランドがT-72を保有しており「最大130輌~160輌のT-72を入手できるかもしれない」とウクライナのディフェンスメディアは指摘しているが、NATOもウクライナも装甲車両の提供について一切情報を漏らしていないため詳細は謎だ。

因みにチェコの民間企業は所有するBVP-1(スウェーデンから引き取ったもの)をウクライナに売却する動きについてドイツ政府は既に許可を与えており、オーストラリアもゼレンスキー大統領の要請に応じてブッシュマスター提供を発表済み、さらにエストニアが提供した旧ソ連製の122mm榴弾砲「D-30」もウクライナに到着するなど、徐々にロシア軍を追い出すための装備が集まり始めた。

出典:Mil.ru / CC BY 4.0 TOS-1

追記:ウクライナ軍はイジューム周辺のロシア軍部隊に対して「鹵獲したTOS-1による攻撃(サーモバリック爆薬が充填のロケット弾)を行なった」と発表、つまりウクライナ軍は無傷で放棄されたTOS-1を少なくとも2輌鹵獲しており「ロシア人は持ち込んだTOS-1で自らの身を焼かれることになった」という意味だ。

関連記事:祈りと武器を捧げるオーストラリア、ウクライナにブッシュマスターを提供
関連記事:ドイツ、チェコが要請していた歩兵戦闘車BMP-1のウクライナ移転を許可

 

※アイキャッチ画像の出典:OSINTdefender

お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。

エジプトとクウェートの防空レーダー需要、日本企業が売り込み中か前のページ

ウクライナ軍兵士、ブチャ近郊で捕虜になったロシア軍兵士を殺害か次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    新たなウクライナへの武器支援、複数の国が砲兵装備を追加提供に応じる

    米国のオースティン国防長官は15日、ラムシュタイン会議後の会見で「ドイ…

  2. ウクライナ戦況

    ウクライナ侵攻323日目の戦況、ロシア軍がソレダル周辺で突破口を開く

    323日目が経過したウクライナ東部戦線の状況は「ロシア軍がソレダル周辺…

  3. ウクライナ戦況

    アウディーイウカの戦い、ロシア人もウクライナ軍の防衛拠点を制圧したと報告

    ウクライナ人が運営するDEEP STATEやジャーナリストのブトゥソフ…

  4. ウクライナ戦況

    アウディーイウカの戦い、ロシア軍がコークス工場への直接攻撃を開始

    アウディーイウカ方面で登場した視覚的証拠は「ロシア軍がコークス工場に肉…

  5. ウクライナ戦況

    キーフ周辺は21世紀の地獄、ナチズムにおける最悪の犯罪が欧州に戻って来た

    ロシア軍によるジェノサイド(大量虐殺)についてウクライナ大統領府のミハ…

コメント

    • 無無
    • 2022年 4月 07日

    ミリー統合参謀本部議長は議会で戦争の長期化が確実と発言、これは西側からさらなる軍事援助を示唆してる、ウクライナは代理戦争と新兵器の実験場になった。
    西側が期せずしてかどうかは知らんが、これからウクライナがロシアにとってのベトナム、第2のアフガンに変わるならば、
    日本も腰を据えて対応せざるを得なくなる、
    ベトナムが為にアメリカは国家が傾いて今日に至るとすら評されるように、もはや勝敗に関わらずロシアは沈没していくのは確実
    友情を演じる中国の食い物にされていくだろう

    28
      • 戦略眼
      • 2022年 4月 07日

      中華は、ロシアを併合するだろう。
      ユーラシア大陸のほとんどを占める、市場と資源持つ超大国が出来上がる。

      8
        • G
        • 2022年 4月 07日

        悪夢としか言いようがないけど、その可能性がそれなりに高そうなのが嫌なところではありますね
        中国より圧倒的に国力低めのロシア相手でさえこの国際情勢なら、中国が本格的に暴れだした際には西側にどれだけのことができるのでしょうか

        5
    • AAA
    • 2022年 4月 07日

    ポーランドも戦車をウクライナに運んでるらしいんだけど
    公式には何も言ってないね
    秘密にしたほうがいい案件なのかな

    17
      • 武器屋の為の戦争
      • 2022年 4月 07日

      いつの時代も起きる代理戦争と新兵器の実験場が、今回ウクライナになっただけですね。
      なんの罪もない一般人が可哀想で仕方ないです。第三次世界大戦になって行きそうな雰囲気ですが、日本も巻き添えを喰らわない牽制と対策は必要だと思う。

      1
        •   
        • 2022年 4月 07日

        代理戦争?
        ウクライナは別に誰かの代理で戦っている訳でもないし、ロシアも同じ
        ロシアは明確にウクライナを傀儡国家にしに来ていたので代理戦争でもなんでもなく単なる侵略だよ

        侵略戦争を誤魔化すような言い方は相応しいとは思えない
        西側との代理戦争なんてのはロシアが言いたそうな文言だよ

        68
        • 匿名
        • 2022年 4月 07日

        イスカンデルやキンジャール、Su-35等の新兵器を投入してるのはロシア軍、ウクライナ軍で新兵器と呼べるのはトルコ製のバイラクタルTB2くらいで、ほとんどソ連製の兵器。
        供与が検討されてる兵器も大半は退役が迫ってる旧ソ連製の物ばかりじゃないですか。
        ハンドルネームからすると、陰謀論的な事を考えていそうな方と見受けますが、ここの読者は最新の軍事情報を知りたい人が中心なので、そんなロシアのプロパガンダみたいな事を主張しても通じないですよ。

        11
    • cb
    • 2022年 4月 07日

    公開しないで供与することはできないのかな
    民主主義的には無理なのか
    ロシアよりの独裁国家は平気で供与してると思うけどね

    5
      •    
      • 2022年 4月 07日

      詳細は公開しない方針に切り替えてる

      8
    • 58式素人
    • 2022年 4月 07日

    NATOとウクライナの間にどんな約束が行われたのだろう。
    NATOは、重火器の提供はOK、正規兵の戦闘部隊は出せない、輸送・訓練は協力するということだろうか。
    ロシアの大量破壊兵器使用の懸念がある中で、弾道弾迎撃ミサイル無しで済むのだろうか。
    ロシアの黒海艦隊を無力化するのに、現状のウクライナ海軍では不足ではないだろうか。
    ミサイル防衛や海軍は、NATOの正規兵が必要と思います。

    4
      • 匿名
      • 2022年 4月 07日

      MD装備は鹵獲や機密保全であのアイアンドームにしろペトリより高度な取り扱いされてるしハードル高いがキーウだけなら供与欲しいよね
      でもまずは露領内から飛来するFBで中長SAMが必要だし優先順位で逆転にはならず操作人員ごと送るとそれは参戦になってもしまうな
      沿岸防衛強化で何供与するか謎だが短期間に人員育成可能な装備ならあまり高度なシステムは不可能だし現状スパイクNLOS位しか思いつかん

      5
  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  2. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  3. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
  4. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  5. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
PAGE TOP