欧州関連

独AIロボティクス企業、ドイツ軍から自律型食品調理ロボット供給契約を獲得

ドイツのAIロボティクス企業=Circus Groupは世界初の完全自律型食品調理ロボット「CA-1」を開発して多くの商業契約を獲得、2025年5月には防衛分野にも進出してウクライナ軍から契約を獲得したが、2026年1月「ドイツ軍からもCA-1供給契約を獲得した」と発表した。

参考:Circus Defence Delivers AI Robots to the German Armed Forces
参考:Circus Defence Deploys AI Robotics with Ukrainian Ground Forces
参考:Circus SE Set for High-Volume Market Entry in the Defense Sector
参考:Circus SE Receives NATO Approval for Defense Contracts and Multinational Procurement Programs
参考:Circus SE introduces AI-Robot for Defense Operations
参考:CA-1 von Circus Defence – Bundeswehr beschafft KI-Robotik für die Truppenverpflegung
参考:Heavy UGV – Hanwhas Plan für MUM-T mit schweren autonomen Kampffahrzeugen

出生率低下に直面する国々は無人技術やAIに拒否感や嫌悪感を抱いている場合ではないのだろう

ドイツのAIロボティクス企業=Circus Groupは世界初の完全自律型食品調理ロボット「Circus Autonomy One=CA-1」を開発、中国の教育機関から5,400台導入に関する予備契約を獲得したのを皮切りにベルリン・ブランデンブルク国際空港、ケバブフランチャイズ、REWE West、Mercedes-Benzなど多くの商業契約を獲得、2025年3月「CA-1の量産体制が整った」「年間最大6,000ユニットの生産能力を備えた生産システムを構築した」「最初のCA-1は2025年5月に生産を開始して年末までに顧客へ届ける」と発表。

最新のCA-1 Series4は食材をセットアップするだけ自動的に調理を行い、1品あたりの調理時間は3~4分、使用した調理器具の洗浄まで自動で行われ、1回で最大500食を提供でき、CA-1に食材をセットアップする人間の作業時間も1時間以内と短く、CA-1は24時間365日稼働できるため「産業レベルの信頼性で食事を最小限の人員で供給可能」と評価されているが、Circus Groupはリスクの高い戦闘地域や遠隔地の野外作戦において部隊に食事を提供するCA-1の軍事バージョンを2025年5月に発表した。

Circus Groupはプレスリリースの中で「CA-1を過酷な作戦環境向けに再設計したCA-Mは野外での栄養補給ロジスティクスを自動化することで、人員がさらされるリスクを排除し、防衛作戦における貴重な人的資源の解放を実現する。部隊への初期配備に向けて複数のNATO加盟国および同盟国の国防軍との間で積極的な交渉が行われており、ミュンヘンでCA-Mの極秘デモンストレーションも実施した」と説明していたが、2025年8月にはNATO支援調達庁から正式な認定サプライヤーの資格を与えられ、NATOの主要防衛プログラムに参加が可能になった。

出典:Circus Defence

これを受けてCircus Groupは2025年10月「防衛分野に本格参入するため第2工場の建設を開始した」「2026年に第2工場が稼働を開始すればCA-1/CA-Mの年間生産量は10,000ユニット以上まで強化され、防衛分野の自律型食糧供給システムを実現する重要な企業としての地位も向上するだろう」と発表し、11月にCircus Defenceを立ち上げ、12月にウクライナ軍第3軍団とCA-1供給契約(第3独立強襲旅団の訓練施設に最大25台のCA-1を配備する内容)を締結、さらに2026年1月「ドイツ軍からもCA-1供給契約を獲得した」と発表して注目を集めている。

独ディフェンスメディアのhartpunktは23日「Circus Defenceはドイツ軍からCA-1供給と運用を委託された」「この自律型食品調理ロボットは勤務時間や任務からの帰還時間に左右されることなく、24時間体制で信頼性の高い食事供給を行うことができる」「最初にCA-1の運用がテストされるのはアルト・ドゥーフェンシュテットにある基地で2026年前半の稼働開始が予定されている」「CA-1は24時間体制で食事を供給できるため、交代勤務、訓練スケジュールの変動、食堂の営業時間外に訓練や演習から戻る兵士に温かい食事を提供できる」と報じた。

出典:Circus Defence

まだCA-Mの生産が立ち上がっていないためCA-1の採用、後方地域での運用テストに留まっているものの、演習や作戦地域の野営地でCA-Mの運用が始まり「食事の調理作業から人員を削減できる」と実証されればロジスティクスに大きな衝撃をもたらすかもしれない。

因みにHanwha Aerospaceは直接射撃および間接射撃用のプラットフォームを含む自律戦闘車両ファミリーを開発中だが、ファーンバラで開催された国際装甲車両会議で「2031年までに開発予定の大型自律戦闘車両に関する計画」を披露し、hartpunktは「多くの国が出生率低下に直面しているため無人プラットフォームやMUM-Tには多くの関心が集まっている」「人員要件を削減しながら現在と同等以上の戦闘力を維持・向上させられるかは効果的なMUM-Tの実現、1人が複数の無人プラットフォームを制御して交戦できる(One-to-Many)というパラダイムを確立できるかどうかにかかっている」と指摘。

HanwhaはMUM-T実現について「堅牢かつ広範な通信インフラに依存している」と言及し、OneWebの低軌道衛星通信と各車両グループを繋ぐMANET=モバイル・アドホック・ネットワークを用いた通信環境を提案したが、hartpunktは「この計画が韓国軍の戦闘能力を真に底上げするためには、One-to-Manyのパラダイムが確立できなければならない。そうでなければUGVに最低一人の人員が必要となり、人間を危険な最前線から遠ざけることはできても、兵力としての数的な増強=戦闘効率の向上には繋がらない」と述べた。

出生率低下に直面する国々は「これを補いながら戦闘力を維持・向上するアイデア」を模索しており、CA-1/CA-Mも無人プラットフォームやMUM-Tもその一端で、もう無人技術やAIに拒否感や嫌悪感を抱いている場合ではないのだろう。

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※アイキャッチ画像の出典:Circus Defence

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コメント

  • コメント (18)

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    • イーロンマスク
    • 2026年 1月 24日

    艦艇とか硫黄島のような僻地とか、そしてもちろん戦場とか
    人が行きたくない場所には向いてるのかも

    11
    • リンゴ
    • 2026年 1月 24日

    >使用した調理器具の洗浄まで自動で行われ
    >この自律型食品調理ロボットは勤務時間や任務からの帰還時間に左右されることなく、24時間体制で信頼性の高い食事供給を行うことができる
    普通に欲しい……!

    20
    • ネコ歩き
    • 2026年 1月 24日

    普段、あまり意識しない分野ですが、将兵には切実な問題ですよね。
    後方支援体制の充実は大事ですが同時に省力化・効率化が求められているところです。所謂デュアルユースとして需要があり今後普及が見込まれる機材で興味深く読みました。

    >中国の教育機関から5,400台導入に関する予備契約を獲得
    何年後かには中国企業が同等品を安く販売開始しそうですが。

    21
    • ななしのシロウト
    • 2026年 1月 24日

    わが国では「災害派遣でも使えます」と言うと、予算が通りやすいかも?

    9
      • ブルーピーコック
      • 2026年 1月 24日

      問題は壊れた時にちゃんとバックアップを用意してあるか、現地修理できるのかというところですかね。まだまだ発展途上だと思うので。
      自衛隊の野外炊具1号は現地修理できたのに、1号(改)は後方に送らなければならなかったみたいな話を聞くに、どうしてもその辺は気になります。野外炊具1号(22改)は簡素かつより高効率化してるとは聞きますが。

      18
    • 名無し
    • 2026年 1月 24日

    ドイツ人の食のハードルの低さを考えると
    出来上がりのクオリティは信用ならんな

    12
    • 無印
    • 2026年 1月 24日

    声は堀江由衣さんですか?

    4
      • ブルーピーコック
      • 2026年 1月 24日

      日本だとのぶ代(AIの姿)かも。普通に水田わさびさん起用しろという話だけど

      3
    •  
    • 2026年 1月 24日

    省力化は良いとしても、どうあがいても足りてないのは前線勤務で、後方勤務員まで前線へ送れる!って言ってもそうなると募集にすら誰もこなくなるんじゃ?腐ってもどの国も豊かなんだし。

    5
    • ブルーピーコック
    • 2026年 1月 24日

    人手不足だから機械に頼るのは合っていると思うので、今さらラッダイト運動(蒸気機関打ち壊し)みたいな事をやっている場合ではないのだけれど、人手不足を補えても少子化は別問題だと思う。本人の資質のみならず、育児費用や教育格差も関わってくるから。

    12
    • MK
    • 2026年 1月 24日

    ロボシステム自体は凄いと思いますが現場(前線)で調理する必要あるのかと思ってしまいます。今の冷凍とか常温パックを食べるとき加熱、加冷の方が合理的な気がするのですが。と思いましたが動画見るとやってる事はそんな感じですね、見栄え良く、個々に味の調整出来るのは良いですが店舗はともかく現場(前線)に要るかな、提供時間が結構かかるみたいだし。

    3
    • John Smith
    • 2026年 1月 24日

    軍隊だと調理場も攻撃対象だから自動化できるのは良いね。

    当然、自衛隊も調理場が化学兵器などで汚染される訓練をするんだけど、訓練が終わった後の食事も消失するので、攻撃が無かったことになったり汚染された環境で調理を続行したりと訓練が骨抜きにされているとかないとか。

    4
    • Kaeru
    • 2026年 1月 24日

    もう沈黙できないねぇ

    1
    • T.T
    • 2026年 1月 24日

    へえ、こんなの有るんだ。食堂やレストランやラーメン屋の奥にこいつが並ぶ日も近いのだろうか。

    5
    • 黒丸
    • 2026年 1月 24日

    この機械のHP見ましたが、米軍のAレーション相当のものが自動調理できる感じですね。
    ただ、出来るのはパスタ系かどんぶり飯・サラダボールのような1皿完結ものなので連食は飽きてくるかも。
    どこがAIなのかよくわからないですが、トマトの半分をサラダに使い残りをパスタソースに使うといった
    主婦的な食材の使いまわしができるのがAIなのかも

    1
      • kitty
      • 2026年 1月 24日

      レーションパックを大量にレンチンできるシステムより、いい点があるのでしょうかねえ。

      「紅茶。アールグレイ。熱いのがいい」

      なんてできるなら画期的ですけど。

      2
        • 台湾大好き
        • 2026年 1月 25日

        英国兵A「こいつはダメだ!、ミルクをあとから入れてやがる!」、
        英国兵B「お前わかってないな、先に入れるのは適度な熱さのお湯なんだよ、ミルクは後だ!」

        3
          • T.T
          • 2026年 1月 25日

          CA-1「お湯は電子レンジで沸かし、塩をひとつまみ入れます」

          1

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