欧州関連

KratosとAirbusがXQ-58Aの欧州バージョン開発を発表、ドイツに提案予定

ドイツ空軍は「次世代戦闘機が実用化される前に有人戦闘機と協調可能な無人機が必要になる」と表明したため様々な動きが観測されてきたが、KratosとAirbusは16日「Airbus製ミッションシステムを組み込んだXQ-58Aを開発する」「2029年までにドイツ向けの戦闘準備が整う」と発表した。

参考:Airbus to team with US Kratos Defense, deploying German mission system
参考:Airbus, Kratos team to pitch German Air Force drone wingmen

XQ-58Aの欧州バージョンも再使用可能だが「比較的シンプルで消耗可能な無人戦闘機」という位置づけなのかもしれない

米空軍のNGAD、米海軍のF/A-XX、仏独西のFCAS、英伊日のGCAPには有人戦闘機に随伴可能なウイングマン(自律的飛行が可能な無人戦闘機)が設定され、有人戦闘機の代わりにリスクの高い任務の一部を肩代わりしたり、有人戦闘機の認識力や戦場に運搬するペイロードを拡張したり、価格高騰で減少傾向が続く航空戦力の量を補完できると期待されているが、ウイングマンとの協調能力は次世代戦闘機のみが利用できる固有要件ではなく、既存の第5世代機や第4世代機向けに実用化が相当前台しされている。

出典:Airbus

ドイツ空軍も「FCASが実用化される前に有人戦闘機と協調可能な無人機が必要になる」と表明、Airbusも2024年6月「新しいウィングマンのコンセプトで発表する」「これはドイツ空軍のニーズに対する回答だ」と予告し、ベルリン国際航空宇宙ショーでクリップトデルタ翼とラムダ翼の特徴を備えた無尾翼のステルス無人機の実物大モックアップを公開、さらにドイツと英国は10月に署名した防衛協定の中に「戦闘機に随伴するプラットホーム分野での協力する」と明記し、両国が運用するタイフーンやF-35向けのウィングマン開発を強く示唆。

今年6月のパリ航空ショーではAndurilとRheinmetallが「欧州市場に参入するため両社は提携する」「欧州のサプライヤーを活用して無人戦闘機=YFQ-44A、超大規模生産と大量使用を前提に設計された低コスト巡航ミサイル=Barracudaの欧州バージョンを共同開発する方法を検討する」と発表、General Atomicも「米空軍は同盟国と無人戦闘機の売却について協議して良いと許可を与えている」こんなことは45年間も仕事をしてきた中で見たことがない」「YFQ-42Aについて複数の潜在的な顧客と協議した」と述べていたが、KratosとAirbusは共同でドイツ空軍にウィングマンを提案するらしい。

出典:U.S. Air Force photo by Master Sgt. Tristan McIntire

KratosとAirbusは16日「両社はAirbus製のミッションシステムを組み込んだXQ-58A開発で提携し、2029年までにドイツ空軍向けの戦闘準備が整う予定だ」と発表、Kratosは「今回の提携で欧州のミッション向けに調整されたヴァルキリーの派生型が誕生することになる」と、Airbusも「地政学的混乱が予想される状況下で、当社の顧客は消耗型及び非消耗型の協調型戦闘機への切迫したニーズを表明している」「実績のある無人プラットフォームに主権を確保可能なマルチプラットフォーム・ミッションシステムを組み込むことで2030年までに不可欠な能力を欧州諸国に提供する」と表明。

ドイツ空軍が検討しているウィングマン計画の詳細は不明で、正式な動きとして唯一確認されているのは「タイフーンEK仕様と協調可能な無人機の取得」だが、Airbusの広報担当者は「この取り組みにXQ-58Aの欧州バージョンは提案していない」「この無人機は顧客のドイツが今後数年以内に必要とする能力を提供する」「2029年という目標は欧州が自国防衛に備える必要がある重要な年だ」と説明、ベルリン国際航空宇宙ショーで公開したウィングマンとの違いについても「サイズのクラスが異なる」と述べている。

出典:EGLIN AIR FORCE BASE

つまりベルリン国際航空宇宙ショーで公開したウィングマンは「再使用を前提とした比較的高度な無人戦闘機」で、XQ-58Aの欧州バージョンも再使用可能だが「比較的シンプルで消耗可能な無人戦闘機」という位置づけなのかもしれない。

因みにXQ-58Aは米空軍が実施したCCA Increment1入札に敗れたものの、まもなく開始されるIncrement2に参加予定で、米空軍はIncrement2で調達するCCAについて「Increment1よりもシンプルで安価なものになるかもしれない」と述べており、有人戦闘機と協調するウィングマンは「特定の1タイプ」に依存しない方向だ。

関連記事:前例のないアプローチ、米空軍が開発している無人戦闘機の欧州生産を容認
関連記事:第4世代機とウイングマンの組み合わせ、英国とドイツが共同開発を発表
関連記事:AIRBUS、ベルリン国際航空宇宙ショーで無尾翼の無人ステルス機を公開

 

※アイキャッチ画像の出典:EGLIN AIR FORCE BASE

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コメント

  • コメント (5)

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    • 匿名
    • 2025年 7月 17日

    TB-2っぽい(倒れるヤシの木どこー

    5
      • T.T
      • 2025年 7月 17日

      前進翼採用しなきゃ!

      3
    • p-tra
    • 2025年 7月 17日

    実戦で証明されたアイディアとは言い難いが成功してほしいアイディアではあるね。
    先進諸国は人手不足に悩んでいるし(つってもパイロットなんて一部だけど)
    何より人が死ぬことに非常に敏感だから。
    CSISのレポートによると長距離ミサイルによる地上撃破だけで在日米軍と空自が
    半壊して戦闘機が空戦どころじゃないそうで、Gen5もいいけど安価な戦闘機
    導入したら?って提案されてたしな。
    こういう無人戦闘機+少数の有人機で行くのが正しいのかもしれない。

    9
    • ななし
    • 2025年 7月 17日

    XQ-58Aって初飛行からもう5年以上経ってるけどいつ完成するんだろうか
    XQ-67AはYFQ-42Aに発展して制式採用されてるのに

    5
      • SB
      • 2025年 7月 17日

      YFQ-42は今年飛行試験開始の予定だった気が…

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