ウクライナ最高議会で過半数を占める与党「国民のしもべ」がレズニコフ国防相の解任を決定、現地メディアは「国防省情報総局のキリロ・ブダノフ准将が後任として国防相に就任する予定だ」と報じている。
参考:Резникова переведут в другое министерство, Минобороны возглавит Буданов
解任理由は国防省のスキャンダルについて野党や市民活動家が政治的責任を要求しているため
ゼレンスキー政権は今年に入って大規模な政府関係者の汚職や権力乱用に直面、発電機調達で40万ドルの賄賂を受け取ったインフラ省のロジンスキー副大臣、厳戒令を無視して家族とスペイン旅行に出かけたシモネンコ副検事総長、寄贈された高級SUVを私的に乗り回したティモシェンコ大統領府副長官、兵士向けの食料を市価の約3倍で契約したスキャンダルに巻き込まれたシャポワロウ国防副大臣など1月だけで10人以上の政府高官を解任した。
レズニコフ国防相も食料や装備品の調達に関連したスキャンダルに巻き込まれ調査対象になっており、複数のウクライナメディアは先週「レズニコフ国防相が近日中に辞任する」と報じていたが、ウクライナ最高議会で過半数を占める与党「国民のしもべ」がレズニコフ国防相の解任を決定、最高議会の投票を経て正式に解任が決定されるらしい。
現地メディアは「後任の国防相に国防省情報総局のキリロ・ブダノフ准将が就任する予定で、解任されるリャビキン戦略産業相の後任にレズニコフ氏を起用することを検討している」と報じており、解任理由は国防省のスキャンダルについて「野党や市民活動家が政治的責任を要求しているためだ」と指摘している。
因みにレズニコフ氏の本職は弁護士で、ゼレンスキー政権の国防相として資金の透明性を確保した国防調達改革に取り組んでいたが、ウクライナ侵攻後はザルジュニー総司令官に「勝つため必要なものを教えてくれ、同盟国を説得してそれを調達してくるのが私の仕事だ」と述べ、ラムシュタイン会議を主導して榴弾砲、自走砲、HIMARS、防空システム、歩兵戦闘車、戦車などの支援を西側諸国から引き出した功労者だ。
それだけにレズニコフ国防相の解任はインパクが大きく、後を引き継ぐブダノフ准将の手腕に期待するしかない。
追記:戦略産業相への起用は事実ではなく、レズニコフ国防相は「もし戦略産業相のポストを打診されても専門知識がないので辞退する」と述べおりゼレンスキー政権から去るつもりだ。
関連記事:現地メディア、ウクライナ軍を支えてきたレズニコフ国防相が近日中に辞任
※アイキャッチ画像の出典:Oleksii Reznikov
国防相を解任されて、そのまま戦略産業相に就けるのだから、ガス抜きの意味合いが大きそうですね。
餅は餅やだから、戦争中は軍人のほうが大臣にふさわしいのも確か。
ロシアが侵略してこない前提の腐敗防止の人事だったみたいですからね。
准将が大将の上官になるのかね
その不自然さに、この政変そのものがブダノフ氏によって仕掛けられたのかと勘ぐってしまう
情報関係者というのも
ウクライナの腐敗というのは、こんな程度ではない。挙がっている数人を処分するくらいでは解決しない
戦争中にそんな事するんか?って感じだけど
汚職に手を染めてる方々からすれば今が稼ぎ時なんやろうね
自国だけで解決出来ないならば戦後に各国の協力を得て一掃しなければね(地獄の始まり
ここにきて戦前からの一番の問題だった汚職に振り回されるとは
海外から集まった支援金も汚職に使われるばかりって印象になってしまえば、国際世論のウクライナへの熱も一気に冷めてしまいそうで恐ろしい
無名の諜報員から3年で国防相とは、ウクライナのシンデレラボーイだな
欧米のメディアに「ロシア国内でクーデタ一の計画がある」とか「対独戦勝記念日に合わせて総攻撃をかけてくる」とか吹きまくってた人、という印象しかないんですが、政治的能力は相当高かったんすねぇ
開戦後ずっと「我々はロシアの侵攻日時を知っていた(たぶん嘘)」と主張してたり、今年に入ってプーチン末期癌説がちょっと流行った出どころもこの人ですね
まあ情報局長なんて嘘ついてナンボの仕事ではあるので、「ブダノフは権力志向の強い壮語癖のクソ野郎!」なんてロシアメディアみたいなことは言いませんけど…
こんな若造に任せなきゃいけないくらいソ連人だったウクライナ人高齢層は腐りきってるということだろう
こんな若造に任せなきゃいけないくらいソ連人だったウクライナ人高齢層は腐りきってるということだろう
>無名の諜報員から3年で国防相
>ウクライナのシンデレラボーイ
プーチンの若い頃みたいなお話ですよね
元ソ連だけあって汚職が蔓延っているのは間違いありませんからね。戦後の清算ではどれほどの官僚政治家が検挙されるのか。
もとより大統領を続ける気はないみたいですが、ここまで来るとゼレンスキー氏も戦後無事では要られない気がします。
法律家のレズニーコフ氏ではロシアともつながる国防族の汚職を断てないので、ウクライナ政府は大幅に権限強化された情報総局を仕切るブダーノフ氏に”浄化”を委ねるのだろう。EUは加盟審査でウクライナに汚職の摘発と自浄能力を要求しているので、EU側からウクライナ加盟の呼びかけがあるいま、ウクライナは本腰を入れて汚職浄化に取り組むつもりなのだろう。
このブダノフ准将って人は黒い噂が絶えないし内務省との権力闘争でも急進派だったけどここで国防大臣就任って胡散臭すぎますね。