欧州関連

フランスのマクロン大統領、年内に7万クラスの次世代空母建造を発表か

フランスのパルリ国防大臣は23日、空母シャルル・ド・ゴールの後継艦となる次世代空母プログラムの発表について「年内にも発表される」と語り注目を集めている。

参考:Official Announcement On France’s New Aircraft Carrier Expected Soon

フランス革命記念日での発表が延期された次世代空母プログラム、年内にマクロン大統領が発表か?

フランスのマクロン大統領は当初、フランス革命記念日の7月14日に「次世代空母(Porte Avion Nouvelle Generation:PANG)プログラム」を正式に発表する予定だったのだが、6月に実施された統一地方選挙で新型コロナウイルスへの対応や年金改革に批判が集中して与党「共和国前進」が惨敗、その対応に時間を取られて次世代空母プログラムを発表するための準備が間に合わなかったと言われていた。

しかしパルリ国防大臣は今月23日、次世代空母プログラムについて議会の公聴会で「年内に次世代空母プログラムの推進が発表され2021年に2億6,100万ユーロの研究開発費が投じられる」と語り注目を集めている。

フランスはドイツやスペインと共同開発する第6世代戦闘機「FCAS」がラファールよりも大型化するため空母シャルル・ド・ゴール(基準排水量3万7,000トン)よりも大型の空母が必要で、次世代空母は7万トンクラスになると予想されており、米国が新たに開発した「電磁式航空機発射システム(EMALS)」の採用も検討中(実際に米仏間で調達に関する協議が進行中)だ。

出典:Public Domain 空母シャルル・ド・ゴール

ただ次世代空母に原子力推進を採用するのか通常動力推進を採用するのについては今のところ未定だが、早くもNaval Newsが次世代空母のスペック予想を披露している。

それによれば次世代空母の大きさは7万トン~7万5,000トン、全長285m~295m、原子力(K22原子炉:220MWth×2基)推進で最高速度26~27ノット、操艦要員900人~1080人、航空要員550人~620人、デッキサイド式昇降機2基、電磁式カタパルト3基、搭載航空機はFCASを32機、E-2Dを2~3機、数量不明のUAVを搭載するらしい。

因みにフランスの次世代空母は2038年までに就役して空母シャルル・ド・ゴールと交代する予定でプログラムコストはまだ明かされていないが、果たしてマクロン大統領はパルリ国防大臣が言う通り、年内に次世代空母プログラムを正式発表するのだろうか?

今年の夏に一度肩透かしを喰らっているので何とも言えないが、来年には次世代空母の研究開発費として約300億円もの投資が控えているので「年内」に次世代空母プログラムが発表される確立は高いのかもしれない。

関連記事:フランス、空母「シャルル・ド・ゴール」後継艦を2038年までに就役させると発表
関連記事:フランス、電磁式カタパルトを採用した次世代空母発表を延期

 

※アイキャッチ画像の出典:Public Domain 空母シャルル・ド・ゴール

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コメント

    • 匿名
    • 2020年 10月 31日

    一つ前の記事ではフランス軍は金ねえみたいな記事だったのに
    金はあるのかないのかどっちなんだ
    フランスの空母って一隻しか造らないのに新規開発って金かかりすぎだろ
    なんか輸出するアテとかあるんですか?

    7
      • 匿名
      • 2020年 10月 31日

      熱烈に欲しがってる国がひとつあるでしょ
      輸入技術で国産空母って言い張る不思議の国が

      30
        • 匿名
        • 2020年 10月 31日

        そこで最後に憶測と書いちゃったら煽りにならないでしょ…。

        • 匿名
        • 2020年 10月 31日

        あと、日本陣営で戦っていたのにいつの間にか戦勝国だの自称してる
        不思議だ

        4
      • 匿名
      • 2020年 10月 31日

      空母を作るから金が無い、では?
      あと、ド・ゴールに色々問題が有り、かつ2隻目の空母建造計画も中止になったので現在は空母1隻なだけで、本来は空母2隻体制を理想としていますよ、フランス海軍は
      なので、フランス次世代空母も2隻建造する計画の筈でしょう。イギリスがEUから抜けたので、それをもってして「EU空母」として不足を補う計画も不可能ですし

      14
        • 匿名
        • 2020年 10月 31日

        イタリアさんとスペインさんも忘れないで…

        11
    • 匿名
    • 2020年 10月 31日

    これはぜひ進撃していただきたい
    ナポレオンのようにw

    9
      • 匿名
      • 2020年 10月 31日

      ナポレオン1世さんの海戦の傷口に塩を塗らないであげて!

      6
    • 匿名
    • 2020年 10月 31日

    大きな船を1席作るより小さな船を3席作った方が良いと思うんだが?

      • 匿名
      • 2020年 10月 31日

      それだとうまくないのが空母の世界
      今のシャルル・ド・ゴールの戦闘能力は、米空母より著しく劣る、そればサイズが小ぶりだから
      荒天での運用、浮かぶ整備補給基地としての充実からすると小型化はデメリットしかないのが空母の性質です
      数のために質を落とすと費用対効果で痛い目にあう

      19
        • 匿名
        • 2020年 10月 31日

        その通りなんですけど、比較対象を米原子力空母にしちゃうと何と比較しても象と蟻ですからねえ。
        シャルル・ド・ゴールは艦載機の優秀さもあって世界でも数少ない成功した空母だと思いますね。

        艦載機はというとラファールってF-18と全く遜色ないのにより小型なんですよね。
        よくよく考えると凄いなと思います。

        17
          • 匿名
          • 2020年 11月 01日

          流石にそんな魔法はないでしょう。
          おそらくですがF/A-18E/F最大の強みの最大着艦重量(というかブリングバッグペイロード)ではかなりの差が出そうに思えます。
          …と思って調べたけど出てこない。
          どなたかラファールMのブリングバッグペイロードご存知ですかね?

          • 匿名
          • 2020年 11月 01日

          フランス海軍は現時点でのド・ゴール+ラファールの能力には満足してるんじゃないでしょうか。後継艦が大きくなるのは搭載機が大型化するからであって、ド・ゴールはマス・スタビライザーも搭載し荒天での運用性はそれなりにあると思います。乗員も少ないし。

          調べてもラファールはF/A-18E/Fよりコスト以外全ての点で優ってると思います。アビオニクス(5世代機並)、ステルス性(4.5世代機トップ)、高速性(スーパークルーズ可能)、機動性・操縦性(カナード他の空力の良さ)。
          ブリングバック重量は分かりませんが、ペイロードがF/A-18の8トンに対しラファールの方が9.5トンと大きいので、劣ってるとも思えません。

          あとF/A-18(スパホは不明)ってCCVになってないんですね。つまり水平尾翼は下向き揚力を発生し、主翼はそれを打ち消す揚力を発生し余分の抵抗を生み出す。ただでさえLEXで抵抗が大きいのに。ラファールはデルタ翼で後縁フラップ使えるよう、重心が空力中心の後ろにありそうしたロスが有りませんが。

          1
            • 匿名
            • 2020年 11月 01日

            それこそ木を見て森を見らず
            搭載機、燃料、弾薬のすべての枠が小さいのは動く航空基地として痛いですよ
            個別の性能はとにかく、総合力で費用対効果が悪いんです
            ひんぱんに補給を受けないと継戦できない、航空打撃力の総量が小さいのは性能が劣るって範疇に入ります

            • 匿名
            • 2020年 11月 01日

            (↑に返信できないのでここへ)

            大型艦の方が費用対効果がよくとも、絶対額は上がります。絶対額が予算を上回ったら調達不可能です。予算が無尽蔵なら大型艦・大型機をたくさん作ればいいですが。

            また予算枠一杯で戦闘力の高い大型空母を1隻作っても、年間8ヶ月は作戦に投入できずその間戦闘力はゼロ。ド・ゴールも当初は2隻建造予定でしたから、予算内で可能な大きさが4万トンだったのでは。

            その空母で使えるようラファールは小型である必要があり、しかし能力は十分に要求を満たした。限られた予算の中で良い仕事をしたと思います。

            その点今回の7万トン空母は数をどうするのか疑問。英空母とローテーションする前提かな?

            1
            • 匿名
            • 2020年 11月 01日

            調べてみたら
            最大搭載機数:ド・ゴール=40機、ニミッツ=90機
            航空弾薬  :ド・ゴール=2100t(52.5t/機)、ニミッツ=2470t(27.4t/機)
            航空燃料  :ド・ゴール=4000t(100t/機)、ニミッツ=8200t(91t/機)

            ド・ゴールは1機当り弾薬搭載量はニミッツの倍。燃料は1割多い程度だけどラファールはスパホより燃費が良いはず(小型軽量で空力も良い)なのでもう少し余裕があるはず。
            無補給での継戦能力は米空母より長そう(もちろん戦力は低いが)。
            米空母は潤沢に補給を受ける前提、ド・ゴールは無補給で植民地まで長期遠征する想定なのかな?

            1
            • 匿名
            • 2020年 11月 02日

            それではフランスが次期空母の大型化をはかる説明がつかないから
            シャルル・ド・ゴールで十分ならば何故、建造費も維持費も大きくなる七万トンクラスを選択するのさ(笑)
            思い込みに固執するなよ

            • 匿名
            • 2020年 11月 02日

            FCASが大型化するからって、本文にもコメントにも書いてあるでしょ。ちゃんと読みなよ。

            そしてド・ゴールは2隻建造予定だったけど、大型化するなら2隻体制は諦める前提では?

            1
      • 匿名
      • 2020年 10月 31日

      最低限度よりも小さすぎるフネを多数も、返って効率が悪いからね
      特に、ステルス機は武装も燃料も全部機内に内装するのが前提だから、どうしても大型化せざるをえないし
      フランスはエンジン技術にも制約が有るから、F-35Bの様なステルス垂直離着陸機を開発するのも無理だし

      11
      • 匿名
      • 2020年 10月 31日

      米軍の空母理論では、七万トンの空母は五万トン空母の2倍の搭載能力があるが、建造費は三割アップで済むし維持費も安いと。
      ローテーションへの不安は残るが、現有のド・ゴールが使えないからこそ大型化に踏み切ったとみたら

      21
        • 匿名
        • 2020年 11月 02日

        むしろフランスはド・ゴールの実績から1隻でも何とかなると判断して、2隻体制を諦めて大型化に踏み切ったのでは。搭載機の単価も昔より跳ね上がり、英国議会もQE級2隻維持は無理と言ってますから。

        7万トン空母を複数建造・運用する前提なら、その理論を使えるのはアメリカ(と最近は中国)だけですね。

        2
      • 匿名
      • 2020年 10月 31日

      空母の大きさが国力を現すニダ。小さな空母じゃ格好悪いニダ。我が国は大国だと思われたいニダ。性能よりも見栄を張る事が一番大事ニダ。
      と考えている国もありますよ。

      13
        • 匿名
        • 2020年 11月 01日

        いつまでも考え続けてもらっとこ
        そのうちに、誰も見ちゃいないって気がつくといいな

    • 匿名
    • 2020年 10月 31日

    >空母シャルル・ド・ゴールと交代する予定で

    「退役したシャルル・ド・ゴールを購入したいニダ」と言い出す国が出てきそうですね。

    14
    • 匿名
    • 2020年 10月 31日

    マクロンなら次世代空母に自信が持てます♪

    8
      • 匿名
      • 2020年 10月 31日

      毛糸洗いって言いたいんだろ、座布団とるよ

      18
    • 匿名
    • 2020年 10月 31日

    「ド・ゴール」後継艦は「ミッテラン」になるのかな?w

    搭載機にエンジェルフライトその他複合任務用のヘリがいないが
    護衛艦艇から供出するの?

    3
      • 匿名
      • 2020年 10月 31日

      「リシュリュー」「クレマンソー」あたりになるんでないかと思う

      「ナポレオン・ボナパルト」にして欲しいなぁ(棒

      8
        • 匿名
        • 2020年 11月 01日

        他の欧州諸国にとって刺激が強すぎる・・。

        3
    • 匿名
    • 2020年 10月 31日

    ちゃんと前進できるんだよな?(海外スレでの仏に対する定番のアオリ)

    9
      • 匿名
      • 2020年 11月 01日

      クイーンエリザベスの怨念(本来の姿)がフランス空母の形となって現れる可能性が有るのでいきなり水没で原子炉閉鎖ネタを提供してくれるかも?

    •  
    • 2020年 10月 31日

    英仏はどう見ても、核・原潜・空母の三点セットのせいで、
    SSやDD等という中堅の戦力が薄くなりまくってるよね
    現実の脅威が目の前にある日本とは状況が全然違いますよ
    日本は粛々と現実的な戦力を高めて欲しい

    37
    • 匿名
    • 2020年 10月 31日

    西側の主力がF-35に置き換わっていく状況で
    艦載機はラファールのままなのか

    1
      • 匿名
      • 2020年 10月 31日

      米海軍もかなりの先々までスパホ使うことになりますよ。

      7
      • 匿名
      • 2020年 10月 31日

      フランスはFCASの艦載型でラファールを更新するつもりですよ

      FCAS艦載型、開発失敗しちゃった!
      場合はF-8の時のようにF-35Cを買えばいいんじゃないかな
      で、FCAS艦載型は攻撃機になります

      10
    • 匿名
    • 2020年 10月 31日

    シャルル・ド・ゴールのように「いづも」と「かが」も小さくて能力不足にならないのかな
    これから純粋な空母の建造予定はあったりするのか気になります。まだ早い?

    1
      • 匿名
      • 2020年 10月 31日

      「いずも」と「かが」の軽空母化は、情勢に鑑みてシーレーン防衛等に必要となる「必要最小限」の装備、という理解で良いんじゃないですかね。
      旧海軍がWW2で運用してたからといって海自が空母運用に長けてるはずもないので、これから両艦を運用してのノウハウ蓄積は必須です。将来のことはその後の情勢判断次第かと。
      強襲揚陸艦保有計画は立ち消えのようですし、現在は大型空母保有の可能性研究がせいぜいでしょう。公式には予定も計画も検討も現時点では無しですね。

      16
        • 匿名
        • 2020年 10月 31日

        強襲揚陸艦の話は、次期掃海母艦で既に調査研究始まってます。ただ、実現(完成)までには少なくとも5年以上はかかりますが。

        4
        • 匿名
        • 2020年 10月 31日

        詳しく教えて下さりありがとうございます。両艦の立ち位置が分かり納得しました

        1
          • 匿名
          • 2020年 11月 01日

          空母戦力としては、いずも型(F-35B専門)、ひゅうが型(ヘリ専門+護衛)セットで何とか1人前といったところです。
          次期輸送艦は、おそらく5隻になると思います。
          輸送艦3隻と掃海母艦2隻の代替となるからです。

          1
    • 匿名
    • 2020年 10月 31日

    フランスのごとき欧州の一国家がなぜ空母を必要とするのか?世界が納得するような説明がなされたろうか?
    フランスの植民地主義的野心を見抜かぬとでも思ったのだろうか。

      • 匿名
      • 2020年 10月 31日

      ざんねん、空回りだよそれ
      やり直しw

      18
    • 匿名
    • 2020年 11月 01日

    次期空母が大型化する理由は、現役が小さくて使いにくいか拡張性に欠けるかのどっちかしかないから。
    ちなみに、ロシア空母は六万トン弱だが、あれでも小さすぎて失敗だったとされてる
    対艦ミサイル搭載だの、艦載機も大きいが、当初はスホーイでなく小ぶりのミグを予定してたこと、指導部は四万五千トン級を希望してたのが軍の要請で大型化したのに、結果的にはまだ不足だったのを付け加えとく

    1
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