欧州関連

ギリシャはラファール18機導入で仏と合意、しかも内8機は無償譲渡

複数のギリシャメディアが29日、ギリシャは戦闘機ラファールを18機導入することでフランスと合意したと報じている。

補足:Rafale: Νέα «αγορά» μαχητικών αεροσκαφών από τη Γαλλία

普通では絶対にあり得ない、フランスがギリシャに旧型ラファール8機を無償提供

この唐突な戦闘機導入話は東地中海問題でトルコと軍事的緊張に置かれたギリシャを救済することを目的にしていると見られ、両国の合意内容も異例づくしだ。

まずギリシャに急いで引き渡される8機のラファールは仏空軍が使用しているラファールC F1(もしくはF2)仕様機で、なんとフランスがギリシャに「無償提供」する事になっている。残りの10機は新たに製造するラファールC F3仕様機なので引渡しまで時間が掛かるのだが、これもエジプト向けに製造中のラファールC 10機をギリシャに回せないか検討中だと言われており、もしエジプト側の了解を得られればギリシャへのラファール引渡しは前例のない短期間で実現するだろう。

補足:トルコとリビア問題で衝突しているエジプトはギリシャへ先にラファールを回すことに同意する可能性が高い

今のところ契約金額や契約の詳細については報じられていないが、これまでの輸出実績から考えると25億ユーロ(約3,100億円)程度の金額になると推定される。

出典:Alan Wilson / CC BY-SA 2.0 仏空軍の戦闘機ラファールC

それにしても旧型の中古とは言え、フランスがギリシャにラファールを8機も無償提供するというのは本当に異例で、どれだけトルコのことを目の敵(シリアやリビア問題+レーダー照射事件)にしているのがよく示している。

余談だがギリシャは最近、M1117装甲警備車を1,200輌、M2ブラッドレー歩兵戦闘車(M2A2 ODS)を350輌、OH-58D観測/軽戦闘ヘリコプターを70機、総額にして数十億ドル以上(最低でも1,200億円以上)の価値をもつ中古装備を米国から無償譲渡されており、ある意味トルコとの対立はギリシャ軍の近代化を大いに助けていると言えるだろう。

関連記事:米国とトルコの対立で利益を得るギリシャ、装甲車もヘリも無償で獲得
関連記事:レーダー照射問題、NATO調査を乗り切ったトルコがフランスに謝罪を要求

 

※アイキャッチ画像の出典:Robert Sullivan / Public domain 戦闘機ラファール

トルコ、ギリシャのF-16Cを東地中海上空で追い回した映像を公開前のページ

完成するのか不明、対AWACSキラーを無力化する米空軍の新技術次のページ

関連記事

  1. 欧州関連

    アゼル軍、ナゴルノ・カラバフ地域への補給路遮断まであと一歩

    アルツァフ共和国(旧ナゴルノ・カラバフ自治州が独立国だとして名乗ってい…

  2. 欧州関連

    侵攻ルートが予想外? ナゴルノ・カラバフ紛争に参戦した兵士が語る敗戦理由

    アルツァフ共和国(旧ナゴルノ・カラバフ自治州が独立国だとして名乗ってい…

  3. 欧州関連

    アゼル軍、弾道ミサイルを使用した戦略目標に対する攻撃を本格化

    アゼルバイジャン軍がイスラエル製のミサイル「LORA」を使用してナゴル…

  4. 欧州関連

    ナゴルノ・カラバフ紛争、アゼルへの武器供給を遮断するのが難しい理由

    アルメニアのアルメン・サルキシャン大統領は5日、イスラエルのルーベン・…

  5. 欧州関連

    ギリシャがF-35A購入を米国に正式要請、2021年引き渡しを要求

    ギリシャメディアは16日、ギリシャ政府がF-35A購入を正式に米国へ要…

  6. 欧州関連

    ナゴルノ・カラバフ紛争、2度目の停戦発効から4分後にアゼル軍が攻撃再開

    ナゴルノ・カラバフ地域を巡る戦いは2度目の人道的停戦が18日午前0時(…

コメント

    • 匿名
    • 2020年 8月 30日

    旧型でも、元々ラファールは基本がしっかりしてるから(何処かの台風と違って)アップデートをすればあっという間に新型相当に化ける。
    まぁそこまでするかは知らないけど。凄い事になってるな…。(但し維持管理、運用出来るかは別だが)

    • 匿名
    • 2020年 8月 30日

    ラファールはタイフーンと違って、個々の機体を改修するだけでバージョンアップできるからなぁ。
    フランスが割と本気なのがよく判るな。

      • 匿名
      • 2020年 8月 30日

      それに、ギリシャ空軍は現在ミラージュ2000EGと2000-5Mk.2を保有しているから、今回導入したラファールの実績次第ではミラージュ2000の後継機として追加導入の芽もある
      ギリシャもフランスも両方本気なのだと思いますよ

        • 匿名
        • 2020年 8月 31日

        ラファールの弱点は装備品もろもろがフランス製品になっちゃうこと。
        4.5世代機としてはそこそこ優秀。
        すでにミラージュ運用しているから欠点にならないですもんね。

          • 匿名
          • 2020年 8月 31日

          そこそこというか、ラファールより優秀な4.5世代機ってありましたっけ。

          韓国空軍の審査ではF-15E(K)・Su-35・タイフーンより優秀と評価。
          スイス空軍の審査でタイフーン ・グリペン・F/A-18C/Dより優秀と評価。

            • 匿名
            • 2020年 8月 31日

            スイスの評価はこの10年以内の話で納得の結果です。
            韓国の方は20年くらい前の話で、最新のF-15EXやSu-35Sとの比較だと評価はまた違うんじゃないかなと。
            ラファールもF3で完全なマルチロール化するし、優秀な機体なのは間違いないですが。

    • 匿名
    • 2020年 8月 30日

    親日国トルコがフルボッコされる光景は見たくないので、お願いだからエルドアン氏は全方位を敵に回すのはやめてください。

      • 匿名
      • 2020年 8月 31日

      対外的に強気の姿勢を見せ続けないと体制が持たないという国内事情からなのが、なんともですね。
      今一度、トルコには世俗主義に立ち返ってもらいたいところです。

      • 匿名
      • 2020年 8月 31日

      トルコの国内世論はどうなってるんだろう?
      うまく収まれば良いけどどっちも引くに引けない状況になってきてるよね

        • 匿名
        • 2020年 8月 31日

        実際は半々ですね
        割と盲目的エセ愛国者みたいなのが多くてエルドアンの支持層になっています

      • 匿名
      • 2020年 8月 31日

      残念ながら親日だったのは世俗主義のトルコでした。
      今は完全にイスラム原理主義に傾倒してしまいズレが拡大してしまった
      だけど日本の強みはキリスト教でもイスラム教でもない事なので両陣営の仲介者として完全に関係が無くなることは無いでしょう

    • 匿名
    • 2020年 8月 30日

    でもこういうことをするからギリシャはいつまで経ってもギリシャなんですが。ただ局面は完全に代理戦争の色が強まってきましたね。果たしてトルコはどこを後ろ楯にするのか、手を貸す国はどこになるのか。ロシアはまだ全面に出てこれないでしょう。

    • 匿名
    • 2020年 8月 30日

    19世紀終わりみたいな情勢になってきた

    • 匿名
    • 2020年 8月 30日

    ギリシャはミラ-ジュ2000の運用国だし、空軍はフランス支援で作られた歴史があるし、コストの問題はあるにせよ、ラファ-ルがギリシャの次期主力機になるのかね。

    • 匿名
    • 2020年 8月 30日

    ギリシャって軍事費はGDPの何%なんだろう
    無償譲渡でも維持運用には金がかかる
    某EUの盟主様より多数の高水準のMBTを保有し、殺到する難民を押し返し…

    • 匿名
    • 2020年 8月 30日

    ギリシャ、金ないのに、、
    また中国から貰うのかな、、

    • 匿名
    • 2020年 8月 30日

    少なくともフランスはそれだけ怒っているということでしょう。
    しかも、新造のラファールを迂回調達するのに了解を得るのが、リビア問題で対立しているエジプトというのがある意味で笑えるw

    • 匿名
    • 2020年 8月 30日

    第三次希土戦争ではギリシャ側にフランスとアメリカがつくわけか
    トルコも他の国と手を結ばんとなあ
    ロシア、中国あたりとなんとか・・・いや難しいな

    • 匿名
    • 2020年 8月 30日

    得してるかもしれないけど、維持費が結構なことになるはず。
    兵器よりもお金が欲しいんじゃないかな?

    • 匿名
    • 2020年 8月 30日

    損をして得を取るのは商売の基本

    • 匿名
    • 2020年 8月 30日

    商売がどうこうではなく、単純にフランスぶちキレてるだろ。
    まぁ、トルコに怒る前にまずアメリカから怒れよとは思うが。

    • 匿名
    • 2020年 8月 30日

    観光産業を国の基幹産業とする観光立国ギリシャさん
    コロナショックが直撃する中、お互い引くに引けない
    案件とはいえ、軍拡競争をする余裕はまだあるのか。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 欧州関連

    再掲載|英海軍の闇、原潜用原子炉の欠陥と退役済み原潜の処分費用
  2. 軍事的雑学

    着実にレベルアップを果たす日本の対潜哨戒機P-1、2020年度から「能力向上型」…
  3. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  4. 軍事的雑学

    空飛ぶスナイパー? ロシアの戦闘機「Su-57」は米軍の航空支配を効果的に破壊す…
  5. 米国関連

    本当に笑えない、米空母ジェラルド・R・フォードを苦しめるエレベーターの呪い
PAGE TOP