フランスのルコルニュ国防相は2023年度の国防予算として440億ユーロ(前年比30億ユーロ増)を議会に提案、さらに「海軍運用の空母を2隻体制に戻すことについて検討している」と明かした。
参考:France to request multibillion-dollar defense budget boost in 2023
英国と同じようにマクロン政権が要求した国防予算は「増額が不十分で時代遅れだ」と批判を受ける
マクロン大統領は6月に開催されたユーロサトリで「欧州諸国はロシア軍のウクライナ侵攻によって戦時経済(大幅な国防予算の総額)へと移行した」と明かし、ルコルニュ国防相も長期化する戦いでウクライナを支えるため自国の防衛産業界に「戦時体制への移行」を訴えており、2023年度の国防予算として440億ユーロ(前年比30億ユーロ増)を議会に提案した。

出典:public domain カエサル6×6
この増額分は陸軍の在庫からウクライナに提供した装備や物資の埋戻し、空軍の在庫からギリシャに提供したラファールの埋戻し、ウクライナとロシアの戦いで得られた教訓に基づきサイバー攻撃、宇宙システム、無人システムの能力向上、陸軍が進めるスコーピオンプログラム、テロとの戦い、防衛産業基盤を強化するための資金供給をカバーしているらしい。
最も興味深いのは「軍事省が策定中の次期5ヶ年予算計画で海軍運用の空母を2隻体制に戻すことについて検討している」とルコルニュ国防相が明かした点で、2025年に建造作業がスタートする次期空母(7万5,000トン/就役は2038年予定)の調達量を2隻に増やすのか、2038年に退役予定の空母シャルル・ド・ゴールの寿命を延長して対応するのかは不明だが、仮に空母2隻体制への回帰が決定されるとフランスの国防予算は更に増額する必要がある。

出典:Public Domain 空母シャルル・ド・ゴール
ただ英国のジョンソン首相が打ち出した国防予算増額(10年後までにGDP比2.0%→2.5%)と同じように、マクロン政権が要求した国防予算増額案も「インフレ率の上昇とロシアと戦うウクライナを支えるためには不十分で時代遅れだ」と議員の一部が批判しており、今後の議論の過程でさらなる国防予算の増額が行われるかもしれない。
因みにフランスが最も懸念しているのは欧州諸国が増額する国防予算が欧州域内外で消化されることで、仏防衛産業企業の製造能力をいち早く強化=戦時体制に移行して「欧州の安全保障における地位を維持もしくは高めたい」という意図が存在し、仏防衛産業企業が製造能力の引き上げに投資するには仏政府発注=国防予算の増額が欠かせないのだろう。

出典:U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Alexander Cook
仮に欧州諸国が増額する国防予算のぶんどり合いに仏企業が負ければ研究・開発への資金投入額で差がつき、仏政府は自国企業の開発サイクルや競争力を維持するため必要以上の装備発注=税金投入を余儀なくされるため、何としても国防予算のぶんどり合いで一定の成果を出さなければならない。
関連記事:英首相が国防費増額2.0%→2.5%を発表、国内からは少なすぎると批判が集中
※アイキャッチ画像の出典:Ministère des Armées
日本も「おおすみ型」後継をそろそろ考えないといけないし、海上輸送能力が十分ではないから輸送艦を3→4隻に増やし内2隻をワスプ相当にすべき。
そうすれば「いずも型」2隻と合わせてF35Bの有用な海上プラットフォームを4隻体制に出来る。
フランスみたいに周辺環境が良好がイージーじゃないんだから、現行の「いずも型」2隻体制のままだと持久的な安定性が悪い。
ついでに言うと、A型減らしても良いからF35Bを60程度まで増やした方がいい。
将来的にB型が足りなくなった場合は代替案がないので、多目の予備機が必要。
そこまでやるんだったら、F-35B飛行隊を、海自もしくは水機団所属の陸自に移管を目指すべきと考えます。
F-35B飛行隊は、あくまでも空自任務をやりながらの余力の中で運用することになるし、
いずも型で運用される部隊が、海自、陸自、空自と3軍入り混じった中で運用されるという、世界的にも稀な運用になってしまいます。
水機団にしても、陸自で運用しているのもおかしな話です(諸外国ではおおむね海軍)。
少ない予算、人員の不足、海自に陸戦や航空戦闘のノウハウがないといった複合的な理由があって、このようなヘンテコな事になってしまっているんでしょうが、
将来的に大幅な整理は必要でしょう
陸自のV-22に空中給油キットを積めば、更にF-35Bを有効活用できる。
>いずも型で運用される部隊が、海自、陸自、空自と3軍入り混じった中で運用されるという、世界的にも稀な運用になってしまいます。
指摘されるまで気にしてなかったけど、確かに凄い状況ですね。
別に水陸機動団が海軍じゃないなのはおかしくないですよ。
有名どころでアメリカは独立組織ですし、フランスのは大半が陸軍ですし、イギリスは名目的には海軍傘下でも実質的に独立組織です。
で、海軍所属の場合ですが、こう言うと何ですが他国の場合、クーデター対策で陸軍以外にしてるって国も多いです。
まぁもちろん指揮系統の一元化という目的はあるんですが、米英仏などは統合作戦を一般的に行い指揮系統の問題はクリア出来てるんで、
というか、そこをクリア出来ないようでは航空機の登場以降そもそも弱軍でしょう。
何れにしても日本の場合、規模的に陸自以外で旅団規模の海兵隊を組織・運用できないですね。
海自や空自から2000-3000規模の陸上戦闘部隊を抽出すると人員不足で頓挫します。
米海軍からの走りである米海兵隊は、海軍少将を最終的な現場の決定賢者として行動します。
>陸自以外で旅団規模の海兵隊を組織・運用できないです
だから、少ない予算、人員の不足、海自に陸戦や航空戦闘のノウハウがないといった複合的な理由があって、このようなヘンテコな事になってしまっている、と指摘しています。
>フランスのは大半が陸軍ですし
「概ね海軍」と評させていただいたとおり、フランスはその埒外の稀有な例となります。
ただし、そのフランスでも艦隊運用において日本のような3軍を混在させた運用下にはおいていません。
日本において、陸上自衛隊および航空自衛隊は、海上自衛隊の指揮のもとで戦うことを想定していませんので、
現場において指揮命令系統の輻輳が起こるリスクがあると危惧しています。
以上のことから、将来的には大規模な整理が必要であると説いています。
その一つの案として、F-35B飛行隊の海自もしくは水機団所属の陸自への移管を挙げました。
タスクフォースとしての運用ノウハウは既に一般化された手法だと思いますし、
時事的にも、統合司令部の創設が話題になってますよね。
更に言うと防衛省でも近年は陸海空+宇宙&電磁波領域&サイバーと説明しています。
独自にというのが非効率ですから分野ごとに組織を分け、任務ごとにその都度に必要部隊を抽出する・・・これが基本でしょう。
寧ろ艦艇、航空機、地上部隊及びその他を一つの組織として一元的パッケージ化というのは手法として旧式で、非効率的ですよ。
指揮命令系統の輻輳と言いますけれど、統合任務部隊特有の問題という訳でもないですし、
逆に統合作戦前提の指揮系統が出来ていないほうが問題でしょう。
したがって私としては統合化の何を問題視しているのか理解できないです。
指揮系統に問題見つかったなら訓練で最適化しろというだけの話では。
統合化といっても、統合を行うのはGHQです。
GHQと常に艦隊HQが連絡を取り続けられるとは限りませんし、現場指揮官に大きな判断力が求められます。
例えば、米海軍+海兵隊において、現場指揮官は共に大佐ですが、人が違えば当然意見も違えることもあります。
その場合の最終意思決定賢者として、海軍側にさらに上位の指揮官である少将が配属されており、最終意思決定は海軍側にあります。
自衛隊において、いずも型の配属される海自側司令官階級は1佐、戦闘機飛行隊の司令官も1佐で、階級差がなくブッキングしています。
統合運用するのならば、この階級の「被り」は非常に問題ですので、上位指揮官の存在は必要不可欠です。
ですが、その3軍を跨ぎ統率できる知識をもった指揮官の教育について、表立って話がでているわけでもありません。
「統合運用」とは言葉でいうのは簡単ですが、統合が進んでいる話を聞くのはGHQ側ばかりで、
では現場指揮官は誰が持つのか、未だ不明なままです
続きますが、
現場での艦隊単位での統合運用を実現するためには、もっともベストなのは、艦隊を運用する海自側に最終意思決定賢者とする将補級を新規に配属する、ことが最も理にかなっているかと思われます。
じゃあ、将補を配属すれば解決するだろ、と言えばそうではなく、この将補には、
戦闘機の運用、陸戦運用、などなど海自には経験を持たない知識が必要になってきます。
海自では教育できないことは明白ですので、空自、陸自にその教育を委託することになるでしょう。
当たり前ですが、これだけで、単純に手間です。3軍行ったり来たりするんですからね。
ですので、統合運用、を叫ぶなら、尚更、組織としての大幅な整理が必要であると訴えています。
半端過ぎ
固定翼機運用艦を新造するならハナからCVとして建造するべきだと思うよ
おおすみ型代艦は、現在IHIに対し「DDH、輸送艦、掃海母艦を兼ねる」ものを研究させている。
うらが型掃海母艦の代艦にもなるが、どのくらいの大きさの艦を何隻建造するかは分からない。
出来れば基準排水量40000tくらいの艦を5隻建造して、交代で任務に充ててもらいたい。
DDHはいずも型とひゅうが型を組で運用して、おおすみ型代艦を交代でDDH任務に充てればいい。
F-35Bは42機購入予定ので、おおすみ型代艦の内2隻とひゅうが型各艦10機づつ充てればいい。(予備機がないが)
F-3の開発が順調に行けば、未納分のF-35AをBに変更しても良いのではないか。
この場合は、飛行隊の増勢が必要になるが。
欧州発の軍拡時代到来か。
とは言っても無い袖は振れんだろうし、これがまた荒れる原因にならないことを願う。
無い袖も
振らねばならぬ
国防費
他国が軍事費上げてるのはミリオタとして愉快な話だが自国となれば話は別
自民党が公約にしてる国防費大幅増額案はこの経済状況では到底受け入れられない
もういい加減に財務省のプロパガンダから抜けよう
まともな本を数冊読めば、簡単にデマだと分かる
コロナ対策で100兆円を臨時に刷っても、国債金利をうんともすんとも言わなかった
年間5兆円なんてどうにでもなるもんなの
この先、中国が軍事ブーストをかけて行ったら、2%どころか3%になるかも知れない
それでも侵略を抑止できるならマシだからね
ウクライナの今年のGDPが−45%と言われる(ロシアも-15%だが
日本だと250兆円が失われる事になる
どう考えても防衛費を上げた方が、論理的でマシな政策だ
その代わり凄まじく円安になったけどな
トルコリラかよってくらい暴落しとる
金利も上げられないしこれから円高になる見込みがない…
民主党時代の80円が今では懐かしいわい
以前に誰かも指摘していたが、先に国防費のGDP比2%程度を達成してる国々が、我が国と比べてとくに経済面や福祉教育分野で見劣りしてるわけでもなさそう
この国の財政はどこにどういう問題を抱えているのか、単に金額の大小を論じるのでなく、社会構造のほうから論じたほうが良いのでは
予算が増えてFCAS単独開発になったりして。
フランスの空母2隻体制の話は出ては消えを何回繰り返していることやら…。
最終的には予算不足で艦齢延長工事が出来ずに新型と交代になるか、新型中止で艦齢延長工事になることになるのでは?
フランスはロシアに近い国々に比べ、まだ気楽の様ですね
410億から440億ユーロなら、7%増程度でしか無い
イギリス・ドイツ・ポーランド等々よりはまだ平時気分ですね。そりゃロシアからだいぶ遠いもんね
しかもメインが空母を2隻へ、って純軍事的というより政治的な部分が多い
2隻体制のイギリスにはメンツ的に負けられないもんねぇ
やはり防衛費増額ぶんの囲い込み競争に発展しましたか。フランス兵器産業は固定客が欧州域外に分散しているのと、欧州委員会などの政治の場での発言力でドイツに及ばないので早くも不利ですね。というか見通しで言えば相当厳しいんじゃないかなぁ。欧州向けに独仏共同でやってる計画だってこれからドイツに追い出されないとも限らないし…。(兵器産業全体で言えばたいした比率ではないですが、共和国軍がサン=テティエンヌ造兵廠製の小銃を使わなくなってしまったのは個人的にショックでした。しかも新小銃がHk…)
戦闘機や原潜や戦略兵器などドイツが提供できないいくつかの技術をフランスは持っている訳ですが、今度は米国がライバルとして出てくる訳で、欧州域内向けではドイツと戦い欧州域外向けではドイツと団結し米国を排除するという難しい立ち回りを要求されるでしょうね。そういう意味では共和国軍の軍拡は救済努力としてはもはや必須でしょうね。