ベラルーシはロシアの侵攻に備えて軍をロシアとの国境沿いに移動させていると報じられている。
参考:Belarus deploys troops to border with Russia over invasion concerns
ウクライナの二の舞に怯えるベラルーシのルカシェンコ大統領
ベラルーシの現地メディアは、ロシアとの国境沿いに向かうベラルーシ陸軍の装甲車や軍用トラックを撮影した動画を公開して、今月9日に実施される大統領選挙の結果次第でロシアがベラルーシに侵攻してくる可能性に備えているのではないかと報じている。
ベラルーシのルカシェンコ大統領は当初、ベラルーシとロシアとの対等な連合国家創設を目指して当時のエリツィン大統領と「ベラルーシ・ロシア連合国家創設条約」を締結して自ら連合国家の最高執行機関にあたる「最高国家会議」の議長に就任、両国の最高指導者に登りつめようとしたのだがエリツィン大統領の後任であるプーチン大統領が対等な連合国家創設ではなく、ベラルーシをロシアに吸収合併することを示唆した発言を繰り返したため両国の関係が悪化してしまう。

出典:Vladimir Rodionov / Владимир Родионов / CC BY-SA 3.0 ベラルーシ・ロシア連合国家創設条約に調印するルカシェンコ大統領とエリツィン大統領
ロシアはベラルーシに供給していた天然ガスの価格を吊り上げるなどルカシェンコ大統領に対して「吸収合併案」を受け入れるよう圧力を掛け続けているが、ルカシェンコ大統領は「両国の連合は対等な条件でのみ可能だ」と反発、最悪西側への陣営鞍替えも示唆するなど抵抗を見せて膠着状態が続いている。
ロシアにとってベラルーシは数少ないNATOとの間の緩衝地帯なので、ベラルーシが西側陣営に鞍替えするとモスクワから直線距離で約400kmの地点にNATO軍が配備されることを意味するため到底容認できない。
この状況を欧州が見逃すはずもなくベラルーシに接近したいのだが、事実上の独裁状況が続くベラルーシ国内にまともな反体制派組織や人物がいないため合法的に親欧米政権を誕生させるのが難しく、ロシアも無理な吸収合併さえ引っ込めればベラルーシの離反をひとまず防ぐ事は可能だが、いつまでもロシアの命運を他人の手に委ねるほど甘くないのはウクライナのクリミア半島合併で証明済みだ。
要するにロシアとしてはルカシェンコ大統領に変わってコントロールの効く傀儡政権をベラルーシに誕生させるか、ウクライナと同じ方式でロシアの統治化に置くかの2択しかない。

出典:kremlin.ru / CC BY 4.0 ルカシェンコ大統領とプーチン大統領
最近、ベラルーシでロシア人の傭兵32人が拘束されたことについてルカシェンコ大統領は「ロシアの汚い意図が見え隠れしている(=大統領選挙に不当介入という意味)」と非難、ベラルーシで何をしていたのかロシア当局に説明を要求しているが、拘束されたロシア人傭兵はベラルーシを経由してアフリカ(恐らくリビア)へ向かう途中だったとの見方もある。
まぁ真実はさておきルカシェンコ大統領はロシアが自身の6選を望んでおらず、もし再選に成功したらウクライナと同じ運命が待ち受けているかもしれないと考え、ベラルーシ陸軍をロシアとの国境沿いへ移動させ侵攻に備えているのだろう。
ただロシアが本気でベラルーシ侵攻を考えているのなら、ベラルーシ陸軍を国境沿いに移動させても無闇に犠牲者を増やすだけで何の抑止力にもなり得ない。本気でロシア侵攻を防ぎたいなら政治的に欧米を巻き込むのが最も可能性が高いだろうが、ルカシェンコ大統領が独裁政権を続ける限り欧米も話には乗ってこないだろう。
そうなると一番危険なのは、大統領選挙に突如現れ話題になっている「政治経験のない37歳の主婦」がルカシェンコ大統領を破って大統領選挙に勝利した瞬間だ。もし彼女が当選してベラルーシの民主化を進めるようなことがあれば、当然欧米が彼女の後ろ盾になろうとしてくるためロシアが強権を発動する可能性は高まる。
以上のことから、ルカシェンコ大統領が再選を果たす限りロシアの国益に当面寄与するため、ルカシェンコ大統領が心配しているような事態にはならないだろうと管理人は思っている。
※アイキャッチ画像の出典:mil.ru / CC BY 4.0 2015年にモスクワのパレードに参加したベラルーシ軍の特殊部隊
ベラルーシは美人の宝庫としてバラエティ番組がたまに取り上げる位で、日本人のほとんどは何処にあるかもよく知らない国だと思うが、NATO諸国にとってはロシアとの緩衝地帯で重要なんですね。
クリミア半島の様にロシア系住民も多いのでしょうか?
そうでなければ、ロシアが侵攻する紙切れの様な大義名分もつけ難いのでは。
ただ、実際にロシアが侵攻しても、同じ様に大義名分の無いNATOも対抗はしないでしょうし、弱い国はされるがままの図式は21世紀も変わらないのでしょうね。
最近の日本も他人事では無いかも。
>美人の宝庫として・・・
&ウクライナも!ww
>最近の日本も他人事・・・
尖閣を見ると歯がゆく仰せのとうりですが、戦後も既に75年。 ネットの普及で、自虐史観の洗脳工作から覚醒した若者が増えているのが救いです。
1枚目の写真:ルカシェンコ大統領、おしゃれな髪型ですね!
2枚目の写真:禿げてる(´・ω・`)
時の流れは残酷である…。
おしゃれ…?
どんな独裁国家でも少なからず民主化運動の情報も出てくるし対抗馬とかもいるんだな。
そう考えると北と中国ってすごいな、そんな話微塵も聞かないし。
「政治的スローガンを叫んだ」容疑で聾唖者を逮捕したりデモで「拍手をした」容疑で腕が1本しかない人を捕まえたり、かなりヤバい国らしいが、それでも選挙に反政権派が出れるんですね…
中国人はSNSを中国共産党に完全監視されてるからな
習近平プーさんと書き込むだけで逮捕される
こんな国で素人が後ろ盾無しに立候補なんて出来るはずがない
対抗馬の女性のバックにEUや西側諸国がついているのは100%確実だろうからなぁ
プーチンからすればこんな事態になるまで気づけなかったルカシェンコは、同志であっても無能扱いなんだろう
しかも対抗してロシア国境に軍を移動させちゃうとか、もうね・・
それこそ嵐333号作戦みたいに有能な人物にすげ替えられる可能性だってあるんじゃない?
マーク・グリーニーの小説で、ロシア軍がベラルーシを拠点にバルト三国へ侵攻したりしてたな…
ロシアはベラルーシにどういう価値を見出しているのか全くわからんな
暴力的に併合するほど価値があるのだろうか
記事にある通り、NATOとロシア本土の緩衝地帯。モスクワにも近い。
あと、ただでさえ孤立しているカリーニングラードへの通行がますます困難になる、とか?
緩衝地帯を軋轢を増やしてまでわざわざ潰す必要性が疑問。領土問題がそこまで根深いってこと?
ベラルーシが西側に乗り換えてモスクワ首都圏から遠くない国境にNATO軍が配備され、緩衝地帯が緩衝地帯でなくなったら?
といっても、記事にある通り、大統領選で民主派が勝たなければ、ルカシェンコの妄想に過ぎません。
大陸国は海洋国とは違って「相手に侵略される前に侵略しよう」と考える
ベラルーシを日本語訳すると「白ロシア」と言う位、ロシアにとっては大事なお隣さんだよ
事実、ソ連時代は「白ロシア・ソビエト社会主義共和国」と名乗っていたので、ロシアとしては確実に手中に収めたいだろう
あそこは9世紀のキエフ大公国の時代から今のロシアと一体の地域です
そのあとポーランドに支配され、ポーランド分割からソ連崩壊に至るまで200年間は同じ国家
ベラルーシ国民のほぼ全員が日常会話ではロシア語を使っていますし7割は家庭内でもロシア語を使い、新聞もロシア語で書かれています
(日本の「標準語」と「方言」みたいなものか)
一方で大半の国民が自分は「ベラルーシ人」だと考えているようです、一応ベラルーシという枠組みはソ連成立時からありますので100年も経てばそういうものかもしれません、ソ連崩壊からでも既に30年経ってますし。
まぁとにかく、ロシア人にとっては自国の一部なのでしょうし、ウクライナ人ほど反ロシア志向もないようです
ミンスクには今もレーニン像があります
正直「政治経験のない32歳主婦」が大統領になるのを見てみたいのはある
どんな民主党政権になるのか興味深い
大統領役の元俳優が大統領を務めている国?が近くに在るな。
言うほど民主化しないとアメリカの助力期待できないか?
ちょろっと親米派になりすませば独裁政権でもアメリカの援助は得られると思うけど
なんせサウジアラビアですら平気で親米国やってる世界やぞ
サウジは石油が出ますからね~。
政治経験の豊富な独裁政権の意味ってあるんですか?
なら北朝鮮も安泰だ
陸軍を国境に配備してもロシアが相手じゃ蹂躙されるだけだし、無用な犠牲者が増えるだけっていうのは事実かも知れないけど、国家間の紛争はそんな甘いものじゃない?
戦っても勝てないから、犠牲者が増えるだけだからって戦いを放棄する国なんて、ゼロとは言わないけどほぼ存在しない。国の面子と存続が掛かってるものだから、事実がどうだろうとやるしかない状況というのはあるよね
そういう八方塞がりで戦うしかないという状況を作らない為に外交努力は必要だけど、だからと言って外交だけに頼って軍事的な警戒を全く疎かにするのは話が違う。政治経済外交軍事全てを総動員しなきゃベラルーシみたいな小国は簡単に潰されるから、やれる事は何でもやるだろうね
日本全土に無防備都市宣言がくまなく広がりますように
市民達の力で自衛隊を駐屯地に閉じ込めてしまおう!
親コメの内容まったく理解してなくてワロタ
ロシア陸軍とベラルーシ陸軍なんてプロと草野球以上の差があるだろ
それと面白いのがルカシェンコ自身はウクライナ人なんだよな
32歳じゃなくて37歳主婦じゃなかったっけ。捕まった傭兵の数が32
ロシア傭兵の拘束も、選挙活動の一貫って話もあるし
ルカシェンコ大統領しいてはベラルーシという国自体の
ロシアに対する価値を上げる為の(吸収前の)条件闘争でしかないのかもね。
ベラルーシの独裁が崩壊したら、次は西側寄りの民主政権は確実、それはNATOがさらに東側に拡大するというロシアにとって看過できない事態をかならず招く
旧くはバルト三国の併合から、ハンガリー、チェコの民主化を許さないロシアの方針は明確です
揉めてるように見えても、ロシアにとってルカシェンコ独裁制は理想的ゆえに安定して欲しいはず
東欧諸国が次々反EU化して一部はファシズム化、それを西欧諸国は政治的にも経済的にも自国で手一杯だから放置してる現状を見ると、ベラルーシが民主化したら西側になると考えるのは早計のように思える
ベラルーシ国民は非常に保守的で、旧ソ連諸国で最もソ連懐古が強いとすら言われている(だからルカシェンコ体制が30年も続いてるのだが)
経済的にも完全にロシアに依存している
国民投票とかやったらロシアと再合併する可能性すらある
そうなると、この動きはルカシェンコ政権の国内向けパフォーマンスと見るのが正解だね。
仮に併合してもロシアは単なる侵略者として国際的に叩かれるのは必定
それに、経済的にはお荷物でしかない、ロシアにその余裕もない
オーウェルの1984の世界観、戦争は常に国内に向けて、だ。
ベラルーシは、ポーランドと組むという手もあるが、ルカシェンコの灰汁が強すぎて、ポーランドが無理だろう。
そこはプーチンの反応をみてのとおり。
あれ、西側の国境沿いではなく、東側の国境沿いなの?
さて、ペンと剣はどちらがより強いのだろう。おしえて、ルークおじさんw
>クリミアの二の舞を恐れるベラルーシ、露侵攻に備えて軍を国境沿いへ移動
この見出しが目に入って「ロシア(がウクライナに)侵攻(するの)に備えてベラルーシ軍を(ウクライナとの)国境沿いへ移動」させたのかと思った
でもロシアとの国境の事で、この記事は2020/8の物だったのね
2022/2現在ではとても考えられない当時の状況。今やベラルーシは完全にロシアの傀儡国家
世界情勢は刻一刻と変わる…