ドイツはFCASの次世代戦闘機開発におけるDassaultとAirbusの対立問題について「年末までに政治的解決策を見つける」と説明していたが、Financial Timesは17日「両国が次世代戦闘機の共同開発を中止し、協力の範囲を戦闘クラウドに限定する案を検討している」と報じた。
参考:Berlin and Paris discuss scrapping joint fighter to focus on air ‘combat cloud’
まだ決定されたことは何もないが、FCASを取り巻く状況のみで判断すると次世代戦闘機の開発中止に向かっているのだろう
フランス、ドイツ、スペインは将来戦闘航空システム(Future Combat Air System=FCAS)の共同開発を進めているものの、Dassaultがワークシェア配分の3ヶ国合意を無視した主導権を要求し、ドイツのメルツ首相は「このままではFCAS計画を続けられない」と、Indraのデ・ロス・モソス最高経営責任者も「Indraとスペイン国防省はFCASに対する立場について完全に一致している」「計画に33%出資するのであれば33%の利益を受け取らなければならない」と述べ、フランス側にFCASのワークシェア比率を守れと要求。

出典:AIRBUS
この問題についてドイツ側は「年末までに政治的解決策を見つける」と説明していたが、Financial Timesは17日「ドイツとフランスが次世代戦闘機の共同開発を中止し、戦闘クラウドと呼ばれる指揮統制システムの開発に注力することを協議している」と報じている。
“両国は今週予定されている会合に向けて「協力の範囲を戦闘クラウドに限定する案」を検討しており、この問題に詳しい当局者らは「欧州に複数の次世代戦闘機があっても問題はないが、これに対応するクラウドシステムは1つにする必要がある」「FCASを構成する有人機部分以外の要素は全て上手く機能している。なぜそれをやる必要があるのか?FCASの全てを止める必要はない。必要なのは戦闘クラウドシステムだ」「協力の範囲を戦闘クラウドに限定することで計画のタイムラインを2040年代から2030年代に前倒しできる」と述べた”

出典:Dassault Aviation
“ピストリウス国防相は14日「FCASを継続すべきか、どのように継続すべきかについて協議を行っている」と述べたものの、ミュンヘン連邦軍大学の教授は「これは離婚を宣言しないまま別れるようなものだ」「子供が家を出るまで離婚を実行に移そうとしない夫婦のようだ」と指摘し、この計画に関与する多くの人々も「もはやDassaultとAirbusの拗れた対立を解決するには手遅れだ」と考えている”
“あるフランス人は「この合意は完全に行き詰まって破綻寸前だ」「もはや信頼関係は失われ双方が相手の合意違反を批判し合って修復は不可能だ」「これを救う方法があるとすればマクロンがトラピエを説得することだ」と、計画に詳しい別の関係者も「Dassaultには対等なパートナーシップを築く意思が全くない」と、ある当局者も「DassaultとAirbusが根本的に異なる企業であるという事実を政治的意思だけで覆すことは出来ないかもしれない」と語った”

出典:Tiraden/CC BY-SA 4.0
“事情に詳しいドイツ人も「ベルリンでは国防費の大幅な増額を受けて『フランス抜きで計画を進めよう』という雰囲気だ」と述べたが、全ての関係者は「欧州の防空には米国製システムから独立した独自の戦闘クラウドで、米国依存ままでは孤立する状況は生じかねない」という認識で一致している”
FTの記事に登場する戦闘クラウドとはFCASの枠組み内でAirbus、Thales、Indraが共同開発しているもの、つまりFCASの次期戦闘機は独自のセンサーで収集したデータだけでなく、他の航空機、無人機、地上配備型レーダー、艦艇のセンサー、指揮統制システムに接続できるクラウドベースのインターフェースをのことを指しており、FCASのためのクラウドシステムというより「米軍の統合防空向け指揮統制システム=IBCS」に近く、ここに接続する戦闘機は何種類あっても問題ないが「基盤システムは1つにまとめる必要がある」という意味だ。

出典:Northrop Grumman
つまりドイツとフランスは「戦闘クラウドの共同開発を維持して次世代戦闘機は別々に開発する案を検討している」ということになるが、FTは「まだ何も決定されていない」と述べており、FCASの将来は来週行われる会合の結果が出てくるまで何も断言できないが、Airbusの労働組合代表はFTの取材に「独仏関係を損なうことなくDassaultとの緊張した協力関係を終わらせたい」と、ある政府関係者も「FCASに関する如何なる決定もパリとベルリンの関係を損なうべきではない」「何故ならFCASの対立は政府間の問題ではなく企業間の問題だからだ」と述べている。
まだ決定されたことは何もないが、FCASを取り巻く状況のみで判断すると次世代戦闘機の開発中止に向かっているのだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Dassault Aviation





















英国がテンペスト計画にドイツくんを誘って出資させるに違いない。
まさに「ナイトメア ビフォア クリスマス」です。
※絶対に止めて下さい。
よく見る光景
こう考えると問題は多くとも10ヵ国以上まとめてF35を完成させたアメリカはよくやったな
まとめたというか勝手に走って引きずっていっただけな気はする。そのくらいしないとまとまらないしそのくらいの力もあったけども。
船頭多くして船山登る
ってやつですよ。アメリカという1強が引っ張ったから形になったんですよ。
では、GCAPが順調なのは…?
技術のある日本が引っ張って好き勝手にカスタム出来る場所は分かれているからですね。
現時点の情報だと
水面下ではヤバい話がいくつかでてるらしい
そのらしいを知りたい
現時点でのソースや、あなたの思う信憑性も是非添えてどんな物か教えて下さい
因幡のよっちゃんこと稲葉義泰氏がTwitter()で「複数方面から心配になる話を聞いた」とは発言していますね。
ざっくり「当初からの懸念である認識のズレが火を噴くかも。何とか乗り越えて欲しいし乗り越えるしかない。近々まとめてどこかで公開する」とかそんな感じ?
人的にも内容的にもそれなりに信憑性はあるかと。
ただまあGIGOとエッジウィングとエンジンコンソーシアムが整って、すり合わせというか膿出しをするには悪くないタイミングでしょう。早過ぎると空中分解しかねないし、遅過ぎると取り返しがつきませんからね(なお「単独でがんばる」のはLMの支援断った辺りで既に手遅れと思ってます)。
日本と英国で地理的に大きく離れてるってのは影響あると思います。経済圏がバッティングしないので利害関係に大きな齟齬が出ないのでは?
欧州で売りたければ英国が、アジアで売るなら日本がで住み分けが出来てるんじゃないでしょうか。イタリアは軍がGCAPの導入を決めてないのであくまで企業単位の協力ですし数が売れれば儲かるみたいな感じだと思います。
>では、GCAPが順調なのは…?
小さく無いのが、日英伊は要求仕様に共通性がある事だと思います。
一つには地政学的条件に共通性があります
日英は島国ですし、伊も島国に準ずるといえる半島国家です。
伊は大陸との接続部にアルプス山脈があり、地続きといえども侵攻されにくいと言えます。
もう一つは、3国共F-35Bを導入しているためGCAPに艦上型を開発する必要が無いという事です。
それらの結果、GCAPは防空と上陸阻止と対艦攻撃に徹するで良い事になるのです。
GCAPが順調かどうかは初飛行まで判断に困りますが…
このブログでも紹介されていた通りエアバスはGCAPにFCASへの合流を要求していたという…当時のコメント欄でも「船頭多くして〜」的な趣旨のコメントが多かったですが、案の定…
リンク
>「戦闘クラウドの共同開発を維持して次世代戦闘機は別々に開発する案を検討している」
この戦闘クラウドでもまた揉めそうなのが…
ドイツ独自の次世代戦闘機は見てみたいですけど
GCAPも同じようなクラウドシステムがあるんですかね?GCAPも当然、他の無人機や装備とのデータ共有を考えてるでしょうから、あるような気がする。
もしあって、
FCAS「GCAPくんも統合しよう!」
と言ってきたらどんな影響があるのだろうか?
そもそも、アメリカ製(F-35等)とのデータ共有はどうやって行う予定なのでしょうか?
アメリカのIBCSに当たるのが、日本のJADGEですね。
各種レーダー、戦術データリンクであるlink-16や22、JDCSから吸い上がってくる膨大な情報を、市ヶ谷や横田といった基幹基地へ集約しつつ、米軍へも共有してます。
空自にとってはIAMDの核心部にあたる機材なので、定期的に4桁億円近い契約を、メーカーと交わしてますね。
似たような語感の『クラウドシューティング』については、日本は2010年代から要素開発や実証実験を行っている様ですね。
でも、両者の目指している事は結構違うかも?
日本の場合、ステルス機同士の・しかも相手が数倍いる様な過酷な状況を想定し、それでも勝ち筋を求めた影響なのか、
戦闘機など僚機間の情報インフラとして、ミリ波通信を必要としているみたいです。
ミリ波だと指向性が高過ぎるので、正気とは思えないけど、既に実証実験も行っているし。
ちなみに、(地上レーダやAEWなど)外部アセットとの連接と情報共有は、ミリ波通信を用いた『僚機間の高速秘匿データリンク』とは別枠で想定している様です。
その『別枠』部分だけを抜き取ると、独仏が想定している『クラウドシステム』に案外類似しているのかな?、などと妄想しています。
GCAPにさえ首突っ込まなければなんでもいいよ
GCAP完成さえ何もしないでくれたら、なんならライセンス料ゼロでラ国させてあげるから黙って座っててくれ
>「何故ならFCASの対立は政府間の問題ではなく企業間の問題だからだ」と述べている。
確かにそう
対立してるのは「文化」そのものだからな
こっち入るな。売るのは構わないが
なんか予想通りの展開ですね
問題は独の動向ですが、今更GCAPの共同開発には来ないで欲しいですね
仏独はさぞ平和でうらやましいでしょうなぁ…
嫌な予感…
欧州は一体となって協力せねばならないとか、いつもの崇高()な目的掲げて
GCAPにこの戦闘クラウドを統合しろとか言い出すんじゃ?
まあこういう基幹システムが一番面倒くさいんで10年で完成するかって言われりゃ
大丈夫だろうとも思えるんですけどね
バラバラな既存兵器との統合でパスタコードになるのが目に見えてるんで……
出資比率33パーセントずつに比例した利益を受け取る。
原則としてそうなんですけど、この「利益」が何なのかだと思います。産業界の金銭的利益なのか、自国技術では作れないレベルかつ自国要求を反映させた戦闘機を受け取れることなのか。
技術供与を行う側が同じ出資比率で同じ利益しか得られないのならそれもまた不公平だと思います。
今回の独仏西の関係では、早く形にするべく仏主導を認めて完成させてから出資国である独西には割安での完成品納入しつつ産業移転を進めて産業的利益の分配を行う、というのが落とし所だったのではないでしょうか。もちろんこれでも火種はいくらでも湧くでしょうが。
戦闘機の要求性能で合意できなかったのではなく産業界の利益分配で合意できないというのが、とにかく必死で戦闘機を求めたのではなく政治的失敗だということを示しているのだと思います。
ひょっとしたらいざ間に合わず有事となればF-35買えばいいや程度に考えてる人もいるのかもとも思います。
ドイツがぽんこつF-35を引き受けてくれるとありがたいわ
是非とも500機くらい買って世界一の被害担当国になってくれ
EF2000は英国とイタリアの航空電子産業の存在が大きかったのはわかるけどドイツとフランスで何揉めてんの?って感じなんだが…
艦載機分の金がもったいないとか?
>独仏が次世代戦闘機の共同開発を中止し、協力の範囲を限定する案を検討中
このタイトルだと「共同開発の中止が決定して範囲を限定する案を検討中」なのか「共同開発の中止と範囲を限定する案を検討中」なのか分かりづらいですね。
いずれにしても秒読み段階っぽいのであまり変わらないかもですが。
ほなMGCSもおわりのヨカーン
クラウドこそ一番分けといた方がいい奴もないだろ。
現状水面下で開発させてる兵器群、なんならラファールやタイフーンまで
新たに出来る統一規格に従えと言うことだろ。現にF-35の問題って統合されたシステムのせいで、現状各国の開発したミサイル群を使えないことが挙がるし、同じことにならないか?
各国で勝手にカスタマイズさせとけよ
独仏共同開発って上手く行ったことあったっけ?
いつも途中で破綻してるので、特に驚かないどころか予想通りの結果。
独仏はイタリア戦争から第二次世界大戦までの500年程は継続的に不倶戴天の敵同士ですからね。関係が悪く無かったのは近世の外交革命〜フランス革命の数十年間ぐらいではないでしょうか。仮にロシアによるNATOの形骸化戦略が成功したら、この2カ国は遅かれ早かれ、また争うような気がしますね
フランスは元々、独自の第6世代戦闘機の開発を進めているから、ドイツとの共同開発はあくまで保険だったのかもしれない。フランスはどの兵器開発においても、他国に主導権を握られたくないし、主導権を渡す気もない。どうなんだろう?
ドイツは自分の都合でルールを変更して、(それすら克服した相手から)痛い目に合うの大好きだからなぁ
フランスとドイツの仲が悪い、というより、ランドパワー国が陸続きの隣国と仲が良く有り続けるという事がそもそも無理なんだと思う。地政学からは逃れられないのだ
よくもまあEUは理想を頂いて成立したもんだよ。しかし成立し続ける事は別問題
なんだかんだ仏独の蜜月はメルケル時代の去勢と右派が詰る平和政策がなした功績と思いますね。勿論その前から歩は進めてはいましたが。
まあ…この事態は独の軍拡も一因ですが、多分同時にますます悪化している仏の財政難・政治混乱が最大の原因で独の態度にも表れてるとは思います…
軍事協力、ただし、軍事的脅威が無い時に限る。
経済協力、ただし、経済危機が無いときに限る。
一皮剥けばEUなんてコレだもんな。理想だけは美しいこと
むしろ戦争防止のための妥協装置であって、
「邪悪な劣等国家劣等民族の完全駆除無くして平和と安心安全はありえない!
戦争こそ唯一絶対の正義と真理の道イイイ!」みたいな歪んだ理想主義の対極だと思うけどね。
> 計画に詳しい別の関係者も「Dassaultには対等なパートナーシップを築く意思が全くない」と、
共同開発とは名ばかりのF-38のように、フランスが完全に開発・製造・運用の主導権を握るってことでしょうか?
F-38ってなんですか?
謎の怪しい川崎製戦闘機の動画とか、「僕の考えた最強のステルス機」みたいな3Dモデルくらいしか引っかからないんですけど。
それはそれでみんないろんなこと考えるんだなあと楽しかった。