欧州関連

仏空母の新型コロナはベルギー海軍が持ち込んだ?ロシアでも原潜で新型コロナ感染確認

ついに仏海軍の空母でも新型コロナウイルス「COVID-19」に感染した乗組員が確認され、世界の海から空母が次々と退場を余儀なくされている。

参考:France’s Only Aircraft Carrier Heads Home Due To COVID-19 Scare On Board

新型コロナウイルス「COVID-19」に対し深海ですら安全ではなくなった世界

フランス国防省は8日、空母「シャルル・ド・ゴール(R 91)」の乗組員約40人が新型コロナウイルス「COVID-19」に感染している症状を示したため隔離を行い厳重な医学的観察下に置かれ、1日2回医師の診察を受けて状態を確認していると発表した。さらに国防省はシャルル・ド・ゴールに新型コロナウイルス感染の有無を調べるスクリーニングチームを派遣したことを明らかにした。

同艦には約2,000人もの乗組員が勤務しているが、どこで新型コロナウイルスに感染したのかは明らかになっていないが、短期間ながら空母「シャルル・ド・ゴール」と行動を共にしたベルギー海軍のフリゲート艦「レオポルド1世」で新型コロナウイルスに感染した乗組員が3月25日に確認されており、同艦との交流中に新型コロナウイルスがシャルル・ド・ゴールへ持ち込まれたのかもしれない。

本来ならNATOの演習に参加して4月末に帰国する予定だった空母「シャルル・ド・ゴール」に緊急帰国するよう命じており、地中海に面した南フランスの母港トゥーロンへ向けて航行中だがフランス海軍の旗艦でもある空母「シャルル・ド・ゴール」の今後については全く言及されておらず、同艦の活動にどのような影響が出るのか謎だが当分は海に戻ってこれないもと思われる。

出典:U.S. Navy photo by Chief Mass Communication Specialist Matthew R. White/Released

米海軍では西海岸を拠点にする空母「セオドア・ルーズベルト(CVN-71)」、空母「ミニッツ(CVN-68)」、空母「カール・ヴィンソン(CVN-70)」、空母「ロナルド・レーガン(CVN-76)」で新型コロナウイルスに感染している乗組員が確認され、無傷なのは長期の海外展開を終えて帰国したばかりの空母「エイブラハム・リンカーン(CVN-72)」だけになり事実上、太平洋地域で活動可能な空母は0だ。

そのため米海軍は東海岸を拠点に活動し中東へ派遣されている空母「ドワイト・D・アイゼンハワー(CVN-69)」か空母「ハリー・S・トルーマン(CVN-75)」を太平洋地域に回すことを決定したが、明らかにイランとの緊張が続くホルムズ海域と中国と対立が続く南シナ海でのプレゼンス低下は避けられないだろう。

因みにロシア海軍のオスカーⅡ型原子力潜水艦「オリョール」やオランダ海軍のワルラス級潜水艦「ドルファイン」でも新型コロナウイルスに感染している乗組員が確認されており、もはや人の手が届かない深海でも新型コロナウイルスの感染拡大が進行していることになる。

 

※アイキャッチ画像の出典:Public Domain 空母シャルル・ド・ゴール

米軍採用の可能性も? 米国防総省の試験にパスした韓国製誘導ロケット弾「匕弓」とは前のページ

追記:日本に病院船は必要か?米国、感染症に対して病院船「コンフォート」の効果は限定的次のページ

関連記事

  1. 欧州関連

    極東展開は2年ぶり、英空軍がタイフーンを今年10月に東南アジアへ派遣

    空母クイーン・エリザベスを中心とする空母打撃群をインド太平洋地域に派遣…

  2. 欧州関連

    トルコ、MQ-9に匹敵する新型無人航空機「バイラクタル Akinci」の実戦配備を開始

    バイラクタルTB2で有名なBaykar社が開発を進めていた新型の双発無…

  3. 欧州関連

    NATOが即応部隊の拡張を承認、バイデン大統領は欧州での米軍プレゼンス強化を表明

    29日に始まったNATO首脳会議で加盟国は「防衛と抑止力の根本的な変革…

  4. 欧州関連

    ポーランド人が抗議活動を再開、ウクライナへの入国を待つトラックは5,000台以上

    ポーランドの運送業者によるウクライナ国境の封鎖は47日目に突入、封鎖が…

  5. 欧州関連

    国産COIN機まで売れ始めたトルコ航空産業界、ニジェール共和国がTB2とヒュルクシュCを発注

    トルコのエルドアン大統領は18日、西アフリカのニジェール共和国に無人戦…

  6. 欧州関連

    ドイツ軍の軍事機密が流出、売却処分したパソコンに防空システムの情報が残ったまま?

    ドイツメディアは16日、ドイツ軍の機密情報が入った中古のノートパソコン…

コメント

    • 匿名
    • 2020年 4月 09日

    >事実上、太平洋地域で活動可能な空母は0だ。
    ってことは太平洋に展開する空母は中国のだけになるわけで、これはすごいことですね。
    いずもとかがには是非頑張ってもらいたい。

    1
    • 匿名
    • 2020年 4月 09日

    もうコロナが問題になった頃には遅かったんでしょうね。
    中国人は無数に居るし、武漢に訪れた外国人も沢山居たでしょうし。

    1
    • 匿名
    • 2020年 4月 09日

    >事実上、太平洋地域で活動可能な空母は0だ
    まだF-35Bを搭載できる強襲揚陸艦アメリカがいるが沖縄に停泊して動かない

      • 匿名
      • 2020年 4月 09日

      なんで動かないのかな?
      もしかしてコロナ…。

    • 匿名
    • 2020年 4月 09日

    しかし新コロすげぇな…
    症状だけ聞くとエボラとかの方がクソ恐ろしい病気に聞こえるけど
    実際にパンデミックに必要なのは感染力なんだなぁ
    自己完結能力を持つ軍隊を機能不全に陥らせるってもうどしようもないじゃん

      • 匿名
      • 2020年 4月 10日

      ①感染力、だけはなく②感染後に発見されずに潜伏する期間、③発症後に宿主(人間)を死に至らない範囲で苦しめる効果、3つがパンデミックの必要要件じゃないですかね。
      人間には大腸菌や葉緑素など、パンデミックの痕跡が沢山りますよ

    • 匿名
    • 2020年 4月 10日

    潜水艦での感染症は、さすがにこわい。

    1
  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  2. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  3. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  4. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
  5. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
PAGE TOP