ドイツのピストリウス国防相は15日「約束通りレオパルト2をウクライナに提供するのは難しい」と明かし、比較的新しいレオパルト2で構成される戦車大隊は定数(31輌)に届かない17輌か18輌編成になる見込みだ。
参考:Украина получит от союзников меньше танков Leopard 2, чем обещали – глава Минобороны Германии
参考:Noch einiges an Arbeit zu tun
参考:Welt: The Netherlands and Denmark will not supply Leopard 2 tanks to Ukraine
ファーストステップの不足分はフィンランドのNATO加盟承認を待たなければならないのかもしれない
ドイツのショルツ首相は先月25日「ウクライナにレオパルト2A6を14輌提供する」と正式に発表、さらにピストリウス国防相は「ファーストステップとして連邦軍の在庫から比較的新しいレオパルトを提供し、パートナーと共に最初の戦車大隊をウクライナに提供する予定だ。さらにセカンドステップとして旧型のレオパルトで2つ目の戦車大隊を編成する必要があるが、これには少し時間がかかる」と説明していた。
ウクライナにレオパルト2を提供すると表明、もしくは提供を検討中と報じられていた国はドイツ(A6×14輌)、オランダ(A6×18輌)、ポルトガル(A6×3輌~4輌)、デンマーク(A7×数量不明)、スウェーデン(A5相当のStridsvagn122×数量不明)、ポーランド(A4×14輌)、ノルウェー(A4×8輌)、カナダ(A4×4輌)、スペイン(A4×4輌~6輌)、フィンランド(A4もしくはA6×数量不明)の10ヶ国で、恐らくファーストステップの戦車大隊は比較的新しいA5~A7で構成し、セカンドステップの戦車大隊はA4で構成する予定だったのだろう。
しかしオランダ陸軍が保有するレオパルト2A6はドイツ陸軍との混成部隊(第414戦車大隊)で運用していたため独側が提供に反対、デンマークはレオパルト提供のグループに加わったものの「レオパルト1の改修費用を支援してA7は提供しない」と発表、フィンランドは「NATO加盟が承認されるまで戦車提供に関する決定を保留する方針」と報じられており、ピストリウス国防相は「ファーストステップの戦車大隊は大隊編成に及ばないが、ドイツ分だけは3月の最終週に届けられるだろう。A4は状態が悪いため大半が4月末の到着になる」と明かした。
つまりファーストステップの戦車大隊は「A6の17輌もしくは18輌編成」に、セカンドステップの戦車大隊は数は足りているものの「引き渡し完了は4月末」になる見込みで、1日でも早く届けて欲しいと要求していたウクライナにとってはやや期待外れな結果だ。
今のところファーストステップの不足分を埋める戦車提供について特に言及はなく、フィンランドのNATO加盟承認を待たなければならないのかもしれない。
追記:スウェーデンとフィンランドを勘違いしていた箇所を修正
関連記事:独米、レオパルト2とエイブラムスのウクライナ提供を正式発表
関連記事:スペインがレオパルド2A4を春までに提供、西側は計321輌の戦車をウクライナに提供か
※アイキャッチ画像の出典:Photo: SGM Marco Dorow, German Army
NATO加盟には全会一致が必要なのを人質にした
エルドアンによる恫喝外交が最悪の形でウクライナ支援妨害に繋がりましたね
エルドアンはマジでいい加減にしろ
コーラン燃やして挑発するほうが悪い
コーラン燃やした輩なんか、ただのバカかロシアの手先なんだしあんまり感情的になってもなぁ…と、外野からしてみれば思いますが、当事者の立場になったらまた違うでしょうね。
日本の状況で言うと例えば隣国で反日扇動している連中はけっこうな割合で北の手先だ…という事は頭では理解できても、それにしても心情的にはいい加減にせぇという思いは抑えられない。
とは言え、やはりエルドアンのやり方は行儀が悪い。
宗教やクルド問題は対露同盟たるNATOとは無関係なのだから、そこは切り離して取り扱うべきであって、NATO加盟を人質にそちらをネゴするのはかなりチンピラ臭い。
これも日本の状況で例えるならば、韓国が歴史カード使って日米韓連携を渋り、日本に譲歩を強要するようなもので。
日本はそれでもこれまでは同盟政策重視のためにできる限り譲って来ましたし、マトモな国の外交はそのようなものです。
尤も、最近では流石に譲れなくなって来ましたが…
トルコはイスラム教徒が多数を占めるんだから、問題を放置すればエルドアンが吊るされかねない。
イスラム教徒が命よりも大事にしているコーランを燃やすということがどれだけ危ないことか、もう少し考えるべき。
燃やした輩は考えてるわけ無いですよね。いや、考えてるからこそか?まぁどちらでもよろしい。
バカの思考回路を考察することに大した意味はないので。
問題なのは、中央政府の統治能力だと思います。
外交懸案をきちんと国民に説明して、納得させることが出来るかどうか。
無理矢理押さえ付けてもいけないし、さりとて国民情緒に流されるままでは政府の存在意義がない。
まぁこれは万国に共通する永遠の課題でしょうが。
いつもズレたこと言ってるけど、もう少し政治や宗教について勉強したほうがいいよ。
北欧二国のNATO加盟問題については、そうですね。
コメント欄の大勢とは“いつもズレている”な、とは思います。
もう少し勉強したら…というご指摘に関しては、“もう少し”具体的な内容が欲しいところですが。
〉宗教やクルド問題は対露同盟たるNATOとは無関係なのだから
他の国にとってはそうですがトルコにとっては関係あると思いますよ。民族即国家とは言いきれず、また宗教即生活な訳ですから、政治はそれに絶えず絡んできます。
「コーラン燃やしたことをNATO加盟とは別問題として扱え」というよりも、だれがコーランを燃やすような意思を持っているのか?スウェーデン国民の大多数の意思なのか?このような方法で北欧のNATO入りを邪魔して得するやつが他にいるのではないか?ということをエルドアンはよく考えて国民感情をコントロールするのが国家・政府なのではないか?ということでしょう。
今回の地震の件でも国民感情に流されて建築業者をしょっ引いているみたいですし、ポピュリズムに走りすぎという印象はぬぐえないです。
燃やした輩を馬鹿と評するなら、その場かを放置する国と同盟なんか出来るかとトルコなら言えるんじゃないでしょうかね?
コーランを燃やした人物はスウェーデン国籍を持つ「国民」なわけで、国民の表現の自由を憲法が保障している以上、スウェーデン政府はこれを制限したり処罰したりはできません。
一方、トルコ政府はスウェーデン政府の立場を認めつつも、件の抗議行動は許容できない反イスラム的ヘイトクライムだと認定しています。この認識はイスラム国家では恐らく共通のものかと。
それぞれの文化に根ざした譲れない価値観の違いとしか言いようがないんですが。
スウェーデン政府は、
クリステション首相「表現の自由は民主主義の基本だ。しかし合法的なものが必ずしも適切とは限らない。」
ビルストロム外相「わが国には広範な表現の自由があるが、表明された意見を政府や私自身が支持することを意味しない。」
と語り、トルコ側の理解を求めようとするのが立場上精一杯でした。
エルドアン大統領は大統領選挙と議会選挙をことし5月14日に実施する意向を示しており、求心力を強める材料にしたいでしょうから、それまでは事態に変化が無い可能性が高いのかと。
相手国政府により政治的に利用されてる面も強いですが、表現の自由が憲法で保障されている以上、同様の事態は我が国でも起こりえます。
軍事同盟なんだから、スウェーデンがロシアに侵略されたら、トルコもスウェーデンを命懸けで、国の命運をかけて防衛しなければならない。
トルコからしたら、今のスウェーデンを命を張って守れるか?無理だと言うのは分かる。
あなたの言う日韓で例えれば、文政権みたいな例があるなか、日本が韓国を命懸けで守ろうとは思いません。現に、日米と米韓はそれぞれ同盟国でも、日韓は他人です。
トルコからしたら、ゴネているというより、軍事パートナーとして運命共同体になりたいなら、最低限の対応をしてくれと言ってるだけかもしれませんね。それが出来ないのであれば、トルコ以外と個別に同盟結んでくださいと言われても仕方ないかと。
そうですね。
その仰りようは分かります。
とは言え、最初にぶら下げたコメントに書いた通り、日本は日米韓三角同盟の枠組みを守るために、韓国にはかなりの程度譲歩して来たわけです。
それと「命を賭けて韓国を守るか」とは距離がありますが、それでも半島有事の際に「竹島を不法占拠する反日韓国に後方支援はしない」といった意見が日本国として採用されることはないでしょう。これが節度ある態度というものです。
対して、無軌道な外交をする国だと「経済報復でホワイト国外しをやるような国とはGSOMIAを継続できない」なんて平気で言い始めたりします。
当時日本としては、「オイオイ勘弁してくれよ、全然違う話だろ?」となりましたよね。
今トルコがやってるのはコレ。派兵義務と後方支援か、加盟前と継続破棄か、それぞれディティールが違う上に欧州の人権問題なんて脂っこい味付けがされているので、分かりにくくなってますけどね。フレームは同じですよ。
コーラン燃やしたなんて形だけで、本当に問題なのは、フィンランドが誠実に解決したトルコの要求を、同じように解決しない奴だろう。
NATO加盟は全加盟国一致が原則なんだから、トルコがなんか言ってくるなんて当然じゃん。それに備えていない政治家は、認識があまりにもアタマお花畑すぎる。
スウェーデン政府がトルコの引き渡し要求リストにあった一部人物の引渡しを拒否したのは、司法が引渡し差し止めの判決を下したからでどうしようもないらしいです。
エルドアンは強かだとは思うけど欧州は人権至上主義者と環境至上主義者が幅を利かせすぎると思うんだよな
国民を守るためにNATOに加盟するためにマイノリティ(なトルコ政府にテロリスト指定されている組織)は見捨てますって言えないんだろうね。ポリティカル・コレクトネスが国民を殺さなきゃ良いのですが
それを言い出すと見捨てるべきものが一杯でてきちゃいますね。ウクライナもそうだし台湾もそうだし日本も見捨てられるでしょうね。
フィンランドがデンマークを見捨てて単独加盟をしたらレオパルト2は提供出来るのでは?
デンマークは記事だとレオパルト2を提供しないみたいですし、トルコもフィンランドの単独加盟を認める可能性を言及しているみたいです。
フィンランド国内でも単独加盟を支持する声が過半数を超えていると言うニュースもあるみたいですから。
フィンランドにすれば、裏口に当たるスウェーデンがNATO同盟国であるか否かは地政的重大事なんじゃないでしょうか。仮に有事においてスウェーデンが中立政策を取るならNATO軍の救援に支障をきたすかもしれません。
まあ、国民の大多数が要求し、安全保障情勢が切羽詰まれば単独加盟の決断はあると思います。
コーランを燃やした者は、この件で利益を得る国の手先
なんだか皆様とてもピント外れな方向に議論が行ってますが、一部の民衆がコーランを燃やしたくらいで外交の方針に影響が出ることなんてありません。
トルコの立場はもっと単純な実利の話です。
NATOの支援下でロシアがドンバスでやったのと同様のことをシリア北部で行っているトルコにとって、NATO外でこの「反体制派支援」を批判し続けていた北欧二国は非常に目障りな存在でした。
これをNATO入りというモメンタムを利用して解消しシリア介入の支持を強制しようとしたのがことの発端であり、それに反発して民衆の反トルコ感情が高まり、コーランが燃やされるなどといった運動まで起こった、という流れです。
もちろん背景に移民排斥感情もあってのことではありますが、コーランを燃やされたからNATO入りで揉めているわけではありません。
はっきり言って見ていて馬鹿馬鹿しいのでコーランが燃やされたからどうのでコメントを伸ばすのは止めてください。
ウクライナの戦車大隊は40両だと思ってたけど、ソ連式だったんだ?
もう面白過ぎる
NATO諸国で戦車を新造している国はないので、全てキチンと近代化改修してから送った方が良いのではないか。
弾数が限られているので、質で補わざるを得ない。
機密もあるだろうが、どうせオーバーホールしなければならないのだから、Leopard2A7やLeopard1A6に改修して、数を揃えてから送らないと、逐次投入で無駄遣いして、後補充が無くなる。
さすがに機密の塊である現行最新型のA7を送るのはまずいのでは。鹵獲や横流しで機密が漏洩したらNATO全体にとって大きなマイナスですし。
> 逐次投入で無駄遣い〜
正論だけど 今直ぐに欲しいってのがウクライナ側の要求だからA7相当の改修は後で良いんじゃないかな
例えば破損時に引き上げた分を順次。。。とかね
兎にも角にも 数が無いとハナシにならない
旧式でも何でも先ずは引き渡して戦線を安定させて頂きたく候
4月に投入できるのは、定員割れの1個大隊、せいぜい中隊レベルであり、このままでは巨匠・小林原文氏の代表作品、
「黒騎士中隊」
だとか、あるいは巨匠・松本零士の
「戦場まんがシリーズ」
に出てくるような戦車隊のような感じになりかねません。
エルンスト・バウアー的な指揮官に率いられる、ロシア戦車の大群に立ち向かう1個中隊強のレオパルト2戦車、絵的には壮烈の極みですが、その結末には大きな不安や嫌な予感を感じます。
それはそのままロシアに対する意見になるのでは?
WW2のソ連を支えた米英のレンドリースは今は存せず、逆にウクライナを支えている状態です。つまり、先の大戦のドイツが現在のロシアに、ソ連が今のウクライナに該当している訳なのです。
孤立を深めるロシアの行く末には大きな不安や嫌な予感を感じます。
ちょっと違うんじゃないかな。
ざっくり比較ですが、WW2開戦前夜、ソ連とドイツのGDPはほぼ拮抗。日本と伊は夫々ドイツの半分。連合側はアメリカがソ連の倍、英は8割、仏は半分。連合側は経済力で倍以上あったし、ソ連は単独でドイツに比肩する体力があった訳です。レンドリースはソ連勝利の重要だが1パーツに過ぎません。
翻って現在のGDPを見ると、ウクライナはロシアの9分の1程度しかありませんが、その支援国は世界総生産の約半分を占めます。つまり西側支援はウクライナの生命線です、無ければ負け確、というか勝負にならない。
(ちなWW2前夜のソ連GDPの9分の1だと、蘭や西です。)
ロシアが孤立を深めていることは間違いないですが、ウは他人の財布で辛うじて防衛できているに過ぎません。
ポーランドなんかが口だけは勇ましいのに自分たち全然供与しないから後退してきたな
ドイツならいくら叩いてもいいくらいに思われてるドイツが可哀想
ドイツ国民の心の中のナチスが騒ぎ始めてもおかしくない
散々ドイツを煽っておいてこの結末はちょっと頂けませんね…。
そう言えばフランスもルクレールを出すと言った後続報を耳にしませんがどうなったんでしょう。
ジャポネのキーウ訪問。。。
うっ アタマがッ。。。
ポーランドはPT-91を含むT-72系の戦車を供与しているし、レオパルト2を供与しているとも言っている。
レオパルト2を供与するまでに3か月かかると言っているので最速四月頃の引き渡しになるだろう。
PT-91等T-72系列の供与が先立って行われて、Leopard2等の時間を稼ぐようです。
その間にLeopard1&2等の改修を進めていければと思うのですが。
あと、AMX-30も残っていないかな。
こいつも120mm砲が積めるのだが。
M48/60系列の話が出て来ないが、全て廃棄した後かな。こいつらならL55 120mm砲も積めるのだが。
やはりここはジャパニーズレオパルトのType90をだね(ry
この記事の読者に勘違いしないでいただきたいのはドイツが悪いのではないということ。
いやはや欧州の天地は複雑怪奇。
リンク
多分ですが。
ヨルダン陸軍で保管状態のチャレンジャー1を、
買収して供与するのが一番数が揃いそうな気がするのですが。
ロシア側の戦車の様子にもよるのですが、
十分に相手ができそうな気がします。
WIKIによると、ヨルダン陸軍は、チャレンジャー1を318輌保有し、
また、別の話によると、ちょうど更改の時期で保管状態のものがあるとのこと。
80年代水準のレオパルト2A4だと現行ロシア軍主力APFSDSの3BM42に正面装甲を貫通される可能性が高いそうで
2A5や2A6でないと辛い
> フィンランド(A5相当のStridsvagn122×数量不明)
フィンランドはA6だと思うがこの内容ってスウェーデンの話じゃないだろうか。