ドイツは2026年12月までに830億ユーロ相当=約15.1兆円の防衛装備調達契約を締結する予定で、議会は過去1年間に330億ユーロ以上の契約を承認したが、今週中にEagle-Vを計5,000輌調達する契約を審議する予定で、承認されると第1弾調達として3,000輌を即時発注するらしい。
参考:Eagle V: Bundeswehr will rund 3.000 geschützte Fahrzeuge bei GDELS fest bestellen
ドイツ議会が提案を承認すればGDELSの株価は確実に上昇するだろう
ドイツは2026年12月までに830億ユーロ相当=約15.1兆円の防衛装備調達契約を締結する予定で、2,500万ユーロを越える契約については議会から事前承認を得る必要があり、12月3日にはAI偵察システムの調達、G95KA1/G95A1調達数を最大25万丁まで拡張する修正契約、オフロード車輌を1,744輌調達するための契約、JSMを追加調達するための契約、偵察ドローンを最大747機調達する契約などが承認され、2025年に承認された調達計画の総額は330億ユーロ=6兆円以上だが、これで終わりではない。

出典:Krauss-Maffei Wegmann GmbH & Co. KG/CC BY 4.0
今週の予算委員会と国防委員会ではRCH-155×229輌調達契約(34億ユーロ相当)が審議される予定で、独ディフェンスメディアのhartpunktは16日「明日の予算委員会でEagle-V 4×4を最大4,000輌調達する契約、救急仕様のEagle-V 6×6を最大1,000輌調達する契約を審議予定で、このために計上された48億ユーロの資金は2つの契約を組みわせてEagle-V×3,000輌を即時発注するために使用される」「3,000輌のうち約90%がEagle-V 4×4だ」と報じた。
General Dynamics European Land Systemsが開発したEagleシリーズはスイス、デンマーク、ルクセンブルク、ドイツで採用され、ドイツ軍はEagle-IVを495輌取得し、Eagle-V 4×4を176輌、Eagle-V 6×6を80輌を発注済みだが、提案されている調達契約が承認されればEagle-IV調達の枠組みは最大5,000輌まで拡張され、GDELSのEagle-V受注数(現在538輌)が一気に跳ね上がるため同社の株価も確実に上昇するだろう。
因みに防衛装備庁は軽装甲機動車の後継車輌を調達するためThales Australia製のHawkei(100万ドル以上)とGDELS製のEagle-V(88.6万ドル)を比較評価していたものの、明確な理由も説明もなく後継車輌調達計画を2024年冬頃までに白紙化し、NHKは2025年9月「防衛省が軽装甲機動車の後継として民生用車両を防弾化(装甲化)した車両の導入を検討している」「防衛省が2026年度予算でトヨタ自動車のランドクルーザー2車種と、いすゞ自動車のD-MAXの計3車種を調達して防弾化、2028年度に評価試験を実施し、その上で導入の可否を判断する」と報じた。
HawkeiもしくはEagle-V導入を断念した理由については「調達コストが高すぎて大量調達が困難だった」という指摘が、民生用車両の防弾化については「国内の防衛産業界に配慮した」「HawkeiやEagle-Vよりも調達コストが安価」という指摘があるが、日本はVIP向けに民生用車両を防弾化する経験とノウハウしか有しておらず、技術的に可能でも「各要素を適切に組み合わせて陸自の要件を満たせる装甲車に仕上げられるのか」と懸念する声もある。
要するに「戦車が作れるのだから防弾化した民生用車両なんて簡単に作れる」というわけではないという意味で、この分野で高い評価を得ているカナダ製のSenator(Ford製ピッアップトラックをベースにした多目的装甲兵員輸送車)はウクライナに1,700輌以上も引き渡され、Roshelのシモノフ最高経営責任者も「Senatorが支持され、繰り返し購入されるのは乗員保護の面で他の装甲車輌は同じ仕事をすることができるからだ」「SenatorはTNT25kgが爆発しても耐えることが出来る」「Senatorは防弾・耐爆性能が同等品と比較した場合のコスト効率と入手性が優れている」と述べた。
Roshelが2023年に発表したSenator-MRAPも防弾・耐爆性能はNATO基準のSTANAG 4569 Level2 2a/2b/2cを、一部の能力はLevel3(8kgまでの対爆風耐性と3a対応)基準を満たし、こちらも商用車ベースなので入手性が優れており、ウクライナからフィードバックされるデータによってどんどん改良も進んでいるらしい。
高市首相は防衛費2.0%実現を2年前倒し=2025年度中の達成を掲げ、総額18.3兆円もの2025年度補正予算(防衛分野への配分は1.1兆円)を成立させたが、政治主導による防衛費増額分を「適切な調達プロセス」を経た上で使い切れるのか怪しい部分があり、もう政治主導の2.0%実現のため資金をばら撒くなら「軽装甲機動車の後継車輌調達計画を元に戻した方がいいのでは?」と思ってしまう。
資金は潤沢にある上、今後の防衛費も2.0%以下に下がることなく、どちらかと言えば3.5%(関連費用も含めれば総額5.0%)に向けて今後も増額基調が維持される可能性が高く、リスクの高い防弾化した民生用車両の開発に懸ける必要性が見当たらない。どうしても防弾化した民生用車両を国内製造したいなら「経験とノウハウが豊富な海外企業との提携」を視野に入れるべきだろう。
関連記事:ドイツの防衛装備調達が本格化、年内にRCH-155を200輌以上発注する見込み
関連記事:軽装甲機動車の後継車輌、今年度中にテスト用のハーケイとイーグルを取得
※アイキャッチ画像の出典:GDELS





















日本は陸軍国でもないし、地形条件が同盟内でも特殊で運用が厳しい戦車などはともかく、同盟内に競合がたくさんあるここに注力してもですよね…
挙げた軍事費の分は国防の要で、海外からも注目のある海の開発計画に期待したいのですが
開発中、配備中の射程距離が1000kmを越える巡航ミサイル型の対艦ミサイルと言うのが世界全体で見ても殆ど無い代物なので、売る気があるなら需要があるとは思いますけど、中々難しい物なのですかね?
横合いから失礼。
まず、1000km以上先の洋上移動目標を正確に探知する能力を持つ軍隊でなければ無用の長物、という時点で客が限られますな……
違いますよ。
射程1000Kmってのは『1000Km後方からでも撃てる』って意味で飽和攻撃のハードルを劇的に引き下げます。
例えば射程150Kmのミサイルで飽和攻撃をやろうと思えば150Km圏内に発射機を集結させねばならず、会敵した際に偶々そこに存在してる以外の戦力投入は殆ど期待できないでしょう。
しかし射程が1000Kmあれば1000Km圏内に存在する発射機が全て使用可能で容易に飽和攻撃もしくは波状攻撃が可能になり敵艦隊の確実な撃破が期待できます。
日本周辺以外で、艦隊決戦的な海上の大戦争が想定されている場所はあるんでしょうか?
超長射程の対艦ミサイルは、台湾のような敵に航空優勢を取られて攻撃機が近づけないような状況では活躍しそうです。
しかし個人的には、日本周辺以外での有効性には懐疑的です。
当然お値段は高いし、巨大な割に弾頭のペイロードは小さいですよ。
欧州方面では航空優勢は西側有利で、ロシア海軍は潜水艦以外はあまりパッとしませんので
ロシアの水上艦対はウクライナ相手に苦戦するぐらいなのに、
NATO相手に戦争になったら、あっさり壊滅してしまうのでは?
シューターと防護対象が異なる場合(というか一致することの方が少ないのでは)そんな条件はないでしょう。
自国の領土、拠点、高価値ユニットに接近する脅威を攻撃するならそれら防護対象から目標情報が得られればいい訳で、
観測/共有手段(とできれば指令誘導手段)が欲しいとこですが設置場所やユニットは既にあるんですから必要ならそれら手段をセットで売ることも可能でしょう。
あるいは敵後方の固定施設や集積所を攻撃するなら位置情報さえ得られれば何とかなるし、必ずしもリアルタイムである必要もない訳です。
欧州で平和ボケ仕切ってたドイツがマジになったのをみると、トランプという劇薬も悪くはなかったのかなと
むしろまだギリギリ軍拡が間に合う段階でトランプになってて良かった。下手にハリスにでもなってもう4年も甘やかされて30年代突入してたら、取り返しつかないほど弱体化してほんとに西側が滅んでたまである。
防衛費は、将来への投資ですからね。
国富が、戦争により吹っ飛ぶことを考えれば、防衛投資は安いものだなあと。
戦争抑止の為に、防衛力は不可欠ですから、外交力の向上にも確実に繋がっていきます。
防衛投資が、国内企業の国内投資に繋がれば、雇用・税収・インフラなどで返ってくる部分もありますからね。
軽装甲機動車の後継車輌調達計画の白紙化には驚き、懸念を抱いたが、管理人氏の言うように経験とノウハウが豊富な海外企業と提携すればコストを抑えて迅速に調達ができるのでは。
Roshelにはちょうどランクル70ベースのCaptain APCがあるのだからこれをノックダウンorライセンス生産すればいいように思う。変に弄らず既存のものを流用すれば調達も早い。
例えば、ウクライナにはランクルベースの装甲車があります。コレのライセンスを1$で契約するかわりに日本はウクライナにランクルを供給する…等やり方はあると思います。
全ては富国強兵へと正しく結びつけられるかどうか次第ですね。フラミンゴミサイルの件みたいにならないようにできるかどうか。
いずれにせよ、「ドイツが軍拡に狂奔しても表立って忌避されなくなる」ならば、日本にとっても未来が開けるのではあります。
タイがトヨタやいすゞと手を組んで、ハイラックスとD-MAXを装甲車にしたみたいな記事を乗り物ニュースで見たような。
しかしドイツは極端だな。数年前まで機関銃の代わりにホウキ乗っけてたのに。
軽装甲機動車後継の一番ヤバいのは、既に使ってる車両の大半が耐用年数が過ぎているのに、2年は新型車両が入ってこないって事ですよ
しかも「可否を判断する」であって、「否」になっちゃった場合、後継はさらに伸びることに…
繋ぎでも良いからハウケイを調達しても良いのでは、三菱のライセンスしたハウケイならブレーキも治っているのでは
そもそも軽装甲機動車みたいなサイズの車両って必要ですか?
成形炸薬弾が上から後ろから3次元機動して突っ込んでくるのが
現代の陸戦ですよ。
車両からさっさと降ろす方が一番兵士の命を守れるでしょう。
実際、ウクライナにいる兵士は何の装甲もないバギーに良く乗ってます。
天井がないからすぐにドローンを見つけて降りることが出来るし、
ショットガン等による対処も間に合えば可能です。
中途半端な装甲車にこもってれば攻撃自体に気づかず死ぬだけでしょう。
EUはどういう戦略をとるのだろうか。過去、ドイツは、東ヨーロッパのスラブ系国家を味方に引き入れて、そこをロシアとの緩衝地帯にしてきたような。ところが、思ったより広がってしまい、着火したのが、ウクライナ。ガリツィアはウクライナになっていた。
というわけで、本来だったら、ウクライナは、せいぜいオーストリアにするつもりで、ロシアをとめるはずだったのが、なぜか炎上。コサックは血の気多いから。
トランプに変わって、NATOはいらんとなり、各国は、あわてて自国の国境内の兵備を準備する。つまり、NATOという統一指令部はあるけれど、各国とも自国領内の防衛整備に狂奔するという。となると、ポーランドは、ポーランドだけで、ロシア・ウクライナと対峙することになるのでは。
ドイツが支援兵力を出せるかというと、イギリスがフランスに戦闘機部隊を送らなかったように、自国国境が危うくならない程度のお付き合いとなるだろう。これって、各個撃破されそうじゃん。自国資産を米国に売らないと支援してもらえない。米軍の支援があてにならないとなっている今の急激な混乱は想像できなかっただろう。
『強いドイツを抑止する』19世紀後半~20世紀・ヨーロッパ100年間の非常に大きな外交課題で、NATOの目的でもあります。
『東西ドイツ統一への警戒』英仏ソは、ドイツ統一に極めて強い警戒感を共有していたのが、つい30年くらい前の話しなんですよね。
東西ドイツは、戦術核戦争の最前線すら想定されたわけですが、仰る観点で見れば前線を東にずらすことに成功して(成功しすぎて)、上手くいきすぎた(やりすぎたな)と感じる面もあります。
>壁崩壊20周年にあたり公開されたフランスの外交電報によると、サッチャー首相は1990年3月、フランスの駐英大使にこう語っている。「フランスと英国は、手を取り合って新しいドイツの脅威に向かうべきだ」
(2009年11月4日 東西ドイツ統一を英仏首脳は「快く思っていなかった」、当時の外交文書を公開 AFP)
この手の装甲車で一台一億越えはちょっと高すぎだと思います。特にハーケイなんて見た感じそこまで防御力あるとは思えない。
MRAP並みの防御力求めてるわけでもないし、それならランクルに装甲多少張った程度の物でもそれなりに使えて安いならそれのほうがいいのでは?
10年前とは言え96式APCで1億円程度だったのにね
10年前に96式APCを+1000両ぐらい買っておけば良かった
これ防衛省内部で要求仕様の変更があったと思うんだよね、簡易APC(Hawkei、Eagel)から防弾SUV的な。
選定中だった2台は結構デカイし、小型にして防弾はある程度割り切り装甲車はパトリアに任せる方針になったんじゃないかと。
「LAVはコンビニに駐車しにくい」とか、陸自の人間が言うような感覚なんで、ウクライナみたい地獄の戦場での運用は考えていないのでしょうね。