イタリア海軍のクレデンディノ参謀長は6月「策定中の将来計画には原子力空母の建造が含まれている」と明かしていたが、2025年~2027年までをカバーする予算文書の中でも「次世代空母建造に関する研究」に資金が割り当てられ、海上哨戒機を取得するための初期投資も承認された。
参考:DPP 2025-2027: tutti i dettagli su come l’Italia spende i soldi della Difesa
参考:Credendino (Marina): «Noi in azione nel mar Rosso. I russi al largo della Libia spiano la nostra Marina»
参考:Italy unveils €31 billion defense budget with NATO target in mind
外人がSNS上で言及する「P-1が最有力候補」という話をまだ真に受けない方が良い
イタリア国防省は2025年~2027年までをカバーする予算文書(予算案ではなく成立した2025年度予算の詳細な内訳と将来予算の見通しを説明する文書)を9日に発表し、2025年度の国防支出額について「旧基準2.0%をクリアできる453億1,500万ユーロ」と報告したが、実際の国防支出額は昨年よりも7.2%増(約30億ユーロ増)となる312億9,800万ユーロで、140億ユーロもの差額は「国防予算外で軍事分野に重点を置いている投資」を含めた場合の話だ。

出典:Photo by Dane Wiedmann
つまり直接的な軍事力に結びつく防衛分野への投資額をGDP比に換算すると1.5%水準だが、NATOが容認する会計処理を最大限駆使すると「312.9億ユーロ」が「453.1億ユーロ」に化けるだけで、国防支出額の引き上げ額が増えた訳ではないが、イタリアは2026年~2028年の3年間で総額119.5億ユーロの追加支出を予定しており、2028年頃に直接的な防衛分野への投資額のみで2.0%基準を達成するらしい。
因みにイタリア海軍のクレデンディノ参謀長は6月「海軍は2040年までをカバーする予算計画を策定中で原子力空母の建造が含まれている」と明かしていたが、9日に発表された予算文書の中でも「次世代空母建造に関する研究」を含む技術開発計画に資金が割り当てられ、対潜戦に対応する海上哨戒機取得計画を2027年に開始するための初期投資(3,000万ユーロ)も承認されており、Defense Newsも「イタリアの予算文書には海上哨戒機を6機取得するための初期投資が含まれている」「調達機種は決まっていない」「イタリア当局は過去『川崎製のP-1を検討している』と述べたことがある」と報じている。

出典:海上自衛隊
Defense Newsが言及したイタリア当局の発言とは、イタリア空軍のルカ・ゴレッティ参謀長が今年3月「代表団が日本を訪問しているのは練習機や共同哨戒機の開発について発展する可能性があるからだ」「GCAPの条約には両産業界の協力を促進する項目が含まれているため情報・技術の共有プロセスが効率化される」「この協力関係は先日まで思いもしなかった新たな展望を切り開いた」と上院公聴会で発言し、記者団の「海上哨戒能力のギャップをどう埋めるつもりのか」という質問に「P-1は可能性のあるオプションの1つで日本と素晴らしい関係を築いている」と回答したことを指している。
イタリア国防省の予算文書は調達機種に何も言及していないため、外人がSNS上で言及する「P-1が最有力候補」という話をまだ真に受けない方が良い。
関連記事:もう米国製システムはデフォルトではない、伊空軍参謀長がP-1導入に言及
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※アイキャッチ画像の出典:Marina Militare





















>P-1が最有力候補
出来の悪いエンジンさえ欧米製に換装できればあると思います。
おっしゃ!M-346買ってP-1売ろうぜ!なんだって?エンジンの稼働率がヤバい?じゃあエンジンは他所から調達させようぜ!
エンジンは、低空飛行して塩水吸っているからおかしくなっているのでは?
予算増えているのだから、キチンと金かけて整備してもらいたい。
ROからこれだけ経過しているのに稼働率が改善している兆しもない様なので、設計段階で塩害対策がすっぽり抜け落ちてると見て良いのではないでしょうか。(IHIは偶発と言い張っているらしいが、偶発多すぎ)
特定のパーツを耐食性の高いものに置き換える、とかの対応では済まないのかもしれません。事実上再設計になって、コストも爆あがりするのだと思います。
ドンガラは諦めて、センサー類(悪い意味で定評のある光学センサーは、センサーそのものではなく空力の検証不足による物理的な損傷が原因という説もある)や、戦闘システムを売りに行く方が、まだしも現実味がある様な気がします。
仮に機体もという場合は、エンジンは現地の会社のもので対応するのがMUSTになるでしょうね。
「稼働率が改善している兆しもない」や「設計段階で塩害対策がすっぽり抜け落ちてる」ってのは何処かにデータがあるんです?
会計検査院によると第二回腐食不具合の対策はまだ進行中ですし、腐食対策はアメリカ軍のJSSG-2007Aを参考にしたと書いてありますけど
エンジンベイに入るやつ探して試験するよかまだ運用経験のありそうなイギリス軍およびRRに協力してもらった方がましなのでは?
イギリス側もそんな(波をかぶるまで低空飛行)とかしらんと答えるかもしれんが
カブールって半分揚陸艦みたいなものだし、トリエステは強襲揚陸艦
本格的な次世代空母を研究してもおかしくないかな
研究の結果、VTOL空母か通常空母か原子力空母かに決めるか、やっぱりそう言うのは要らないになるのか、気になる所
わざわざ原子力空母の可能性を提示した。と謂う事は、カタパルトを装備した固定翼機の運用こそ、本来的には必要である。との結論が既に出ている。と謂う意味かと思います。将に、それを実現可能か否かを「研究」する為の予算計上でありましょう。
とは云え、空母機動部隊を編成する前に、その足元を固める攻撃型原潜を先ずは運用するべきではないか?と、とは思ってしまいます。日本もそろそろ本腰入れないとなりませんね。
そもそも選択肢が少ないジャンルだから名前位は出てくるのでしょうね。性能や金額でなく政治的要素が最優先な平時の防衛装備品の調達ってもう少し何とかならんのですかねー
最近の戦争では戦時ですら政治的要素(の無さ)が最優先であるのが恐ろしい。
戦争が政治の延長なので切り離すのは難しいんです
平時しか無いなら性能と金額優先でも良いかもしれませんが、いざ有事になって大量に必要になった時「やばい!増産するか優先的に回すかいっそウチで作らせてくれ!」って言っても「あなたとは単なる顧客とメーカーの関係だし……」って拒否されるのがオチ
戦時ですら政治的要素が絡むってのは因果が逆転してて、そもそも供給国側がデメリットに目を瞑ってでも腹を括って支援する程に政治的繋がりが無いってのが昨今の状況です
イタリアが原子力空母って、フランスと共同開発するのかな?
艦載機もフランス製かな。
当座、トリエステとカブールにF-35Bを満載した方が良い。
日英伊でどっちも共同開発になったりしてね。
イギリスはP-1に関してはP-8いれた関係で難しいかもしれんけど。
P-8の運用知見からの改善案は出てくる可能性はある。
ボーイングやアメリカ企業の愚痴でしめられるかもしれんが・・・。
まあP-1については現状維持、候補の一つではあって外されてはおらんよ、というだけですね。
個人的にはぜひ搭載機器もエンジンもGCAP欧州勢主導での載せ替えを容認して機体だけでも輸出して欲しいけど。エンジンをRRの民生用に載せ替えるとしてもIHIのテイルコーン内蔵電動機をネジ込むくらいはできるだろうし、それが出来れば逆に民生機用エンジン市場に喰らい込むチャンスにもなる。
載せ替えるのはいいけどエンジンサイズ合うので推力や塩害などに適正なやつとかあるんですかね
そして取り替えるのはいいけど、その試験予算はもちろんイタリア持ちですよね?っていう話になりそう。
純粋にP-3運用の後継機かP-8みたいな無人機に任せるかの差もあるから何ともいえないやつ。
イタリア軍の要求はどっちやら
むしろ今回の件でIHIに知見が溜まって海外より良い改良できそうだし海外だから適正なのがあるとも限らんしなあ
そりゃそのまま積めるのはないでしょう。イジる必要があるからこそGCAP欧州勢「主導」で、と言ってる訳で。
でサイズや推力合わせるのにイジるのは低圧系がメイン、高圧系の大半がRRの民生エンジン流用なら欧州で運用する上でのコスト的なメリットは十分あるでしょう。
RRエンジンをアヴィオ主導で改修するならイタリアも予算を出しやすいしRRだって手伝うのをシブらないでしょうし。
イタリアが海自ほどの低空哨戒を求めないなら思い切って双発化する手だってあります。
無人哨戒母機にするにしたってP-8そのものを買うのではなく自国や英他欧州で搭載機器と無人子機を開発するなら、改修母機としての適性はP-1の方が上でしょう。もちろん民生ベストセラー機ベースであることによるコストメリットと引き換えではありますが。
輸出して儲けようとして色々な兵器を開発、販売してる国々でさえ、実際に売れる商品はそれほど多くないのだから、P-1が売れなかったからと言ってそこまでとやかく言っても仕方ないとは思うのだけれど…
まして基本EU内の製品を買おうとかいう流れが欧州内で強くなってる状況ではなおさら
GCAPイタリア仕様に艦載版も出来たりするのかな?
イギリスのQE級くらいのサイズなら英伊で艦載版の共同開発も有るかもしれないか
コストが許すなら3カ国とも艦載できるならそれはそれで使い道がある(もしくは作る)からやらないこともないか?
フランカーみたいに足の構造強化した艦載版GCAPかイギリスの方が開発しているのを使ってそっちの方で艦載機作るか
防衛省が本格的な空母導入を検討しているとのニュースも出てきましたしGCAPの流れで次期空母もイタリアと共同研究という手もアリですね
そういえば自営業先生のRED SUN RISINGの設定が2025年だったんだよなあ。
AI搭載戦闘機くらいかな実現しそうなのは。
原子力空母も軌道降下兵も衛星レーザーも無理だった。
中華製機器のバックドアもあるか。
いや「いずも型の改修を進めつつその知見や教訓をまとめて技術課題を整理する」と言ってるだけでは?
がんばって「本格ライトニング(&UAV)空母」くらいじゃないかなぁ。CATOBAR空母&艦載機、という選択肢はないと思う。
イタリア軍が原子力空母とは魂消た物だ。一緒に出来れば日本も原子力空母ワンチャン?
流石に難しい気がするけど、20年も後の話じゃ何とも言えない。
リップサービス程度の話しに何がそんなに不満なん
あと失敗かどうかは防衛省が判断するんで素人は心配しなくても大丈夫よ