FCASのワークシェア比率を巡るフランスとドイツの対立は激化する一方で、Dassaultのトラピエ最高経営責任者は23日「ドイツが単独でやりたいならそうさせればいい」「我々は単独で開発できる」と述べ、Airbusの労働組合代表も「FCASはDassault抜きで進めるべき」と主張した。
参考:French and German defense giants scrap over building next-gen fighter jet
参考:Mener le projet “tout seul de A à Z”: Dassault assure qu’il pourrait faire le Scaf sans l’aide de personne
参考:Europas Kampfjet der Zukunft droht zu scheitern
フランス側の利益を代表するDassaultとドイツの利益を代表するAirbusの対立はますます激化している
POLITICO Europeは18日「FCASに対する仏産業界の過剰要求によって『フランス抜きの計画を検討せざるを得ない状況』にドイツは追い込まれている」「ルコルニュ新首相がDassaultの姿勢を支持すればドイツはFCASを離脱して英国やスウェーデンと組むかもしれない」と報じたが、フランス側の利益を代表するDassaultとドイツの利益を代表するAirbusの対立はますます激化している。

出典:Dassault Aviation
Dassaultのトラピエ最高経営責任者は「出資額ではなく能力重視でワークシェア比率を決めるべき」「戦闘機開発に関する技術を持っているのは我々だけだ」「ドイツから何からのハイレベルな見返りがない限り、タイフーンから派生した技術(第三国から制約を受けるかもしれない技術)をNGFに組み込むのは不可能だ」と発言、ドイツ国防省は過剰なワークシェア比率を要求するフランス産業界に不満で、首相報道官も「我々の要求は明確だ」「FCASに関する経済的負担とワークシェア比率は契約に従って行わなければならない」と、スペインのサンチェス首相と会談したメルツ首相も「このままでは続けられない」と述べた。
これを受けてDassaultのトラピエ最高経営責任者は23日「ドイツが単独でやりたいならそうさせればいい」「我々は第6世代戦闘機を単独で開発できる」「第6世代戦闘機を設計し、製造し、飛行させ、量産することが可能だ」と発言し、Airbusの労働組合代表も「FCASはDassault抜きで進めるべきと考えている」「欧州にはもっと魅力的で適切なパートナーがいる」「ドイツは次世代を戦闘機を単独もしくはフランス以外のパートナーと共同開発する能力がある」と述べ、ドイツのHandelsblattは「欧州の将来戦闘機が失敗の危機に瀕している」と報じている。

出典:Sébastien Lecornu
因みにPOLITICO Europeは「フランスではFCAS協議を管理していたルコルニュ国防相が新首相に指名され、ドイツはルコルニュ首相について「交渉テーブルに着くようDassaultに命じられる唯一の人物」として注目しており、もし首相としての影響力を行使してAirbusと妥協しろと迫ればFCASはフェーズ2に移行できるかもしれない。逆にDassaultの強行な姿勢を支持すればドイツは英国やスウェーデンと組む代替案、あるいは単独開発に方針転換するかもしれない」と報じており、FCASの将来はルコルニュ首相の態度に掛かってると言っても過言ではない。
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※アイキャッチ画像の出典:Dassault Aviation





















FCASがドイツとフランスの内輪揉めで終始するのは正直どうでも良いがGCAPを巻き添えにする事だけはマジで止めて貰いたい。
仮にルコルニュ首相が諫める方向に持って行ったとして、既に企業間で軋轢産まれてちゃぁ手遅れじゃないかな
一時的に纏めても、これから何かにつけて問題になって、早い段階で別れてたほうがマシな状況にならん?
こんな内情でFCASとGCAPは統合するべきとか繰り返し言ってたんだから面の皮が厚い
ドイツ単独の次世代戦闘機はちょっと見てみたいけど、多分商売にはならないだろうな…
軍事費増えて一国では開発費出なかったのが、開発費だけなら出せるようになった。3兆円でも10年分割で年3000億円。不可能じゃない。
いっそ地上支援専門のシュトゥーカ2とか作れば売れそう
そういうのを防ぐための契約書じゃないんかい
相手を出し抜こうと考えてる奴とは信頼関係は結べないのであり、したがって契約書など紙切れに過ぎないんだろうな
GCAPが一応うまく進んでいるのは、何より機体に対する戦略的なニーズが開発国で一致しているからで、自国のドクトリンに合致しないと判断したスェーデンは、開発の枠組みからは距離をおいています。
ドイツのドクトリンはむしろスェーデンに近い筈で、今更GCAPの枠組みに入って自国のドクトリンに沿った要望や、産業界が望むような開発への参加とワークシェアの確保という、事実上の枠組みのリセットに等しい要求は拒否されるのは素人目にも明らかです。
もっとも現実的な選択は、地政学的な環境が類似しているスェーデンと組んで、GCAPの要素技術や開発成果のうち利用可能なもの(エンジンとか)や要素技術をライセンス(これがまた壁なんでしょうけどね)して、独自に機体を開発するくらいでしょう。スペインは、通常型空母保有とか言い出しているので、その看板下さないのであればFCAS一択でしょうけど。
総論では同意ですが「機体に対するニーズが一致」が主因、ってのは少し違う気がしますね。
GCAP公表以前から直後までは(一部では現在でも)「テンペストは中〜小型機でF-3とは規模の乖離が大きく機体統合はあり得ない」との意見が多かった様に思います。自分はその意見には賛同していませんでしたが、それでも「F-22並みのテンペスト」と「F-22超のF-3」で小さいながら明らかな乖離はあり、その間で仕様の綱引きになるだろうと予想していました。
ところが蓋を開けてみればGCAPのモデルは公表される度に大型化し、(水平尾翼の後方突き出し分がないので全長比較だとまだ分かりませんが、少なくとも翼面積や機体容積で比較すれば)F-22を大幅に超える大型機になることがほぼ確定的です。
三国に共通してるのは「機体に対するニーズ」ではなく「絶対に(早期に)完成させる」という意思じゃないでしょうか。故に「譲れないニーズ」を抱えた日本に対し英が妥協・実現可能な範囲で寄せてきていると見る方が自然な様に思います。
「乖離が小さい」「妥協可能な範囲(であった)」ことを「ニーズの一致」というのではあればFCASだって「(どちらかあるいは双方が妥協しても)共通解を見出せない」ほどニーズが乖離してはいないと思います。
仰る通り、当初の要求要件には差異があったとは思います。
ただ現在のGCAPのモデルのアウトラインの変化は、ウクライナ戦争の中でコンセプトレベルであったドローン兵器の有効性が現実的な未来像として描けるようになったこと、更に精密誘導兵器の長射程化の進展で従来型のAWACSを使った空域制御戦術が困難になってきたことで、第6世代戦闘機に求められる資質が明らか(もしくは変化)になってきたことが大きいのだと思います。
確かに日本のF-3は、細長い日本列島と広大な海洋領域をカバーするための大航続力と大容量ペイロードを指向はしていましたが、それでも当初はラムダ翼を採用するなど戦闘機としてのアジリティを確保しようとしていました。
テンペストは、恐らく日本案より航続性能とアジリティのバランスを優先していたと思いますが、今日のGCAPの形になってきたのは日本に擦り寄ったのではなく、実戦で明らかになった自国領域の制空権確保や敵空域貫通のための要件を精査していく過程で生じた変化だったのだと思います。
一方、スエーデンやドイツは、隣国がある程度緩衝地帯となるものの直接脅威と陸で接しており、作戦空域までの距離が短く、むしろ短いターンアラウンドで反復出撃したり、高速道路などでの運用が可能な整備性やSTOL性、隠匿しやすい機体規模がプライオリティになるはずで、その為にある程度ステルス性や航続性能は妥協することを選択すると思われます。(もちろん、はなから自国の基地から運用する気がないというのであれば別でしょうけど)
CCAなどへの期待向上の気運も、機体の大型化容認に寄与しているのでしょうね。
逆にいえば5年かそこらの短期間でそれだけ変動する訳ですからそんな要求仕様が「ある時点で一致してるか」はそこまで大きい問題とは思わないし、何よりどう条件が変動したとしてもそもそもの地政学的条件の大きく違う日英の仕様がそこまでキレイに一致してたとは思えないんですよ。なので私は「GCAPは日英の要求仕様が近似していたから上手くいっている」説には同意しません。
まあ「要求仕様・ドクトリンの大きく異なるドイツのGCAP参加はあり得ない」自体には異論はありませんのでこの辺で。
これは勝手な想像ですが、イギリスは日本と自国向けの大型機を作った後に、部品をかなり転用する形でスウェーデンやイタリア向けの小型機を作るつもりじゃないかと。テンペスト時代は瑞伊と組む以上は小型機志向だったが、納期を急いでいて、英と同じ大型機志向で、そこそこ独自開発を途中まで進めている日本が参加したから、先に日本(と自国)を優先して大型機志向に転換した。日英向けの機体開発が終われば、日本にも協力させて瑞伊向け機体を作らせる。
ユーロファイター開発で大型機(英)vs小型機(独伊)で揉めた反省と瑞グリペンへの転用の成功を踏まえて、無理に始めから仕様を合わせず各国の需要に合わせて要素を転用して戦闘機作ると言うのが、テンペストでも謳われていた今のイギリスの戦略に思える。
もしそうなったら、FCASは涙目ですね。
ただでさえ2040年が2045年に遅れるかもと言われているのに、小型という特徴まで一致したら、艦載機という特徴しか残らず、市場がなくなりそう。
>テンペスト時代は瑞伊と組む以上は小型機志向
そんな事実はないでしょう。
記憶にあるのは「瑞伊や国内の一部からは『(F-22並みの)テンペストは大き過ぎる』との意見がある」との報道(というかメディアの私見)くらいです。
そもそもスウェーデンは結局テンペストにはオブザーバーレベルの参加止まりでテンペスト導入の意思は見せておらず正式に参加すらしていませんし、イタリアもテンペストの導入は明言していません。
ロシアがEUや英国と、特にEUと米国を切り離したい訳がわかります。
本当に烏合の衆です。
自分達(=欧州の有力者や上流階級)の都合に合う時は歩調を合わせますが、利害が衝突するとこれ。
わけのわからないEUルールや焦点が定まらない状態での巨額の軍拡とかも、結局彼ら欧州上層部の懐が痛まないどころか潤うのでやっているだけでしょう。ルールについてはほぼ問答無用で施行されるらしいですから、どんなルールか事前に詳細にわかっていたらお金儲けが出来ますし、軍拡もどの企業に大量に発注するかわかっていたら同じ事です。お金は税金、つまり自分達以外の市井の人々が払う訳で。
そしてそんな自分達をある程度は理解してるから、どうやっても大事だと米国の関与を求めるという……。
日本もあれこれ酷いと思いますが、EU市民もよく我慢しているというか、そもそもあまりわかってないのでしょうね。
「欧州にはもっと魅力的で適切なパートナーがいる」「ドイツは次世代を戦闘機を単独もしくはフランス以外のパートナーと共同開発する能力がある」
だ、誰のことだ!?
トルコか韓国では?割とマジな話として
KAANもKF-21も第五世代機を「目指しているところ」なのがちょうど良いということです?
いくつか海外の記事(英語、ドイツ語、フランス語)を見てきて、ドイツが取れる選択肢として言及されてたのは次の3つですね。
1.フランス抜きで、ドイツとスペインで続ける
2.GCAPに加わる
3.スウェーデンと組む
どの記事も「今すぐ抜け出して別路線に行くべきだ」と言っているものはなく、本心ではフランスとやりたいようです。
そもそも
フランスは、本体の機体、エンジン、センサーの3つの重要な柱でリードしたいと思ってる。これをもって、ドイツはフランスが80%以上を請け負いたいとしていると受け止めた。
ドイツは、「あまりにも多くの独立と主権を放棄し、ドイツの資金でフランスのプロジェクトに資金を提供することになる。」と反発。
フランスメディアは、「80%の数字はドイツメディアが勝手に使った数字であり、フランスの政治的な要求でも、一方的なフランスの立場でもない。ダッソー主導の技術報告書において、遅れているプロジェクトのために主要な柱でフランスが強力な役割を担うことを提案しただけだ。」と報じた。
ようです。
つまり、ドイツとしては「金だけ出させられるのは嫌」ということでしょう。その点で言えば、GCAPは選択肢としてあり得ないということでしょう。(今更入っても仕事もらえないから)
ただ、外部から見ていると、いくら、AIなどの従来とは違う技術があるとはいえ、君たちに機体設計能力あるの?とは言いたい。
これは、フランス側は「ドイツに単独開発の技術がなく、欧州内には他の適切な開発パートナーがいない」ことを分かってるから、ドイツに対して脅しをかけ自分の主張を呑ませようとしているのかな?
仮にドイツが怒って抜けてもフランスは単独開発可能(金とか販売先の観点で嫌だけど)だから強気なんでしょう。
自分がフランスだったとしたら、そう思う気持ちも分かる気がする。ドイツ、スペインは技術的にはなんも提供できるものがないくせに、金だけ出してワークシェアが平等になり、口出しされる。しかも、2人で手を組んで言ってくる。悪夢ですね。
最初からわかってただろうに、なぜこのワークシェアで合意したのか、理解不能。
ドイツとしては、「フランスに頭下げて言うこと聞く」か、「GCAPに金だけ出して、口出さず、完成後の自国分生産や自国の随伴機の開発協力を取り付ける」しないと、第6世代で孤立する。(GCAPで金だけ出すなら、FCASでフランスの言うこと聞く方が得られるもの多い気がするけど、どっち選んでも、自分の要求通りませんね。)
スペインはどっちかと言うと、フランス寄りの立場(エアバス的に)だったような
直近数年でRafaleがたくさん売れたので、Rafaleの売上と、既存のカスタマーに開発費を援助してもらえばドイツなしでやっていける算段がついたのでは。
ジャガイモもカエル喰いも、どうしていつまでも「自分達は選べる側」だと思ってるんでしょうね?
とっくに時代は変わっているのに……
全部が全部ではないにせよ、既に欧州は「選択権はない、与えられたもので満足しろ」の時代に踏み込みつつある、その自覚は……断頭台に送られるまで、持てないんでしょうね。
技術的にはほとんど貢献できないのに、自分に有利になるような勝手な事ばかりいわれたら、そりゃフランスでなくても切れるわと思うけどなぁ
出してる資金は同額だし
ドイツは独仏共同の戦車開発では譲らず、代わりに戦闘機ではフランスに主導権をという話だったのに、戦闘機でもドイツに主導権を云々とか、フランスが切れないはずないよ
戦車も作業分担がうまくいかなかったのか、合併して同じ会社のはずなのに、Leopard2の無人砲塔化と、Leclercの改良型が出てきてますからね。
EMBTも一応作っているけれども、試作が進んでいる様子がアピールされなくなりましたし…
GCAPは初号機がロールアウトするまでは聖域化して欲しいね
既にスタートしたプランを崩されたらたまらない
GCAPも順調にいくかわからないからなあ
ダッソーはまだしも今のドイツはプライドだけで技術が伴ってないな。記事だと悪者にされているが。
傍から見てる分にはおもしろい話ですな
他山の石としなければなりませんね
EFAの時もM88エンジンと艦上型のゴリ押しで離脱した前例があるので、こうなる事は予測しておくべきでしたね。前回も今回も、フランスは取り敢えず顔突っ込んどいてスポンサー&カスタマーになってくれれば御の字、ダメなら独自開発して売り込むだけ、としか考えてないでしょう。