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ウクライナへのAEW&C提供、GlobalEyeの納期前倒しが提供時期を左右

スウェーデン政府はASC890(Saab340 AEW&C)のウクライナ提供を発表して注目を集めているが、提供時期はGlobalEyeの納期をどこまで前倒しできるかに左右され、前倒し前の1号機納期は2027年に予定されていた。

参考:Ukraine Getting Swedish Airborne Early Warning Radar Planes Is A Big Deal
参考:In first, Sweden to supply ASC 890 surveillance aircraft to Ukraine, rolls out largest aid package

年内提供なら奇跡的、2025年提供でも相当早い方で、2026年提供でも頑張った方といえる

スウェーデン政府はウクライナに対する約12.5億ドル相当の軍事支援パッケージを29日に発表、このパッケージには2機のASC890(Saab340 AEW&C)提供が含まれており、この機体が高度6,000mを飛行する場合、搭載されたErieye radarは最大450kmの範囲内で最大1,000個の空中目標を検出して追尾でき、この認識力は搭載されたLink16によって西側製防空システムやF-16と共有することも可能だ。

そのためウクライナへのSaab340提供は大きな注目を集めており、米ディフェンスメディアのWAR ZONEも「ウクライナがSaab340をどのように活用するのか、これが防空能力やF-16の戦闘効率をどのように拡張するのか、控えめに言っても大変興味深い」と言及したが、この手の話で必ず問題になるのは提供時期だろう。

スウェーデン空軍はGlobalEyeを2022年に2機発注(1号機引き渡しは2027年予定)しており、スウェーデン政府も「発注しているGlobalEyeの納期を前倒しする」「Saab340提供後に低下するAEW&C能力をカバーするためGlobalEyeを追加発注する」と発表したため、Saab340のウクライナ提供時期はGlobalEyeの納期をどこまで前倒しできるかに左右され、追加発注はGlobalEye取得後もSaab340の継続運用を予定していたことを示唆している。

出典:Saab ポーランド向けのSaab340

因みにポーランドはSaab340を発注から2ヶ月で入手することに成功したが、これはアラブ首長国連邦がGlobalEye導入後に手放した機体なので、このような短納期が再現される可能性は低い。

個人的にSaab340の提供が年内なら奇跡的、2025年でも相当早い方、2026年でも頑張った方だと思う。

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※アイキャッチ画像の出典:Mariusz Błaszczak

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コメント

    • カニカマ
    • 2024年 5月 30日

    提供前に休戦的()協定合意で提供キャンセル、の選択肢は無いんです?

    6
      • カニ
      • 2024年 5月 30日

      NATO加盟まで支援するという協定が各国と結ばれているのでないだろうね

      なので休戦すればウクライナの戦力は増強し続けるのは目に見えている
      クリミア危機以降、実働6千人だったウクライナ軍が大増強されたようにね
      そんな事はプーチンも分かっているだろうから出口のない戦いだよ

      5
      • F-117A
      • 2024年 5月 30日

      自由ウクライナ軍に配備されます

      1
    • 2024年 5月 30日

    R−37の的でしかない。。

    13
      • F-117A
      • 2024年 5月 30日

      命中しなくても、的ではある

      3
    • いそきち丸
    • 2024年 5月 30日

    ウクライナ軍が配備してもロシア軍のA-50みたいに撃墜される気がする。AEW&CとA-50の性能の違いはわかんないけど

    18
    •  
    • 2024年 5月 30日

    戦闘機もそうですが戦後の(西)ウクライナに空軍再建用として供与する予定なんだと思いますね
    この頃には終戦しているだろうと予想して決めた時期になっても終戦してないから色々理由作って先延ばし
    戦争終わったなら供与しなくていいだろって声は間違いなく多いでしょうから
    戦争に必要だという理由があるうちに国家間の約束として供与を決めておく

    8
      • ak
      • 2024年 5月 30日

      >「国家間の約束」として供与を決めておく

      それって仮に(東)ウクライナになっても提供してもらえるんでしょうかね?(笑)

      先延ばしにしているとそのうち勝手に状況終了になって、問題解決必要無い。
      になるのは、まあ良くある話ナンデその辺りもちろん織り込み済み、というかそれ前提なんでしょうけど。

      それとは別に、もしも「戦前同様の色々と底の抜けたウクライナ」に戻った場合、独立直後に西側・東側が総意でウクライナから核兵器を取り上げた事例を鑑みるに、そんな国相手に武器弾薬の供給を国家が約束するとか、先行きが恐ろしすぎる事になりそう。

      1
      • 休戦条件
      • 2024年 5月 30日

      ゼレンスキー政権(ユーロマイダン派)とプーチン政権の休戦は有り得ないが
      非ユーロマイダン派の政権になれば可能性があり、中立化とNATO加盟は放棄

      仮に米トランプ政権になればプーチン政権と頭越しに休戦協定を結ぶ可能性が
      あるがゼレンスキー政権(ユーロマイダン派)を温存すれば朝鮮半島のような
      緊張状態になりNATO側がF-16AEW&Cや兵器供給を続ければ戦争再開となる

      6
    •    
    • 2024年 5月 30日

    休戦になるなんて正気かね?
    折り合いが付くわけがないし、プーチンが休戦を守る訳がないっしょ
    ましてやウクライナが折れる程の領土も戦力も奪えていないのに
    キーウ落とすとか数十万規模での大損害与えないと無理っしょ

    バトルオブブリテンや独ソ戦当時ならイギリスやソ連が負けると予想するタイプかね

    18
      •    
      • 2024年 5月 30日

      補足
      ウクライナでは七割超の人々が領土を奪われたままの停戦はあり得ないとしている
      政治的にウクライナ政権は負けたまま停戦できないね
      ナゴルノ=カラバフでのアルメニアみたいになるよ
      ましてや情勢はボコられたアルメニアほど悪くない

      3
        •  
        • 2024年 5月 30日

        よくある話だけど、調査した組織で割合がめちゃくちゃ変わるやつですね。
        それに今は半分近くに減ってるようですよ。56%ぐらいだったかと。占領地では統計取れないでしょうから何処が母数かは想像つきますね。
        実際のところ、今はもう西側住民でもキツイんじゃないですかね。

        4
      •  
      • 2024年 5月 30日

      休戦が成立しえないのは同意ですね
      理由はドンバス紛争の頃から協定を破り続けてきたのはウクライナで、停戦を監視できる第三国も存在しないからですが
      あと数十万規模の損害ならもう与えてますよ、ウクライナ軍は開戦初期に総動員体制に入り100万規模まで肥大化していたのに兵力不足を理由に50万人の追加動員が議論になっているんですから

      26
        • 無題
        • 2024年 5月 30日

        まだそんなロシアのプロパガンダ信じてるんですか。
        ミンスク1もミンスク2も合意を破ったのはロシアですよ。
        ミンスク2直後のデバルツェボの即侵略も、開戦前日の国連事務総長の声明も、OHCHRの報告も何も見えてないのですか?
        逆にロシア側のプロパガンダ以外にミンスク合意を破ったのがウクライナ側だという客観的資料は一切見当たりませんが、何か1つでも示せますか?
        ロシアの攻勢が続いてから、ここも随分とこの手のコメントが増えましたね。

        27
          • 赤狐
          • 2024年 5月 30日

          合意を守る気などないと発言したのはメルケル氏です。ドイツのツァイト誌のインタビューで語りました。
          これは調べると簡単に出ます。ロイターでも言及されましたし。
          リンク
          これもまたロシアのプロパガンダなのですか? ロイターとツァイト誌がならんでロシアのプロパガンダをやっていると?
          これはそもそもウクライナでも報じられた記事であり「当時は」西側に好意的に受け止められていました。ロシアを罠に嵌めたのだと。
          しかし現在は皆知らない振りをしています。それだけの事です。
          プロパガンダについてはウクライナ軍がせっせとやっています。英米と仲良く。
          ウクライナ軍の公式発表のロシア軍の損害が本当ならとっくにウクライナの勝利で終わっています。

          8
          •  
          • 2024年 5月 30日

          監視団のレポート読みな

          20
          • 例のアレ
          • 2024年 5月 30日

          バフムト攻防戦あたりからこんな感じだぞ、このサイトで唯一信用していいのは記事の内容だけだから

          24
            • xno
            • 2024年 5月 30日

            まあ記事の内容が信頼できるだけ相当素晴らしいことですけどね…

            3
          • M
          • 2024年 5月 30日

          都合の悪いことはプロバガンダとかいうの
          ホント底辺の日本人って感じだね。
          勉強しないとこうなるってほんと怖いわ

          17
            • T.T
            • 2024年 5月 30日

            仕方ないです。ロシアを敵とするプロパガンダががっつり流されてて、それに反する情報はロシアのプロパガンダだから信じるなと言う情報統制が行われていますから。西側の情報ピラミッドの中で生きている以上、普通に生きていたらそうなります。

            6
            • 牛丼チーズ
            • 2024年 5月 31日

            グローバルサウス最強とか信じてそう

          • 犬の〆
          • 2024年 5月 30日

          僭越ながら、もう直接かかわった当事者以外、本当のことなんて分からないのではないでしょうか?
          今じゃ何かしらのイデオロギーに染まっていない一次情報なんてどこにもないと思いますよ?
          あとは「事実かどうかはわからないけど、私はこういう理由でこう思う(信じる)」くらいしか言えないのでは。

          11
          •  
          • 2024年 5月 30日

          破ったのはロシアって…
          まずミンスク合意の当事者は「ウクライナ軍」と「ウクライナのドネツィクおよびルハーンシク地域の特定の地区からの武装編成」で、ロシアはドイツやフランスと共に協定の関係国ではあれど当事国ではありません、安保理決議2202でもそうなっていますよね?
          そして協定違反は両勢力によるものが度々ありましたが、しかし違反はあれど維持されてきたミンスク合意体制を、破ったのは確実にウクライナです
          2021年10月26日のゼレンスキーの発言が全てです
          そもそも論で言えば合意で定められているドネツクルガンスクへの自治権付与を早急に行っていればこんなことにはなっていません

          22
        • ポンポコ
        • 2024年 5月 30日

        休戦については同意見です。

        本音は、ロシアの方は特別軍事作戦のままで拡大させたくないので休戦をしたいが、ウクライナ政府の方は休戦はしたくないと思います。

        なぜなら、ゼレンスキーはこの戦争が始まる前は支持率が20%を切るような状況でしたが、戦争が始まると支持率は90%を越え、戦争が続く限りある程度高い支持率が見込まれるからです。ゼレンスキーには、戦争をやめる動機も利益もありません。また、止めた場合に色々と表に出ることも多いと思うのです。

        しかし、ウクライナ国民の中には戦争疲れが出てきています。動員で100万人という数字を出されましたが、これは一昨年夏の数字です。その後もその後もウクライナは総動員を続けていますし、中には街角で拘束して動員するような極端な場合も続いています。

        200万人近くいっている可能性があります。しかも、昨年末から動員数が減り、現在、法改正などの動員強化をしても動員数の回復は見られてないようです。

        スウェーデンによる早期警戒管制機の供与については、供与時期の問題から、政治的な宣伝が強いものだと思います。

        以上のようなウクライナの国内事情ですが、その中でウクライナを政治的に支援する作用のものだと思います。

        3
    • nachteule
    • 2024年 5月 30日

     こんなの提供されるとしたら普通に開発中の新型長距離AAMを配備しそうだよな今のロシアなら。ロシアが放置してくれるなら良いけどSAMにしてもAAMにしても長射程の物持っているんだから運用制限で微妙な戦力になったりして。

    9
      •  
      • 2024年 5月 30日

      新型長距離AAMでなくてもAWACS対策は戦前からロシアが最も積極的に投資してきた分野であり、R-37もS-400もそのために生まれた兵器ですから、まあ放置はしてくれないでしょうね

      12
        • たにむりん
        • 2024年 5月 30日

        アルマータ、Su-57その他先進技術が必要な兵器は軒並み開発止まってますが?

        2
          • kitty
          • 2024年 5月 30日

          Su-57は飛んでるみたいですよ。
          R-37ぶっ放したって噂ですし。

          13
          • jimama
          • 2024年 5月 30日

          MIG-31が撃つだけでは
          別に感知されて逃げられても逃げ込んだ先の空港攻撃すれば同じことですし

          5
          •  
          • 2024年 5月 30日

          戦時生産が優先されてますからね
          あとS-400もR-37も既にウクライナで当たり前に使われてる兵器ですし、アルマータもSu-57もAWACS迎撃には関係ありませんね

        • 名無し
        • 2024年 5月 30日

        そのロシア自身がAWACSを立て続けに撃墜されているというのも、皮肉ですね

        4
          • 理想はこの翼では届かない
          • 2024年 5月 30日

          これまでウクライナ空軍にAWACSに相当する機体が無かったですから
          航空優勢に近い状態のロシア軍ですら早期哨戒機が撃墜される戦場で、ウクライナ軍がASC890を飛ばしたら同様に撃墜されるんじゃないの?っていう話ですよ

          7
    • Easy
    • 2024年 5月 30日

    > 最大450kmの範囲内で最大1,000個の空中目標を検出して追尾でき
    ただ、ドローン全盛のこれからの時代、1000個目標では足りない可能性すらありますね。
    300機のシャヘド級の同時攻撃があり。そのシャヘドがそれぞれ1-2個の簡単なデコイを射出し。
    迎撃側がそのシャヘドにそれぞれ1-2発の対空ミサイルを発射、なんていう状況だと瞬間的に空中に浮いてる「評価せねばならない目標数」は1000を軽く超えます。
    という未来が可能な範囲内に存在する以上、システム的なアップデートをかけて1万目標くらいにしないとまずいのでは、となるのが必然かなと。
    そしてそうなると当然に納期が延びます。早期納入はちょっと考えにくいですね。

    5
      • 2024年 5月 30日

      ドローンが映るなら鳥も映りますよ
      こういった警戒レーダーは鳥のような反応は映らないセッティングでしょう当然

      7
        • Easy
        • 2024年 5月 30日

        信号強度でアナログ的に鳥以下の標的にフィルタをかけるのが標的数を減らす最短の方法ですが、それをやると鳥程度のRCSを持つステルス機Su-57を見逃してしまい死亡コースです。
        結局、評価というのは鳥以下の目標に対してもやらざるを得ないんですよ。
        とはいえ、最近のコンピュータの処理能力的には1万でも10万でも軽く処理出来るんですが。
        軍用システムはベースが数十年前の別システムに乗ってることが多いですから,その旧式の部分と新しい部分を統合するところに苦労が発生するわけです。
        特にデータリンクを売りにしているシステムは検証しなければならないパターンの数が膨大ですから、実戦投入までの工数は年々増える一方ですよ。

        9
    • 58式素人
    • 2024年 5月 30日

    グリペンと組合せた防空システムとして出すつもりなのでしょうね。
    対ロシアの本気度が伝わってくるような気がします。
    早めに提供されると良いですね。
    現時点では、E2Dなど望むべくもないのですから。

    1
      • 匿名希望係
      • 2024年 5月 30日

      海軍の退役E-2Cとかないかね。

    • たむごん
    • 2024年 5月 30日

    非常に興味深いですね。
    先日のベルギーと同じように、新型機受取がずれることにより、受け渡しがずれないのか気になります。

    機体整備を、ウクライナが行う能力があるのか、スウェーデン軍が派遣するのか注目したいと思います。

    (2024.05.29 ベルギーのF-16提供はF-35A取得と連動、TR3構成機の問題が影響する可能性 航空万能論)

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