ロッキード・マーティンのF-16C/D Block70/72(F-16V)納入遅延は全ての発注国に影響を及ぼしており、ブルガリア国防省も14日「2次発注分の納入が2027年から2030年まで遅れると通知された」と発表し、ポーランドが手放すMiG-29の購入を検討しているらしい。
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もしウクライナとの交渉がまとまらなければポーランドのMiG-29はブルガリアが購入するかもしれない
ロッキード・マーティンは2017年「テキサス州フォートワースでF-35を増産するため、同じ敷地にあるF-16の最終組立ラインをサウスカロライナ州グリーンビルに移転する」と発表、2017年11月にイラク向けのF-16IQ(Block 50/52ベースの能力制限バージョンでAIM-120やAIM-9Xを運用できない)最終号機を出荷した後に移転が始まり、17ヶ月後の2019年4月にグリーンビルの最終組立ラインが稼働を始めてF-16C/D Block70/72(マーケティング上の名称はF-16V)の生産が始まった。

出典:Lockheed Martin
2019年4月時点でバーレーン(16機)とスロバキア(14機)から、2020年4月までにブルガリア(8機)、台湾(66機)、モロッコ(25機)からの受注が舞い込み、最初に受注したバーレーン向けの納入開始は2020年に予定されていたものの、COVID-19流行の影響で9ヶ国470社(主翼、垂直尾翼はIAIが、中央胴体、後部胴体、コックピット構造、コックピット側面パネルはPZLが生産を担当)で構成されるサプライチェーンが大混乱に陥り、バーレーン向けの納入開始は2020年から2024年に大幅遅延してしまう。
スロバキアへの納入開始も2022年から2024年に、ブルガリアへの納入開始も2023年頃から2025年にずれ込み、台湾への納入も2023年に単座と複座を各1機、2024年には数ヶ月毎に4機~5機を引き渡し、2026年末までに66機の納入を完了する予定だったが、2025年11月時点で複座が1機しか引き渡されず、調達を担当する鍾国防副部長は「計画が予定通り完了しない場合、ロッキード・マーティンに賠償を請求する」と発言し、66機の納入完了は2027年にずれ込むことが確定的だ。

出典:Lockheed Martin
モロッコへの納入開始も2024年~2025年から2026年~2027年にずれ込み、Africa Intelligenceは7月「モロッコ政府がBlock72の納入遅延についてロッキード・マーティンに賠償を求めると表明した」と報じていたが、ブルガリア国営ラジオも7月「国防省はロッキード・マーティンから2次発注分の納入遅延を通知され、中古戦闘機の取得を検討している」と報じ、ブルガリア国防省も8月14日「2次発注分の納入が2030年第2四半期まで遅れると通知された」「この期限は最終的なものではなく、ロッキード・マーティンは生産加速と早期納入に向けてあらゆる措置を講じると約束した」と発表。
バーレーン(16機)、スロバキア(14機)、ブルガリア(8機)向けの納入はほぼ完了しているが、ブルガリアは2023年に第2バッチ分としてBlock70を追加発注(8機)しており、当初予定では2027年からの納入開始を予定していたが、その前に台湾向けとモロッコ向けを処理しなければならないため2030年に納入開始がずれ込むという意味だ。

出典:Julian Herzog / CC BY 4.0
ブルガリア国防省が検討している中古戦闘機の取得は「ポーランドとウクライナの間で揉めているMiG-29移転問題(中古戦闘機と無人機のノウハウ交換が履行されていないためMiG-29移転を凍結し、この問題は現在も解決しておらず、ウクライナ軍特殊作戦部隊に『ウクライナ蜂起軍(UPA)の英雄たち』という名誉称号を与えた歴史認識問題も背景に絡んでいる)」のことで、ポーランドは「ウクライナとの交渉がまとまらなければMiG-29をブルガリアに売却する用意がある」と発表しており、もしウクライナとの交渉がまとまらなければポーランドのMiG-29はブルガリアが購入するかもしれない。
ちなみに、ロッキード・マーティンのサンチェス副社長は2024年7月「Block70/72に関心を寄せる国は沢山ある」「将来的な需要は300機近くになる」と主張したが、トルコのBlock70/72発注とインドのF-21購入構想は事実上の立ち消えとなり、タイ需要とコロンビア需要はグリペンEにオフセット内容で競り負け、フィリピンでもグリペンEに押され気味で、2026年4月にペルーから12機(12機の追加発注も計画中)の発注を獲得しただけだ。
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※アイキャッチ画像の出典:Lockheed Martin





















グリペンやラファールだと納期は守られているんですかねえ。
ラファールは年間10数機程度しか生産出来ていないそうですから注文が殺到すると納期遅延は避けられないでしょうね。
グリペンはブラジルでライセンス生産している分、入手性は良いかも知れないです。
とはいえ、航空機という物は急激な増産はどのメーカーでも難しいと思います。
ユーロファイターには、生産余力があるのかな。
後、戦闘機生産で余力があるとしたら、中国くらいか。
遅延は無いんじゃないでしょうか?
ダッソーはラインの増強も図って居ますし、売れているのは各国もわかっていて「バックオーダーがこれくらいあるけどそれでも良い?」を了承して契約しているはずですから。
本来はF-16もこうだったんですがね…
一瞬KF-21と見間違えた
注文が殺到しているのですから、ある程度の納期遅延はやむを得ないかと…
ロッキードマーティンは、比較的増産に応じているらしいですから、ましな方だと思いますよ。
ライセンス生産とカスタムを厳しくしたのが問題。
ちゃんとライセンス生産側にも旨味を持たせないと。
F-16VでこれだとKAANやKF-21にもそれなりに商機ありそうですね。ITARが邪魔しなければですが。
先月F-16AMがロシアのSu-35を空対空戦闘で撃墜したことでF-16系もまた売れるんじゃないかね
性能が実戦でお墨付きなのは大きい
戦闘機1機、数十億円~100億円以上するのを考えれば、なかなか大変だろうなと。
それだけ高価な商品を、簡単に増産できるかと考えれば難しいわけですが、納期はきちんと守って欲しいものですね。
名誉称号問題についてはウクライナが一方的にバカみたいなやらかししてるだけだから擁護の余地がないのよね…。
そうかなぁ?
ここの過去のまとめのコメントでも書かれてたと思うが、件の名称については「対ソ連・対ドイツ・対ポーランド」として行動した抵抗の象徴の一つとは言えるし
ポーランドもガリツィア問題以前から現在視点で「他民族といえどそんな事やるんか?」を長年やって反波蘭感情を醸造させちゃってたのもある。ポーランドも虐殺し返してるし
ウクライナとロシア帝国間の関係並みに年月重ねて色々な事があった国同士なんで、そう簡単に言い切れる問題じゃない
それぞれの視点から見たらまあ正当性のある事を言ってるんで余計引けない問題なのよ