デンマークはテロとの戦いに対応する戦力再編の過程で地上配備型防空システムを廃止してしまったが、ウクライナ侵攻が勃発して安全保障環境が急変し、地上配備型防空システムを再取得するまでの繋ぎとしてIRIS-TとVL-MICAを購入し、NASAMSをリース契約で取得すると発表した。
参考:Forsvaret hasteanskaffer jordbaseret luftforsvar for milliarder
参考:Danmark lejer norsk NASAMS-system som midlertidig løsning
参考:Denmark to rent air defenses as it rushes to rebuild missile shield
本格的な地上配備型防空システムの調達候補に名前が上がっていた米国は含まれていない
デンマークは冷戦集結後の安全保障環境=テロとの戦いや海外作戦に対応するため戦力構造の再編を行い、この過程で地上配備型防空システム=Hawk PhaseIIを廃止してしまったが、ウクライナ侵攻が勃発して安全保障環境が急変、NATOは加盟国に課す能力要件を大幅に引き上げたため、デンマークは地上配備型防空システムの再取得に向けて動いていた。

出典:Outisnn/CC BY 3.0
国防調達局は3月「地上配備型防空システムの潜在的なサプライヤー=調達システムの候補」を発表し、長距離防空システムの候補にはパトリオットとSAMP/T-NG、短・中距離防空システムの候補にはNASAMS、IRIS-T SLM、VL-MICA、IFPCが含まれており、デンマーク国防省は6月10日「本格的な地上配備型防空システムを取得するまでの短期的な解決策としてIRIS-TとVL-MICAを購入する」と、7月4日「本格的な地上配備型防空システムを取得するまでの暫定的な能力としてNASAMSをリース契約で取得する」と発表。
Defense Newsは「デンマークの選択は非常に珍しいものの同様のアプローチを採用した国は少なくない」「リース契約を選択したNASAMSは今年後半に納入される予定だ」と指摘し、デンマーク国防省も「我々は地上配備型防空システムの調達を短期的な解決策と長期的な解決策の二段階方式にすると政治的決定を下し、数ヶ月以内に短期的な解決策を選定出来たことは『重要な調達プロセスを迅速に進めることができる』と示している」と述べ、このパッケージの総額は60億デンマーククローネ=約1,380億円を超える。

出典:public domain David’s Sling
因みにデンマーク国防省は短期的な解決策と長期的な解決策に提案を行った企業について「ドイツ、ノルウェー、フランス、イタリア、トルコ、イスラエルの供給業者が計10システムを提案した」と明かしており、本格的な地上配備型防空システムの調達候補に名前が上がっていた米国は含まれておらず、パトリオットではなくSAMP/T-NG(もしくはフィンランドも採用したイスラエル製のDavid’s Sling)を採用するかもしれない。
関連記事:米国依存から脱却、デンマークが実質的なA330MRTT購入を発表
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※アイキャッチ画像の出典:Raytheon





















欧州には十分な性能を持った防空システムがある。
ただし現代の防空の主な問題は費用対効果だろう。
現代の防空システムは都市に突入するシャヘドなり戦場に大量に展開される
group2あたりのUAVなりを撃墜しなければいけない訳だが…
NASAMSでもITSTでもパトでもコストは全く釣り合ってない。
ウクライナを見習って対空FPVドローンを導入せよ!って言う人もいるけど
あれはあれで労働力がキツイし陸戦下だけで現実的な方法なんだと思う。
個人的に対空ドローンは魅力的だけど無理がある、レーザーとHPMはシステム1基
当たりが高コストでどうせ広範囲をカバーするのは無理。
色々考慮してApkwsを大量配備するのが一番良くないか?、と思うわ…
地上に置いてもいいし戦闘機に乗せれば広範囲カバーできるし。
APKWSの特性を理解した上でそんな結論になっているのかは疑問。
現時点でレーザー誘導は必須で撃ちっぱなし能力を獲得するのは来年以降、もちろんその分コストアップ。正確なレーザー誘導されないと、命中すらおぼつかないのは考慮すべき話。
地上発射の射程もイマイチハッキリしない、地上発射時の射程は位置エネルギーのせいで航空機発射より半分を遙かに下回るし射高もどれ位有るか分からない。規模的に似ているスティンガー燃焼時間の1/3位だから迎撃範囲は大幅に狭まる。
そして開けた場所で無い限りは発射する方向に制限がある、安いから大量にとか書いているけど射程や方向をカバーするのに大量配備とか人員や機材がその分必要になるのは問題無いのか?コストが安いから配備コストアップしますとか本末転倒だと思う。
航空機搭載すればいい話だって今は地上発射の話をしているのに逸れしまっている。現時点でF-16に28発、F-15Eに42発搭載出来るとは言え航空機をそこに転用してエアカバーを提供してくれなければ全く用をなさない。そもそも陸上の対空兵器なんてエアカバーがないのを配慮しての配備の意味がある。
対空ドローンなら高価な航空機や滑走路に依存せずで自由度が効き、基本的に射界は開けているし射程に関しても近SAM以上のレンジは期待出来る。配備する箇所は少なく出来るし結局は全てにメリットデメリットがあって単一で何とかなる話じゃない。
前にドローンの炸薬量は大型の主力航空機と比較すれば大した事は無いとか書いていたけど、そんなのは誰でも分かっている話でしょう。航空機が破壊されたら・・・?接近阻止が機能していたら・・・?様々な問題がある中で航空機が使える前提でそっちの方が良いとか言ってても仕方ないでしょう。
記事最後の写真に写ったミサイルのノーズコーン、なんか微妙にへし曲がってて不安感しか無いわ…😰
パトリオットユーザーとしては早くPAAC-4が欲しい
日本目線で見れば、地上配備型防空システムがいらないくらい、外国の脅威を考えなくてよかった安全な環境とは羨ましい国ですね。
デンマーク国内は、外国人テロがおこったり=銃撃事件が発生してるわけで、そちらを優先してたというのもあるのでしょうね…
来る?台湾事変?では、ウクライナの様子を引き写すと、日本には毎日300〜500発
の弾道弾/巡航ミサイル/UAVを用いた空襲があるものと予想されるのかな?。
露/中/北鮮/韓 が野合する場合、この数の2〜3倍かな?。なんとも嫌な予想ですが。
そして、イスラエルやウクライナのように、空襲対策は日本任せとなるのでは?。
安保条約は日本を守るでしょうが、損害を出させない、ということではないでしょう。
どうしたものでしょうね。航空接近拒否をした上で、別に戦力が必要では?。
整備しつつあるイージス艦やPAC2/3の他に、UAV/巡航ミサイル対策の戦闘機が必要では?。
上で言っている方もおられますが、現状では、APKWSを多数納めたポッドと機関砲
を運用する機体が必要に思えます。イスラエルでは、F-16とAH-64であったようです。
F-16はAPKWSを24発携行したようです。同程度の能力を持つ機体が必要では?。
戦闘機でなくても良く、ただし、巡航ミサイルを相手にするならば、亜音速の出せる機体。
なぜ当然のように韓国が敵側なのか謎
そもそも北朝鮮は日本に戦争仕掛けてくる理由が無いし、ロシアに至っては極東で戦争おっぱじめても日本に完封されるレベル
意味のない妄想を仮定に戦力が必要では?とか言われても、楽しそうな仮想戦記ですねとしか
どうでしょうね。
竹島を巡り、領土問題がありますから。
日本はそう思っていますし、韓国もその辺りは察しているでしょう。
いつか、韓国の主張を通そうと思っていると想定すべき、と思っています。
どうしてわざわざこのサイトのコメント欄で妄想を発現させるのか?
もしかしてこの場に受け入れられていると勘違いしている?
いやいや、いいねの少なさを見ろよw
いやいや、日韓の対立はあってもわざわざ戦争を起こすようなレベルのもんじゃないでしょ。それこそそんなことになったら中国あたりが漁夫を狙ってきて共倒れになることくらいわかっているはず。
北朝鮮は狂犬だし行き詰まって日本に戦争しかけてくるかもしれないが。
なるほど、です。
”中国あたりが漁夫を狙ってきて
共倒れになることくらいわかっているはず。”
そうであって欲しいです。
当面は静観なのでしょうか。
領土問題については、継続中ですし。
仰るとおり、対UAV用の値段の安い防空手段が必要ですね。
ただ、戦闘機をそれに回すだけの余力(航空機の余裕)は無いと思われます。
対戦闘機の戦いをしないでいいイスラエルと、それをやらなければならない本邦では同一視はできません。
AHを本邦は全廃の方向性でいますが、いっそのこと、対無人機用の移動式防空手段としてそれに特化したヘリ(つまり、既存のAHより安く)を開発・運用するのが良いかもしれないですね。
アパッチ、高いので。
それか低高度空対空無人機を開発し、それにAPKWSを積ませて運用するか。
何にせよ、地上の電子防御、対空レーザーと組み合わせれる安い低空防空能力の確保が緊要でしょうか。