スターマー暫定首相は国防投資計画について「7月7日に開幕するNATO首脳会談前に発表する」と繰り返し、新首相に最も近いバーナム陣営は「議会の夏休暇明け=9月発表」を示唆しているが、Financial Timesは26日「GCAP開発作業の契約が火曜日に締結される予定だ」と報じた。
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支出の再均衡が社会福祉削減を伴わず、ドイツと同じ手法=財政規律の枠を超えて借入れを行えば市場の支持を失って国債金利が上昇する
英国のスターマー首相は変革を掲げて政権を奪取したにも関わらず「経済停滞や生活費高騰への対応不足」「税制・福祉・移民政策の迷走」「政策実行力の不足」が目立って「何も改革が進んでいない」という不満が爆発、首相への支持率も戦後最悪クラスに低迷し、2026年5月に実施された地方選挙での歴史的大敗を喫したことで党内でも「このままでは次の総選挙で大敗する」という危機感が広がり、ヒーリー国防相が国防費増額と国防投資計画を巡って6月11日に辞任。
“New leader will be in place before Parliament returns in September, I will remain in post until the contest is complete”
Keir Starmer announces he will resign as UK prime minister and leader of the Labour Party
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— BBC Breaking News (@BBCBreaking) June 22, 2026
そして6月18日投票のメイカーフィールド補欠選挙でバーナム市長がリフォームUK候補を破って勝利したため、閣僚、労働党、支持基盤の全てから見放されてしまい、スターマー首相は22日「労働党党首を辞任する」と発表、7月16日までにバーナム下院議員以外の候補者が立候補しなければ17日の特別党大会で新しい労働党党首に選出される見込みだが、無投票での選出を嫌い党首選に発展する可能性もあるため、新首相の誕生は最速7月20日、党首選に発展した場合は議会が再開する9月頃になる見込みだ。
スターマー暫定首相は国防費増額と国防投資計画について「7月7日に開幕するNATO首脳会談前に発表する」と繰り返しているものの、新首相に最も近いバーナム陣営は政権樹立後、最初に直面する重要な政策決定について「スターマー政権の決定に縛られたくない」「新政権が独自の判断で国防投資計画を推進していきたい」と考えており、これは「NATO首脳会談前の発表を先送りし、議会の夏休暇明け=9月発表」と示唆しているに等しい。

出典:NATO
Breaking Defenseも「バーナム首相の就任は英国の国防政策や国家安全保障に影響を及ぼすだろう。基本的にはスターマー政権の路線=国防費増額基調を継続したと考えているが、いくつか重要な面で違いがある」と報じている。
“最初にして最も重要な課題は国防費に関するものだ。英国は2025年「2027年までに国内総生産(GDP)の2.5%、2035年までに3.5%に相当する額を国防費に充てる」と約束したが、ヒーリー国防相が5月初めに辞任に至った原因は約束した目標達成への具体的な道筋が欠如していたからだ。スターマー政権のリーヴス財務相は支出抑制による債務負担軽減のため厳格な財政規律を導入した。国防費をめぐる公の場での紛糾がスターマー政権崩壊の決定打となったことを踏まえると、おそらくバーナムはドイツと同じ手法、財政規律の枠を超えて借入れを行う必要に迫られるだろう”

出典:UK Prime Minister
“さらに国防投資計画の発表時期についてもスターマー陣営とバーナム陣営の間で摩擦を産んでいる。現政権はバーナムが首相官邸入りする前、つまりNATO首脳会議の前に国防投資計画を公表する計画だと主張している。バーナム陣営は「スターマーの計画よりも多く国防費を支出する」と主張し、国防投資計画の発表を秋まで遅らせて計画の内容に深く関与したいと考えている”
“バーナムは大砲とバターに関する支出の再均衡を図る必要性についてより広範に語ってきた。しかし、それは必ずしも後者を削減して前者に充てるという手法ではなく、より多くの人々を就労させ生活保護から脱却させることが「国防投資のための資金を捻出することにつながる」と示唆している。これは財政問題の解決策として「成長」に持続的に焦点を当てたスターマー政権の方針を彷彿とさせるが、バーナムが再均衡を達成するためには前任者よりも速く、より目に見える進展を示す必要があるだろう”

出典:Royal Navy
“国防政策の観点から見るとバーナムは調達と投資に関して10年という時間軸を好んでいる。これは生産ライン拡大のため長期的な確約を求める防衛企業の共感を呼ぶだろう。さらに重要なことは「国防費をテコにして成長を強化し、地域経済を再建し、長期的に労働者の技能を向上させるような産業戦略を構築したい」というバーナムの意図を反映している点だ。つまりバーナムにとって国防費増額は前政権以上に不可欠なものとなっており、これを英国の再工業化として位置づける可能性が高い”
スターマー暫定首相はNATO首脳会談に出席しなければならず、各加盟国は1年前に合意した国防支出の新基準=総額5.0%(純粋な国防支出=3.5%+軍事インフラとしても活用できる重要インフラの保護、ネットワークの防衛、民間防衛や回復力の確保、イノベーションの促進、防衛産業基盤などへの投資=1.5%)を達成するための具体的な道筋を示す必要があり、NATO首脳会談で針のむしろを回避するためにはトルコ到着までに国防費増額と国防投資計画を発表しておきたいだろう。

出典:UK Prime Minister
バーナム下院議員はNATO首脳会談に首相として出席しないため、自身の考えと異なる中途半端なものを急いで発表する必要性はなく、議会の夏休暇明け=9月までに「自身の考えを反映した国防投資計画を練り上げたい」と考えており、政治的にレイムダック化したスターマー暫定首相と新首相に最も近いバーナム下院議員との綱引きは勝負が見えているような気もする。
日本人にとって一番気がかりなのは「6月末までにつなぎ契約が切れるGCAP開発作業の行方」だが、国防投資計画が発表されない限り「財政的裏付けのある資金供給」は不可能なので「6月末までにつなぎ契約から複数年契約に移行するのは事実上難しい」となり、新首相に最も近いバーナム下院議員は国防投資計画の発表を先送りする公算が高いため「つなぎ契約が切れてGCAP開発作業が宙ぶらりんになるか」「9月までのつなぎ契約で時間を稼ぐか」「財政的裏付けがないまま複数年契約を締結してしまうか」のどれかになるだろう。

出典:Edgewing
追記:Financial Timesは26日「スターマー首相は最低180億ポンド(満額は280億ポンド)の国防費増額要求に対して135億ポンドしか提示せず、これに抗議するためヒーリー国防相が辞任し、国防省は前回提示額を上回る最大25億ポンドの追加資金=160億ポンドを確保できると期待していたが、追加資金の現実的なラインは10億ポンド~15億ポンドになる」「つなぎ契約が期限切れとなる火曜日にGCAP開発作業の契約が締結される予定だ」「財務省は18ヶ月間の契約締結に必要な資金拠出に合意し、2032年までの4年間分の資金も確保したという」と報じた。
これが事実ならつなぎ契約が期限切れを迎える6月30日にGCAP開発作業の暫定的な複数年契約が締結され「GCAP開発作業が宙ぶらりんになる」という最悪の事態を回避できるが、1年半という期間は本格的な開発フェーズ全体をカバーする「完全な複数年契約」ではなく「18ヶ月のつなぎ契約+将来の予算枠の確保」と解釈するのが妥当で、Financial Timesは国防投資計画の資金配分について「核抑止、GCAP、AUKUS級原潜だけで調達資金の50%以上を占めているため、必然的に他のプロジェクトへの資金供給に影響を与えるだろう」と述べており、しわ寄せを受ける他の計画は削減、縮小、中止という厳しい現実に直面するだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Number 10





















GCAP。
元はイギリスが云い出したテンペストだった筈。
云い出しっぺがこの有り様ではイギリスの信頼、地に落ちたなんてレベルではなく地下に埋もれたも同然。
政府の財務残高が原因の此度の騒動。
日本も他人事と思っていると足元をすくわれます。
気を付けましょう。
むしろ欧州信じてた日本は
どこまでもお花畑
中国信じて40年投資して鉄砲向けられる馬鹿日本
>>おそらくバーナムはドイツと同じ手法、財政規律の枠を超えて借入れを行う必要に迫られるだろう
利払いで苦しんでいるイギリスにドイツと同じ手法が可能かな?
財政的裏付けがない状態での支出拡大はトラスの件で懲りたはずです。
そして財政規律に気を付けないといけないのは日本も同様です。
人が変わってもリソースの総量が増える訳ではないので、政府債務と支出に関して現政権の規律を順守するとしている上にインフラの公的管理強化や南北経済格差の是正などの少し富裕層に課税する程度では足りない政策を主張してきたバーナム氏に国防費増額で期待出来るかと言われると。
欧州相手にブレグジットする国だから
日本相手に契約違反するとかほとんど抵抗感無さそう
郵便システム障害でも富士通をフルボッコしてた
GCAPに関しては予想通りの展開になりましたね。日英首脳会談後、日本側がGCAP関して不安や不満を示してなかったことからそれなりの約束を英国から引き出したんだろうなと思ってましたが、現状出来る限り頑張った契約だと思います。
日英でGCAPに関して温度差があるんじゃないかと言われてきましたが、今回の件で英国にとってもGCAPは核に並ぶ安全保障上、防衛産業上必要なピースだと証明されたのではないでしょうか。
GCAPはイギリスの航空機産業の軍事面で重要性が高いです。
タイフーンに生産が先細りの中で開発から生産と言うのは簡単に手放せるものではないと思います。
開発が無事に済めば日本に部品輸出しても良いわけですから。
2016年から2人の大統領出てるアメリカ
2016年から7人の首相が出てるイギリス
どう見ても後者の予測不能性が高い
そりゃ罷免が非常に困難な大統領制と簡単に首相が辞められる議院内閣制の違いに拠る
大統領は暗殺されるかクーデターでもなきゃ任期途中に変わらないよ
その二人の大統領のうち一人がトランプ氏で
彼の言動って日替わりだし予測できるかなぁ?
欧州は、元々こんなものと言えば、こんなものなのかなあと。
日本目線『国際公約の支出・消費税増税(!)』錦の御旗を見かけますが、海外だと内政次第で宙ぶらりんなのでしょう。
イギリスの1年半後くらいを考えれば、イギリス総選挙2028年が近くなってきて、また政治情勢が混沌としそうなんですよね。
リフォームUKがトップを取る可能性があるわけですが、比較第1党止まりではないかなあと思いまして、各党の連立交渉が混沌としそうですから何も見通せないなあと…。
日本の政官学は英国留学組だらけで
英国かぶれが酷い
米国アイビー留学しても英国留学組の教授に教わるから
やはり英国かぶれに
天皇家も(秋篠宮家なども含め)、イギリス留学が多いですから、仰る通りですね。
イギリスの中身が、留学されていた方々の時代から大きく変わってますから、今後どうなっていくのか見守りたいと思います。
韓国はとうの昔に腹を括った
日本も現実的な選択をするようになった
英も独仏伊西に最低でも互角か多少なりとも有利を取れる領域を維持できないと終わるぞな
中国怖くて台湾に武器売れない日本よりマシだよ
英もL7砲とか大陸中国に売ってらっしゃいましたな
まぁ対ソヴィエト政策上も西側で大陸中国に色々支援した結果が今日ではあるんだが