欧州では砲兵戦力の更新や増強が相次いでおり、英国のスナク首相は4月「AS90の後継としてRCH155を調達する」と発表したが、Bloombergは12日「ドイツがRCH155の100輌調達を予定している」と報じた。因みにRCH155にはウクライナ向けとして54輌が発注されている。
参考:Germany Plans to Order More Than 100 Wheeled Howitzers from KNDS
ドイツのRCH155調達は最大160輌程度まで増える可能性がある
ドイツ陸軍は2002年までにPzH.2000を185輌購入し、内16輌をクロアチア、21輌をリトアニアに売却、14輌をウクライナに提供したため保有量が134輌まで減少、さらに18輌の追加提供をウクライナに約束しているため、ドイツは2023年5月までに計22輌のPzH.2000を発注していたが、Bloombergは12日「ドイツがRCH155の100輌調達を予定している」「国防省は秋までに議会の予算委員会から計画の承認を得たいと考えている」「この計画には約200輌の追加購入オプションが含まれている」「この枠組みを通じて他の同盟国はRCH155を購入することが可能だ」と報じている。
KNDS(KMW)が開発したRCH155は「PzH2000の技術を流用して開発したモジュール式砲塔システム(AGM=Artillerie-Geschütz-Modul)」をBoxerの車体に統合した装輪式自走砲で、今年4月には英国がAS90の後継として採用すると発表、ウクライナにも提供(2022年18輌/2024年18輌/KNDSはウクライナ向けの契約は54輌だと述べている)が約束されており、スイス陸軍もRCH155とArcherのどちらかを調達する可能性が高い。
要するにドイツは生産ラインを本格的に立ち上げるためKNDSに「約300輌分の枠組みに関する契約」を与え、この枠組みを通じて同盟国は「ドイツと同じ条件」でRCH155を購入でき、英国やウクライナ提供分も同枠組みを通じて発注されるのだろう。

出典:KNDS
因みにRCH155に統合されているAGMはスペイン陸軍向けに提案しているDONARとPIRANHA AACにも統合されており、KNDSは「AGM+潜在的顧客が生産に関与する車体」でシェア拡大を狙っているのかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:Krauss-Maffei Wegmann GmbH & Co. KG/CC BY 4.0
PzH2000は、ウクライナ戦争に送られてますが、重すぎたため運用困難だったと言われています。
RCH155、PzH2000と同系統の砲塔ですが、重量はかなり軽くなっています。
ウクライナ戦争の自走砲は、停止・射撃・急発進を繰り返すため、足回りの耐久性が重要なのも戦訓でしょうね。
RCH155が、ウクライナの戦場で活躍するのか注目したいと思います。
>ウクライナにも提供(2022年18輌/2024年18輌/KNDSはウクライナ向けの契約は54輌だと述べている)が約束されており…
追記です。
ドイツの兵器産業が、WW2の敗戦後も活発な動きなのを見ると、日本は今まで抑制的すぎたなと感じています。
ドイツは派手にジェノサイドしてたお陰で「もうジェノサイドしましぇん!」で済んだが
日本は不運にもジェノサイドしてなかったので戦争に関するあらゆることがタブーになってしまった
ある意味ドイツのせいだな!
東ドイツがあったから。
ドイツは文字通りの最前線だったからね
アメリカ「日本は世界の警察アメリカの基地を守る最低限でOK」
西欧「ドイツは西欧を守る盾として死ぬ気で戦え敗戦国め」
日本も、沖縄返還・基地問題など、種々の問題はありましたが、マシだったと感じてしまいます。
ドイツは、東西に分かれて、東西ドイツが仰るような最前線で盾でしたよね。
ドイツは米本土に全く脅威にならなかった。
日本はハワイは攻撃したし、アリューシャン列島を占領しているし、米本土に爆撃もしている。
脅威度が違い過ぎる。
核爆弾積んだF104がヒットマンに渡されたチャカみたいに見える。
PzH2000が運用困難どこの情報なんだろう?
つい一月前に軽装甲・非装甲の装輪自走砲よりも装甲化されたPzH2000の方が有用って戦訓が流れて来たはずだけど
2023年 ニューヨークタイムズの報道で、5月の泥濘機に運用が難しい。泥濘季の運用を見合わせるとの記事がある。
ただし、5月の泥濘季での話に限った話だし、たむごんさんのいう、『重すぎたため運用困難だった』のソースは判らん。
ちなみに、同じ記事には、高い防御能力や短時間での火力投射能力を評価するコメントも記載されており、全てのポイントで満点ではなくとも十分に使える事は見て取れる。
仰る通り、泥濘期です。
砲塔部分の消耗も、そうなのですが。
対ドローン対策で移動を繰り返す戦場ですから、車体が重い程、足回りのパーツ消耗が激しくなるという趣旨もあります。
(2023.01.2 ウクライナ軍の自走砲や榴弾砲は地獄のような連射で消耗、保守体制が課題 航空万能論)
追記です。
ドイツ製兵器のレオパルドが、ウクライナ国内で修理しようとして悪化、ポーランドなどに海外輸送しなければならい問題がありました。
PzH2000が故障すれば、これよりも大変な補修問題になると考えています。
PzH2000の走行装置はレオパルト1のものを流用してるから、あんまりかわらない気がする。
足回りレオ1なんだ、古いなあ
競争試作の方は、leopard2の足回りを使っていました。
RCH155でも泥濘期に使えないのは一緒じゃない?
装輪より装軌の方がまだ泥濘期に強い気がするけど。
これ
軽くても装軌には勝てん
何が運用困難なのか分からん
砲身周りやシステムが連射の影響で故障が増えるのはわかるし、記事でもそうなっている
少なくとも記事中に足回りに直接言及する記載はない
百歩譲ってトラックの不具合が足回りだとしても、原因は連射の衝撃を吸収するからと説明されている
物理的に足回りの故障でどうしても多くなるのが油圧関係
装輪でもRCH155は油圧制御によって無理やり反動を抑えているので、この物理法則には逆らえないと思う
2024年5月9日のロイターの「砲撃できるのはわずか数分間、ウクライナ軍を悩ますロシアのドローン」って記事だと、スペアパーツの入手が限定的で、ナビが頻繁に誤動作するが戦場で修理できないって言ってたな。
ナビが頻繁に誤動作するのと、スペアパーツの入手性は独立してるのかもしれないが、テロップではそうとも読み取れる。
装輪車両はともかく、装軌の自走砲は何をやってもドローンで発見されてしまうので、砲撃に耐えるシェルターを構築してそこへ籠り、砲撃時だけ外に出している、と認識している
装軌自走砲で戦車のような機動戦みたいな事してるのか?
本邦の自走式?FH70が大活躍しそうな戦場ではある
ソ連崩壊してからソ連のドクトリンが復活するのが面白いな
oryxブログを見る限り損害はkrabとカエサルで比較するとkrab損傷30台破壊24に対して、カエサルは損傷4破壊3
明らかにカエサルの方が生存率が高い
Pzh2000は損傷1
エレクトロニクスにエラーなどさまざまな理由で余り前線に出ない時期がそれなりにあったのが原因かと思われる
ショートアンドストークはドローンに対しては大して有用ではないとのこと
自走砲の装甲は戦車とは比にならない為に対戦車兵器には当然弱い
装軌式は構造的に地雷で自走不能になりやすい
重量が重いと使える道路や橋に制約されてしまう
自走砲は射程が通常弾でも30kmぐらいあるから、地雷や対戦車兵器の脅威があるところまで出ていかないと思うけどな。
ショートアンドストークってなんですか?
思いつく英単語で検索しても分かりませんでした。
Shoot-and-scoot
いやそれは知ってますが、そういうカタカナにはならんでしょう。
PZH2000は追加調達せずにRCH155を最大300両予定っていうのはもはや更新でお古のPZH2000は供与や売却で消耗する腹積もりに見える。なんせあれ明らかに稼働率維持で苦労してるのが明白でしょう。
一方で独軍ボクサーはどんどん増えてる。採用国も増えてる。装輪装甲自走榴は自走対戦車砲よりニーズがある。その結果がこれら。そもそもPZH2000は現状砲塔無人になりません。
無人化しないと乗員の残存性がと言われるとPZHの無人化改装ですがそれが可能か?早々に見切りをつけてボクサー装輪榴にしようとしてる感がすごいある。
オプション行使すればの話で、それもドイツ単独だけの話でも無いのでPzH2000の更新するかは現時点で不明。元々ドイツは装輪自走砲を持っておらず補助線力として装輪自走砲の導入考えていたから、路線変更するかは今後の情勢次第。
PzH2000の無人砲塔化改装は可能かなんて、技術を流用して開発したモジュール式砲塔システムがあるんだからむしろ出来るんじゃないの?現在の不格好な砲塔を載せられるようにしても良いんだし。
PZHの配備数から倍増してるし、ご新規で300両というのはドイツとしては相当無理して頑張った数なんだろう
ただこの数字みると韓国軍のK9、自国内配備数だけで1300両っていうのがどれだけの無茶(努力ではなく)を払ったのか空恐ろしくなる
南北朝鮮の砲兵戦力、そもそもが相当な量、力の入れ方ですよね。
ウクライナ戦争での両国の支援、ロジスティクス面(砲弾製造・砲弾備蓄)まで含めて、それを感じました。
西側も、随分と砲兵重視になったものですね。そういう意味では、ロシアや北朝鮮の砲兵重視の思想は正しかったということなんだろうな。もっとも、貧国強兵の国に住みたいとも思いませんが。
RCH155、走行間射撃が出来るのは安定性を強調するためだけの映像だとは思うけど、実用性あるのかね?
精度は無茶苦茶になるだろうし、単騎で砲撃する事もないだろうし、、、
、、、中隊全体で走行間射撃するのか?
あの走行射撃がそれなりの速度で砲身仰角が浅く真横を向いて装薬フルチャージでやったのなら色々と考察が捗るが・・・。
なるべく平坦な草原を一定の低速でみたいな感じで安定性のアピールよりは止まらないからより敵の攻撃を受けづらいと言う風に感じるが。
RCH155の運用動画を見る限りでは。
装輪ですから仕方ないのでしょうが、車台が揺れ過ぎでは。
起倒式あるいは伸縮式のアウトリガーを4本ぐら付けた方が良いのでは。
アウトリガの動力を大きくして、展張/撤去が急速にできるようにして。
素人目に見ても、初弾はともかく 二発目以降は精度は期待できないのでは。
揺れようがすぐにダンパーで抑まるなら別に構わないはずなので、むしろこんだけ揺れても平然としてるドイツの脚周りがすごいのかも。走行間射撃とかをまともにやるのは厳しい気もしますが。
ボクサーのプラットフォームで油圧なりを能動的に制御することができるという話は聞かないから、純粋なバネとダンパーの組合せでこれくらい揺れるのは仕方ないんでしょうね。
アウトバーンとA400Mで戦略機動ができるという装輪のメリットというは確実ですが。
路上を動き回ってヒットアンドアウェイしやすいから対砲兵射撃から逃げやすい有利が大きいか、
なんだかんだ装甲は薄くなるのでドローンに追い回されたときの不利が大きいか、
というのはまだ結論わかんないですね。
いやA400Mには載らさそうですね、失礼しました。
日本と環境違うので優先度は低くなるんですかね。