仏メディアはFCASの危機的状況について「自社機密を競合企業と共有したくないDassaultの言い分は理解できるものの、合意されたルールを破ればドイツやスペインが怒るのは当たり前で、単独で次世代戦闘機を開発すると言っても開発費用を誰が負担するのか」と報じている。
参考:« L’avion de combat français, allemand et espagnol, tête d’affiche de l’“Europe de la défense”, risque le crash »
参考:Avion de combat européen du futur : la France songe à faire cavalier seul
参考:Système de combat aérien du futur (SCAF) : un miracle sinon rien…
フランスメディアはドイツとは異なりDassaultの要求について立場が一貫していない
仏Dassaultは将来戦闘航空システム(Future Combat Air System=FCAS)の有人戦闘機部分について「ワークシェア配分の3ヶ国合意」を無視して出資比率を超える主導権を要求、これに対してドイツとスペインは合意を守って出資比率に応じたワークシェア配分を守るよう要求しており、ドイツのメルツ首相もスペインのサンチェス首相と会談後「このままではフランスと共同でFCASプログラムを続けることはできない」と指摘。

出典:Dassault Aviation
独ディフェンスメディアのhartpunktは「ここ数週間、FCASプログラムが終焉に近づいている兆候が強まっている」「長年の確執を経て『Dassaultに対するこれ以上の譲歩には応じられない』とメルツ首相やAirbusは示唆している」「この問題に関する政治的解決策は年末までに見つける予定だったが、10月に予定されていた3ヶ国国防相会合は政治的混乱に直面しているフランスの都合で中止されてしまった」と指摘し、FCAS中止に備えたプランBの必要性を勧告したが、仏メディアは拍車がかかる政治的混乱に振り回されFCAS問題に構っている余裕はない。
それでもLe Mondeは「もともとFCASは仏独協力の象徴として軍や企業のニーズを事前に分析することなく発表された計画、つまり政治主導の決定に過ぎなかったため、8年間の歳月と30億ユーロの支出を経ても産業界関係者がいがみ合っている」と報じている。

出典:Dassault Aviation
“Dassaultは自社の機密を守るため主導権を要求し、この態度について隣国らは傲慢だと非難する。Dassaultの主張は技術的に正しく、ラファールの継続的な改良で積み重ねてきた技術を土台に単独開発を主張するの理解できるが、その費用を一体誰が負担するのか? フランス単独で次世代戦闘機を含む将来航空システムの開発を負担するようなことになれば他の支出を犠牲にするのは目に見えている。この不運のプロジェクトはもっと早くに中止するか、防衛分野のトップリーダーに決断を迫るべきだった”
Franceinfoも「FCASが行き詰まっているのは財政的問題だけではない」「Dassaultが自社の機密を競合企業と共有するのを拒否しているためだ」「Dassaultは自社の機密を守るためより大きな権利を要求している」「Dassaultの機密をドイツやスペインの利益を代表するAirbusに売り渡すなど論外だ」と報じている。

出典:U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Alexander Cook
“ドイツとスペインは自社の立場を堅持するDassaultに対して「2025年末までに解決策を共同で見つけ出す」「そのためにあらゆる手段を講じる」と主張しているが、その具体的な方法について両国は詳細を明かしていない。一方のDassaultは3ヶ国の対等なガバナンスには一切応じない構えで、最悪「我々だけで次世代戦闘機を開発できる」と主張している。フランスは最終的にどのような決断を下すのだろうか?財政状況が悪化している中で、フランス単独で次世代戦闘機開発を進められるだけの資金があるのか?”
La Tribuneも「もはやFCASが成功を収めるのは奇跡に近い」「フランスの合意されたルールを破る交渉立場はドイツやスペインにとって受け入れがたいものだ」「要求するプログラム再編が受け入れられなければ単独で次世代戦闘機を開発するという発言は両国からの信頼を損なうのに十分なものだった」と指摘し、ドイツとは異なりDassaultの要求について立場が一貫していない。

出典:Dassault Aviation
概ね「自社機密を競合企業と共有したくないDassaultの言い分は理解できるものの、合意されたルール=出資比率に応じたワークシェア配分を破ればドイツやスペインが怒るのは当たり前で、受け入れられなければ単独で次世代戦闘機を開発すると言っても開発費用を誰が負担するのか」という部分は共通しており、恐らくDassaultは有人戦闘機開発における対等なガバナンスをF-35プログラムに似た構造、つまり開発全体をフランス装備装備総局やDassaultが管理し、自社機密の共有が必要ない部分のみにドイツ企業とスペイン企業の参加を許す形にしたいのだろう。しかも開発費用の負担は33対33対33のままでだ。
フランスは積み上がった財政赤字と国家債務のせいで資金調達能力が制限されており、しかも財政赤字削減のため400億ユーロ規模の予算削減を進めていたバイル政権は崩壊し、未だに新政権の樹立も各政治勢力から協力を得られるか不透明な状況が続いているため、FCASの枠組みが崩壊すればDassaultの単独開発にフランス単独で資金を供給しなければならず、これまで仏製戦闘機を購入してきたインドやアラブ首長国連邦といった国から資金を引っ張るにしても、両国は国内法的にも黙って資金のみをだせる環境ではない。

出典:Armée de Terre
Dassaultの主張はフランスの国益に叶うものかもしれないが、FCASの枠組みが崩壊して単独開発の資金調達に困るのも事実であり、Dassaultのトラピエ氏は「ドイツから何からのハイレベルな見返りがない限り、タイフーンから派生した技術(第三国から制約を受けるかもしれない技術)をNGFに組み込むのは不可能だ」と言っているが、Dassaultが要求するプログラム再編を押し通すなら「ハイレベルな見返り」を差し出すのはフランスの方だろう。
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※アイキャッチ画像の出典:AIRBUS





















まあ各々の言い分は解るけど…
ロシアの脅威が目前まで迫ってるのにこんな事してる場合じゃ無いと思うんですけど(名推理)
・極論金さえあれば全部自前で出来るフランス vs タイフーンで一部しか担当しておらず戦闘機開発能力が怪しいドイツ・スペイン
・空母運用前提の軽量小型志向のフランス vs 本土防空・制空重視で大型志向のドイツ
・輸出で量を稼ぎたいフランス vs 厳格な輸出規制で慎重なドイツ
フランス側の強固な姿勢が原因なのは確かでしょうけど、そもそも最初から色々と怪しいプロジェクトですからねFCAS
その点GCAPは
・自前で開発出来るけど金と産業基盤が怪しいイギリス + 金も個々の技術も産業基盤もあるけど戦闘機開発経験0の日本 + 大きな仕事にサブシステムで食い込めてハッピーなイタリア
と相互に依存してるので今のところ上手くやっていますね
戦闘機開発経験0の日本?
そちらの世界の日本はそうなんですねー
>戦闘機開発経験0の日本
三菱F-1を知らないですか?
三菱F-2は、経験に入らないですか...
F-2は、「F-16ベースの共同開発で1から単独開発した物では無い」とツッコまれそうなので、敢えて除外しました
F-2の開発秘話は、今はいくつか読めますが、アレを「共同開発」と言うのは当時の政治状況で米国に気を使っていただけですね。
F-16の開発段階で翼の形状とか変えたときののデータだけは役に立ったという開発者のコメントがありましたが。結局主翼は新設計だったんでコンピュータシミュレーションとかが未熟だった時代には貴重な資料だったんだとか。
エンジンをF110のラ国にしたのと胴体のうしろのあんまり重要でない部分だけGDに任せるというお茶の濁し方。40%の生産比率の渡し方には苦労したんでしょうね。
ソースコードも開示しないのに当時の最先端技術の航空機用AESAと複合材料の情報だけ持っていくという恨み節は随所でよく見かけます。
>戦闘機開発能力が怪しいドイツ
ドイツに関しては単独開発が無いだけで、それなりの技術はあると思いますよ
それと開発コンセプトに関してはトルネードは、かなりドイツが主導権を持っていたように思えます。
個別の技術はあるのでしょうけど、戦闘機として商品化できるレベルのそうごうてきな知見や技術は明確に不足してるのでしょう。
でなければ、金はあるのだから単独でやってやろうという機運が出ても良いはず
最悪F-35を買えばいいからな
特にドイツ。
仕事一杯貰ったからね。
ダッソーとしては開発国が多く要求が過度に肥大して過度マルチロール化し、肥満化したF35の経験から1人で動いた方がマシと判断してる可能性も
東欧にとってはそうだけど、西欧にとっては違うんでしょう。
壁が厚くなったし、ロシアも消耗から回復する必要かある。
とはいえ、技術を差し出したらダッソーに未来はないわけで
金のあるドイツの方がダッソーを追い抜かすのは目に見えているよなぁ
兵器産業がフランスの屋台骨なのはどうしようもなく事実な状況で、はいそうですかと譲れるかな?
ダッソーからすれば「金さえあればいいんだろ?」と寧ろ開き直って、
資金調達の方に経営力や政治力を回していても不思議じゃない気が
お金の話をするなら、この出資比率や主導権の要求は滅茶苦茶わかりやすいんですよね。
FCASに限らず戦闘機開発なんて国家プロジェクトが大半で、特にこれはそうです。つまり原資は税金です。そして西側諸国においては富裕層はガンガン租税回避地とか利用して税金を可能な限り払わない。でも、この手のプロジェクトに関わると利益は入ってきますし、取りっぱぐれが無い。負債は馬鹿正直に税金を払っている市民に回りますから。
だから、この手のプロジェクトでは出資比率が多ければ多いほど関係者や関連企業が嬉しいし、少なければ少ないほど利益も少ない。そういう前提の上で、言わば何をやっても利益が確定してる事業であるFCASにおいて、出資比率以上にお金は欲しいし、なんなら持ってる技術も別にお前達に教えたくない、ってなれば騒動になるのは当然です。
結局は多くは金の問題だと思うんですね。まあお金無いと何も出来ませんけども。
ただ、コケる可能性もあるし1国で賄うには巨額すぎるからこういった協力プロジェクトになるわけで
1国で賄える規模なら技術流出やワークシェアなんて何も考えなくていいんでですけど、あまりにも戦闘機(と開発)が高価になりすぎました
ワークシェア33ずつとなっていたのを80寄越せと言い始めたのは交渉材料として高めに吹っかけてるだけなのか本気でこれが通る見込みがあったのかどっちなんだろうぬ
フランスの民間で最大手なダッソーグループの源流がAirbusに基幹を捧げるわけには行かないのでしょうが。
でもフィガロやダッソーシステムのほうがもう基幹になってるでしょうし、利益だけなら条件をつければ本来はAirbus統合みたいに欧州軍事産業として合弁事業できてたでしょう。
まあそもそもこういう国際事業を合弁もせずやるなら間違いなく分業が前提ですし、その分業の内訳で今更言い合いになってるのがおかしいのですよ…もう事業発表から7年では…
結局今のフランスの政治状態だと、スペインやドイツ関係なく何の計画も進まない。
ダッソーもエアバスなしのがありがたいが、流石にフランス政府なしの自主開発は厳しいというところか?
なんというかドイツの度重なる参加国増加の要求に対して、ダッソーは計画当初から主導権を要求してきたのを、フランス政府が現実的なダッソーよりも理想振り回して無茶苦茶言ってるドイツ側を優先してきたのが今のFCASな訳で、
そのフランス政府が転覆しかけているからこそ、ダッソーvsドイツ側の紛争が悪化したんじゃないかな。
因みにドイツの度重なる参加国増加の要求ってなんですか?
スペインやベルギーの参加のFCAS参加の問題でしょうか?
これもそうですが、欧州、特に大陸欧州の政局はなんというか物理的、技術的、経済的な現実よりも宙に浮いた理想論が最優先にされる傾向が強過ぎると言いますか。
ドイツとフランスの技術的な実力差よりも「欧州統合」が優先されている。
欧州経済、企業は未だに侮れない実力があるのに、無責任な政治のせいで損をしている。日本もそうですが、財界とまともに話のできない癖に偉ぶる輩が政界に増えすぎたのでは?
仏は欠如してるのは資金だけでその資金調達は実現不可能ではない
独西は資金も技術も売り先も欠如してるから立場的に厳しいのは独西じゃね?
本文で、技術流出を嫌がるダッソーに対して資金だけ出しそうな国は無さげって話ですが…。
逆に言うとここまで問題がこじれても仏(ダッソー)の優位性は揺らがないんですね。共同開発において要素技術を実証済みないしその気になれば自前で開発可能と示すことの重要性の、ある意味実例かもしれませんね。GCAP内で日本の立場が他の参加国から相対的に尊重されているのも、最大顧客であり財政基盤が大きいというのとは別に、過去にやった技術実証の前例が評価されているのだという話もあります。あるいは別の例でいうと宇宙開発事業団のN1ロケットにおける米デルタロケットの技術移転のケースなんかを挙げてもいいと思いますが、「放っておいてもこいつなら自力で作っちゃうだろう」と思わせることがこの手の合意形成でいかに強いかということですよね。
>宇宙開発事業団のN1ロケットにおける米デルタロケットの技術移転のケース
だいぶ以前にNHKで日本のロケット開発の歴史のドキュメント番組を見たけれど、その中でN1の技術者のインタビューで「アメリカから移転した(実際には買った)のは、ロケット本体の図面だけで、中身は空白だった」と言って、その図面を映していました。これがすべてなら、技術移転と言えるのだろうか。
そりゃ独西は合意を破棄された形になるからキレるだろうけど、ダッソーからしても一貫して主導権を主張して何度も反対してきたのに、上とドイツとで勝手な合意に変更されたと思ってるだろうし、これを調停できる強力なフランス政府の登場までは両者ともにプランBを探すしかないんじゃないか。
したの記事でドイツはスウェーデン、スペインはトルコといってましたね。
日本は部外者なので高みの見物
米に頼らない独自性は何としても守りたいのは理解できる
とは言え他国と絡むんなら、もっとやり方考えるべきだな
技術的に仏が主導するのが妥当だとは思うけど、本気で「単独でも開発する」という覚悟があるなら最初から仏独6:4とか7:3とか仏独西2:1:1とかせめて4:3:3とか他より多く出しとけ、って話だよね。
MGCSとのバーターで、というならそれぞれの負担比率に反映させればいいだけ。
ダッソーが開発主導権も技術的知見もワークシェアも全部握りたいならいっそ技術実証機の開発製造費くらい自社で出せば誰も文句も言わない、言えないでしょう。
フランスが主導したいなら金も多めに出せと言うのは尤もですが、問題はドイツがそれを許容するかでは?
GCAPでもイタリアが日英との対等な関係を強硬に主張して33:33:33になりましたし、ドイツも同じではないかと。
当然そこの争いはありえますが、FCASの場合GCAPと違ってFCASは仏主導、MGCSは独主導という前提条件がありましたからね。
それを資金負担率にも反映し、スペイン参加の際にもそれを維持することはそれほど難しくはなかったと思います。
なおGCAPの33:33:33ってイタリア政府の公式な発言ありましたっけ?
「対等」をメディアが違約しただけだった様な。
まあ観念的なものだとはわかってますが残りの1は誰が出しているんだろう>33:33:33
割と冗談抜きに「3者の均等、対等」を主張するのにわざわざ3で割り切れない10やら100やら分母にしないと思うんですよね。
なので私はあの33は記者の勝手な意訳だと思ってます。
大岡越前守が出てきて「ワシが2両だそう」とか言ったりして。
フランス企業は、資金面で厳しい環境になりつつありますからね。
自国国債+αが、資金の最低調達コストになります。
イタリア国債>フランス国債の扱いに気付けばなっており、約10年前・10年債4%近い金利差があったことを考えれ有り得ないなと。
マクロン大統領・フランス政府が、本当にダメだったというのを、突き付けられているんですよね…
(2025年9月22日 フランス、イタリアと立場逆転-ユーロ圏財政不安の震源地に bloomberg)
欧州の国・企業・人がいくら「欧州統合」という理念を主張しても、歴史的にも十字軍が証明しているようにエゴ(個人主義≠自己中心主義)を捨てて協力することは、至難の業であることがわかってきた。
日本人にはこの欧州の理念を過大に持ち上げてきた方々が多くおられたが、近年、そのデメリットが明らかとなっているように思える。要するに口先だけである。
ダッソー社が生き残るには、アメリカ製を政治的・経済的に買えない国に売ることであり、現在はラファールを売ることで成り立っている。少しばかりの開発費の負担軽減になっても輸出先に制限がかかったり、技術的優位を損なう方がマイナスだと判断したようです。
具体的にはドイツによる中東への輸出制限や民間部門の好調なエアバス社の軍用機部門への浸食のリスクの方が大きいと考え、今回の騒動となったと思われます。
非アメリカ製戦闘機市場においてロシア製の信頼・人気は低下しているものの、あと10年もすれば中国製は少なくともダッソー社と比べて価格的に圧倒的アドバンテージを持つことが予想されるので、GCAPや中国が市場を浸食する前にスーパーラファール的なもの若しくは5.5世代的なもので開発費を抑えながら市場をとることが必要不可欠と考えていると思われます。
西側内だけで見れば傲慢な独仏の意地の張り合いで時間が浪費されてるだけで済むけど、西側以外での需要を考えたら現時点で大きな需要を占めているフランス機の需要を誰が占めるのかで問題が出てくる。ラファールの後継が遅れ、しかも完成したとしてもフランスが自由に売れないとなるとフランス機の旨味はなくなってしまう。
GCAP以下イギリス機が代わりに売れるならありがたいが、米との距離を踏まえてロシア、中国機が伸びてくる可能性を否定しきれない。ロシアはともかく中国はフランスから奪った需要を手放さないだろうし、それをテコに他の産業界すら脅かしかねない。
FCASは無人機有人機の協調に重きを置いてるらしいし、今の仏独西 33:33:33のまま
仏は有人機、独西は無人機で完全に分業したら良いのに。
戦闘機開発能力だけを見ればフランスはドイツより優位だとしても
総合的な国力においてはドイツがフランスを上回るものである以上
独仏協調にヒビが入ることでより多くを失うのはドイツよりもフランスであるという外交環境が存在するわけで
フランスのドイツに対する居丈高な態度は賢明だとは思えません。
将来的に「ドイツに協力しないフランス」はドイツにとってさしたる脅威ではないが
「フランスに協力しないドイツ」はフランスにとって大きな脅威になりえます。
フランス側はそのことをわかっているんでしょうかね。
ドイツのプランBがスウェーデンとの協力というのも微妙に思えます。
それなのにGCAPのTier2参加もせず、EF4カ国で集まって生産分担やカスタマイズ権について契約条件の改正を求めるでもなく、それでいてスウェーデンと協力してもGCAPやFCASの代替となる戦闘機は当面のところ作れそうにもなく。
プライド優先の単独行動、非外交的な振る舞いで、ドイツと欧州の将来に不安をなげかけるものであるように思われます。
とはいえ、ドイツがEUや周辺諸国に協力的だったことがあるのかと言われたら…
ドイツはドイツでいつも好き勝手琉してるよなぁとしか
フランスとしても決裂したからと言って、正直、いつもの事って感じで致命傷になるとは思ってなさそうだし
実際もそんな感じかと思われ
そういう意味ではダッソー(+フランス政府の一部?)としては単独開発にしたいと考えているのかも?防衛費はGDP3.5%に増えるアテもできましたし。
ダッソーが傲慢にも聞こえるが、フランス政界が荒れて、フランスの存在感が薄れる中で、ダッソーが戦後築き上げた地位を政界の失策のせいでドイツに踏み荒らされることへの拒絶感があるんじゃないかなと。
そりゃ事前の取り決めとやらに沿って作るのが決まりなんだろうけど、出来る代物はフランス戦闘機としては旨味ゼロで、ミラージュ、ラファールみたいに売れるのか怪しいし、関係者全員が不幸になる未来しか見えないんだがな。結局ダッソーの主張を抑えて、ドイツの空理空論に追従したフランス外交の大失態として記録されるべきだろう。
結局ダッソーが売れなさそうな新製品を予算を取られて開発するのは嫌だというところに行き着きますね。
ラファールの後継商品が欲しいのに。
フランス軍が買わないような商品なら、その時点で採算割れ確定みたいなものですしねぇ…
今までだって何のかんのいっても、フランス軍が購入すること前提みたいなところがありましたし
個人的な理想を言えば、
・技術転用に寛容な英が日伊瑞西…をそれぞれ支援して、共通部分は残しつつ、各国の需要に応じて戦闘機を開発
・仏側では自主開発を継続して独自の仏戦闘機顧客圏を維持
するのが英仏を含めて西側各国の需要を満たし、西側の航空産業底上げにもなり、西側外の需要圏も下手に争わずに維持できる最良の方法だと思う。
F-35みたいに全ての国の全ての需要を満たすのは無理だし、結果としてLMの独占のようなリスクしか招かない。ドイツはもうよく分からない。