欧州関連

フランス、空母「シャルル・ド・ゴール」後継艦を2038年までに就役させると発表

フランスのフロランス・パルリ国防大臣は18日、サンナゼールにある造船所を訪れて空母「シャルル・ド・ゴール(R91)」の後継艦が2038年までに就役すると発表した。

参考:Le successeur du porte-avions Charles de Gaulle entrera en service en 2038

参考:France intends to build a next generation aircraft carrier

仏海軍の次期空母建造スケジュールを明らかにしたパルリ国防大臣

パルリ国防大臣は世界最大級の造船所シャンティエ・ド・ラトランティクを訪問した際、仏海軍の次期空母建造スケジュールを明らかにした。

彼女の説明によれば空母「シャルル・ド・ゴール(R91)」の後継艦は原子力空母になるのか通常動力式の空母になるのかは決定していないが、次期空母は現在進められている第6世代戦闘機「FCAS」プログラムで開発される戦闘機を運用するために建造され2038年までに就役する予定で、パルリ国防大臣は近日中にもマクロン大統領に対して正式に次期空母建造を提案すると語った。

出典:Public Domain 空母シャルル・ド・ゴール

もし彼女が言うように仏海軍の次期空母が2038年までに就役するなら2030年頃に起工しなければ間に合わないため、今後10年間で次期空母の詳細や設計を完了させなければならない。

因みにフランスはシャルル・ド・ゴール級空母をもう1隻建造して空母2隻体制を維持する予定だったのだが同艦の設計には数々の問題があり、シャルル・ド・ゴール級空母をもう1隻建造するのではなく新たな設計の空母(英海軍のクイーン・エリザベス級空母の設計を流用したもの)を建造しようとしたが結局、諸事情によって計画は2013年にキャンセルされてしまった。

出典:Rama. / CC BY-SA 2.0 fr 2013年にキャンセルされたフランス海軍の次期空母(PA2)

その後2018年10月に仏海軍は次期空母に搭載する「電磁式航空機発射システム(EMALS)」調達に関する協議を米国側と開始したと報じられていたが、これまで具体的な次期空母の建造スケジュールを具体的に言及することはなかった。

恐らくフランス国内は今回の降って湧いた次期空母建造スケジュールに驚いていることだろう。

 

※アイキャッチ画像の出典:Public Domain 空母シャルル・ド・ゴール

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コメント

    • 匿名
    • 2020年 5月 20日

    戦艦の時代が終わったように、空母の時代がいつ終わるのか
    各国が見極めに入ってるかもよ

      • 匿名
      • 2020年 5月 20日

      空母を持つ意味は、軍事的合理性だけではなく、国威発揚とか国家プレゼンスにも使われる。

      だから、2030年代では新たに作ろうとする国はあるだろう。

      • 匿名
      • 2020年 5月 20日

      太平洋戦争以降「空母の時代」なんて物があったのかね。
      正規空母を3隻以上保有してまともにローテ回して運用出来た国が米以外にどれだけあると。

        • 匿名
        • 2020年 5月 21日

        七つの海を制覇した米空母機動艦隊に恐怖したロシア中国が空母保有に傾いた歴史から学ぼうか

        1
      • 匿名
      • 2020年 5月 20日

      遠方の植民地支配の象徴でもあるし、出航させるだけで何かあればすぐに戦力を投入するぞという分かりやすい意思表示にもなる。
      代替できるものは未だないと思う。
      ただ…、高いけど。

    • 匿名
    • 2020年 5月 20日

    フランスに空母が絶対に必要か考えたら、国家としての面子で空母を維持している様な感じだからなあ。

    もう既に原子力空母に拘る必然性は無いけど、面子だったら原子力になる可能性も有る。

    艦名はミッテランかな?

    金食い虫の空母はド・ゴールで最後にしようという可能性は有り得るのだろうか?

      • 匿名
      • 2020年 5月 20日

      個人的には次期空母はないと思う。艦載機ひとつとってもラファール存続させるとも思えないし、アメリカからF-35c購入も無いだろうし、ドイツとの次期戦闘機に艦載機も盛り込めば艦載機いらないドイツが反発するだろうし。

        • 匿名
        • 2020年 5月 20日

        フランスがユーロファイター計画から脱退してラファール作ったのも艦載機仕様とスネクマエンジンへの拘りだからなあ。

        計画進行させるならドイツが折れるしかないと思う。

    • 匿名
    • 2020年 5月 20日

    クイーン・エリザベス級空母はスキージャンプだからF-35Bだけすね
    >次期空母は現在進められている第6世代戦闘機「FCAS」プログラムで開発される戦闘機を運用するために建造され
    FCAS計画が空中分解するのは決定ですね、
    でもってド・ゴールの次期空母もカタパルト方式は決定と・・・・だから原子力のままでしょうね(低濃縮だから5年毎に燃料棒を交換)

      • 匿名
      • 2020年 5月 24日

      原子炉でも耐用年数に違いがあるんだな

    • 匿名
    • 2020年 5月 20日

    フランス海軍はかなり積極的に空母を出撃させてあちらこちらの紛争に投入しているので、最近メンテで使用できなかったこともあって、2隻目の空母の必要性を感じているのだろうな。

    • 匿名
    • 2020年 5月 20日

    FCASは艦載機になるのか
    懲りないな

      • 匿名
      • 2020年 5月 24日

      別にドイツやスペインは艦上戦闘機持ってるわけではないからいいだろ

    • 匿名
    • 2020年 5月 20日

    第二次世界大戦の戦訓として、地上戦である程度押し込まれた後でも、制空権を取り戻せる様に空母航空戦力を持っておくというのはありかと。
    アメリカ、イギリスとは違うドクトリンでの空母なので、同じ様なスペックが必要かは見直してもいいと思いますが。

    • 匿名
    • 2020年 5月 20日

    1隻空母体制を続けるということだろ?

    • 匿名
    • 2020年 5月 20日

    アメリカや中国みたいに覇権国になりたい(地位を維持したい)のでも無い限り、空母は「要らない子」だろう。
    実利面から考えるのなら、フリゲートや潜水艦を充実させた方が良い。
    フランス空母は見得の産物だと思う。

      • 匿名
      • 2020年 5月 20日

      ですね。
      せいぜいハリアーやF-35Bを運用できる軽空母を3〜6隻程度とかなら
      限定的ながら活用できる国家はちょいちょいある(あった)と思うけど。

    •  
    • 2020年 5月 20日

    英国 空母1 潜水艦11 駆逐艦6  フリゲート13
    仏国 空母1 潜水艦9  駆逐艦11 フリゲート11
    伊国 空母2 潜水艦8 駆逐艦4  フリゲート12

    日本 空母0 潜水艦20 駆逐艦41 フリゲート6

    核、原潜、空母の三点セットを保有し続けるのは大変な事なのな
    核+原潜は戦略的、政治的に意義があるとして、
    英仏伊の様な戦略環境で正規空母を持つのは、戦略より政治的意味合いが強いだろう
    日本と同水準の予算規模で、その三つを保有し続けるとなると、
    上記の様に中堅戦力が著しく薄くなる
    日本の戦略環境から欧州を見ると、空母という道楽をやってる感もある

      • 匿名
      • 2020年 5月 21日

      伊が空母2カウントなのに日が0とか恣意的過ぎてなぁ

      日本 空母4

      だろう
      小型艦が中心とは言え米英仏以外では抜きん出た戦力を擁している

      1
        •  
        • 2020年 5月 21日

        その方がよっぽど恣意的
        戦闘機を離着陸できるか、ヘリ空母かという区分でしか無い

    • 匿名
    • 2020年 5月 20日

    なんかFCASが後出しで艦載機として開発される事になったかのように勘違いしてる輩がいるな
    初期構想の段階からラファールMの後継として艦載運用出来るよう要求されていたんだよなあ

      • 匿名
      • 2020年 5月 20日

      なぜそのパートナーに独を選んじゃったのか、って話だな。
      仏には一応ラファールをほぼ自力で完成させるだけの技術力があるんだから技術云々より要求の噛み合うパートナー探せば良かったのに。

        • 匿名
        • 2020年 5月 20日

        独仏の兵器共同開発。

        第三世代戦車は失敗(フランスはルクレールを開発)、ユーロファイターは失敗(フランスはラファールを開発)、ティーガー戦闘ヘリは成功。

        次世代戦車と戦闘機はどうなるか?

          • 匿名
          • 2020年 5月 24日

          次世代戦車調べてみたけどルクレールだけでなくレオパルト2の後継も兼ねてるんだな
          レオパルト3がルクレールの後継も兼ねているのか

        • 匿名
        • 2020年 5月 20日

        詳細な仕様が両国の間でどう詰まっていくのかはまだ知る由もないがFCASが艦載機としても運用される事はフランス側からしたら最初から前提として決まってた仕様なんで、そこに合流したドイツが後からどうこう言う筋合いはなかろう

    • 匿名
    • 2020年 5月 20日

    リビア内戦のとき、どの国も空母ありません、出せませんタイムで苦労したようだから
    英仏伊スペイン等複数国で、それぞれ一隻でもいいから空母を保有して、非常時には
    NATO軍として米空母以外の空母を一隻はオンステージさせられる体制。は欲しいのでは

    「原子力」機関だと、中古空母を南米に売り飛ばして新空母の頭金にする手段が使えない上に
    廃艦するにも処分費用が大きく掛かりそうなの。やめたら「原子力」って感じもしないではない。

      • 匿名
      • 2020年 5月 20日

      その構想だと仏だけCTOL空母にしてもメリットほぼないよね。
      かといってFCASをSTOVL機にするって話も聞かないし、
      色々無理がある気がする。

    • 匿名
    • 2020年 5月 20日

    CTOL空母の運用技術の保持と継承が目的かな。>ドゴール代艦

    FCASについては、ラファールの経験から艦載機と陸上機の派生開発に
    ある程度の自信ができたのかもよ>今度はもっとうまくやる的なw

    1
    • 匿名
    • 2020年 5月 21日

    空母の時代ってのは、空母機動艦隊を運用できる大国が世界の覇者って意味なんだけど、各国が戦艦を競った時代と同様だと勘違いしてませんか(笑)
    戦艦はしょせん戦場の覇者で終わりましたが、空母は戦略の域なんですよ

      • 徳美
      • 2020年 5月 21日

      ですから何が言いたいのですか?

      1
      • 匿名
      • 2020年 5月 21日

      「空母の時代」がそういう意味なら「空母の時代がいつ終わるのか 各国が見極めに入ってる」ってのは何を指すんです?
      米以外の各国が脱空母に舵を切ったとしてもそれは「空母の時代の終わり」ではないわけですよね?

    • 匿名
    • 2020年 5月 21日

    第二次世界大戦を皮切りに空母の時代ですよ、それはアメリカ1強が続いてたということ
    空母キラーを開発したはずの中国が空母建造を進める矛盾により読み解けないのかな?
    あと何年かは続くんですよ

    • 匿名
    • 2020年 8月 22日

    ド・ゴールってああ見えて、減揺装置で荒れた海で作戦能力高かったり省力化も進んでたりと新機軸があるからね。

    後継艦を作るとなると、建造費とライフサイクルコスト低減に新機軸投入してきそうに思える。パイロット育成も高等練習機を廃止して高速プロペラ機とシミュレータに置き換えて成果を挙げてるみたいだし。

    高価な原子力推進は廃止して統合電気推進、推進器や船体も省エネに拘り、艦も航空も大幅な自動化を図るとか、面白いコンセプトが見れるかもしれない。アメリカが電磁カタパルトで難儀してるから、低出力の電磁カタパルトとスキージャンプを組み合わせるとか。

    英もQE・POWをCTOL化してテンペストをFCASと統合して艦載化・クロスデッキ運用すれば、英仏で3隻の空母をローテして常に1隻を作戦状態にできそう。艦載機の陸上型を作るのは別に問題ないし。

    • 匿名
    • 2020年 8月 27日

    日本もこの計画にのって空母を作ろうや
    F-3を載せてソウルや釜山を空爆しよう

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