デンマークは長距離防空システムの取得を進めており、2025年秋までにパトリオットシステムとSAMP/T-NGのどちらかを選択する予定だ。欧州全体で見ても6月合意後に発表された防空分野への投資額は120億ドル=1.7兆円以上にもなり、この数字はもっと巨額になる見込みだ。
参考:Denmark to complete $3.4 billion of air defense purchases by year-end
迎撃弾や対ドローンシステムの調達まで含めると欧州全体の防空分野に対する投資額は10兆円に達するかもしれない
デンマークは冷戦集結後の安全保障環境=テロとの戦いや海外作戦に対応するため戦力構造の再編を行い、この過程で地上配備型防空システム=Hawk PhaseIIを廃止してしまったが、ウクライナ侵攻が勃発して安全保障環境が急変し、デンマーク国防省は6月10日「本格的な地上配備型防空システムを取得するまでの短期的な解決策としてIRIS-TとVL-MICAを購入する」と、7月4日「本格的な地上配備型防空システムを取得するまでの暫定的な能力としてNASAMSをリース契約で取得する」と発表。

出典:Italian Army/CC BY 2.5
デンマーク国防省が検討している地上配備型防空システムには長距離防空システムも含まれており、Defense Newsの取材に「2025年秋までに米国製のパトリオットシステムと欧州製のSAMP/T-NGのどちらかを選択する」「地上配備型防空システムの全契約を年末までに締結する予定だ」「この分野への投資額は250億デンマーク・クローネ=34億ドルを越える」と明かしたが、もっと地上配備型防空システムを増強するのか、複数のシステムを運用し続けるのか、単一システムに移行するのかは決定していない。
因みにNATOのルッテ事務総長は「ロシアの脅威に備えるため防空システムは現在の5倍必要」という認識を示したが、これはNATO加盟国に課す能力要件(具体的な内容は数値は機密事項なので非公開)を大幅に引き上げことを意味し、6月に合意した安全保障分野への支出基準=総額5.0%の中の国防支出3.5%は「新たな能力要件を達成するのに必要な額」として算出されている。

出典:Raytheon
6月の合意後に発表された防空システムの増強に限って見れば、ベルギーがNASAMS×10セット、長距離防空システム×3セット、スウェーデンがIRIS-T SLM×7セット、ノルウェーがNASAMSを4.6億ドル分、ルーマニアがSpyder×6セットの購入、エストニアがIRIS-T、ピオルン、ミストラルの追加購入を発表し、デンマーク分を加えた防空分野への投資額は120億ドル=1.7兆円以上で、長距離防空システムの新規・追加調達(パトリオットシステム、SAMP/T-NG、David’s Sling)が本格化すれば投資額はさらに跳ね上がだろう。
ここに迎撃弾や対ドローンシステムの調達まで含めると欧州全体の防空分野に対する投資額は10兆円に達するかもしれないが、各国の国防費増額とEUの融資で構成される欧州再軍備計画には今後4年間で8,000億ユーロ=約136兆円もの資金が流れ込む計算、さらにドイツは6月末「今後5年間で総額6,490億ユーロを国防費として支出する法案」を承認したため、欧州再軍備計画に流れ込む資金は8,000億ユーロを大幅に越える可能性があり、この観点から言えば「防空分野に対する投資額」はもっと大きなものになるはずだ。
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※アイキャッチ画像の出典:Lockheed Martin





















射耗するミサイルをリースって、富山の置き薬方式なんだろうか。
消耗品じゃなくたって陳腐化、摩耗、破損、経年劣化で価値は減ってくんだから同じことかと。
アメリカ製の場合ミサイルの生産が自国向けも不足している現状を見ると、購入するにしても時間的リスクが大きいような気がいますので欧州製のSAMP/T-NGの方がと素人目線で見てしまいます。
ですがレオパルド戦車の受注が多すぎて供給されるのに時間がかかり過ぎる問題がSAMP/T-NGでも起きているのかなわからないですので、システムの納期とミサイルの安定供給が知りたくなる案件ですね。
実際に不足気味なのは日本が供与したPAC–3だと思うし、米国自身が自国の防空と海外展開する拠点防備をどう考えているかにもよるけど長射程のPAC−2には余力あると思うけどな。
発射機自体がアメリカ単独で他国保有分を遥かに上回っているんだから当然在庫は豊富。
まあ防空に投資すぎるのもどうなのと思うけどね。
公表されたロシアの最近の対日戦略によると我が国の各軍港/サイト/基地に
それぞれ30発のカリブルを撃つと無力化できるそうだ。
たった30発でいいらしい。
個人的にこれを見て思ったのはロシア軍の上層部には頭が湾岸戦争の辺り
で止まってる連中が確実にいるってことだ。
ウクライナに何発ミサイルを撃ったって結局陸軍が前進しない限り
意味がないって現在進行形で学んでいるはずなのに、ロシアは何故か
自分で自分のやっていることを分かってない…
そしてロシアと敵対する欧州もそれに付き合ってしまっている感がある。
そんなに防空なんかしなくてもいいし伝統的な陸軍の方が重要なのに
防空にカネが吸い取られてないか?
空爆なんかよっぽど強力じゃなきゃ穴掘っとけば大抵耐えられるでしょ。
日本本土に巡航ミサイル撃ち込むぐらいのやる気があるのなら、SSBNから戦術核で各都市&軍事施設に撃ち込めばそれで終了だわ。そういう中途半端に攻撃して脅せば降伏するだろう精神だから今こんな状態になってる。
喧嘩になってイザとなったら本気で殴り返してきそうな相手には全力でいかないと。あと在日米軍や在日アメリカ人に一人でも犠牲者が出たらアメリカ人怒り狂うぞ。ロシアの上層部がアホすぎる…。
建造物を穴掘って守るんですか?
わかってないなぁ。
伝統的な陸軍が前進するためには空爆やミサイルで敵地を徹底的に破壊する必要があるということこそウクライナの戦訓でしょ。
だからそれを未然に防ぐ防空こそ最重要で取り組む必要がある。特に島国の日本はそれが顕著なので防空のための装備が充実している。
ロシアての予算やら政治的な都合から、官僚的な立場から、「そういうことにしてる」という気がする