欧州諸国は砲兵システムの再取得や増強に乗り出しており、この需要の恩恵を受けているのはKNDSとHanwha Aerospaceでポルトガル陸軍も「Caesar MarkII×36輌を取得する」と発表、スペインのディフェンスメディアは「周辺国が全てCaesarを選択した」と報じている。
参考:Francia, Marruecos y ahora Portugal: todos los vecinos de España tendrán obuses sobre ruedas Caesar
ポルトガル陸軍は全ての砲兵システムをMarkIIで更新することを検討している
ウクライナとロシアの戦争は「依然として国家同士の大規模な総力戦が起こり得る」「膨大な破壊と死傷者を伴う地上戦が起こり得る」「防空システムによって航空戦力の接近拒否が成立する」と実証、この結果を目の当たりにした欧州諸国では「航空戦力が支配的になる以前の戦場を誰が支配していたのか」を思い出し、欧州諸国は伝統的な陸上装備=砲兵システムの再取得や増強に乗り出している。

出典:Mil.gov.ua/CC BY 4.0 DEED
この欧州需要の恩恵を受けているのはKNDS(Nexter/KMW)とHanwha Aerospaceで、Nexterはフランス、リトアニア、エストニア、チェコ、ベルギー、ウクライナ、アルメニア、クロアチアからCaesarの受注を185輌以上獲得、KMWのRCH155もドイツ、英国、ウクライナ向けに200輌以上の受注が確実視されており、Hanwha Aerospaceはポーランドと648輌以上のK9調達に関する枠組みで合意、現在までに298輌分の契約を締結し、ルーマニアもPzH2000ではなくK9を選択して54輌調達を発表、K9導入済のノルウェー、フィンランド、エストニアも追加導入を決めため計406輌の受注を獲得した。
Nexterは受注が殺到するCaesarの能力強化=Caesar MarkII(Caesar NG)開発を仏装備総局(DGA)から受注しており、MarkII最初の顧客はベルギーとリトアニアで、フランスも導入(CaesarをMarkIIにアップグレードするか、MarkIIを新規取得してCaesarと交換するか)を検討しているが、スペインのディフェンスメディア=Infodefensaは「ポルトガルも陸軍記念日に合わせてMarkII×36輌の取得を発表した」「スペイン周辺国(フランス、ポルトガル、モロッコ)が全てCaesarを選択した」と報じている。

出典:©Marie-LanNguyen / Wikimedia Commons / CC-BY 2.5
因みに今回のMarkII取得はM114A1更新のためだが、ポルトガル陸軍は全ての砲兵システムをMarkIIで更新することを検討しており、Nexterの好調はまだまだ続くことになりそうだ。
関連記事:欧州諸国が急ぐ砲兵戦力の再構築、スロベニアもCaesar取得の意向書に署名
関連記事:追加投資を決断したフランス、カエサル6X6/MarkII開発をNexterに発注
関連記事:スペイン陸軍が砲兵戦力の更新を計画中、自走砲などを200輌以上調達か
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Army photo by Spc. Zakia Gray
カエサルといえば初代ローマ帝国皇帝オクタヴィアヌス!
アヌス!
この手の車両が想定しているシュート&スクート戦術は、ドローンの目が常に上空に存在する現在の戦場においてはリスクの高い戦術だと批判の声もあります(限定的になったという話で、無用というわけではない)
現在ウクライナで主に行われているのは、射撃陣地の直近に隠蔽陣地を設け、射撃陣地でひとしきり撃ちまくったらさっさと隠蔽陣地に引っ込むという方法です
この方法ですと敵の対砲兵射撃の範囲外には逃れる事ができないわけですが、下手に逃げ回ろうとしてほぼ間違いなく直撃してくるドローンに狙われるよりは、じっと息を潜めながらめったに直撃しない弾幕に耐える方がまだ見込みがあるというわけです
カエサルのように装甲が薄く、展開・撤収に時間がかかり、連射能力も低いような兵器が果たして戦時に求められる蛮用に堪えるのかは疑問です
アーチャーぐらいガチガチに作ってればまた別でしょうが
となると本邦の19式装輪自走155mmりゅう弾砲もリスクのある兵器という事になりますね
まあウクライナの戦訓を取り入れて運用方法改善していけば充分活躍出来るでしょう。
あの仮設トイレより心もとないキャビンを見たらリスクが無いと思う人はいないでしょ
しかもその仮設キャビンにすら全員入り切らず、トラックが後ろについていってそっちの人員も込みで動かすとか本当に意味がわからないです
弾薬も果たして自力で運搬できるのか怪しい
それでいて99式自走砲と大して価格が変わってないんだから何を思って作ったのか
一つ確実に言えるのは明らかに使う側の事など全く考えて無い。
あくまで高火力の大砲を移動式にすればいいかー的な軽い考えで作った事が目に見えてる。
ハッキリ言って99式を再生産してNBC対策を施した上で量産した方が100倍マシ。
以上。
本当にそう思う
昔からこの手の車載式榴弾砲については実用性疑問詞してたけど中でも19式は存在意義がわからない
FH70の方がはるかに使いでがあるだろう
そもそも無理に陣地転換を繰り返さなくても退避壕を備えた牽引式野戦砲の生存性は延長島で証明されていた
M777が大損害受けた話もあるけどM777が軽い分反動を殺すのに時間がかかって対砲兵戦に不向きなこととウクライナの陣地構築能力が低いことを差し引かなければならない
ロシアは牽引式+ドローン観測を活用して常に対砲兵戦を支配している
99式じゃ、北海道限定兵器になるがな。
重すぎて日本全土に配備できんやんか!?
19式は色々端折っ多分軽いし、どうせ輸出なんか考えとらんからアレで我慢するしか無いんだよ!
それもこれも昭和の頃から改善せれない日本の脆弱な道路事情が悪い!!
北海道並みに道路や橋梁が強化されないと99式の運用は無理何だよー
防衛予算だけでなく、国交省の道路整備予算も上げてクレイ
まず90式や99式が北海道でしか使えないっていう話はミリオタの中で広く流布していますが、はっきり言って嘘です
そもそも北海道の道路や橋梁の方が本州のそれより頑丈なんてことはありません
正しくは、東千歳駐屯地や北海道大演習場に接続する一部の道路だけが特別に補強されているのです
これら道路は平時の訓練の中で一般道を戦闘用車両が通過することを想定し、90式配備時にその重量に耐えられるよう補強されたわけですが、なぜか北海道全体が強化された道路で覆われているかのように錯覚している輩が多い
これは諸外国でも同じです
M1A2やらレオパルト2A6やらチャレンジャー2やら70tクラスの車両が走行できる道路が国中に張り巡らされている国などありません、むしろ古い街の多い欧州の道路事情は日本より悪いです
というより世界中でそのような大重量に耐えられる道路や橋梁などほとんどありませんよ、そんな強度は平時には必要ありませんからね
しかし有事には平気で使います、使えないのではありません
自動装填装置が無いので、カエサルより遥かにリスクが高い。
急ぐなら、RCH155の砲塔を16式機動戦闘車の車体に載せられないか?
以前も書いた気がしましたが、他の装輪自走砲と比べて車体搭載弾薬数が半分以下なので、本当に単独運用能力が無いんですよね。悪い意味でFH70の後継でしかないという。明確に失敗作扱いしていいと思います。
19式は薬室容量と強度では一線級のものを導入しとるし
155mm砲で全自動装填はそれ積むとどんだけでかく重くなるかはほぼ40トンなRCH155があらわしてるわけで
日本の道路事情には合致しないかと
弾数にしてもそもそも砲弾は後方からもってくるのが必須な事考えるとあったらうれしいけど最優先にする話じゃないかと
カエサルと比較されるのは、はるかに高価な自走砲ではなく、牽引砲なので、牽引砲と比較して、カエサルの生存性がどうかというところでしょう。
本当に価格に大きな差があるならその理屈も通るのですが
ベルギーがカエサルを調達したときは一両あたり300~400万ユーロ、ドルにして330~430万
対してポーランドがK9自走砲を買ったときは一台あたり173万ドルですので
ORYXblogあたりを見る限り、KRAB自走砲は完全破壊30、損傷6
カエサル自走砲は完全破壊4、損傷3
M777A2は96 損失、FH70は6損失
値段以上の差の開きにしか見えない
一方でPzh2000は一両も撃破されていないわけで
損耗率は実際の任務の様態によって大きく左右されるのですから、兵器の価値を図るうえでは参考程度にしかなりません
そうした実情も加味した研究の結果、現場はシュート&スクートをやっていないわけです
>>損耗率は実際の任務の様態
ウクライナ戦線においてカエサル自走砲は対砲兵戦任務にも従事していたようでロシア軍側のテレグラムでの報告によると射撃精度良好でソ連製の火砲は圧倒されていたと報告あり
ロシア側の報告を信じるなら対砲兵任務で非常に脅威の兵器のよう
その報告を信ずるとしても装輪自走砲というコンセプトの評価には影響しない話です
Pnh2000をその事例として出すのはちょっと問題があります。
Pzh2000の運用レポートがありますがどうやらPzh2000とクラブやM109は同じような任務に投入されており、Pzh2000だけ異常に強すぎて損害が出てないようなんです。
中でもトゲゴム増加装甲が非常に強固で、ランセット5機の直撃から生還した事例もあるそうです。
極論を言えばすべてをPzh2000で揃えられれば完璧で非の打ち所がないという状態です。
一応2両分撃破と思わしき映像がありますね。
追加このブログの2023年の
>>エストニアが過去最大のウクライナ支援を発表、FH70やD-30などを提供
の記事によるとエストニアは中古K9自走砲を12両を4600万ユーロで契約したそう
1両約383万ユーロになる契約
いやエストニアは2022年までに24両取得してるよ
更に追加で12両を3600万ユーロで2026年までに取得する予定
であれば、結局牽引砲万能論に戻るのでは?
遮蔽は小さくても収まりますし、最低限遮蔽と露天の間を動かせば良いですし、少なくともメンテナンスや値段はいかなる自走砲より安いですよ。
そもそも装甲もある自走砲はトラック式より遅い上に、ドローンに取り囲まれたら戦車と同じように破壊されるのを待つだけです。遮蔽なんて牽引砲、トラック式より大きいのが必要になりかねません。
結局一長一短では?
空からの露出を抑えるために敢えて弾幕の内側に潜伏するのであり、展開・射撃・撤収のあらゆる段階に時間がかかり露出の長い牽引砲は論外です
潜伏しても曳火射撃で適当に撫でられたら全滅してしまいます
もはや牽引砲は長短を論じられる段階を過ぎています
装輪式車両が装軌式より速いのは整地路に限った話です
つまりはただ砲を隠しているだけで、防空壕めいた物を作って遮蔽するわけではないと?
後者を想定してましたので、大型の装軌自走砲を
隠せないだろと思っていましたが。
車幅分の溝掘って上に偽装ネットを張っただけですよ
最前線に天井付きの要塞を建築する暇はなかなかありませんので
ウクライナ軍でM777をシャッター付の砲兵陣地で運用している箇所もありますよ
ランセットの直撃を耐えた事例もあります
その偽装ネットを張っただけのもので十分観測は免れます
牽引砲が長短を論じられる段階にないなんてことはありません
ロシア軍は今でも牽引砲を大量投入していますし、その生存性を高めるためにマスキロフカ法の指南パンフレットを頒布しています
そりゃあ動いた方がいい、装甲がある方がいい、自動装填があった方がいい、対砲兵レーダーもあった方がいい、と求めればきりがありませんが戦争は消耗が当たり前なので車載式野砲や自走砲にコスト面を覆して牽引式を駆逐してしまうほどの利点はありません
追加で思った事を書くのですが
只でさえ高い装軌式を相手の弾幕内、ドローンの監視圏内に只隠すだけって、リスク高すぎませんか?
見つかる前に監視圏内から逃げ切るのが現実的でなければ、近場に隠れるほかありません
そしてそのような運用においては、展開・射撃・撤収のサイクルが短い装軌式自走砲のほうが「疾い」わけです
敵の監視圏が後方まで延びていなければ、逃げ切る猶予も生まれるかもしれませんが
上は寧ろ天井付けないの?と言う感想です。撃っても逃げきれないので隠れるまでは理解できますが、砲兵陣地、特に155mm榴弾砲なんてそんな頻繁に動かすものでも無いんだし、運悪く見つかったり直撃したリスク考えたら天井くらい付けてもと思っただけです
そんな天井をつけようとしたら大工事になってしまいますよ
曳火射撃の破片ですら数センチのコンクリートを貫通します
ましてや砲弾の直撃に堪えるとなれば、とても前線で完遂できる作業ではありません
だから牽引砲は雑木林から攻撃するんじゃないの?
結構雑木林から射撃する映像見るし
対ロシアを本気で想定するなら、これの更に倍ぐらいは調達して運用できるようにしないとダメかもわからんですね
ドローンによる低空監視と自爆ドローンのせいで自走砲すらも消耗品扱いになってしまった感があります
今の欧州にタイマンでロシアの物量に勝てる国なんてものはないでしょうから、欧州全体で必要数を揃えられるかではあります。
ただ、数の上で互角以上であったとしても、全数を1国の意志で運用できるのとウクライナへの支援のごとく2桁の国それぞれの思惑に左右されまくるのとの差は無視できるものではありませんが。
もちろん実際は米国の欧州分も加算されますが、結局米国と欧州、欧州国間の負担割合を決めて厳守させる枠組みが機能しなかったならば…なわけでして。
流石に2022年以前よりマシにはなっている…はず?
海兵隊か米陸軍か忘れましたが、トラックから”下ろしても”使えるトラック自走砲なるものを開発中と言うことでしたので、結局一台で何でもこなせる高価な装甲装軌自走砲と物量と自由度の高いトラック自走砲の二極化は更に進むんじゃないでしょうか?
他所の記事では、ロシアは毎日相当数の野砲を失っていますね。
また、別の記事では、ロシアの野砲を破壊しているのはFPVドローンとのこと。
敵野砲兵は、ドローンが来ると逃げるのだそうです。
1機目が成形弾で砲身に穴を開けて使用不能にして、2機目が薬室を破壊するとのこと。
素人の見た動画では、砲は、かなり良く偽装されていました。
ということは、最前線の野砲は、撃ったら逃げるのが正解なのでしょうか?。
でなければ、砲は長射程のものでないと生き残れないのかな?。
今のFPVドローンは敵の前線から敵陣に10kmは中に入るそうです。
自軍の砲を自軍前線から10km以上下げるとすると、
必要な射程は、最低30〜40kmでしょうか。
そのくらい下がれば、少しは腰を据えて撃てるのかな?。
とすると、足の速い自走砲は前線用、ということかな?。
かなり前の記事では、射撃共で1ヶ所5分以内?ともありましたね。
であれば、長射程野砲は機械装填が有利なのかな?。
最前線の野砲は戦車のような強固な装甲防御が必要なのかな?。
話は変わりますが、記事にはなかったけれど、M109はどうなるのかな。
追記です。
ウクライナ軍は、自国製の12ゲージのセミオートショットガン
を採用したとのこと。
塹壕なごでの接近戦用としてはもちろんですが、
例の、イスラエル製のスコープと組み合わせて、
BB級の弾を使えば、FPVドローンは撃ち落とせるのかな。
ランセットはさすがに無理だろうけれども。
BB級の弾は、鹿を撃ち留めることができるし。
BB級って、BB弾みたいだなと思っていたら、逆だったんですね。
BB弾がBB級のサイズと同じだったという。
結局ドローンから逃げきれなくて、穴掘って隠すしかないなら
古式ゆかしいトーチカでカバーされた牽引砲台が一番安上がりなんでは?
そのためには十分に強固なトーチカを事前に構築しなければなりませんが、それには野戦築城のレベルで収まるか怪しい所があるのではないでしょうか。
平時にあらかじめ構築しておくとしても、国境から数十km~の範囲に多数のトーチカを築くのがはたして「安上り」なのかどうか。加えて言うならば固定された施設なので生存性にも疑問があります。
そうなると野戦築城レベルの陣地と(トラック架装式を含む)自走砲によるshoot and scootのほうが現実的と思います。