ギリシャ軍は26日から3日間、キプロス島近海の東地中海でフランス軍やキプロス国家守備隊と共同軍事演習を行うため準備を進めている中、トルコも同時刻に同海域で軍事演習を行うと発表して緊張感が高まっている。
参考:Turkey announces military exercises tomorrow at the same time and location as Greece
意地の張り合い?同時刻、同海域でギリシャとトルコが軍事演習を実施
現在、東地中海はトルコとギリシャが排他的経済水域(EEZ)を巡って対立(※)しており、トルコはEEZで海洋調査を行うため海軍艦艇に守らせた調査船を当該海域に派遣、これにギリシャは武力衝突も辞さない覚悟で対応すると宣言、ギリシャ支援を表明したフランスは戦闘機ラファールや艦艇を派遣した。さらにアラブ首長国連邦(UAE)もギリシャとの軍事演習目的でトルコが海洋調査を行っている海域に近いギリシャ領クレタ島へF-16E(Block60)を4機を派遣するなど一方的なトルコの行動に批判が高まっている。

出典:Airwolfhound from Hertfordshire, UK / CC BY-SA 2.0
そんな中でギリシャ軍は26日から3日間、キプロス島近海の東地中海でフランス軍やキプロス国家守備隊と共同軍事演習を行うため準備を進めており、キプロスのパフォス国際空港に隣接したアンドレアス・パパンドレウ空軍基地にギリシャ空軍のF-16Cとフランス空軍のラファールが到着、ギリシャ海軍(参加艦不明)やフランス海軍(フリゲート艦ラファイエット)の艦艇も演習海域へ移動中なのだが、24日に突然トルコも同時刻に同海域で軍事演習を行うと発表した。
..ήρθε η ώρα….εύχομαι να μην ήταν η ανάγκη. Ελληνικά F-16 ( μετά τα RAFALE), στην ΑΒΑΠ. Το όραμα, το όνειρο, η υπομονή, η επιμονή και η προσήλωση στο σκοπό ….θα φέρουν και τα «χαμόγελα». Αγαπητοί συνάδελφοι της ΕΦ…..απολαύστε το…. δε μπορεί θα έρθουν και καλύτερες μέρες.. pic.twitter.com/FeDwQXWVPc
— Gen Ilias A Leontaris /// Ηλίας Α Λεοντάρης (@ileontaris) August 25, 2020
Turkish and allied navy ships will conduct maritime trainings at eastern Mediterranean on 25 August 2020 in order to promote coordination and interoperability. pic.twitter.com/gWSMssS4rA
— T.C. Millî Savunma Bakanlığı (@tcsavunma) August 24, 2020
恐らくこれはトルコの海洋調査に反対するギリシャ軍、フランス軍、キプロス国家守備隊による共同軍事演習を牽制もしくは妨害する意図があると見られるが、余りにもやり方が露骨過ぎて問題が多い。
トルコが演習を行うと通知した海域はギリシャが共同演習を行うと事前通告した隣の海域で、非常に狭い海域に多くの戦力が密集するのは偶発的な衝突を誘発する可能性もあるため非常に危険なのだが、ギリシャ側もトルコ側も引く気はまったくなく演習を予定通り行うと言っており、今月13日に発生したギリシャ海軍とトルコ海軍の艦艇による接触事故に類似した物理的衝突が再び発生するかもしれない。

出典:seligmanwaite / CC BY 2.0 ギリシャ海軍のエリ級フリゲート2番艦「リムノス(F-451)」
果たして何事もなく演習が終了するのか、トルコとギリシャの対立に油を注ぐような事故や衝突が発生して東地中海の状況が更に緊迫度を増すのか、中々スリリングな状況になってきた。
余談だがアラブ首長国連邦がクレタ島に派遣したF-16Eは今回の軍事演習には参加するとはアナウンスされていない。
関連記事:米仏に続きUAEまで東地中海問題に介入、F-16Eをギリシャに派遣
関連記事:トルコとギリシャの緊張状態にフランスが介入、戦闘機ラファールを派遣
※アイキャッチ画像の出典:Tim Felce / CC BY-SA 2.0
これは…盛り上がるな
今は中共のせいで忙しいんだ。NATO同士で騒ぎを起こさないでくれ。
アメリカが中共で忙しくて介入出来ないからやってるんだが
とにかくトルコには困ったものだ。
そうとしてもとにかく迷惑なのでトルコは自制して欲しい。
1992年、エーゲ海でNATO軍の演習中に、米空母サラトガからシースパローを誤射されて
艦橋とCICを吹っ飛ばして艦長以下5人が死亡したのは、トルコ海軍の艦艇でしたね。
無茶やってるとまた飛び込んでくるぞ
最近衝突しましたよね。
その時は物理的な衝突でしたがびっくりでした。
チキンレースは大統領がやれ。
ギリシャ大統領とエルドアン氏を物理対決させて、勝ったほうの主張を認めるってことでどうだろうか
どっちもロートルだから、観客はさぞ萎えるでしょう。
サッカー対決のほうが、まだ盛り上がる。
西側兵器同士の一触即発な現場、ロシアの電子情報収集機とかが張り切りまくって飛んで行きそ。
かつてのシドラ湾のどっちかみたいなことが起きるのかな
自制心の試し合いを、こんなことで行わないでほしい。
オスマントルコの野望(全国版)的な匂いが漂ってきたな
それというのも、アメリカ・イスラエルもロシアもそれぞれ敵が定まってしまった軍事的な空白が原因
しばらく止まりそうも無いですね
こういう事例を見れば尖閣で日本が中国に強硬に対応するべきとの意見がいかに危険かわかる。
川野防衛大臣が尖閣視察を検討したが断念したとの報道があったが、本当に危険な振る舞いであったと批判するべき。
中国を挑発して尖閣で軍艦同士がにらみ合うような真似をすることが政治家の仕事か?川野氏の適性を疑う。
中国の主権を尊重しないで日本の主権を主張するのは無理がある。
本件、その後どうなったのでしょう?
10月13日にドイツ外相が、トルコの冒険主義を批判し、EUメンバーとしてギリシア側につくと公表しましたが、
現場はどうなっているやら……