海外メディアは、ドイツ陸軍が導入中のプーマ装甲歩兵戦闘車は稼働率が低すぎて訓練をまともに行う事ができず、一般的な乗用車を「プーマ装甲歩兵戦闘車」に見立てて訓練を行っていると報じている。
参考:Germany shamed as army soldiers are forced to use their cars as tanks due to gear shortage
ドイツ軍の兵士はプーマ装甲歩兵戦闘車で訓練していると思いこむ必要がある
ドイツが開発した最新のプーマ装甲歩兵戦闘車は複雑なメンテナンスとスペアパーツ不足の影響で稼働率は約19%(280輛中たった53輛)まで低下しており、搭載している電子機器やソフトウェアは頻繁にクラッシュするため長距離を移動したり、敵と交戦する任務に投入するにはリスクが高く、暗号化された音声やデーターを高速でやり取りするための通信機が装備されていないため前線で交信を行えば高い確率で交信内容を傍受されると指摘されている。
参考:訓練も無理?通信も無理?敵との交戦も無理? ドイツが手を焼くプーマ装甲歩兵戦闘車の欠陥
補足:正確には現在の装備でもデーターの送受信は可能だが、時代遅れなほど低速(帯域幅が狭い)なため限定された範囲で非常にゆっくりとならデータの送受信が出来るというレベルで、無人機の活用や戦闘機と目標の情報を共有する時代においては性能不足だと言わざるを得ないシロモノだ。
そのため軍はプーマ装甲歩兵戦闘車を装備する部隊にたいし、問題の解決策を考案して革新的な訓練機会を創造するよう指示をだしたという。
要するに軍の上層部は遠回しに「プーマ装甲歩兵戦闘車が動かないなら別の何かで代用せよ」と言っているのだ。
そのためプーマ装甲歩兵戦闘車を装備する部隊では「一般的な乗用車」をプーマ装甲歩兵戦闘車に見立てて訓練を行っており、車を運転する兵士は車ではなくプーマ装甲歩兵戦闘車を操縦しているのだと思い込み、兵士達は乗用車から飛び出して展開する際、車から飛び出したのではなくプーマ装甲歩兵戦闘車から飛び出したのだと思い込む必要があるとドイツメディアは皮肉っている。
これはNATO演習でほうきの柄を黒いペンキで塗って機関銃に見立てた事件と連想させ、ドイツ議会の野党はプーマ装甲歩兵戦闘車について「国防省が計画した中で最も酷い誤りの一つだ」と批判した。
ほうきの柄事件とは、ウクライナ危機に対応して2014年に実施されたNATO演習での話した。演習に参加したドイツ陸軍の第371装甲擲弾兵大隊は部隊が装備するべき兵器を確保出来ておらず、ラインメタルMG3機関銃は定数の69%、H&KP8拳銃は定数の59%、暗視装置は定数の25%しか持っていなかった。
さらに同部隊に配備されているボクサー装輪装甲車に搭載するべき機関銃も喪失していたため、基地にあったほうきの柄を黒いペンキで塗って機関銃を装備していると見せかけることにしたのが「ほうきの柄事件」だ。
当初、この実態をメディアに追求されたドイツ陸軍は「ボクサー装輪装甲車は部隊本部として使用していたので武装することを想定していなかった」と誤魔化したが、そもそもボクサー装輪装甲車が不足し、部隊の移動に一般乗用車を使用して部隊を移動させていたことが発覚し、機械化された歩兵部隊であるはずの第371装甲擲弾兵大隊になぜ定数分の兵士を移動させるボクサー装輪装甲車がないのか議論になった。
補足:機械化された歩兵部隊とは、歩兵戦闘車などに搭乗することにより戦車部隊に追随できる機動力や戦闘力を有する歩兵部隊のこと。
後に、この事件は「ドイツ陸軍最大の恥」だと表現されるようになる。
要するに、まともに動くプーマ装甲歩兵戦闘車が無いため、兵士達が一般的な乗用車を使用しながらプーマ装甲歩兵戦闘車で訓練していると思い込まなければならない状況は、ほうきの柄事件と同様に「ドイツ陸軍最大の恥」だと言っているのだ。
流石に管理人も「車から飛び出したのではなくプーマ装甲歩兵戦闘車から飛び出したのだと思い込む必要が~」という下りで笑いを堪えきることができず吹いてしまった。
アイキャッチ画像の出典:Christine zarschler / stock.adobe.com
そのうち、「訓練したつもりで」となりそう。
新手のマインドコントロールみたい。
エアプーマ・・・
なんで作ったんだ?
ワイマール時代の再軍備前みたいに自転車にハリボテ乗っけて演習したら良いのに
伝統だよね。
陸自も20年くらい前は訓練で陸自の通信機使わずに隊員の自前携帯使って訓練時の通信をしていた、という都市伝説があったので、ヒト・カネ・モノのリソース不足になるとどこでも同じような事象はあるんでしょうね
物はあるけど、通信環境が不安定過ぎてホントの緊急時には個人で買ったレシーバーやケータイで連絡を取り合う事は実際にありましたね…と元陸がぼやいたり
訓練なら歩兵戦闘車より普通の車の方がいいかもしれない
エアコンついてるし
メルケルは実に効率的にドイツを破壊したよな
ドイツ軍人可哀相すぎる・・・
こういう時ドイツ軍人なら「俺の決をなめろ」って言うんでしょうね。
(某コミックより)
要するに、
要するに、
現状EUで一番ウハウハのドイツがこの状態では中国が飛んだら銀輪部隊の出現が現実になるかな。
中国はコロナウイルスでそろそろ飛びそうだが。
これで自衛隊より多い予算をもらっているんだからシャレになってない
そこが不思議なところですね。
まあ、前の、その前の大戦でも対ロシアってことなら、キモはポーランド、ウクラウナ、ユーゴ、バルト3国(隣にはおロシアの飛び地にカリーニングラードもある = 不凍港でもある)、北欧の3国だからなあ、
EU諸国(除く、ドイツ)+イギリスにとってはドイツが軍事的な強大国なるのは悪夢の再来って思うだろうし・・・・
EUへの供出金を増やして(特にドイツ分)、ポーランド以下の防備を固める方が理に適ってる(+韓国の国民の同意を得られる)かもね
自衛隊の訓練でも、実弾はもちろん空砲でもなく…
ダダダダダダッ… と口で言いながら銃を撃っている体で突撃…
なんていうのがある( あった ? ) なんていう話しも聞くが……
装甲車から飛び出しているつもりで乗用車から… って………………
>ダダダダダダッ… と口で言いながら銃を撃っている体で
それテレビで見たことあります。
なんかすごく虚しくなった記憶があります。
アメリカでも、訓練では口でバンバンと言ってますよ。
タイミングや手順を覚える段階では、実弾必要ないですから。
自衛隊は実弾訓練の取材はほとんどさせないのでしょう。
たまに撃つ、弾がないのが、たまに傷
時々、空薬莢を1個紛失…とかで、見つかるまで探す…なんてことがニュースになるから
実弾訓練はしてるはず…
これはひどい…
実際に運用してなきゃ蓄積されないノウハウとか沢山あるだろ
車では走れた未舗装路が装甲車だと自重で埋まって走れないとか
逆に車では走れない泥濘地も装甲車なら走れるとかさ
普段ワゴン乗り回してるドライバーが有事にぶっつけ本番で装甲車動かすとか考えたくねぇな…
いまのドイツ軍で、有事の時、動かせる装甲車があると思いますか?
つまり有事でもワゴンで出動することになるのか…
ファントムの共喰い整備といい、ドイツ軍の困窮はもう限度超えてるような…。
F-4は、退役済だよね。
まぁ、自衛隊の場合は敵の装甲車役が3トン半や高機動車だし、ヘリの代わりが3トン半ってこともある(人呼んでトラボーン)から一概に批判できないけどさすがに一般的乗用車っていうのは聞いたことが無いな・・・
>ダダダダダダッ… と口で言いながら銃を撃っている体で突撃
実は空砲よりそっちの方が気楽に訓練できる、空砲を撃つと銃の手入れが実弾より大変だし、薬きょうなくしたら大変って組織で演習で空砲なんて撃つとそっちの方に気を使ってろくに照準もせず手元ばかり見るようになる、しかも民家の近くだと夜間は使用禁止の演習場なんてものもあるから、ますますもって本来の訓練と違うところで気を回すことになるよ
NATOラインが東にずれたらドイツはガタガタ、ある意味わかりやすい
日本の国境はどこだい?って改めて考えさせられる
もうハイラックスでいいじゃん
マンシュタインさんが泣くわ