イタリアのメローニ政権は9月「Tranche4調達予算を確保した」と言及していたが、イタリアメディアとユーロファイター・タイフーンコンソーシアムは24日「スペインに続きイタリアもタイフーン取得契約を締結した」と発表、トルコ導入が決まればタイフーンの総生産数は800機を越える。
参考:Altri 24 caccia Typhoon per l’Italia
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ドイツが2025年に発注するタイフーンはTranche4ではなくウイングマンの制御能力を備えるTranche5
イタリアのメローニ政権は議会に提出したタイフーン追加調達案の中で「Tranche1を更新するためTranche4かTranche5を24機取得しなければならない」と述べていたが、9月に発表された国防予算の内訳と2026年までの予算見通しに関する文書の中で「新型タイフーンの調達」「F-35A/Bの追加調達」「GCAPへの投資」「F-35プログラムにおけるイタリア産業界のワークシェア規模」「カーメリに設置されたF-35 FACOの売上」「資金供給が確定していない海上哨戒機の取得」に言及。
BREAKING: Italy orders up to 24 Eurofighter Typhoon jets 🇮🇹m
This major milestone follows last week’s Spanish order for 25 aircraft, reinforcing Eurofighter’s role in modernising European air defence. ✈️CEO Giancarlo Mezzanatto said two Core Nations placing new orders in one… pic.twitter.com/MfFrEeHYgL
— Eurofighter Typhoon (@eurofighter) December 23, 2024
イタリア空軍が運用している93機のタイフーンの内26機は限定的な対空能力しか備えていないTranche1(単座16機+複座10機)で、この文書の中で「Tranche4(24機)の調達作業を開始するため2024年度予算の中で6.9億ユーロを確保した」と言及し、La Stampaは24日「スペインに続きイタリアも最大24機のタイフーン取得に関する契約を締結した」「イタリア向けのコンポーネント製造と機体の組み立てはカゼッレで行われ、スペイン向けのコンポーネント製造もカゼッレで行われ、機体の組み立てのみアルバセテで行われる」と報じ、クリスマスに(伊産業界の)雇用維持に関する良いニュースがもたらされたと付け加えている。
ユーロファイター・タイフーンコンソーシアムも「イタリアが最大24機のタイフーンを発注した。この大きなマイルストーンはスペインの25機発注に続くもので、欧州の航空戦力近代化におけるタイフーンの役割を強化することに繋がる」「1週間の間に2つ開発国が新規発注を行ったことはタイフーンの能力に対する信頼性とコミットメントを示すものだ」と述べ、イタリアは関連費用を含めた24機取得に74.4億ユーロを投資するらしい。
スペインのディフェンスメディア=Infodefensaも「ドイツが2025年に20機の追加調達を行うと表明し、スペインとイタリアが計49機の発注を行ったことでタイフーンの総生産は762機になった。カタールも12機の追加調達に関する意向を表明し、トルコともタイフーン調達に向けた交渉が進められているため、総生産は800機を越える可能性が高い」と報じている。
因みにタイフーンの最新バージョンはTranche4で、搭載レーダーは輸出向けのCaptor-E Mk0、ドイツとスペインが採用したCaptor-E Mk1、英国が採用したCaptor-E Mk2があり、イタリアが調達するTranche4はMk1を搭載した機体になる可能性が高く、ドイツが2025年に発注するタイフーンはTranche4ではなく次世代戦闘機の技術を先取りしたEurofighter Long-Term Evolution(LTE)が採用され、ラファール F5と同様にウイングマンの制御能力を備えるTranche5だ。
英国とドイツは「次期戦闘機が実用化される前に有人戦闘機と協調可能なウイングマンが必要になる」という認識で一致し、今年10月に締結した2ヶ国間協定には「戦闘機に随伴するプラットホーム分野の協力」が含まれているため、両国は有人機(タイフーン、F-35、GCAP、FCAS)に統合可能なウイングマンを共同開発する可能性が非常に高い。
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※アイキャッチ画像の出典:Eurofighter Typhoon
gcapでの新型開発、配備を待てない感じなんやね
日英伊での共同開発が空中分解しなければいいが。。。
と言うより、F-35の納入が遅くて、ウクライナ戦争で尻に火がついてなりふり構ってられないんじゃないでしょうか?
F-35の購入予定数は115機ですが現状33機しか納品されてないですし、各国の採用数が玉突き事故起こしてて、更にイタリア軍は戦闘機はタイフーンとF-35しか採用してませんし。
待てないも何もイタリアはテンペストもGCAPも発注どころか調達の確約すらしてないので、
タイフーンを買おうがF-35を増やそうがはたまたラファールを買おうがGCAPにはあんまり直接的な影響はないでしょう(もちろん潜在顧客ではありますが)。
日本がF-15更新を待ちながらF-35導入、F-3開発を進めてきたのと同じです。
第5世代以上と第4.5世代はやはり違いが大きすぎる。だから新鋭機の導入開発は継続するわけです。しかし全軍ステルスを達成するには熟練パイロットから練習機まで少なすぎる。やはりまだ4.5世代の更新が必要なのです。
保有する全ての戦闘/攻撃機をステルス機にしないのは調達・運用維持に要する費用の問題が最大なのでは。
ステルス機の優位性と必要性は認めながらも、戦力として機能する数を最低限保有し、他の所要数は最新化した4.5世代機以下で賄おうとするのは軍事予算拡大に制限のある国家にとって自然な動きに思えます。
やっぱり自国の雇用維持よな
見出し画像が色合いのせいかクリスマスの飾りに見えて…
思ったより米製兵器が売れなくてトランプ君が暴れ出しそう。
兵器が売れないと言うより、兵器の生産が遅くて、納品が間に合ってないが正しい。
トランプのご機嫌を取るために、とりあえずF-35の大量発注だけして、
どうせトランプの任期中に全部の納入は間に合わないから、トランプが引退したらキャンセル。
という未来が予想されます。
戦闘機大増産というニュースだけでも、抑止力として働きますから。
実際には納入されなくても、政治的には重要なのかも。
F-15/F-16A/B初期型と同じ道を歩んでいるのはどうなんでしょ?>買い換え
F-22block20もそうであるように、初期型とその運用結果を反映した改良型では小改造では済まない壁ができてしまうんでしょうね。
ロッキードマーチンは未だに独り勝ちを崩してないし、米兵器の売れ行き不調===ボーイングの売れ行き不調でしかないでしょ?トランプも先ず連中を締めてもろて…
TR5でウィングマン運用能力を付加って、発電とかコンピュータの能力向上に、やっぱり双発は余裕があるんやね。。
つらつらとスペック眺めていたら、今更だけど、タイフーンの機銃ってCASを想定した27mm リヴォルヴァーカノンで、問題起こしまくっているF-35Aの25mmより大口径なのね。
まあ、撃った後にステルスコーティングが剥がれる心配はないのでしょうけど。それでも、やっぱり使わないから外そうって動きになっているのは、航空機の機銃でのCASというものが時代遅れになっているのか。A-10さん…。
今後の4.5世代機は前線任務を5世代以降のステルス機に譲って、後方でのミサイルキャリアや巡航ミサイル、(シャヘド的な)ドローン迎撃(地上から落とすより遥かに効率が良い)任務に移行していくだろうと思います。
なので寧ろ4.5世代機は機銃を外さないし、積載量にも余裕を求められるのではないかと。なんならそういう路線でA-10やSu-25みたいな非戦闘機が再評価されかねないかと
4.5世代機が機銃でUAV退治…は一時的な流行り止まりじゃないかなぁ。一般化したらすぐカウンター狙われるだろうし。
安価な長距離UAVの群と思って七面鳥狩しようとしたらその内1〜2機はこっそりSRAAM積んでるとか、何なら「逃げ切れないと判断したら突然反転して突っ込んできて自爆する」だけでも機銃で攻撃するべく肉薄してる有人機にとっては結構なリスクでしょう。
フレームに穴があいてて機体寿命が激短って話はどうなったのでしょう?
初期型の虎1なので該当機かは知らんが
それの更新