欧州では兵役義務の議論、再導入、拡大が相次いでおり、仏メディアも24日「マクロン大統領が今週にも自発的な兵役制度を発表するだろう」と報じ、国民が自発的に参加できる10ヶ月間の兵役制度を導入して有事の際の人的リソース供給源を拡充するらしい。
参考:Emmanuel Macron pourrait annoncer jeudi l’instauration d’un service militaire volontaire en France
参考:Armée : vers un retour du service militaire en France ?
参考:Service militaire volontaire, obligatoire… Qu’en est-il dans les autres pays de l’Union européenne ?
考え方的にはカナダの補助予備軍と同じで、2026年から年3,000人、2030年からは年1万人、2035年からは年5万人の訓練を目標にしているらしい
欧州諸国は冷戦終結に伴い「国防予算の削減」と「徴兵制の廃止(平時の運用停止を含む)」に踏み切って戦力規模を縮小し、こうした削減で解放された資金は公共サービスや社会福祉への投資に回され「平和の配当」と呼ばれるようになったものの、2014年にクリミア併合やドンパス戦争が勃発してロシアの脅威が再燃するとリトアニア、スウェーデン、ラトビアで、2022年のウクライナ侵攻を受けてクロアチア、セルビアで徴兵制が再導入され、ドイツは平時に限り運用が停止されていた徴兵制再導入の可能性がある兵役法を導入、デンマークも維持してきた徴兵義務を女性にも拡大した。

出典:Canadian Army
冷戦終結後も徴兵制を維持してきた残りの国(オーストリア、キプロス、フィンランド、ギリシャ、エストニア、トルコ、スイス)を加えると、欧州で徴兵制を採用する国は14ヶ国になり、ベルギー、ポーランド、英国でも徴兵制再導入に関する是非が議論中、スイスでも徴兵義務を女性まで拡大させるかどうかを問う国民投票を実施予定、カナダでも予備役と異なる補助予備軍=民間人の自発的な参加者で構成された民間防衛隊を30万人まで拡充する予定だが、フランスでも新たな自発的兵役制度の導入がまもなく発表されるらしい。
フランスは1996年に「平時の徴兵制度停止(2001年に兵役義務を正式に廃止)」と「フランスの安全保障、欧州および国際的な地政学事情、国際協定、救急措置など学ぶ国防・市民の日=JDC導入」を発表し、JDC受講は全国民に義務付けられていたが、マクロン大統領は国家の結束力を高める目的で2019年「普遍的国民奉仕(SNU=15歳~17歳までの男女が自発的に参加できる1ヶ月間の奉仕活動で、共同生活を行いながら救急措置、運転免許、テロ攻撃発生の際の対応など学び、軍隊、警察、消防署で奉仕活動を行う内容)導入」を発表。

出典:Armée de Terre
マクロン大統領は将来的にSNUの義務化を予定していたものの、会計検査院は2024年9月「SNUは目的が不明瞭で一般市民の間でも十分理解されていない」「社会の多様性や市民参加の両面においてSNUは機能していない」と指摘され、議会も関連予算を削除したためSNUは実施不可能になり、新たな社会奉仕に関する制度が検討されていたが、Le FigaroやTF1など仏メディアは24日「マクロン大統領が今週木曜に自発的な兵役制度を発表するだろう」と報じ、考え方的にはカナダの補助予備軍と同じだ。
自発的に参加できる10ヶ月間の兵役制度を導入し、国防の人的リソースを「職業軍人」「職業軍人の退役者で構成される予備役」「自発的参加者で構成された第三軍」に拡充することで有事の際の動員力を強化するという意味になり、2026年から年3,000人、2030年からは年1万人、2035年からは年5万人の訓練を目標にしているらしい。

出典:Hrvatski Vojnik
仏メディアも「将来的に義務化されるかもしれない兵役制度の再導入は珍しいものではない」「幾つかの欧州諸国は兵役制度を維持し、クロアチア、リトアニア、スウェーデン、ラトビアは兵役制度を再導入した」「ベルギーでも2026年から自発的な兵役制度の運用が開始される」「ドイツ、ポーランド、英国でも兵役再導入に関する議論が行われている」と報じ、仏政界の反応もポジティブで国民連合の代表も「国を守る形で国民奉仕を復活させること、その手始めてとして自発的な兵役制度から始めることに賛成だ」と述べている。
兵役制度を再導したクロアチアのアヌシッチ国防相は「ロシアのウクライナ侵攻で我々は全員目を覚ました」「これまで安全は当然のもののように思われてきたが現在はそうではない」「国の安全保障がなければ経済も民主主義も存在しない」と述べ、今後の安全保障は経済の後回しにはならないという認識を示しており、もう国の安全を守るには何らかの形で国民奉仕が避けられない状況だ。
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※アイキャッチ画像の出典:Armée française





















10か月間も、自発的に参加するというのは、対価(給料)・キャリアプランはどうなってるんでしょうかね?
仏メディアの方々も乗り気という事で、是非とも体験記のような形で、記者の方々が10か月間潜入取材して結果報告するのを期待したいと思います。
日本はガソリン暫定税率が、『暫定』で50年も継続されているのを見れば、欧州と違うというのを感じてまして。
『低いーハードルから上げて行く』日本の増税では、このやり方が顕著なわけですから、あらかじめ制度整備するのが大事だなと。
フランスについて、もう1つ気になった点ですが。
『ウクライナ欧州派遣軍』マクロン大統領が高らかに言ってきたわけですが、こんな状況ではウクライナ人に無駄な希望を持たせるだけで、やはり最初から実現不可能でしたね…
仰る通り、マクロンの欧州軍構想は不可能であることが証明されましたね。自国の防衛に人数足りない国が他国の支援なんかできるわけがない。
単なるふかしで言ったのか。それとも本気で言ったのか、、、仮に本気だとしたら、彼はマカロンに改名した方がいいと思います。とても甘い頭脳をしているようですので。
一般ウクライナ人にとって、ほんと残酷な話しですよね。
支持率10%台の政治家が、仰る通り、何か甘い事言ってる程度ではあるのですが。
『外交巧者』こういう100%無理なことを、『甘言を弄する』のも駆け引きかもしれないですが、戦争中に期待感上げて落としてるのは人として好きになれないなあと…
月給数万円アップして個人装備米軍並にして規則や制度の見直しして20年勤めたら最終俸給の半額の年金を支給する制度設計したり勤続年数に応じて免税とか減税の制度設計……徴兵制が嫌ならこれくらいしないと少子高齢化の昨今、自衛隊集まらんて、幸いな事に島国だから数十万人集める必要無くて数万人集められたら御の字だし。
誰だって戦場には行きたく無いけど明らかに他の職業には無いうまみや名誉を与えたら人は意外と入ると思うぞ、少なくともやらないよりはね、日本は徴兵制の議論はともかくまずは徴兵制以外の手段を検討・実施が先なんじゃないかな、上手くまとめられんかったわごめん。
陸自の友達から聞いた話で元自衛官って肩書きが一生ついてまわる割にはうまみ少ねぇなって言う先輩の話聞いて思いついた程度のアイデアだけど
米国の退役軍人省の日本版が欲しいですね。
防衛省は余りにも政治的な発言力が弱いので(過去の経緯もあるので仕方なし)それこそ高市人気で作って欲しいです。
国立大学の学費が昔の私大並みになっているので、1年間の兵役+ROTCで4年分の学費免除くらいすればそれなりに集まるでしょうね。
まさに仰る通りで、全面同意します。
キャリアプランニングを提供して、インセンティブ・メリットをしっかり提供すべきだと思います。
資本主義社会みんなのやりたくない仕事は、『需給』で給料が上がっていくのが当たり前であり、やりたくない事に奉仕を求めすぎたら『ただの搾取』なんですよね。
旨みかペナルティがないと
誰も志願しないと思う
日本でやるなら
兵役か介護か過疎地の農林水産業で
奉仕労働を選択制で義務付け
所得税40%払ってる人と
子供3人いる人は免除でよいんちゃう
少子化も財政も改善間違いなし
このままほっとくと少子化と不人気で
自衛隊は成り立たなくなるけど
鼻息荒い安全保障マンも自分は志願しないでしょ
失業保険の給付期間が終わった後に兵役へ参加するコンボが流行りそう
米国は格差を作り出すことで貧民が”志願”するように仕向けて兵力を維持してるんだよね
虫歯の治療や高校・大学の学費と、労働者階級に生まれて人並みの暮らしをしたければ、軍隊が一番窓口が広いっていう
志願兵制度って結局貧民ばかり戦争に行くシステムなので、だったら兵役のほうがフェアに見えるかもしれないけど、国民の中に軍人上りが増えるとそれだけ世論が右傾化してしまうんだよね。
人間は自分の青春を否定なんかできないので軍隊に肯定的な世論が形成されやすい
愛国心とネット右翼の境目なんて脆いし、学も教養も思慮深さもなくても愛国者ごっこができるのは最近のインターネッツとかアメリカ見ればわかる通り。
民主主義の旗の下で徴兵制とか国民皆兵制度って結構危ないと思うんだよねぇ
割と最近まで多くの有力な民主主義国では徴兵制が存在しましたけど?
今も残ってる国もあるし、フランスは廃止してみたけどやっぱり復活が必要でしたというだけでしょう。
危ないと仰る根拠がよく分かりませんね。
SNS上の発言は声が大きい人がいるだけで、多数派という訳ではないですよ。
そんなことを言ったら、民主主義でない徴兵制を敷いている国の立場がないのだけれど…
そんなこと言って大丈夫?
右傾化したりタカ派コメントしてるのは
リアルの戦争を知らないオタクや
安全圏にいる人達なのでは?
私の親族の戦争経験者など
本物の地獄を見た人で
イケイケどんどん族は見た事ないな
ウクライナも安全な西へ行くほど
抗戦論者が増えるようだし
まあ、日本の元自衛官とかは勇ましいこと言う人が多いのはたしかでしょ
少なくともそういう人がメディアに出てはいる
そういう人ほど言論活動をやってるから呼ばれるってのはあるかもしれないけど
戦場経験者と軍隊経験者の違いのような気がします。
某地域(ちょっと出せない)に派遣された自衛隊員の知り合いがいますが、その人は戦争反対派になりました。元々は勇ましい方でしたが、実際の戦争を見て考えが変わったそうです。
日本だけではありませんが、実際の戦争を経験していない軍隊経験者は勇ましくなりがちかもしれません。
それは絶対あるね
たしかにメディアに出てるような元自衛官は将官がほとんどだし高級将校は前線には行かないからね
インパール作戦でもあと5000人死なせればここは取れるとか平気で会話してたらしいけどそういう発想は自分が前線に立たないで済む人にしか出てこない
だからこそ僕は徴兵制に反対してる
なぜなら徴兵される一般国民は最前線に送られるけど戦争指導層ははるか後方の安全な場所にいて痛みを受けないからね
そういう人たちが徴兵をやり始めると限界が無くなる
だから徴兵制を議論するなら徴兵という仕組みには最前線の兵士と最後方の参謀に利害のねじれがあることがもっと指摘されるべき
残念ながら海外の議論でもほとんど論点になってないけど
仰る通りです。知り合いも流石に詳細は話してくれませんが、相当なものを見たんだろうなと察しはつきました。
高級将校や政治家は前線に立たない。後は煽るだけの御用学者やメディア関係者も。徴兵制にしたら、彼らが全てを牛耳るわけで最悪だと思います。
ものすごい共感します。
南部反転攻勢『トクマクは序章でクリミアまですぐ到達だ!』テレビで、こんな感じの勇ましい事言ってましたからね。
1回じゃなくて、毎回毎回言ってて、気付けば出演なくなりました…
あのポンコツ感を見たときに、ああいうの上官にして牛耳らせたらダメだと思いましたわ。
異なる理由ですが、国民皆兵には反対です。基本的に自由主義+現実主義なので、国民の自由を規制する皆兵制度は望ましくないと考えます。
現実主義的の立場から言うと、マクロンに文句があります。自分の外交上の数々の失敗を棚に上げて、徴兵強化する暇があるなら、もっとまともな判断をした方がいいです。
徴兵制度というのは貴族・士族に武力を独占させないための平民の権利の発露でもある訳ですので…
徴兵制度で兵隊に取られるのならその前に士官を目指すといった市民の軍組織参加への動機にもなりますので民主主義的には極めて好適な制度であるではないかと。
自発的で集まるなら自衛隊が人員不足を嘆くことも無いのですよ
何らかのインセンティブが無いとまず集まらない
不法移民に対して、軍に志願したら正規の国籍を…みたいなことをするのもありかもしれない
ただ中東やアフリカからの不法移民は、言葉が通じない文字が読めないレベルは当然あるけど、
凄いのは初歩的な計算もできない人、とかも普通に居るからなぁ・・・
産経で書いていたけど、今のドイツは移民系が人口の1/4を占める
そして移民系の小学校1年のうち1/3は留年した方がいいレベル(親が同意するケースも多いらしい)らしい
無駄だからと学校に行かせない(働かせる)、親も多いらしい。
(親自体が小学校レベルの学すらない無教養だから教育の価値もわからないためらしい)
フランスもイギリスも似たような感じに思えるし、欧州の将来はどうなってるんだろうな
< 1ヶ月間の奉仕活動で、共同生活を行いながら救急措置、運転免許、テロ攻撃発生の際の対応など学び、軍隊、警察、消防署で奉仕活動を行う内容)導入
運転免許の所だけ見れば合宿免許()
日本だと免許取るのにウン十万かかるから有事に引っ張られるとはいえ1ヶ月でそれはあり寄りでは……?
ウクライナを見れば分かるけど徴兵をやりだすと戦争に限界が無くなっていつまでも終らなくなるし
徴兵することで政府が国民を統制下に置けるようになるのも民主主義の原理に反してるから個人的には徴兵制には絶対反対だけど
まあ、フランスは核兵器持ってるから片っ端から徴兵するような状況になったらそうなる前に核使ってるだろうから非核保有国ほど危険ではないかもね
でも日本でも徴兵議論をとか言い出しそうだから日本の保守派を勢いづかせそうなのはちょっと迷惑だな
>もう国の安全を守るには何らかの形で国民奉仕が避けられない状況だ
経済制裁されても経済的不利益は受け入れるからさっさと核武装してほしいけどなかなか来ないな
エマニュエル・トッド氏がこの間も推奨してたけど
てか、韓国が持たないと持ちづらいしユン大統領には期待してたんだけどなあ・・・
別に徴兵自体は議論すりゃ良いが、相変わらず数カ月間何やるかより、愛国心だの国民奉仕だの義務だの概念的な話しかないのは気味が悪いというか。
たった10ヶ月で持って帰るものは愛国心だけ(戦場で役立つ知識はありません)になっては不味いと思うんだがな。ロシアは確かに短期間の訓練で戦える兵士を送り込んでくるが、逆にウクライナなんかは訓練が足りない兵士を量産した訳で10ケ月促成兵士を活かせる環境を十分構築したのかと。カナダとかはドローンの使い方を教える云々と言ってはいるから、それならと思えたりもするが、ドイツみたいに東の塹壕に行きたくないだろとか言いだすと反発は必至だ。
フランスのファビアン・マンドン統合参謀総長が国民に「子どもを失うことを受け入れ、防衛品生産を優先して経済的な苦境に耐える用意がなければ、われわれは危機に陥る」と発言したそうですね。
踏み込んだ発言すぎて、「自主的兵役制度」に参加する人が減りそうな気がしますが…。