ロッキード・マーティンとラインメタルは欧州の多連装ロケットシステムに対するニーズを満たすため、HIMARSの技術を流用し「ロケット弾装填ポッドを2基搭載したGMARSの欧州生産」を提案中で、4日「ホワイトサンズ・ミサイル実験場でGMARSの実弾試射に成功した」と発表した。
参考:European Global Mobile Artillery Rocket System Launcher Proves Capability with First-Ever Firing
多連装ロケットシステムの選択は事実上「使用する専用弾薬」「弾薬統合の自由度」「所属するエコシステム」の選択
ウクライナとロシアの戦争は地上ベースの火力投射が如何に重要かを思い出させ、特に欧州では自走砲と多連装ロケットシステムの新規・追加調達に需要が集中しているものの、後者はM270に依存してきたため欧州には独自の多連装ロケットシステムとエコシステムが存在せず、ポーランド、エストニア、ラトビア、リトアニア、イタリア、クロアチアなどはHIMARSを導入したが、欧州諸国の中にはM270と同等の投射火力を求める国も多い。
そのためロッキード・マーティンとラインメタルはHIMARSの技術を流用し「ロケット弾装填ポッドを2基搭載したGMARSの欧州生産」を、KNDSとエルビット・システムズもPULSの技術の流用し「イスラエル製のロケット弾に加えてKongsberg製のNSM、MBDA製のJFSMなどを統合できるEuroPULSの欧州生産」を提案していたが、ドイツはウクライナに提供したM270の穴埋め分として、デンマーク、オランダ、スペインはPULSも選択したため、欧州市場における多連装ロケットシステム調達でEuroPULSの優位を示唆したものの、ガザ地区やパレスチナ人に対する批判が高まってイスラエル製武器を拒絶する国も現れ始めた。
ドイツはイスラエルを強力に擁護する立場を崩していないためPULS/EuroPULS優先すると思われるが、ロッキード・マーティンは4日「ホワイトサンズ・ミサイル実験場でGMARSの実弾試射に成功した」「GMARSはATACMSなら2発、PrSMなら4発、GMLRSやER-GMLRSなら12発装填可能だ」と発表して巻き返しを開始し、これにどれだけの関心が集まるのか注目される。
Salon du Bourget, jour 1. Et voilà le Foudre, projet de Himars français de Turgis Gaillard. On vous en parlait en exclu le 30 avril ici : https://t.co/uy2oVVK9JU pic.twitter.com/J2PzRHbj7d
— Vincent Lamigeon (@VincentLamigeon) June 16, 2025
因みにフランスはKNDSが関与するEuroPULS調達が噂されたものの、仏装備総局はHIMARSの代替品を複数開発中(最低で3種類)で、Turgis et Gaillardは6月のパリ航空ショーでFoudreを公開したが、フランスはインドとPinaka調達についても協議を進めており、実弾射撃を視察したフランス代表団は「Pinakaの性能は満足いくものだった」と述べている。
まだフランスの多連装ロケットシステム調達戦略は確定しておらず、Pinaka調達という選択肢も「両国間の戦略的パートナシップ関係の強化や拡大の一貫」であり、フランスは全武器システムを維持していくためのエコシステムを単独で構築できないと知っているため、この部分をインドに譲って「別の成果」を引き出すことも視野に入れているのだろう。
さらにノルウェーとルーマニアはHanwha AerospaceのChunmooを検討しており、欧州市場における多連装ロケットシステムの選択肢はHIMARS、GMARS、PULS、EuroPULS、フランスが開発しているHIMARSの代替品、Pinaka、Chunmooと多彩だが、このシステムの選択は事実上「使用する専用弾薬」「弾薬統合の自由度」「所属するエコシステム」の選択なので、プラットフォームのスペックではなく「何を重視するか」で答えが変わってくるはずだ。
追記:多連装ロケットシステムは「何でも発射できるマルチプラットフォーム化」する可能性が高く、少なくとも米陸軍はM270の後継としてロケット弾、弾道ミサイル、対艦ミサイル、巡航ミサイル、低コスト巡航ミサイル、自爆型ドローン、対空ミサイルなどを発射できる自由さを求めている。
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※アイキャッチ画像の出典:Lockheed Martin





















そもそもが発射機、発射台なのだから弾は何だって良いはずなのに、サイズ違いならアタッチメント付ける位でいいはずなのに専用品ばかりだった今までがおかしかったのでしょうね。極論制御pc的なのあれば弾は壁に立てかけるだけでも撃てるはずなのだから。
車体とランチャー部の搭載規格を統一だけでいい気がするけどな
所用の油圧や供給電力、積載量を満たせばOK的な
中途半端な各種対応は他の分野でも失敗要素じゃん
本当に効率を求めてなら弾種を絞って日韓に安く量産させたらいい
陸上版mk41みたいなの欧州で作っちゃえば良いのにね。
日本はどうなっているのかな。
試作品だらけの気がするが