ウクライナ戦況

ドイツの装備交換が実現、ギリシャがウクライナへBMP-1の移送を開始

ウクライナのクレバ外相は19日、ギリシャがウクライナへBMP-1の移送を開始したと明かし「この装備が到着次第、我々の戦闘力と防衛力は即座に強化されるだろう」と述べている。

参考:Греция начала поставлять боевые машины пехоты Украине, – Кулеба

移送開始まで4ヶ月かかったもののギリシャはドイツの装備交換が実現、40輌のBMP-1がウクライナに向かう

今年6月にギリシャはドイツは歩兵戦闘車のBMP-1とマルダーの装備交換(Ringtausch)で合意していたが、BMP-1のウクライナ移送は「提供分と同数のマルダーを受け取ってから」という条件をつけたため、早くても8月以降になると見られていたが、ギリシャはウクライナへBMP-1の移送(40輌)を開始したと報じられている。

出典:Sonaz / CC BY-SA 2.0 DE

ウクライナのクレバ外相は19日、ギリシャがウクライナへBMP-1の移送を開始したと明かし「この装備は国を守るのに重要でBMP-1の移送開始は待ちに待った瞬間だ。この装備が到着次第、我々の戦闘力と防衛力は即座に強化されるだろう」と述べており、この会見に同席したギリシャのデンディアス外相にも謝意を述べた。

因みに装備交換に合意した当時、ショルツ首相は「この方法なら旧ソ連製の戦車(歩兵戦闘車)をウクライナに早く届けることができる」と誇らしげに語ったが、ギリシャ国内では「なぜドイツ人は直接武器をウクライナに渡さないのか?なぜ時間のかかる複雑な方法に拘るのか?」と批判の声が上がり注目を集めたことがある。

関連記事:ドイツのウクライナ支援を批判するギリシャ、なぜ直接武器を供与しないのか?

 

※アイキャッチ画像の出典:Konflikty.pl

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コメント

    • xyz
    • 2022年 10月 19日

    ないよりはマシだとは思うが今更BMP-1ってどうなん?
    追加装甲はされているとは思うが鉄の棺桶になりそうで怖いわ。

    5
      • 横田
      • 2022年 10月 20日

      そりゃ旧式だけど現地のウクライナ軍は砲撃の中をハンヴィーや民間車両で決死突撃してる状態なわけで
      そんなのと比べたらBMP-1でも雲泥の差でしょう

      32
        • 名無し
        • 2022年 10月 20日

        榴弾砲(HE弾)撃ち込まれたら、範囲一帯のジャベリン持った歩兵とソフトスキン車輌はやられるけど、BMPは耐えるからな。
        点兵器で狙われたらやられるとしても、範囲兵器に耐えられるのは、やっぱ強い。

        9
      • 月虹
      • 2022年 10月 20日

      ウクライナの運用方法を見る限り、BMP-1・BMP-2は基本的に歩兵は車外に搭乗(タンクデサント)し、攻撃があったら即座に飛び降りて歩兵戦闘車を銃撃から守る遮蔽物としつつ射撃を行うという運用方法を取っているケースが多数なので、BMPの弱点を知ったうえでの上手い運用方法だと思います。

      ロシア軍から鹵獲した少数のBMP-3は車高が高く、かつ重武装なので西側の歩兵戦闘車の様に火力支援に用いているケースが多い様です。

      16
      • 千葉の猫
      • 2022年 10月 20日

      既出だけど装甲なにそれなソフトスキンで突撃してるのに比べたら
      旧式だけどATGMと口径ちっこめ&命中率イマイチでも低圧砲があり機銃も積んでる
      重機に耐えることが出来ないレベルであっても装甲あって装軌で不整地でも動けて
      限定的だけど渡河もできる

      ないよりマシでソフトスキン使うより100倍マシ なんでしょうねぇ
      できればBMP-2以降が欲しいにしても

      12
    • kitty
    • 2022年 10月 19日

    BMP-1とマルダーが世代違って、交換する意味があるならまあわかるけどギリシャにしてみれば何の意味があるんだ?と思いたくなるのも無理はない。
    BMP-1にしろマルダーにしろヴェクトロニクスとか関係するような世代では無いだろうし、さすがに戦闘機ほどの慣熟が必要な兵器でもないでしょうから。

    7
    • 航空太郎
    • 2022年 10月 19日

    BMP-1って、第四次中東戦争(1973年)の頃から働いてる年代物だった筈ですが……。
    見た感じ綺麗に整備されているっぽいけど、装甲が薄くて中が狭くて、と色々問題ありありなんですよね。
    あ、でも日本でいえば、74式戦車と同世代、日本だって74式戦車は近年まで現役でした。
    民間SUVに比べれば立派な装甲車両ではあるので、要は使い方ってところとは思います。
    ウクライナなら、上手く使ってくれるでしょう。

    15
    • pon
    • 2022年 10月 19日

    どこからギリシャがBMP-1を調達したのか気になる所と調べましたら、ドイツから旧東ドイツ軍車両を500台購入し現存車両約200台で稼働車両がおおよそ140台との事。
    そして車両の生産国だチェコスロバキア製だとか。
    ギリシャ陸軍が西側仕様に色々と改造した車両ですね、ギリシャのBMP-1A1。

    7
    • けい2020
    • 2022年 10月 19日

    えっ、ドイツに他国に渡せるようなマルダーなんて合ったの?
    自国分すら全く足りてる様子がなかったかと記憶してるんだが、
    たった5年未満で全部改善した?あのドイツが?

    3
      • 名無し
      • 2022年 10月 20日

      マルダーは個人的には、後向き機銃のビデオカメラの解像度が気になる。。。70年代のビデオカメラ。。。

    • cal
    • 2022年 10月 20日

    確かに砲弾が直撃すれば棺桶になるだろうが、それは他の歩兵用戦闘車両もそう大差はない。
    だが、そもそもウクライナ軍は戦車同士でガチンコで撃ち合うような戦い方をしない。
    ひたすら後方の兵站を叩いて丸裸になった敵歩兵を追い立てるために使っている。
    歩兵相手なら走行が多少薄くてもそれほど問題は出ないだろう。
    またBMP-1はウクライナでももちろん製造されていたし、ウクライナ独自の改良型さえ開発していた、ウクライナ軍にとってはよく知った車両だから使いやすいというのはあるだろう。

    11
    • タイヤキ
    • 2022年 10月 20日

    ロシアがドイツ大使館攻撃して今ドイツのロシア感情最悪だから、ドイツ軍も嫌々装備渡しただろうな。
    政府がロシア擁護すれば政権が転覆しかねない。

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